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転職の最後の砦である面接に臨む際に、採用側に「何を聞かれるのか」「どう答えるとよいのか」と不安を感じることが多いと思います。じつは、面接を突破するには、採用されやすい回答というものがあります。

採用側から問いかけられた言葉の裏に隠された本音や質問の意図を知ることで、採用されやすい回答を言えるようになります。

そこで今回は、面接時によく聞かれる「志望動機」について、採用側の本音と採用されやすい回答についてお話ししたいと思います。

※回答モデルで使っている「御院(おんいん)」は面接時に活用します。一方で「貴院(きいん)」は履歴書に使用します。転職時には「御院」と「貴院」を使い分けるようにしましょう。

「なぜ、この病院に応募したのか」の本音と回答

どこの病院でも面接の際に大体聞かれる応募理由として、「なぜ、この病院(クリニック)に応募したのか」があります。

この応募理由に関しての採用側の本音は以下の通りです。

採用側の本音

看護師として採用されれば、どこの病院でもいいのではないか。

仕事に対して基本的な理解はできているか。

もちろん「看護師の空きがあったので応募しました」という回答は論外です。

採用側に聞かれているのは「仕事内容や応募条件など似たような求人があるなかで、どうしてこの病院を選んだのか」ということです。これを明確に説明できないと、誠実さも熱意も感じられない人だと判断されてしまいます。

それでは、以下にそれぞれのパターンに分けて解説していきます。

看護師の仕事内容に興味を感じた場合

求人先の看護師の仕事内容に魅力を感じている場合、「御院の看護師の仕事内容に興味を感じて応募しました」と面接時に伝えるのはNGです。なぜなら、同じような仕事内容の病院はいくらでも存在するからです。

なぜ、この病院の看護師の仕事内容に興味を持ったのか、具体的に説明する必要があります。例えば、面接では志望動機を以下のように答えなければいけません。

回答モデル:

御院の看護師の仕事内容として、外来における医師の診療の補助だけでなく、医師が行う訪問診療に看護師が同行できる点に魅力を感じました。

私の祖母は地元で訪問診療を受け、在宅で安心して余生を過ごすことができました。家族も病院ではなく、家で看取ることができて幸せだったといっております。

御院は、地域において積極的に訪問診療をおこなっており、在宅で患者さんが安心して過ごせる基盤を作っていることに大変感銘を受けております。

私も御院の外来業務や訪問診療に携わることで、患者さんやそのご家族と深く関わり、在宅での患者さんの生活を支える一助となりたいと強く思い、応募させていただきました。

前職経験を生かせると考えた場合

また、人によっては前職の経験をより発揮できると考え、志望理由を作ることも問題ありません。ただ、「御院ならいままでの私の看護経験を生かせると思いました」という志望理由ではダメです。

面接の回答では、どういう経験をどのように生かせるのかについて具体的なコメントを加え、説得力のある話をすることが大切です。

回答モデル:

子供が病気になった際は御院にいつもお世話になっております。以前から、子供や親にまで心配りをしてくださる御院の看護師さんのご対応に好感を抱いていました。

例えば、御院の看護師さんは、病気の子供に対して自宅や学校でどのように過ごせばいいのかなど、母親が心配に思う点をいつも気さくに教えてくださいます。そのため地域において、足を運びやすく、相談しやすい病院としても有名です。

私は前職で内科や外科の経験があり、さらには母親でもあります。子供が幼少期のころは喘息発作が頻回に出ていたため、病気の子供を持つ母親の不安な気持ちがよくわかります。

それらの経験を生かし、患者さんや患者さんのご家族の目線に立ち、気持ちに寄り添いながらも専門性を発揮し、御院に貢献したいと考えたのが応募理由です。

職場の雰囲気が自分に合うと感じた場合

病院の雰囲気を志望動機にするのは、場合によっては不採用になるリスクが伴います。

求人広告でよく目にする「和気あいあいで楽しい職場」といったフレーズを引き合いに出して、そこに賛同する回答は幼稚で軽薄な印象を与えがちです。

応募する病院が働きやすい職場づくりを心がけていても、「なにかの同好会でもないのに、雰囲気の良さを期待されても困る」と考える採用者もいるからです。

また、キャリア形成を専門としている看護師転職会社でもない限り、実際に働いてみないと職場の雰囲気に関する実態はわかりません。

そこで職場の雰囲気を志望動機として挙げる場合は、「実際に職場の雰囲気が良い」ことを確認した方法をあげて、仕事に結びつけた回答をすることが大切です。

回答モデル:

