男性看護師で転職を希望されている方は、履歴書の中でも特に志望動機をしっかり書くことが大切です。

なぜなら、男性看護師が志望動機を曖昧に書いてしまうと、入職できたとしても「男性だから」という理由で希望する部署とは異なる力仕事を主とする部署に配属されたり、看護の仕事とはかけ離れた雑用ばかりを命じられたりすることが多くなるからです。

志望動機をうまく使って、あなたが将来掲げている目標やビジョンを希望する病院に明確に表し、看護師としてステップアップしく道を作っていかなければなりません。

男性看護師は30代や40代になると家庭をもつことが多く、一家の大黒柱として経済的に支えていかなければなりません。同世代の女性看護師と差をつけていくためには、できるだけ貪欲に看護に関する資格や経験を身に付けていき、自分のポジションを確立していく必要があります。

特に男性看護師の場合、他の女性看護師と同じようにやって年を重ねていっても、自分のポジションを確立できず、自分の看護師としてのビジョンが見えてこないという一面があります。女性中心社会のなかで、どうしても同じ女性を支持し、上司になってもらいたいと推す声が多くあるといった理由からです。

自分のポジションをしっかり確立するためにも、最初のステップである志望動機を使って、「希望する病院ではどのようなことを実現したいのか」「自分は何ができるのか」を伝えることが大変重要です。

そこで今回は男性看護師が採用されやすい志望動機の書き方や回答例についてお話していきたいと思います。

採用されやすい志望動機の書き方

では採用されやすく、入職後も看護師としてステップアップしていけるような志望動機の書き方についてお話していきます。

志望動機はやる気を印象付けるために重要

志望動機が記載された履歴書は、採用側にやる気を印象付けるために極めて重要な書類といえます。

採用側が応募者を「不採用」とする理由で最も多いのは、「本当にこの病院(もしくはクリニック)でやってやろうとする気概が感じられない」と感じたときだとされています。しかも面接をする前、つまり履歴書をみた時点で「やる気がない」と分かってしまう人が約2割程度いるというのです。

履歴書をみた時点で「やる気があるかどうか分かる」ということは、字の丁寧さなどもあるでしょうが、やはり履歴書の中で大きなウエイトを占めている志望動機にポイントがあるといえます。志望動機は同じくらいの経歴の人をさらに振り分けるときに有効に使われます。

応募者の経歴にそれほど差はありません。採用側は看護学校でも大学でもどこの学校を卒業したのか、どこの部署で経験してきたのかはあまり重要ではなく、「看護師としてやる気がある人」を採用したいのです。つまり、採用されるか、採用されないかは、この志望動機の書き方が重要といえるのです。

したがって志望動機を徹底的に考え、採用側にあなたのやる気を伝える必要があります。

志望動機で採用側を安心させると採用されやすい

志望動機をみることで、採用側に「この人なら安心して採用していいだろう」と思わせることができると採用されやすいです。

あなたは今回転職を行うにあたって、「履歴書はこれでいいのだろうか」「面接での受け答えで失礼はないだろうか」などいろいろ不安に思うことがあるでしょう。

しかし実は、不安を抱いているのは採用する側も同じです。「自分の判断は正しいのか」「誰を採用するとこの病院にとってメリットになるのだろうか」と常に疑念を抱きながら、応募者の履歴書をみているのです。採用側は、この看護師を採ったばかりに患者さんからの評判が悪くなったり、職場の空気が悪くなったりしては困るからです。

裏を返せば、採用側に「この人なら安心できる。採用して大丈夫だ」と思わせることができると、採用への扉が開かれます。

志望動機は「やりたいこと」「できること」を伝えるチャンス

採用側を安心させるために志望動機に書き込みたいことは2点あります。それは「あなたが目標とするキャリアアップの具体像とそれに対する到達方法」と「あなたのキャリアアップが採用側の病院にとってどんなメリットをもたらせるのか」ということです。つまり、「何がやりたいか」「何ができるか」ということです。

採用側を安心させるためには、「希望する病院でキャリアアップを具体的にどのような方法で行っていくのか」「そのことがこの病院でどのようなメリットにつながるのか」を書けばいいのです。採用側の不安を取り除くような志望動機を書くことが大切です。

さらに志望動機とは、まさにあなたが希望する病院で「何がやりたいか」「何ができるか」を伝えるチャンスでもあります。このことは、上記の項目で挙げた「キャリアアップを行っていく方法」と「あなたを採用することによってもたらされる病院のメリット」ともいえます。

不採用になりやすい転職者の志望動機を挙げてみます。

「祖父が亡くなるときに看護師に親切にしてもらい看護師を目指しました。親切な看護師になりたいと考えています」「高齢者と関わることが好きです。そのため看護師として今後も頑張っていきたい」といった具体的な目標のない志望動機では、もし採用されたとしても、希望するようなステップアップは見込めません。

なぜなら、このような志望動機では「あなたのやりたいこと」を具体的に採用側に伝えていないからです。

採用側は、「この看護師を希望と近い部署に配属すれば、それなりに働いてくれるだろう」と考えるだけです。あなたがステップアップするためのサポートは、「本人が具体的なビジョンをもっていないので、特に必要ない」と思ってしまいます。

あなたは新卒で就職する看護師ではありません。ある程度の経験を積んで、看護師として働いてきたのです。その経験を踏まえたうえで、看護師として「これからどのように生き抜こうとしているのか」を具体的に採用側に伝えることが大切です。

そのためには、「やりたいこと」「できること」を書く必要があります。

「やりたいこと」のベースには、あなたの看護師としてのキャリアビジョンを書き込みます。具体的にどのようなことをしていきたいのか、具体的に描いた看護師像を提示しましょう。

