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看護師転職の面接のときに注意したいのは、スーツやブラウスなどの服装です。企業に就職するわけではないので、「看護師の転職に服装はあまり関係ない」と考えている人がいるかもしれません。しかし、病院やクリニックなどの医療機関で看護師として働くというのは、患者さんの命を預かる「責任ある仕事に就く」ことを意味します。

転職面接において、第一印象の決め手となる服装でマイナスポイントになってはいけません。髪型はそこまで気にしなくてもいいですが、服装は重要だといえます。

面接時に服装や身だしなみが整っていれば、初対面の状態からプラスの評価を得られます。反対に服装が整っていなければ、最初の数秒でマイナス評価を招いてしまう恐れがあるのです。

面接の目的は、あなたの仕事に対する熱意や真剣さを採用側に伝えることです。せっかく訪れた面接のチャンスです。良い第一印象を与えられるように外見から準備しておくことが大切です。

中途採用でも面接の服装は冬・夏ともにスーツが基本

新卒のときとは異なり、20代後半や30代、40代での中途採用の再就職となると、面接の際にスーツ着用を問わない病院があります。ただ人が初対面の相手を判断する基準として、見た目が非常に重要です。

そのため、中途採用や再就職、アルバイト・パート、派遣の面接であってもスーツを着用するに越したことはありません。また、冬・夏どちらの季節でもスーツ着用がいいです。服装を整えるというのは、希望する病院やクリニックにあなたの入職への熱意や誠意を伝えることにつながるからです。

あなたの選んだ服装が面接にふさわしいものかどうかを判断するのは、あなたではなく、あくまでも採用側です。特に30代、40代の方であれば、人生経験を積んできた看護師だからこそ、常識ある服装で面接を受けたほうが無難です。

転職時にはスーツを着用し、まずは見た目で好印象を与えましょう。そこで、スーツを着用したほうが良い理由について簡単に解説していきます。

服装でマイナス評価を受け、看護師面接で落ちる理由

なぜ看護師の面接であるのに服装でマイナス評価を受けて、再就職試験で落ちるのでしょうか。

これについて、人は初対面で会った相手の印象を「見た目」「声の大きさや調子」「話の内容」という3つのポイントから判断します。これはメラビアンの法則といわれ、以下のように数値化されています。

  • 見た目、表情、しぐさ、視線の印象(視覚情報):55%
  • 声の大きさ、口調、話す速さからの印象(聴覚情報):38%
  • 話の内容(言語情報):7%

この法則によると、視覚、聴覚、言語の3つの情報が揃うことで、相手により良い印象を与えられるとされています。

例えば、患者さんへの「お大事にしてくだいね」という声かけを、他の仕事をしながら目も合わせず無表情(視覚情報)、しかも早口(聴覚情報)でしたらどうでしょうか。いくら「お大事にしてくださいね」と言葉がけをされたとしても、患者さんは不快な気持ちになり、この看護師に対してマイナスなイメージを残すことになります。

反対に、清潔で整った服を着た看護師が、患者さんの背中を優しくさすり(視覚情報)、穏やかな口調(聴覚情報)で「お大事にしてくださいね」といわれたらどうでしょうか。患者さんは安心感を得ることができ、この看護師に自分の看護を任せてもいいと思うことができます。

両者を比較すると、同じ言葉でも相手の受けとる印象が全く異なります。それは面接でも同様のことがいえます。

看護師面接では特に清潔感が重視されます。たとえ仕事のできる人であっても、シワのついたスーツや汚れたブラウスを着て面接に向かうと、「仕事のできない、いい加減な人だろう」と判断されるケースが多いのです。

採用側も無意識に服装などの身だしなみを重視している

見た目が重要といっても、それでも多くの転職希望者は「見た目よりも、中身で判断してもらいたい」と考えます。

採用側も求人では、「人柄などの中身を重視している」と公言しているところがあります。とくに介護施設や保育園看護師求人では人柄重視としているところが多いです。例えば、以下は横浜にあるクリニック求人です。