応募に当たって、御院の施設を利用されている知り合いのAさんに同行させてもらい、勝手ながら御院を拝見させていただきました。

そのとき御院で、看護師さんたちが笑顔でキビキビと働く姿が印象的でした。また、ときおり声に出してお互いの仕事内容を確認しあう姿などがみられ、看護師さん同士の連携や協力体制がとれていることに感銘を受けました。

これが御院のキャッチフレーズである「和気あいあいで楽しい職場」であるのだと実感することができした。このようなことから、御院のスタッフの一員となりたいと考え、応募させていただきました。

いまより高い給与や待遇の良さにひかれた場合

看護師の転職では、年収アップを期待して求人に応募するケースは多いです。実際、給料の増加は常に転職理由の上位ですし、好待遇を求めての転職も一般的です。

ただ、基本的には、給与額や待遇の良さを志望動機として話すのは不採用になる可能性が高いです。

しかし、その背景にある求人する病院の期待に応える覚悟や能力を述べるなど、慎重に伝える工夫をすれば、率直な入職意欲としての表現にすることができます。

回答モデル:

私はいままで大学病院で心臓外科、形成外科、消化器内科を15年間、経験してきました。大学病院では認定看護師の資格を取得し、緩和ケア(痛みや呼吸困難、浮腫、倦怠感などの苦痛を緩和させるケア)に従事していました。

そのため、痛みを訴える患者さん一人一人の生活背景や症状、心理的状況に応じた看護を行うことができると自負しております。

また院内では、安全政策委員会の立ち上げに関わり、病棟における危険個所や患者さんにとって歩行困難な場所を探し、改善させてまいりました。

御院は他の求人に比べて好待遇ですが、それに見合った看護力、行動力、リーダーシップ力などに応えられる自信があるため、応募させていただきました。

志望動機の回答のポイント

面接の定番質問のなかでも、志望動機は面接選考の中核を占める質問です。「他の病院でもいいのでは……」と思わせない、その病院でなければ実現できない看護について、具体的な理由を明確に説明することが大切です。

事前に病院分析を行い、希望する病院での面接で伝えるべき内容や具体的なポイントをまとめておきましょう。

具体的にいうと、まず「他の病院とは違う、希望する病院の魅力」や「その病院だから可能な仕事や将来目標」を書いてみましょう。そして次に、あなたが「なぜそのように思ったのか」を突き詰めて、しっかり自己分析をしながら考えてみることです。

その内容を箇条書きにしてまとめておけば、面接のときに困ることは格段と少なくなります。

例えば、以下のような感じで簡単でもいいのでまとめるようにしましょう。

・A病院の魅力:医師が地域に根差した医療を実践しており、それに携わることができる

・可能な仕事:訪問診療に同行し、生活に根付いた看護を行うことができる

・自分が思ったこと:在宅で医療を受けることは本来、人が望む生活スタイルなのではないか(祖母の余生は病院ではなく、家族と過ごすことができ、満足のいく死を迎えることができた)

・自分ができること:一人一人の患者さんとの出会いを大切にしてきた、患者さんの笑顔を見ることにやりがいを感じる看護を実践してきた

もし、あなたが考えた志望理由の回答に自信を持てない場合は、ほかの求人先の面接(別の病院での面接)をイメージしてみて、その回答が通用するか想定してみましょう。

必死で考えた志望動機について、ほかの求人先でも通用する志望理由であるとするなら、それは「不採用の回答」である可能性が高いです。

「採用される回答」とは、希望する病院にしか通じない回答のことをいいます。どの病院(クリニック)でも通じるありきたりの志望動機では、相手に伝わるものがなく面接で落とされてしまうことがあるのです。

こういう志望動機は面接で落ちる

次に、よくありがちな志望動機のNGワードをあげてみました。ダメな転職理由を面接で言ってしまうと、不採用になることがあります。面接で落ちた看護師というのは、志望動機が良くないことがあるのです。

下記を参考にして、もし面接で不採用になりやすい志望動機を考えていた場合は、再度志望動機を考え直してみましょう。

以前から憧れていた科である

憧れを抱く科の病院(クリニック)へ転職すること自体は悪くはありません。ただ、大切なのは、求人先でのあなたの仕事内容について能力の有無やあなたの考え方を知りたいと採用担当者が考えている点です。

