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履歴書における自己PRとは、自分のセールスポイントを分析し、希望する病院やクリニックに自分自身をアピールすることをいいます。

履歴書の自己PRの欄は学歴や職歴などとは異なり、採用側に自分のアピールポイントを自由に売り込むことのできる大切なスペースです。

30代、40代の看護師の採用を考えた場合、採用側は履歴書のなかでも特に自己PRを重視する傾向にあります。

もちろん中途採用の採用において、看護師としての経験・スキル・実績は大切な選考基準となります。しかし、応募者の経験・スキル・実績がどれも同じで選考に迷う場合などは、自己PRを参考にします。

自己PRをみることで「あなたを採用するメリット」や「あなたを評価できる点」を他の応募者と比較し、見極めることが可能だからです。

そのため、看護師中途採用の履歴書の自己PRの目的は、他の応募者よりも優れているあなたの長所を採用側に売り込むことにあります。

自己PRの書くポイントをしっかり押さえておけば、採用側に「実力レベルはみんな一長一短だけど、この人はここが優れている」と思えるようなアピールを行うことができます。

そこで今回は、採用に対して決めの一手となる「自己PRのポイントを押さえた履歴書の書き方」についてお話ししていきたいと思います。

自己PRと志望動機との違い

まずは、自己PRと志望動機の違いについてお話ししておきます。この2つを混同して自己RPを書くと、採用側にあなたのことがうまく伝わらず、不採用の履歴書になってしまう可能性があるので注意が必要です。

最初に志望動機について説明します。志望動機とは、「希望する病院に入ってこういうことがしたい」というあなたの意思や希望を伝える、いわばプロポーズのようなものです。志望動機は「病院のこういうところが気に入ったので転職したい」といった願望にあたります。

それに対して、自己PRとは「自分にはこのようなアピールポイントがあり、あなたが望むこのようなことができる」といった自分自身を相手に売りこむための説得材料となります。

あなた自身を売り込み、採用側を説得することで「他の誰でもない、私を採用するのが最善の方法である」という採用の決心を促すネゴシエーション(交渉術)が自己PRです。このように考えると、志望動機と自己PRの違いがよくわかります。

よく自己PRと志望動機の書き方を一緒に説明している書籍やサイトを見かけます。

しかし、これらを混同して履歴書に書いてしまうと、「私という人間を採用しなければならない必要性」というアピールが採用側に伝わらず、説得が不十分になってしまうことがあります。

裏を返せば、自己PRと志望動機を混同した履歴書を見て「あなたを採用する必要は特にない」と採用側に思わせるきっかけを作ってしまうことにもなりかねません。

このようなことを防ぐためにも、「自己PRと志望動機は異なる」ということをまず念頭に置きましょう。

ポイントを押さえた自己PRの書き方

では、自己PRのポイントを押さえた書き方について確認していきましょう。自己PRというと、すぐに自分のアピールポイントを見つけて書き始めようとする人がいますが、それでは採用側にとって「欲しいと思える人材」だと伝えているとはいえません。

ではどういった場合に、採用側に「この人材が必要だ」と伝えることができるのでしょうか。それにはまず、採用側のニーズを知る必要があります。

採用側のニーズを知る

履歴書で自己PRを書くには、まず希望する病院やクリニックのニーズ(採用する看護師に求めている要求)を探ることから始めます。

採用側のニーズとあなたの長所が合致した部分を自己PRとして記入していると、採用側は「こんな人材が欲しかった」と思う可能性が高まります。

その反対に、あなたがなんとなく思い浮かんだ自分の長所を自己PR欄に羅列していても、採用側に「欲しい人材を見つけた」と思わせることは難しいでしょう。それは採用側が求めているニーズとは異なる可能性が高いからです。

