「看護師から保健師に転職」となると、大学を卒業したばかりの新卒と違い、面接での態度が重要視されます。それは社会人として、いままで培ってきた態度がみられるからです。

そこで今回は保健師の採用面接で、採用されやすい態度についておさらいしておきましょう。態度を意識するのとしないのでは面接官に与える印象が全く異なります。

採用されやすい保健師の面接での態度とは

採用されやすい面接での態度とは、言い換えれば「保健師として必要な素質」といえます。保健師は主に人と関わる仕事です。もしあなたが保健師になってから関わる対象者に対して、知らず知らずの間に悪い印象を与える態度をとっていたらどうでしょうか。

そのようなことでは相手はあなたに心を開いて話してくれることはなく、相手にとって本当に必要な支援策を考えることはできません。保健師は初対面の人に対していい印象を与えられる人物でなければなりません。

保健師としての知識は保健師として採用されたあとでも仕事を通して勉強や経験からいくらでも身に付けることができますが、保健師としての素質は初めから身に付けておくべきものです。

面接のときに「あの人は素質がありそうだから採用後が期待できる」と思われて、はじめて採用されるのです。それでは、保健師に必要な素質とはいったいどのようなものなのでしょうか。ひとつずつ詳しく解説していきます。

明るく、さわやかに、はつらつとした姿勢をとる

まず、これは保健師というよりは、人としての姿勢です。暗く、目も合わせないでネガティブな姿勢をとっている人には関わりにくかったり、話しかけづらかったりします。このような人は保健師に向いていません。

面接官とアイコンタクトを取りながら、表情豊かに元気のよい態度を示すことが大切です。疲れた感じ、悪い意味での「達観した感じ、場慣れした感じ」は面接ではNGです。

ときに面接では、「(応募者の)明るく、さわやかな姿勢を崩してみよう」とする意地悪な質問をされることがあります。例えば、面接官に「積極的な性格はよくわかりました。その分、周囲とぶつかることが多かったのでは?」などといった、いわゆるプレッシャー質問といわれるものです。

このような場合でも基本は明るく、さわやかに答えることが大切です。実際、面接官からいきなりこのような質問をされると動揺してしまい、「そういう誤解は非常に心外です」などと急に否定的な態度に変わってしまう方がいます。

しかしあなたが保健師になってから関わりのある対象者は、いつもあなたに態度良く接してくれるとは限りません。対象者から否定的な態度をとられたとき、対象者の心外な言葉に対して、動揺していたり、否定的な態度をとっていたりしていたら、対象者はあなたに心を開くことはなくなるでしょう。

このような質問は、あなたの人間性を見ているのだと考えてください。どんなに自分に否定的なことをいわれても、落ち着いて面接官の意見を肯定したうえであなたの性格をカバーした答え方をするのが最適です。

先ほどの質問に対する答え方の回答例をあげておきます。

「はい、積極的であるため周囲とぶつかってしまうのではないかという点は自分でも自覚しております。看護師のときは積極性を生かして、チームリーダーを務めてまいりました。私の積極性がチームにとって重圧にならないように、相手の意見にもよく耳を傾けることを意識していました。そのおかげで、気づいたことには何でも話し合い、確認できるチームに育っていたと自負しております」

面接官の意見を肯定した上で、そのことをカバーし具体例をあげて答えることで、相手への説得性が増します。決して暗い表情にならず、前向きな印象を与えるように心がけましょう。

仕事に対する真摯な姿勢をみせる

次に大切なのは、仕事に対して真摯な姿勢をみせることです。このことは、どの職業に就くにせよ当たり前のことです。「真摯=誠実で、ひたむきであること」は保健師だけでなく、職業人として働くためには大切です。

採用側が応募者を不採用とする理由で多いのは「本当にやってやろうという気概が感じられない」場合とされています。しかも面接での質疑応答に入る以前から、面接官に「やる気がない態度」がばれてしまう人は応募者の2割程度いるとされています。