どうしてその科に憧れを持つようになり、これまでどのような努力を行ってきたか、を述べるのです。また、仕事に対して何ができるのかを具体的に話し、なぜその病院である必要があるのかを伝えましょう。

その点を省いてしまうと、仕事に対する基本的な理解ができていないと病院側に思われてしまいます。その結果、不採用として面接に落ちてしまいます。

御院でいろいろ学びたい

「勉強させていただきたい」ことを伝えるのは、看護師として働く意欲アピールのつもりかもしれません。ただ、実際は逆効果になることがあります。職場と学校は違うからです。

たとえ未経験の科や経験が少ない求人に応募するとしても、応募先の病院から指導を受けることだけを期待する発言をしてはいけません。これまでの経験から、自分なりに何が貢献できるのかをアピールしなければ採用されにくいです。

やりがいのある仕事をさがすという志望動機

他にも、面接時に「本気になれる仕事を探している」と伝えることも逆効果です。本来、やりがいとは「あなたの仕事に対する姿勢」のことを意味しています。

あなたが本気にならなければ、どれだけ条件の良い職場であってもやりがいを感じることはできません。

どんな仕事や職場であっても、自分の役割の中に意義や興味を見つけて取り組むことで得られるものがあるはずです。

それを新しい病院での仕事内容に求めるのは責任転嫁だと思われてしまいます。「やりがいを用意してくれる病院(=本気になれる仕事)」を探しているという発言はマイナスでしかないのです。

限界を感じたなど、ネガティブな回答

ネガティブなことを面接で言うのも不採用の原因になります。「ルーティンワークに嫌気がさした」「マンネリを打破したい」「もっと自分の力を試せると考えた」という回答は、前職から逃げてきた人なのではと採用者側に思われてしまいます。

面接では、「病院で具体的に何を実現したいのか」「どのような働きができるのか」について聞かれるはずです。

このとき、マイナスの発言をする人であれば、「この病院で働いたとしても同じように不平不満を漏らすようになる可能性が高い」と判断されて落とされてしまいます。

キャリアアップ、スキルアップを目指したい

さらに、「キャリアアップをはかりたい」「看護技術を磨くことで、スキルアップをしたい」なども要注意な言葉です。本人は前向きな姿勢を示しているつもりでも、それだけでは前職の退職理由にはなりません。

キャリアアップ・スキルアップをはかることは、前の職場でも可能だったはずです。場合によっては、「前の職場では評価の低い人だったのだ」と面接の場で思われてしまいます。

それを防ぐ回答としては、前の職場にはなかった応募先の病院の特徴についてふれ、それを介してキャリアアップをはかりたいと具体的に伝えましょう。

さらに、どういう分野で何に取り組みたいのかについて、目標を明確にさせておきましょう。

キャリアアップやスキルアップを志望動機にするのは、ただのマニュアル表現と思われてしまいます。印象が悪くなるばかりか、腰を据えて頑張れず、飽きやすい人と思われる可能性がでてきてしまいます。

自信があるとアピールする

面接のときにやる気があることをアピールすることも、あまり良い面接の回答とはいえません。

「なんでもやります」など、転職に際してやる気は当然の前提条件です。実際に何がやれるのかを伝えられなければ、説得力がないばかりか、ひとりよがりな無責任発言にように聞こえてしまうだけです。

この病院に勤めたいという気持ちを具体的に伝える

もし「どこの病院でも転職できればいい」と志望理由をあまり深く考えていない人がいたとしたら、その人は結局どこの病院でも不採用となってしまいます。また、採用されたとしても長続きしない確率が高いでしょう。

転職理由を具体的に考えるということは、これからのあなたの看護師キャリアの希望や目標を具体的に考えることと意味は同じです。

志望理由とは、希望する病院に採用されるためだけに考えるのでなく、転職先でなにか困難が起こったとしても、耐え抜き、乗り越える力となるのです。

面接時に「なぜ私たちの病院なのか」「あなたはこの病院についてどのような想いをもっているのか」「あなたの持っている経験は、この病院にどのような貢献ができるのか」を具体的に採用者に伝え、あなたの看護師としてのキャリアに活かしていくようにしましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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