求人内容に人柄最重視の記載があれば、服装などは一見問題なさそうに思えます。ただ人柄重視だからこそ、スーツなどの服装を重視したほうがいいです。

面接という人生を決める大事な場面では、「スーツを着ていこう」と考えるか、「セミフォーマルでいいだろう」と妥協するかで、瞬時に新しい仕事に対する熱意の有無や人柄、誠実さが伝わってしまうからです。

参考までに、私の勤める医療機関の院長の話をします。院長は「採用は見た目じゃない。どのくらい仕事に熱意をもっているかで採用するかどうか決めている」といっていました。その言葉のまま受け取ると、面接の内容や人柄を重視して採用の可否を決めているように思えます。

しかし以前、私は院長に「昨日、来られていた応募者はどうでした?」とセミフォーマル着用で訪れた応募者の印象を聞いたことがあります。すると院長は「一生懸命さは伝わってくるんだけど、身だしなみが少しだらしない気がする。とりあえず、保留かな」という返事が返ってきました。

やはりスーツを着用するかしないかで無意識のうちに、その人の与える印象は全く違ってくることが分かります。このように応募者が採用側に与える見た目の印象は、採用の可否に大きく関わっていることが多いのです。

看護師転職での服装、スーツ選びの方法・身だしなみの整え方

面接で好印象を与える服装となると、スーツに勝るものはありません。再就職や中途採用では、「面接官にいかに好印象を与えるか」が採用への大きな分かれ目となるのです。

スーツを着て面接に臨むことで、採用側に「誠実さを兼ね備えている」「清潔感がある」「真剣に臨んでいる」という好印象を与えることができます。

看護師の仕事を遂行するためには誠実さや清潔感はもちろん、常識があり、仕事に対していかに真面目で、熱意や真剣さをもった人間であるかが重要です。まずはスーツを着用することで、あなたの仕事に対する心意気を見せることができるのです。

もちろんスーツ選びでは、「古いよれよれのスーツより、新しいスーツ」「ぶかぶか・ぴちぴちのスーツより、自分の体に合ったスーツ」のほうがいいです。

転職時の新しいスーツはどこで買う?

ただ古かったり、体形に合っていなかったりするスーツしかもっていない場合は、転職を決めた際に新しいスーツを購入しましょう。新しいスーツは安くてもかまいません。古くて体形に合っていない高級スーツより、安くても体形に合った新しいスーツのほうが好印象を与えることができます。

この場合のスーツ量販店であれば、上下セットでも3万円以内で購入できます。

私は転職面接のとき、いくつかのスーツ量販店を回ってみました。その中で私もスーツ量販店で黒のスーツを上下合わせて25,000円くらいで購入しました。

ほかにもスーツをもっていたのですが、いまの自分の身丈に合ったものを着用し、心機一転、万全の態勢で面接に臨もうと考えたからです。

このような店舗でスーツを購入したとき、以下のようなメリットがありました。

  • 安さ:安くても、新しいスーツはしわやヨレが少ない
  • 早さ:専門店は裾直しなどを迅速に対応してくれる
  • 敷居の低さ:高価なものを買うわけではなく、敷居が低い
  • プロ目線での選定:プロによる目線で、スーツ選びをしてくれる
  • スーツ特化のアイテムが豊富:着こなすためのアイテムが多い

私の場合、スーツはジャストフィットのものを選んでもらいました。しかし、ブラウスはもともと持っていた自前のものを着用しようと考えて購入しませんでした。

なお私が保有していたブラウスは綿素材のものであり、生地がふんわりとしていました。そのため、立ったり座ったりを繰り返していると、ブラウスが浮いてきて、だらしなく見えてしまうのです。以下のような感じです。

そこで購入先の洋服の青山にスーツを持っていっていき、「ブラウスが浮かないようにするにはどうしたらいいのか」と相談しました。すると以下の写真のように、1000円以下でウエスト部分にずれ防止の補整をしてくれました。

白い部分がずれ防止の補整してもらったところです。これを付けるとブラウスが上にまくれ上がってくるのを抑えられ、しかもウエスト部分がずれないので、面接時に大変重宝しました。