希望する病院やクリニックのニーズによって、あなたが持っている長所のどの部分を、採用側にアピールするかを変えるのです。

そのためには、相手が「採用する看護師に期待している部分」を知ることから始めましょう。まず、求人広告や病院のホームページを隅々まで読んでみます。

そこには、その病院の「売り」ともいえるキーワードがあるはずです。例えば「心の通う医療」「地域に根ざした医療」といった言葉です。

そして希望する医療機関のキーワードを把握したら、過去の経験や持っているスキルなどから、そこに合致するあなたの長所を思い出し探していく作業を進めていきます。

例えば、ホームページの看護部の紹介の欄に「患者様に明るい対応を心掛けている」と掲載されているとします。

そのような場合、あなたは今までの看護経験のなかで、過去に患者さんに対して明るく対応できた経験はなかったかを考えてみるのです。また、自分の対応によって患者さんや上司に褒められた経験がなかったかを思い出してみましょう。

具体例を下記に挙げてみます。採用側のニーズは「明るい対応を心掛けた看護」です。

具体例

私は精神科の看護師として5年間勤務しておりました。この中で、患者様の感情に左右されることなく、いつも穏やかな笑顔で接することが患者様の病状の安定には大切だということを学ぶことができました。

例えばパニック障害の患者様で、死に対して異常な不安を抱いておられる方に初めて寄り添ったときに患者様に共感し、私まで不安な感情を表に出してしまったことがありました。このことは患者様の不安を一層あおり、一時的にですが疾患に前向きになっていただけないという経験をしたことがありました。

この経験から、患者様の気持ちに共感することは大切ですが、「マイナスの感情(恐怖や不安、怒りなど)には振り回されないことが看護にとって大切だ」ということを痛感しました。

そのため、いかなるときも「患者様に穏やかに前向きに対応する」ことを心掛け看護を行っています。このことを実践し続けているため、患者様だけでなく上司や同僚にも「穏やかで明るい感情の持ち主」といわれることが多いです。

自分のアピールポイントをたくさん書かない

ここで注意しておきたいポイントがあります。それは、自己PRをたくさん書いたほうが良い履歴書になると勘違いしてしまうことです。したがって、いくつも自己PRを羅列しないようにしましょう。

しかしこの方法をとってしまうと、アピールポイントが定まらないため採用側にとっては、何を伝えたいのか分からない場合があります。いくつも自己PRを書いてしまうと、採用側が欲しいと思える人材とは思われないのです。

病院のニーズに合わせたとしても、自己PRがたくさん羅列してあると、採用側にとっては単なる自慢話にしか聞こえません。

自分のアピールポイントは一つで十分です。一つを深く掘り下げて、採用側に伝えることが大切です。

また、採用側のニーズ(求める看護師像)がサイトなどからたくさん見つかった場合でも、ひとつだけを深く掘り下げて自分の長所と照らし合わせましょう。その方が、採用側としてはわかりやすい自己PRとなり、印象に残りやすい履歴書になります。

例えば、ある病院の求人広告に「コミュニケーション能力を重視」「誠意ある対応ができる方」「笑顔が素敵な方」「学ぶ意欲がある方」など多くのニーズが書かれていたとします。

あなたはこれらのうちの一つに絞り、自分に当てはまる長所はないか考えてみましょう。

「私はコミュニケーションに困ったことはないし、誠意もあるし、笑顔もいい、学ぶ意欲もある」と思ったとしても、どれかに絞った方が相手の印象に残りやすくなります。

では、自己PRを羅列するダメな例と、ポイントを一つに絞った良い例を下記に挙げてみましょう。

ダメな例

私は患者様と笑顔でコミュニケーションをとることを得意とします。また、看護師どうしの報告・連絡・相談も頻繁に行うことで、看護師として誠意ある態度を示してきました。週末には様々な勉強会に参加し、日々自分の看護技術を磨く努力をしています。

良い例

私は老年看護に興味をもって看護に取り組んでいます。前職ではコミュニケーションをとりづらい患者様のQOL(生活の質)を向上させるために勉強会に参加し、どうすれば患者様が施設で快適に過ごしてもらえるかを考えてきました。