では、仕事に対する真摯な姿勢を面接官に伝えるにはどうしたらいいでしょうか。

具体的には、履歴書では一文字一文字を丁寧に書くこと、そして面接では印象をよくする努力をしましょう。面接では特に「第一印象」がカギを握っています。先ほどお話した、明るく、さわやかに、はつらつとした態度に加え、身だしなみ、服装、視線、しぐさなど「相手にどうみえているのか」を意識しましょう。

採用側にとって第一印象の決め手となるのは、話す内容よりも見え方や聞こえ方です。実はこの第一印象はその後の面接の受け答えに非常に大きな影響を及ぼしています。下記は第一印象を決める判断要素をパーセンテージで示したものになります。

① 視覚情報 : どう相手にみえているか(服装・身だしなみ・表情・視線・しぐさなど) = 55%

② 聴覚情報 : どのように話すのか(声の高さ・質・大きさ・速さ・口調など) = 38%

③ 言語情報 : 何を話しているのか(話の内容そのもの) = 7%

このことからも分かるように、実は面接で「どのような内容を話すか」よりも、採用側にあなたは「どのようにみえているのか」「どのように話すのか」という態度だけで実に93%が決まっているのです。

第一印象が良い人ですと、質疑応答のときに面接官は採用となる決め手を無意識にみつけようとします。つまり「好印象」をもった応募者に対し、面接官はいいところを拾いだそうとします。

一方、第一印象が悪い人ですと、質疑応答のときに面接官は不採用の決め手をみつけようとします。面接官は、印象が悪い応募者の受け答えに対しては粗探しをするのです。

例えば「私は前の病院で勉強会を開くなど積極的に病棟を改善する活動をしていました」という同じ発言を二人の応募者がしたとします。

明るく、はつらつとした第一印象が良い人ですと、「採用したら、もっと積極的にこのような勉強会を開いて切磋琢磨してくれるだろう」と思われます。

一方、暗く自信のなさそうな第一印象が悪い人になりますと、「この発言は本当だろうか。もし本当だとしても無理やりみんなを勉強会に巻き込むなどし、輪を乱していたのではないだろうか」と考えられてしまいます。まったく同じ発言をしているにもかかわらず、第一印象が悪いというだけで損をしてしまいます。

第一印象をよくする具体的な方法としては、面接では下記のような態度をとり、良い印象を与えることが大切です。

良い姿勢で立つ : 棒がまっすぐ背中に通っているイメージをすること。良い姿勢で立つだけでも自信がみられ好印象を与えられます。

アイコンタクトを取る : 目であなたが「保健師になりたい」という意志を伝えましょう。視線は面接官の目ではなく鼻の周辺に置くと、威圧的な印象を与えにくくなります。

明るく : 口角をあげて、「あなたに会えてうれしい」という自己暗示をかけましょう。面接官を味方にできる暗示です。

ハキハキとハリのある声で : 相手の後ろ頭くらいに届くくらいの声で、滑舌よく話しましょう。

簡潔にゆっくりと話す : 一文一文を短く、まとめてゆっくり話すようにしましょう。

これらの5つのポイントを押さえておくことが大切です。「面接官と会った瞬間に採用か不採用かの大部分が決定してしまう」と考え、良い第一印象が与えられるように意識しましょう。

面接の苦手意識を克服するには

採用されるためには、履歴書も面接も避けては通れない道です。「履歴書を書くのは嫌い」「面接は緊張するから苦手」と思っていては、採用は遠のいてしまいます。

履歴書は丁寧に書けば、いくら字が下手だとしても真摯な気持ちは伝わります。しかし、面接で緊張したくなくても「その場が重要だ」と思えば思うほど緊張してしまいます。緊張すると自分の言いたいことがうまく伝えられなくなってしまうため、「面接は苦手」と感じている方も多いでしょう。

そこで次に、面接の苦手意識を克服するためにはどうしたらいいのかをお話します。

履歴書も面接も採用を勝ち取るためには、通らなければならない道です。「面接を受けたくない」という思う気持ちが強いと、暗くこわばった表情になり、「あなた(面接官)にできれば会いたくなかったけれど、呼ばれたから仕方なく来ました」という態度に感じられてしまいます。

