「派遣看護師は看護師としての良いとこ取りの働き方をしている」と思い「正職員での働き方を辞めて派遣看護師になりたい」と考えている人は多くいます。

しかし派遣看護師としての働き方を選んだとしても、それが満足する方向に進むとは限りません。「こんな働き方ではなかった」と派遣看護師に転職したことを後悔する人が存在するのも確かなのです。なにかのトラブルに巻き込まれ、あなたの思い描いていた派遣看護師としての働き方が行なえない可能性があるのです。

どうして、このような事態に陥ってしまうのでしょうか。そこで今回は派遣看護師として起こりうるトラブルについて取り上げ、「どのようにすれば派遣看護師として転職で成功するのか」についてお話していきたいと思います。

派遣看護師の転職で起こりうるトラブル

派遣看護師が転職を行なう際、想定されるトラブルについて解説していきましょう。派遣看護師に起こりがちなトラブルの原因としては、希望に沿わない仕事内容や事前説明とは異なる契約内容、人間関係などが挙げられます。それでは一つずつ詳しくお話していきます。

人材派遣会社があなたの条件に合わない求人ばかり紹介する

あまり質の良くない人材派遣会社ですと、あなたがいくら「どのような雇用条件で働きたいか」を告げたところで、希望に沿わない求人を紹介される場合があります。

そこでまず、人材派遣会社がビジネスとして成立している仕組みについてお話ししましょう。

例えば、派遣看護師の求人欄に時給2,000円と掲載されているとします。その場合、看護師が受け取れる金額は時給2,000円なのですが、人材派遣会社は時給2,000円に20~30%上乗せされた金額2,400~2,600円を派遣先の病院や施設から受け取っていることになります。

時給2,000円の人が1日に8時間労働したとすると、人材派遣会社には1日に3,200~4,800円の儲けが発生することになります。もしその看護師が月に20日で3ケ月間、派遣先の病院や施設で労働を行なうと、3ケ月で200,000~300,000円近くの報酬を手にすることができるのです。

しかし、雇用期間が2ケ月以上で勤務時間が月120時間以上(週30時間以上)の派遣看護師であれば、人材派遣会社が社会保険などの経費を人材派遣会社が手にする報酬の中から負担しなければなりません。また人材派遣会社が交通費を負担するといったところもあります。他にも広告費や労務管理費などもかかるため、人材派遣会社の商売は薄利多売といった側面をもっています。

したがって、利益の前提となる「売上」を伸ばすためには、一つでも多くの派遣契約を結び派遣先からの報酬を手にする必要があるのです。

そのためため人材派遣会社は、すぐにでもあなたと派遣契約を結んで派遣先で働いてもらい利益を増やしたいという現状があります。人材派遣会社の利益ばかりを考えている担当者であれば、もしあなたの希望に沿った求人が手元になかったとしても、条件に沿わない別の求人を紹介して契約をせまることがあります。

もしあなたが登録した人材派遣会社が、あなたの希望する条件とは全く異なる派遣先を何度も紹介してくるようであれば、担当を変えてもらうか。その派遣会社とは距離を置いたほうがよいでしょう。

人材派遣会社のスタッフは、一見すると看護業界の派遣の仕事のことについて何でも知っているようなそぶりをみせることがあります。そのため人材派遣会社のスタッフの言葉を聞いていると「この求人を断ったら自分に合う仕事はもはやないのではないか」と考えさせられるときがあります。

しかし決してそんなことはありません。もし条件に見合った派遣先でなければ、働き始めて一番困るのはあなたです。冷静に判断してから派遣先を決めるようにしましょう。

最初に行なった説明と異なる契約内容だった

そしてさらに質の悪い人材派遣会社ともなると、派遣先の病院への最初に行なった契約内容と、実際に働いたときの業務内容が異なる場合があります。

例えば、社会保険にいつ加入するのかといった時期や労働時間や有給休暇の消化についての取り決めを事前に人材派遣会社の担当と調整したにもかかわらず、派遣先にそのことが伝わっていないなどです。

派遣契約を行なう際、「就業条件明示書」(1週間以上の派遣契約について人材派遣会社が発行する、就業条件を明示した書類)などで、どのような業務内容を行うのかについて教えてもらいます。その内容で良ければ、契約を締結し、派遣を開始します。