このようなことから、私は笑顔が見られなかった患者様の笑顔を引き出すことを得意としています。

ダメな例と良い例の違いは、自分のアピールを一つに絞っているかいないかです。どちらがあなたの印象に残る自己PRだったでしょうか。

病院のニーズに合っているからといって、長所を羅列しても相手の印象には残りづらいことを理解していただけたかと思います。

多方面からアピールポイントを探す

あなたが未経験の科に転職を希望する場合などであれば、採用側のニーズに合わせた自分のアピールポイントを見つけにくいことがあります。希望する科との接点が見つからない場合では、こうした事態に陥りやすいです。

こういった場合は、採用側のニーズを多方面から探ってみましょう。そうすれば、相手のニーズとマッチした部分が見つかることがあります。

まず、採用側が望んでいるニーズをたくさん見つけ、それを一つに絞りましょう。その後、「求人側(病院やクリニックなど)が望むニーズ」に対して、自分自身にいくつか質問をつくってみましょう。

例えば、病院が求める看護師像は「職場環境を整えた質の高い看護」だったとします。

今まで環境について考えたことのない方でも、「これまでになんらかの形で、環境を考え、看護業務に取り組んできたことはなかったか」「自分なりに職場環境に工夫してきた点はなかったか」など、「環境」という言葉から多方面から自分自身に問いかけてみます。

例えば、前職の業務が希望する科とはちがう科であったとしても、環境という一面だけを切り離して考えれば自分なりにこだわってきた仕事の工夫があるかもしれません。それを思い出してみるのです。

このときのコツとしては、できるだけ具体的なエピソードを思い出すことです。

例えば、ある看護師は「看護業務を安全に効率よく行うためには環境の整理整頓が重要」と考え、常に物品の整理整頓を徹底し、ラベリングなどでどこに何があるかスタッフ全員がすぐに分かるようにしていました。

その結果、他のスタッフから「物品を探す手間が省け、無駄な動きがなくなった」「病棟が整理され、危険個所が少なくなった」と声が上がったとします。

このように具体的に何をどのようにしたのか、どのような工夫をしたのか、結果としてどのように改善されたか、その具体的なエピソードを病院のニーズとつなぎ合わせて思い出せばいいのです。

このときのコツとして「業務を効率よく進めるため、環境の整理整頓を心掛けた」だけで終わらせず、具体的な動きが見えるようなエピソードを思い出すと相手にも伝わりやすいです。

具体例を下記に挙げます。採用側のニーズは「職場環境を整えた質の高い看護」です。

具体例

私は患者様の危険を回避する職場環境を整えるためには、まずは看護師が使う物品の整理が重要だと考え、病棟の物品の整理整頓を率先して行ってきました。

空き時間を使い、各物品のラベリングなどを行いました。どこに物品を片づけるかスタッフに周知してもらうことで、物品が出ていることがなくなり、廊下などに物品が置きっぱなしになっていることがなくなりました。

この活動は、スタッフの無駄な動きを減らしただけでなく、病棟内の環境を整えることにもつながりました。私が率先して行った環境調整が患者様への安心安全な看護にも通じることができたと自負しております。

第三者からの誉めの言葉を思い出す

具体的なエピソードが思い浮かばない場合は、第三者からもらった誉めの言葉を思い出してみましょう。

自分の良さとは、案外自分では気づきにくいものです。また、自分ではできて当たり前、やって当たり前と思っていたことが意外と当たり前ではなく、あなただけのアピールポイントである場合があります。

例えば、求人を出している病院のニーズが「患者さんの立場に立ち、安心される看護を提供する」だとします。

このとき、患者さんや上司から「相手の立場で看護を行い、誉められた経験はなかったか」「そのときどんなことを言われたか」を思い出してみましょう。大げさなものでなくてもいいです。

上司から「あなたのおかげで病棟の雰囲気がなんとなく和やかに変わった」、患者さんから「あなたがいてくれたから明るくなれた」、同僚から「仕事が早くて助かる」などのような、さりげない誉め言葉でいいのです。

その誉め言葉は、どのような場面であなたがどのような行動をした結果、言ってもらったのかを思い出してみましょう。そこにあなたのアピールポイントが隠れていることもあります。