以下の写真は、ずれ防止を施した後の着こなしです。

やわらかい綿素材のものを組み合わせて立ったり座ったりを繰り返しても、ブラウスが上がってこなくなり、すっきりした着こなしができるようになりました。

このように、スーツを自分の満足いくようにカスタマイズできるのも、スーツに特化した店舗ならではの強みです。もしスーツを購入する必要がある場合、安いスーツでいいので新しくて自分の体形にフィットするものを購入し、良い印象を与えることが大切です。

・スーツのベストな丈はヒップライン

いままで使っていたスーツを面接で着用する場合、ジャケットの丈を鏡で確認してみてください。ジャケットのベストな丈はヒップラインの一番高いところに裾がくることです。こうすると、すっきりとしてきれいに見えます。以下の写真を参考にしてください。

ジャケットからヒップ部分が出すぎていても、隠れすぎていてもアンバランスになり、だらしなく見えてしまいます。必ず鏡でチェックして、裾の高さを確認するようにしましょう。

スーツの色は黒か紺、ストライプなら主張しすぎないものを選ぶ

またスーツの色ですが、基本は黒や紺です。ただ、30代や40代看護師といった年齢を重ねてきた人であれば「私は新卒ではなく既卒。転職以外に着る機会のないリクルート調の黒や紺のスーツに3万円もかけたくない」と思われる方がいるかもしれません。

そこでおすすめなのが、黒に白の細かいストライプが入ったスーツです。やや遠くから見ると、黒に見えるくらいのストライプです。このくらいの主張しすぎないストライプであれば、リクルートスーツには見えません。

そのため、面接以外のほかのシチュエーション(お子さんの卒業式などのフォーマルな機会など)でも着こなすことが可能です。以下に私がもっているストライプのスーツを掲載します。

また私が看護師をする以前、社会人をしていた頃に購入した黒一色のスーツも以下に掲載します。

こちらのスーツは裏地が淡いピンクなのが珍しくて気に入っています。裏地に誰も注目していないのは承知の上ですが、「さっそうとビル街を歩いて、風で裏地がちらっとみえる自分」に酔いしれることができ、大切にしているスーツです。

面接などの堅苦しい場面でなければ、ボタンを留めず裏地をあえて見せることで、黒一色のスーツでもリクルートスーツにはみえません。このようなスーツであれば普段使いにも着られるため、30代や40代看護師におすすめです。

ただ、あなたがスーツを購入する目的は、面接で好印象を与えることです。「この人はおしゃれだな」「高そうなスーツを着ているな」「裏地が素敵だな」などと思われる必要はまったくありません。

看護師の基準服はナース服です。ただスーツ姿で面接に臨むことで、あなたをみた採用側は「この人がナース服を着たら、真面目にきびきび働いてくれるだろうな」とイメージしやすくなる服装になるように心がけましょう。

看護師面接で好印象を与える女性の服装・身だしなみ

それでは次に女性看護師の面接時の具体的な服装・身だしなみについて述べていきます。女性が心得ておきたい面接のときの服装・身だしなみは以下の通りです。

髪型

そこまで髪型が重要ではないとはいっても、当然ながら伸びたパーマ、寝ぐせ、フケ、明るすぎる髪色などは面接で落ちる原因となります。

髪型としては、目にかかる前髪は左右に分けましょう。ロングヘアは後ろでキチンと束ね、清潔感を出すことが大切です。不自然な茶髪や金髪はナチュラルな髪色に染めなおしておきましょう。

メイク

たとえ素顔に自信があるとしても、ナチュラルメイクをするのが礼儀です。健康的に見えるメイクをしておきましょう。

オレンジやピンクのチークを薄く付けると顔全体が明るく元気にみえます。てかてか光るグロスや濃すぎるルージュ、香水は禁止です。アイメイクもナチュラルに行いましょう。

顔まわり

ピアスやイヤリング、ネックレスなどの貴金属は外しておきましょう。

ネイル

マニキュアやネイルアートは落としておきましょう。

シャツ・ブラウス

無地の白シャツやブラウスが基本です。フリルやレースのついたブラウスは華美すぎて、あまりおすすめしません。面接のときは一番上のボタンまで留めておきましょう。

ボトム

スカートは丈が短すぎると軽薄なイメージになり、逆に丈が長すぎるともっさりと鈍重なイメージになってしまいます。座ったときに、膝がちょうど隠れるくらいの長さがよいとされています。