「第一印象が大切である」ことを知っていていたとしても、面接に苦手意識があると、たとえ笑顔で挨拶をしたとしても、面接官には作られた笑顔にみえてしまうことがあります。こうなってしまうと、面接官に良い印象を与えることができず、採用の一歩にはなりません。

そこで面接の苦手意識を克服するためには、「面接を受けることを楽しむ」よう意識してみましょう。自己暗示をかけてみるのです。

「面接官に会えて心から嬉しい。数多くの応募者の中から、私の履歴書をみて実際に会いたいと思ってくれたのだ」と思ってみましょう。事実、面接にまでたどりついた応募者はごくわずかの可能性が高いです。あなたはいままで歩んできた経歴を認められているのです。これほど面接において自信を持てることはありません。

どうせ面接を受けなければならないのであれば、「面接を楽しんで受ける心理状態で臨む」ことが、採用への第一歩になります。

そして面接の質疑応答に関しても、しっかり筋道が通るように万全の準備をしておきましょう。準備をしっかりしておくことは、心の余裕につながります。

保健師としての素質をもっていることをアピールする

面接の基本をしっかり固めることができたら、次は「保健師としての素質をもっていること」を面接でしっかりアピールしましょう。素質があるということは、保健師としての伸びしろが感じられるということになります。採用側は、応募者に保健師としての知識よりも伸びしろがある人を採りたいと考えています。

その保健師としての素質を下記に5つ示しました。

人と関わることが好き : 市町村や都道府県、企業、養護教諭などどの業種についたとしても、保健師の仕事は人と深く関わる仕事になります。相手の立場に立って、健康や生活に不安を抱える人たちの話を親身になって聞くことで解決の糸口がみえてくるのです。どの年代の人にも温かく接し、コミュニケーションがとりづらい方の話も親身に聞くことができる人が保健師に向いています。

人の役に立ちたいと常に思っている : 悩みを抱えている人の支援をするのが保健師の仕事です。誰かの役に立ちたいという気持ちがあってこそ、困難な状況にも立ち向かえるのです。

人の話を聞くことを苦に思わない : 年齢・性別・生活習慣・文化が千差万別な人と接して、相談に乗ったり、健康指導を行ったりするのが保健師の仕事です。どのような話でも聞く耳をもつことが大切になります。

観察力がある : 保健師の仕事は、ときには目にみえない問題を探っていく必要があります。小さなことでも見逃さない観察力をもっていることが大切になります。相手のちょっとした表情の変化やしぐさに敏感に気付こうとする姿勢を日ごろからもっておきましょう。

問題解決能力がある : 対象者の相談内容や健診結果から解決策を考えだし、どのように導けばいいのか考える問題解決能力が必要になります。物事の要点を押さえ、筋道を立てて考えることが大事です。

これらの5つの素質をもっているかどうか、あなた自身をチェックしてみましょう。

観察力や問題解決能力は、このことを意識して人と接しているうちに徐々に身に付けていくことのできる能力です。このような能力は、仕事を通して身に付けていきたいという姿勢をみせることが大切です。

しかし、最初から「人と関わることが苦手」「人の役に立ちたいと思っていない人」「人の話を聞くのが苦痛と考えている人」は、保健師として素質がないと判断され、採用は難しいでしょう。

できれば上記にあげた5つの保健師としての素質を履歴書や面接での質疑応答の場で面接官にアピールすることが大切です。面接官が話しているときは、しっかりアイコンタクトをとりながら聴く姿勢をとりましょう。

看護師の経験を生かした態度を心掛ける

大学を出たばかりの新卒の保健師希望者と大差がないことをアピールする人を採用することはありません。看護師としての経験が今後の保健師の活動にどう役に立てていけるのかを伝えることが大切です。

「保健師は未経験であっても、いままでの看護師としての経験や学んだ知識により、主体的に仕事をこなしていける」からこそ、採用側は看護師経験のもつあなたに期待しているのです。主体的とは、誰かにいわれる前に仕事をみつけ出し、自分の判断に基づいて行動を起こしていくことです。看護師の経験があるからこそ主体的に動けるともいえます。

看護師経験を生かした面接での受け答えに臨んでください。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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