具体例を挙げてみます。採用側のニーズは「相手の立場に立った看護」です。

具体例

入院当初に不機嫌であった患者様を笑顔にするのが私は得意です。退院時に、患者様から「つらく当たったのに、気を配ってくれてありがとう」と感謝の言葉をいただくことがあります。これが私の日々の看護業務の励みとなっております。

このことは、私が看護師として常に「私がこの患者様だったらどうだろう」と考え、自分ならこうしてほしい、自分の気持ちを受け止めてほしい、寄り添ってほしいと思うことを実践してきたからだと考えられます。

病気に対して不安になっている患者様の気持ちを理解し、看護を実践するのが私の看護の特徴です。

仕事へのこだわりを思い出す

最後に自己PRを考える手段として、自分なりの仕事のこだわりはないかを考えてみましょう。あなたは当たり前に行っていることでも、周りを見渡せば、当たり前ではないことも多くあります。それを採用側のニーズに合わせて練りだしてみるのです。

例えば、私の友人で外来業務を行っている看護師には、「どんなに忙しくても患者さんには笑顔で接する」というこだわりを持っている人がいます。

どんなときも笑顔で接する理由は「患者さんは自分の病気で不安になっているのに、看護師が笑顔を見せないともっと不安になる。だから私はいつも笑顔を絶やさないで仕事をする」と言っていました。

ここに彼女の人間性が見えてくるのではないでしょうか。

このような「仕事へのこだわり」にも、その人ならではの良さ、アピールポイントが隠れている場合があるので深く掘り下げて考えてみましょう。

具体例を下記に挙げてみます。病院のニーズは「笑顔で接する看護」です。

具体例

私は、どんなときでも患者様に明るく向き合うことを心掛けています。病気で落ち込んでいる患者さんに、私の看護を受けることで少しでも前向きに病気と向き合えるよう心配りを怠ったことはありません。

そのため、頭ごなしに患者様に「~したらいけない」などの否定的な言葉は使わず、必ず「~する方が良い」など肯定的な言葉を意識的に使い、患者様の気持ちを第一に考えるように気を付けています。

私と接した患者様は「あなたのおかげで気持ちが楽になった」とおっしゃってくれる方が多くいらっしゃるように思います。

ニーズの言葉はそのまま使わない

具体例を見てお気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、病院のニーズをそのまま自己PRに書くのではなく、言葉を変えて応募先のニーズと自然なつながりを創作しましょう

相手の好みに合わせたのではなく、あなたの長所が自然と相手の好みに合ったと採用側に思わせることが大切です。

今までに挙げた具体例から、採用側のニーズと自己PRでキーワードを変えて使った言葉について例を挙げておきます。

・採用側のニーズ「明るい対応を心掛けた看護」→自己PR「穏やかに前向きに対応する」

・採用側のニーズ「環境を整えた質の高い看護」→自己PR「危険を回避する環境を整える」

・採用側のニーズ「相手の立場に立った看護」→自己PR「気持ちを受け止め寄り添う」

・採用側のニーズ「笑顔で接する看護」→自己PR「明るく向き合う」

採用側のホームページに掲載されているキーワードをそのまま使うと、言葉をそのまま引用したと思われてしまうことにもなりかねません。自己PRでは使用する言葉を変えて、自然な流れで採用側のニーズとマッチングさせるようにしましょう。

採用される自己PRとは

以上いろいろな自己PRの書き方を述べましたが、どのパターンであっても、大原則として「応募先のニーズにマッチさせること」を忘れないようにしましょう。

自己PRだからといって、好き勝手に自分の強みやアピールポイントを書くと、利己主義、わがままだと思われてしまう危険性があります。

応募先のニーズにあなたの長所をマッチさせ自己PRを行うことで、採用側に「まさにあなたみたいな人材が欲しかった」と思わせることが可能なのです。

自己PRによって同じレベルのライバルと比較したときに、「あなたは何が違うのか」を明確にしましょう。つまり、応募先の視点から「あなたの強み」を具体的に伝えることが大切です。

上記で記した一歩踏み込んだ自己分析を行い、履歴書の自己PRでライバルと差をつけてしまいましょう。そうすれば、希望する求人先へ転職できるようになります。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

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