なおパンツスーツでも問題ありません。その場合のパンツは、折り目がついたものを履くようにしましょう。

バッグ

大きすぎても、何も持っていなくても好印象は得られません。A4サイズの書類が入る程度の大きさのシンプルなバッグを持っておきましょう。

ストッキング

色や柄の入っていないナチュラルな色のストッキングをはきましょう。伝線したらすぐに履き替えられるように、替えを一つもっておくと安心です。

足元

黒の低めのパンプスが基本です。ピンヒールやミュール、ブーツ、サンダルは避けましょう。

男性看護師については省きますが、要は常識的な服装を心がけるようにしましょう。

セミフォーマルな服装の場合の注意点

しかし中途採用の面接であれば、「スーツ着用でなくても問題なし」と応募要項に書かれていることがあります。例えば、以下は埼玉にある訪問看護師求人の備考欄です。

スーツ着用不要であり、このような場合は普段着までとはいかなくても、セミフォーマルな服装を選択しておくほうが無難です。セミフォーマルはスーツほど堅苦しいイメージはなく、ラフな服装より良い印象を与えます。

それでは、セミフォーマルとはどのような服装なのでしょうか。男性のセミフォーマルといえば、ブラックスーツやディレクターズスーツ(ブラックのジャケットに、ブラックとグレーのストライプのスラックスを組み合わせたスーツ)が基本です。

一方で、女性のセミフォーマルは定義が難しく、「これがセミフォーマル」という服装はありません。実はこれが面接で厄介な点なのです。

自分ではセミフォーマルだと思っていても、採用側からすれば「なぜ面接という大切な場に、このようなラフな服装できたのだ」と思われることがあるからです。

女性のセミフォーマルは一般的には、テーラードスーツといわれるものになります。テーラードスーツとは、ジャケットの上着をスーツよりは若干カジュアルにアレンジしたものです。こちらもスーツ量販店のほうが種類は豊富であり、以下のような店舗で安価なものを手に入れることができます。

以下がテーラードスーツ売り場になります。

テーラードスーツでイメージしやすいのは、OLが仕事中に羽織っているタイプのものです。フォーマルなスーツと比較すると、普段着にも合わせやすい素材や色使いになっているのが特徴です。

テーラードスーツは光沢のない生地が使われていることが多いです。また、ジャケットとパンツの上下で色が異なっている場合もあります。

このようなテーラードジャケットであれば、スーツのように肩パットが入っていないものが多いため、やわらかめの印象を与えることができます。

テーラードスーツであれば、参観日や懇談会などフォーマルな会に参加しなければならないプライベートでも使いまわせ、私服とコーディネートしやすいのが特徴です。このようなテーラードスーツを選ぶ場合、上下で色は異なるとしても黒か紺といった同色・同素材のものでまとめるほうがすっきりみえます。

ただフォーマルなスーツより、セミフォーマルな服装のほうが選ぶのが難しい傾向にあります。人によっては前述の通り「服装がセミフォーマルではない」と見解が分かれてしまうことがあるからです。

できれば複数の人に、選んだセミフォーマルな服装をみせて、「この服装で就職面接を受けに行こうと思うけれど、印象としてはどうだろうか」と確認を取るといいでしょう。

看護師の求人面接では第一印象で好印象を与える

看護師転職の面接では、まずはスーツ着用が必須です。スーツを着るほうが「礼儀をわきまえた常識ある人」と高評価を得ることができます。

スーツは安くてもいいので体形に合った清潔感あるものを着こなすことで、さらに印象が良くなります。そうなると自信につながり、背筋もよくなります。外見を整えることは、気持ちを積極的に変えることにもつながるのです。

転職において、自信や積極性に乏しい人は採用されません。まずは外見に自信をもって、転職に臨めるように行動しましょう。

面接でのスーツ着用は、自分で事前準備できる一番簡単な方法です。服装から採用側にあなたの熱意や誠意を示し、好印象を持ってもらうことが採用につながる一歩となるのです。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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