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あなたが中途採用の看護師転職を志しているとしたら、面接の場面で必ずといっていいほど聞かれることのひとつに「看護師としての経験やスキル」があります。

これはもちろん、採用側があなたの経験やスキルを知ることで、希望する病院(クリニック)の看護師として採用された場合、どのような貢献ができるのかをイメージするためです。

さらには、面接のときにこれまでの経験を尋ねることで、あなたが看護師として「どのような看護観をもって歩んできたのか」も把握できます。

しかし、もしあなたに看護師としての素晴らしい経験やスキルがあったとしても、それを採用側にうまく伝えることができなければ、それは不採用につながる可能性があります。

また反対に、看護師としての経験やスキルが少なかったとしても、伝え方によっては看護師としての潜在能力に気づいてもらえ、採用される可能性が高くなることにもなります。

そこで今回は、あなたの看護師の経験やスキルを採用側にうまく伝えるために知っておきたい、質問の裏側に隠された採用側の本音についてお話ししたいと思います。採用側の本音を知ることで、採用されやすい回答が頭に浮かびやすくなります。

「前職の仕事内容は何か」の本音と回答例

「以前の職場ではどのような仕事をしていたのか」に関する質問について、採用側の本音は以下の通りです。

採用側の本音

どの程度、即戦力として使えるか。

この病院(クリニック)で役立つスキル・経験・適正はあるのか。

面接において、あなたがこれまで経験してきた看護師としての仕事内容を説明することは、志望動機や退職理由と並んで定番の質問のひとつといえます。履歴書や職務経歴書に前職の仕事内容を記載していたとしても、面接時にも再度聞かれることが多いでしょう。

そこで採用側の本音を知り、事前に準備しておくことで、面接時の安心材料のひとつとなります。

前職での仕事内容を聞くとき、採用側の本音は「あなたが応募先の病院(クリニック)で即戦力になるか」を見極めたいということです。そのため、あなたが実際に経験してきた具体的な仕事内容を採用側の病院やクリニックのニーズに合わせて、説明することが大切です。

このような質問をされたとき、避けたい言い回しは次のようなものです。

「いろいろしてきましたので、ひとことでは説明が難しいのですが……」という回りくどい答え方です。これでは、結論がなにか把握できません。

また「小さなクリニックでしたので、いわば何でも屋として、掃除から看護業務まで幅広くやっていました」といった漠然とした説明もまた、なにをしてきたのか採用側に伝えられていません。これらの回答は、不採用になる可能性が高くなってしまいます。

つまり、単に経験年数や大ざっぱな業務を相手に伝えたとしても、採用側にはあなたの看護師としての実力は把握されないのです。

ひとくちに「看護師として小児科で3年間、内科で5年間ほど勤務してきました」などと言っても、病院ごとに労働環境が異なるため、具体的な仕事内容を言わなければ相手には伝わらないのです。

このようなことから、例えば前職と同じ科に転職希望だとしても、その科で何をどのように行ってきたのか、あなたの看護観も含め、仕事内容を応募先の求人(病院、クリニックなど)のニーズと照らし合わせて、具体的に説明することが大切です。

それでは、看護師としての経験がある場合と、未経験の分野に応募する場合、経験が少ない場合にわけてお話していきましょう。

看護師としての経験を積んできた場合

経験を積んできた人は、簡潔な応答を心掛けるようにすることが大切です。

経験がある人にありがちな、不採用になりやすい回答があります。それは、自分の幅広い経験をアピールしようと「あれもやってきた、これもできる」などと無選別に伝えることです。

また、自分なりの工夫や実績に対する職場の評価などをまとまりなく、長々と話すのも考えものです。長くても40~50秒で話せるように準備しておきましょう。

面接の質問において、看護師の経験がある人の受け答えは、意識してピンポイントに行うことが大切です。要は、話す内容を一つに絞るのです。

前職の仕事内容を伝えるには、応募先の病院やクリニックが求めている業務内容と似ている点に焦点を合わせ伝えると、即戦力になることを採用側に把握してもらえます。

まずはあなたの経歴をまとめた話をし、採用側にあなたの経歴に興味を持ってもらうことが大切です。

例えば、以下のような内容になります。

回答例(同じ科のある病院に転職を希望する場合)

私はA病院で脳外科、小児科、消化器内科で14年勤務してまいりました。その中でも、ここ8年間は消化器内科に従事してきました。勤務内容としては、外来から検査、病棟勤務まで勤めてきました。