しかし派遣看護師として就業をスタートした後で、就業条件明示書に記載されている契約内容と実際の業務内容が違っていた場合、これは契約違反に当たります。

よく起こる事例としては、「時間外の朝礼や会議に参加を強要される」「サービス残業を頼まれる」「6ケ月以上勤務したにもかかわらず有給休暇がもらえない」などです。

このような事態が起こった場合は、すぐに人材派遣会社の担当者に連絡をすることが重要です。

このトラブルが発生してしまう多くの原因は「派遣先のスタッフにまで派遣契約内容の詳細が行き届いていなかった」ことが多いです。これから先は人材派遣会社と派遣先との話し合いになりますので、今後の対応を見守るようにしましょう。

どうしても時間外の朝礼や会議に参加が必要となれば、時間外手当が支給されることになります。会議などに参加するのであれば、その分の時間外手当が付いているか確認しましょう。

もし、人材派遣会社になんらかの落ち度があって起こったトラブルであれば、「今後同じような問題をどのように再発させないようにするか」について防止策を提案してもらい、二度と同じようなこと発生しないように配慮してもらうことが大切です。

万が一、人材派遣会社の担当者に相談しても、返答がなかったり、回答が曖昧だったりする場合は、派遣雇用契約書に記載してある派遣元(人材派遣会社)の責任者に直接連絡して、今回発生したトラブルについて伝えることが肝心です。自分の身は自分で守るようにしましょう。

人間関係で困ったときに人材派遣会社が助けてくれない

派遣看護師の中で、よく起こる問題がやはり人間関係です。なにか人間関係で困ったときに、派遣会社に相談したにも関わらず、「よくある人間関係のトラブル」として派遣会社は救いの手を差し伸べてくれないことがあります。

派遣看護師は雇用期間が限られているため、割り切った人間関係で付き合えるという側面がある一方、派遣先のスタッフの中には、悪質な方法でわざと人間関係のトラブルを作ろうとしてくる人もいます。

例えば、正職員のスタッフ同士では苗字で「〇〇さん」と呼び合うのに、派遣看護師には苗字で呼ばれず「派遣さん」という言い方をされたり、忘年会や新年会、送別会にはこれ見よがしに派遣看護師だけ誘わなかったり、といったことが起こるのです。仕事上での良好な意思疎通が図れず、患者さんに対しても悪い影響をもたらすトラブルに発展しかねません。

そのような職場では派遣看護師だけでなく、職員同士でも人間関係で揉めていることが多いので、雇用期間が定められている派遣という立場を利用して、蚊帳の外で「大変だな」と見渡すくらいの気持ちをもつことが大切です。

しかし中には、仕事に支障をきたすほどの精神的ないやがらせを受けることがあります。セクハラやパワハラもその一例です。そのようなことが起こった場合は、事実を正確に伝えるために「いつ」「どこで」「だれが」「なにをしたか」「その結果どうなったか」をメモに記載して証拠に残しておくことが大切です。

そのメモをもとに派遣会社に相談し、穏便に解決してくれるよう調整してもらうようにしましょう。メモなどの証拠があるほうが、口頭で事情を説明するより説得性が増します。

それでも人材派遣会社の担当者が助けてくれないときは「派遣元(人材派遣会社)の責任者に直接相談する」と担当者に伝え、派遣元の責任者に直接相談するようにしましょう。

できれば人間関係のトラブルは穏便に済ませたいところですが、あまりにもひどい嫌がらせには、潰される前に対策を講じ、自分の身は自分で守るよう心がけることが大切です。

他のトラブルが起こった際の相談先

派遣先で、他にもトラブルが起こることは考えられます。そのような場合、自分だけで問題を抱えて我慢して働き続ける必要はありません。人材派遣会社が動いてくれないようであれば、他にも相談先があります。

下記のような公的な専門機関がありますので、第三者の専門家の意見を聞いてみるとよいでしょう。

管轄のハローワーク(公共職業安定所) … いま行なっている業務が「派遣法違反」であるかどうかの判断を行なってくれます。また、都道府県には派遣社員の相談役として「労働者派遣事業適正運営協力員」というスタッフがいることもあります。こちらのスタッフに専門的な意見を聞いてみるとよいでしょう。詳しくはハローワークに問い合わせてみてください。