特に、上部内視鏡検査や大腸内視鏡検査においては、医師の補助業務をおこない、年間200症例以上携わってきました。内視鏡勉強会なども開催し、医師と看護師の連携を大切にしてきました。

そのため、御院の最新技術を用いた内視鏡検査や内科業務に関して大変興味を持っています。

未経験の分野に応募する場合

未経験の分野に応募しようとする場合、いくら前職で立派な経験があったとしても、評価されにくいのが現実です。希望する病院の仕事内容を整理し、必要とされている基礎スキルや適性、役立つ経験に焦点を当てた説明を心がけましょう。

たとえ未経験の科であっても、採用側は看護師としての経験よりも「素質」をみている場合があります。そのため、あなたがいままでにした経験の中から何を得たのか、何を貢献したのかを言うと、採用側に好印象を与えることができます

このときの回答例としては、以下のようになります。

回答例(内科から外科への転職を考えている場合)

私は看護師になってから、いままでずっと病棟の内科で勤務しておりました。

私は内科看護師をやってきましたが、患者さんの早期離床を目的として環境調整委員会に加わり、会員として活動してきました。リハビリ科の看護師や理学療法士などとチームをつくり、主に早期離床のための環境調整やリハビリ促進を計画的に行う活動を行ってきました。

この委員会を立ち上げてから、1年で院内での早期離床率が5%改善されたことが認められ、院内にて表彰された経験をもっています。

こうした経験からオペ後の早期離床における看護のかかわりの重要性を実感することができました。また、早期離床をすることで患者さんの笑顔を早く拝見することができるため、看護の達成感も同時に得られました。

御院は早期離床に大変尽力されているとお聞きしております。そこで今後は御院で外科の看護師として転身し、多くの患者さんのために尽力していきたいと思います。

看護師の経験が少ない場合

看護師の経験が少ない場合も未経験の分野に応募する場合と同じです。

面接では希望する病院やクリニックで役立つ基礎スキルや適性を伝えることが大切です。

看護師としての基礎スキルとは「患者さんの目線にたって看護が行えるか」といったものです。これは、経験を積んだ看護師であっても、できていないことがあります。

また、看護師の適性とは「あなたの性格や性質が看護師として適しているか」ということです。例えば、私生活で思うように物事が運ばずイライラしていたとしても、仕事となると患者さんの前では明るく、元気にふるまえるかといったことです。

看護師としての経験が少なかったとしても、以上の基礎スキルや適性を採用側にうまく伝えることができれば、短期間で戦力に加わる人材としての期待値が高まります。つまり、経験に不足があれば、それを補う基礎スキルや適性をプラスして伝えればいいのです。

経験が少ないからといって、ここで避けておきたいフレーズは「半年で退職してしまった」や「内科経験しかない」といったネガティブな言い回しです。

経験が少ないにもかかわらず書類選考を突破した理由は、採用側としては「在職期間や経験不足はともかく、看護師としての適性や潜在能力はもっているのではないか」と期待して、あなたに会いたいと思ったからです。

そのため自分にある程度の自信をもち、ネガティブな表現はできるだけ使わないように心がけましょう。

看護師経験が少ない人の回答例としては、以下のようなものがあります。

回答例

看護師として1年間、呼吸器外科に勤めていました。そこでは、主に肺がんの患者さんの急性期から慢性期にかけてのケアをおこなっておきました。

放射線療法をされる患者さんのケアを担当することが多くありました。放射線治療をすると、QOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)が下がってしまう患者さんがいらっしゃいます。

そこで、私が担当した患者さんの声には必ずどのような悩みを持っていて、何を不安に思っているのかを注意深く聞くようにしていました。そして、時間を見つけて手浴や足浴などを行い、QOLを下げない工夫を心掛けていました。

御院の患者さんは、ご高齢のため自分の意思をうまく伝えることができない方が多くいらっしゃいます。コミュニケーションがうまく取れないからこそ、患者さんの想いに寄り添い、QOLを下げない看護を実践していきたいと考えております。

「大きな失敗をしたことはあるか」の本音と回答例

次に、看護師として失敗の有無を尋ねられた場合の本音と回答例についてご紹介しましょう。

採用側の本音

仕事に対する問題意識の高い人間か。

看護業務に対する責任感をもっているか。

看護師業務の失敗に関する質問は、もともとは看護への取り組み姿勢や問題解決力など、看護師としての基礎スキルを判断する狙いでされるのが一般的です。

この質問で避けたいのは、「特別ミスをしたことはありません」や「思い当たるような大きな失敗はありません」といった回答です。なぜなら、仕事上での失敗はだれにでも必ずあるものだからです。

失敗を自覚していない看護師は、「失敗を受け止める問題意識が低い」か「責任をほかに転嫁して、自分の失敗とは感じていない人である」とみなされてしまう可能性があります。

そのため「大きな失敗はない」「患者さんの名前を間違えたくらい」などと表現すると、不採用となる回答になってしまいます。

看護師が犯してしまう重大な医療事故の多くは、ささいなミスから生じます。この質問を通し、あなたは「小さなミスであっても、大きな事故につながる可能性があることを自覚しているか」が問われているのです。

そのため、自分の失敗を「大きなミスではない」として伝えてしまうと、採用側はあなたのことを「ミスを軽く考えてしまう人」と捉え、採用ことに危惧してしまいます。

さらに、失敗談を伝えるときは、単なるドタバタ劇や苦労話に終わらないよう配慮することが大切です。失敗があったから、次にあなたはどう対処したのかを採用側に伝えることが大切です。失敗を失敗で終わらせてはいけません。

以下の回答モデルのように、失敗をどう解決・克服したかに加えて「再発防止のために努力したこと」や「失敗をきっかけに業務改善に取り組んだこと」など、失敗体験を糧にした行動も簡単に説明しましょう。「失敗を糧に成長できる人間である」というアピールにつなげることができます。

回答モデル

私のミスで、患者さんを取り間違えたことがあります。

外来で、診察の順番になったので、患者さんの名前をフルネームで呼びました。しかし、その患者さんは耳が遠かったため、私と目が合ったときに自分が呼ばれたと勘違いされてしまいました。そのため本来呼ぶべき患者さんとは違う患者さんが、診察を受けたことがありました。

その患者さんの診察が終わり、受付で会計をするときに、患者さんが違うことが判明しました。誤診にもなりかねず、患者さんに対して多大な迷惑をおかけしてしまいました。

そのことは受付で気づき、検査などもなかったため、ことなきを得ました。それを機にいまでは、患者さんの名前は何度も確認するように心がけています。「目が合ったから、私が呼んだ患者さんだ」との自分の思い込みの怖さについても再認識できるようになりました。

この経験を通し、他の看護業務においても曖昧なことについては確認を行い、さらには思い込みを排除するように意識して行えるようになりました。

経験やスキルについての面接の成功ポイントとは

経験やスキルを伝える面接のポイントは、「自分はこの病院(クリニック)でどのような貢献ができるか」「どのような看護観をもってその看護業務に従事してきたか」を希望する病院やクリニックなど、求人先での看護業務に照らし合わせて伝えることが大切です。

私は30代半ばで看護師免許を取得したので看護師経験は少なく、転職は不利だと思っていました。

しかし希望するクリニックの面接では、実体験を踏まえたうえで「患者さんの目線に立った看護を行えること」を自分の看護観まで交えて述べました。そうすることで私という人間に興味を持ってもらえ、応募者12人中1人しか採用されない狭き門を突破することができました。

看護師経験が浅いのであれば、浅いなりに経験がある看護師にはできないアピール方法があります。他分野で働いた経験もまた、特定の分野ばかりで働いてきた看護師にはない目線をもって看護に取り組むことができるのです。

さらには、失敗に対してどのように対策し、克服したのかを伝えることができれば、立派なアピールポイントになるのです。

これらを活用して採用側にうまく伝えることができると、採用側は「この看護師は私たちの病院にとって貢献できる潜在的な力をもっている」と認めることにつながります。

あなたがマイナスに考えているポイントとは、実はアピールに変えることができるのです。

最初から経験が少なかったり未経験であったりすることをネガティブに考えていると、採用側はあなたの自信の無さに気づき、面接で落ちる可能性が高くなってしまいます。

看護師としての経験やスキルがある場合はもちろん、未経験や経験が少ない場合でも、希望する病院の看護業務のなかで「自分は何ができるのか」をみつけ、それを具体的に伝えることが大切です。

多くの求人の中で、あなたがその病院に応募してみようと思ったのは、「自分とこの病院に何かマッチングするところがある」と考えたからではないでしょうか。まずは、マッチングしていると思った部分を深く掘り下げ、「私であれば、この病院でこういう貢献ができる」という部分をじっくり考えてみることから始めてみましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

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「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

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