社会保険事務所 … 健康保険や厚生年金に関するトラブルについての相談に乗ってくれます。

労働基準監督署 … 全国の都道府県に設置されており、賃金や勤務時間、休日、休暇、安全衛生など「労働基準法」に関するトラブルについて相談に乗ってくれます。

雇用均等室 … セクハラ、女性差別、育児介護休業などの相談を受けて付けています。

労働センター(東京では、労働相談情報センター) … 労働に関するさまざまな相談に乗ってくれます。

派遣看護師のトラブルを防ぐ方法とは

人材派遣会社や派遣先でのトラブルを未然に防ぐ方法についてご紹介します。その方法とは人材派遣会社の言いなりになるのではなく、自分の希望に合った派遣先についての情報を収集することです。派遣先のプラス面もマイナス面も必ず聞き出すようにしましょう。

当たり前のことかもしれませんが、派遣看護師でトラブルになりやすい原因は、「人材派遣会社の担当者にいわれるがまま、派遣先の仕事内容などを詳しく聞かないで働き始める」ことで起こります。

担当者に教えてもらった多くの情報の中で、自分に合った求人を主体的に選ぶからこそ「担当者に派遣先を無理やり勧められたのではなく、自分が選んだ職場だ」と納得して働くことができるのです。

派遣看護師の求人で時給が高いところは、「正職員が集まらない」といったそれなりの理由(例えばハードワークなど)があることが多いです。「それを納得したうえで働くのか」、それとも「ただ高時給であるから働くのか」では、入ってからのギャップに大きな違いが生じます。

「忙しい」などの仕事内容に納得したうえで働くのであれば、多少のマイナス面には目を閉じることができます。

もちろん派遣看護師として働く場合、勤務先の病院や施設が自分に合わないと感じたら雇用期間が終わった段階で、次の契約を更新しなければいいのです。事情次第では途中で契約を解除することもできます。

しかし途中で契約を解除してしまうと、あなたの社会人としての信用が落ちるだけでなく、人材派遣会社が次の派遣先をなかなか紹介してくれない事態に陥ることも予想されます。

そのため、あなたの立場でものごとを考えてくれる質のよい人材派遣会社を見極める必要があります。人材派遣会社は複数登録し、できるだけ自分が伝えた条件に合った求人を紹介してくれる担当者に巡り合うことが大切となります。

おススメの看護師人材派遣会社

そこで私がおススメする信頼できる看護師人材派遣会社を紹介したいと思います。

もちろん人材派遣会社といってもお互い人間です。人材派遣会社の担当者によっては、あなたと「合う」「合わない」が出てきます。そのことを考慮し、複数の人材派遣会社に登録しておき、あなたの条件に合った派遣求人情報を集めるようにしましょう。

パソナメディカル

パソナメディカルは、看護師だけでなく医師や薬剤師など医療福祉分野で30年以上も仕事の紹介を行なっている大手老舗の人材派遣会社です。50,000人以上の登録者数があり、全国エリアで多数の求人情報を保有しています。

パソナメディカルに求人を紹介してもらうことで、要件さえみたせば、パソナメディカルのほうで社会保険に加入してくれたり、6カ月以上勤務することで有給休暇をもらえたりと、福利厚生が充実しています。

福利厚生が充実しているということは、それだけ派遣看護師を「人材」ではなく「人財」とみなしており、大切にしようとする心構えが表れているということです。

派遣看護師として働くにあたって、社会保険は派遣看護師が自分で加入しなければならない人材派遣会社もあります。しかし、パソナメディカルはパソナメディカルの社会保険に加入してくれるため、社会保険の自己負担分が軽減されます。

また、雇用保険や労災保険(業務中に病気やケガをした場合に保険給付が行われるなど)、看護職賠償責任制度(医療事故が発生したときの補償など)、「ベネフィットステーション」というレジャー、レンタカー、グルメ、ショッピングなどが安くなるサービスも提供してくれています。

さらにパソナメディカルは「派遣看護師として今までの科とは異なる新しい分野で頑張ってみたい」といったチャレンジする気持ちにも対応してくれます。ここが派遣看護師として前向きに挑戦していきたいあなたにはもってこいの推薦ポイントです。

「果たして派遣で新しい分野に挑戦できるのだろうか。派遣看護師とは即戦力を期待されているから新しい分野とは無理ではないか」と思われる方もいるでしょう。

パソナメディカルには、「無料イーラーニング」や「無料セミナー」といったあなたがスキルアップをするためのサポートが大変充実しています。これらのものは、本来であればお金を支払って受講しなければならないものです。しかし、これを無料で受講できるというのは大変ありがたい内容です。

「自信がないけれど、派遣看護師として新しい科に挑戦していきたい」というあなたにとって、パソナメディカルの無料の手厚いサポートはなによりもうれしいサービスになります。

また、何らかの事情があって一度は看護師を辞めたけれど、再度復帰を考えている方にとっても、パソナメディカルは「なんでも相談窓口」をもっているので、気軽になんでも相談できるようになっています。

派遣看護師として働くことに不安を感じているあなたにとって、パソナメディカルは何よりも心強い味方となってくれるので、自信をもっておススメできます。

看護のお仕事派遣

看護のお仕事派遣とは、転職サイト「看護のお仕事」の運営も行なっているレバレジーズ株式会社がもつ人材派遣会社です。

こちらは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の関東圏内のみの求人を扱っているため、対応エリアでの派遣に興味がある方は登録必須といってもいいでしょう。

病院やクリニック以外にも、保育園や有料老人ホーム、訪問入浴などの求人を多く扱っています。

また、あなた専任のアドバイザーが親身に派遣についての相談に乗ってくれるので、派遣をするにあたっての不安を解消してくれます。アドバイザーが派遣先となる病院や施設の前任の方からの情報、離職率や雰囲気、人間関係、評判なども細かに教えてくれるので、派遣先でのトラブルも少なくなります。

「仕事と家庭を両立させたい」「プライベートを充実させたい」といったあなたの希望をアドバイザーに細かに伝えると、アドバイザーが職場探しや待遇交渉、アフターサポートまで行なってくれるので、安心して任せられる人材派遣会社といってよいでしょう。満足度も高いです。

もし関東圏内にお住まいであれば、看護のお仕事派遣に登録しておくと、優良の求人を紹介してくれる可能性が高くなります。

派遣トラブルを回避するには情報収集

派遣トラブルを回避するためには、やはり情報収集が大切です。

「派遣看護師をするにあたってのメリット・デメリット」「派遣看護師をすると決めたからには、どのようなトラブルが想定されるか」「そのトラブルを避けるためにできること」「どのような人材派遣会社を選択したらよいのか」など派遣看護師に関して、どのような情報をどれだけ集めたかによって、トラブルを回避することにつながるのです。

質の良い情報収集を行ない、それらの情報を利用し、あなたの理想通りの働き方を手に入れてください。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

注目の人気記事

・転職サイトを活用した看護師転職の体験談

看護師として活動するうえで、私自身も転職活動をしたことがあります。このときは転職サイト(転職エージェント)を利用したため、そのときの実体験や方法を踏まえ、失敗しない転職について紹介します。

管理人による転職体験記

・転職エージェントを活用し、看護師転職で成功する

看護師の転職で失敗しない方法として、必ず意識すべきことの一つに「転職サイト(転職エージェント)を活用する」ことがあります。年収交渉や勤務条件を含めすべて代行してくれるからです。そこで、具体的にどのように活用すればいいのかを確認していきます。

転職サイトの活用法

・看護師転職サイトのお勧めランキング

看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。

お勧め転職サイトランキング

新たな看護師の働き方

・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

美容クリニックへ転職する

・派遣看護師で高時給・好待遇を狙う

一つの職場で働き続けるという形態ではなく、3ヵ月や半年など一定期間だけ勤務する派遣看護師という方法も存在します。高時給を実現でき、人間関係のもつれがなく、「派遣が終わった後は長期の旅行に行く」など自由な働き方を実現できます。

派遣看護師で働く

・単発・日払いの高時給求人を探すには

「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

単発・スポットバイトで働く