しかしこれは自分本位のビジョンではいけません。あなたが目指す目標と採用側の病院の理念や看護目標が合っていることが必要です。志望動機の書き方で注意しておきたいことの一つに、自分の都合しか考えていないような志望動機は通用しません。希望する病院の理念や看護目標を確かめておきましょう。

「できること」は、いままで看護師として身に付けた専門性や即戦力、資格取得などの述べ方がポイントになります。採用側の関心は、あなたを採用したあと、あなたが病院や患者さんにどのくらい貢献してくれるかです。

「新たな職場環境でこの人物はどのような成果をもたらしてくれるのか」という採用側の疑問に対し、期待を上回るような志望動機の書き方をすることが大切です。

「できること」は一つに絞ってエピソードを入れる

志望動機に「できること」を書くといいといいましたが、資格取得した実績ばかりを書いてしまうと「悪くはないけれど、今一つ足りない」といった評価になることがあります。過去の成果は参考に過ぎず、「資格取得をしていくという気概が入職後に役立つか」を知りたいのです。

数多くの資格を取得した人は資格取得の欄に書くようにし、あなたの経験してきた看護師のエピソードの中から一つに絞って志望動機に入れましょう。未来の仕事ぶりを想像させる志望動機にするよう心掛けることが大切です。

自分ながらよくやったと思うことや、自分から主体的に行動して結果として残せたと思うことを一つ、志望動機に書きます。このとき、採用側の頭にそのことが思い浮かべてもらえるような書き方をすることが大切です。

そして、志望動機が「希望する病院の理念や看護目標に沿ったもの」になるように心がけましょう。あなたが書いた志望動機を採用側が読み、「これなら実際に会ってみたい」と思わせるようなエピソードを選ぶと良いでしょう。

男性看護師が採用されやすい志望動機の回答例

次に男性看護師が採用されやすい志望動機の回答例について述べていきたいと思います。

救命救急への志望動機の回答例

まずは救命救急への志望動機について回答例をあげてみます。救命救急やICUは、様々な資格取得や経験が積みやすい科であるため、キャリアビジョンがつかみやすく、男性看護師に人気の科となっています。

私は現在、呼吸器外科病棟に勤務しております。呼吸療法認定士の資格を取得したのち、呼吸器機を装着した患者様が救急の事態に陥った場合に備えて救命救急の勉強をしておりました。

しかし実際に患者様の救命が必要な事態になったとき、自分から率先して動くことが難しく、まだまだ無力であると実感しました。一分一秒を争う看護を必要とする中で、人命により深くかかわる救命処置についての知識と技術を身に付けたいと考えるようになりました。

いまの病院は二次救急病院であり救命救急センターがないため、呼吸器外科での5年という節目を良い機会だと考え、転職を決意した次第です。

貴院は高度救命救急センターとして、重篤な患者様を受け入れるための体制ができております。見学会では、救急看護の認定看護師が多く在籍し、救命看護の教育制度も整っているとお聞きしました。さらに救命救急といった一刻を争う中でも、患者様ひとりひとりの容態に合わせた看護と家族看護にまでケアされている点に深く感銘を受けました。

今後は救命救急にて、患者様にとって必要で適切な救命看護を行い、一人でも多くの命を助けられることができるように尽力していきたいと考えております。

上記の志望動機書には、前半に「できること」を書き、後半に「やってみたいこと」を入れてみました。また希望する病院が行っている見学会にも参加し、興味をもっていることを伝えています。

メンズクリニックへの志望動機の回答例

では次にメンズクリニックの志望動機の回答例についてお話します。近年、男性の美容外科としてメンズクリニックが人気となっています。男性の悩みは男性看護師が言うほうが、患者さんも気兼ねがありません。そのため、多くのメンズクリニックでは男性看護師を積極的に採用するようになってきました。そこでメンズクリニックへの志望動機の回答例をあげておきます。

私は以前、外科病棟で様々な手術前後の患者様のケアをしてきました。そこで、私は手術前後の患者様の不安を取り除くために、患者様のお話をできるだけ傾聴していました。すると女性患者様だけでなく、男性患者様も外見上の傷跡を気にする方が多いことに気が付きました。

私の担当患者様の一人が貴院に行かれ、顔にできた手術痕を消す施術を受け、私にうれしそうに見せてくれることがありました。外科で一命はとりとめたものの、手術痕を隠すようにいつもマスクをつけられ通院していた患者様が、事故前と同じ明るさを取り戻した瞬間でした。

そこでただケガを治す看護だけではなく、患者様の満足度を上げる男性美容看護に興味をもち始めるようになりました。

貴院では患者様のコンプレックスに耳を傾け、患者様の心の負担にならないように配慮した施術やプランを提供されております。最初から高度な施術を勧めることはせず、多くの治療法の中から、まずは一番シンプルで簡易な施術をお勧めすると聞きました。

私も貴院の一員となり、患者様の立場で悩みやコンプレックスを一緒に共有し、一人でも多くの笑顔を引き出していけるよう尽力したいと考え志望致しました。患者様の満足度を上げるために、研修会や勉強会も積極的に参加して、知識を深めていきたいと思います。

資格をもっていない場合でも、自分がいままでの看護を通して気づいたことが「あなたができること」になります。

メンズクリニックは雇用条件が良いことが多いですが、わざわざ志望動機に、「夜勤が少ない」「雇用条件がいい」といった内容を書く必要はありません。以前勤めていた病院の「欠点」や「悪いところ」も書かないようにしましょう。

前の病院でなんらかの満足いかない点があったから、転職を考えているのは採用側も分かっています。正直にそのことを書くより、希望する病院の良い点を書くように心がけると印象がよくなります。

整形外科への志望動機の回答例

整形外科も男性看護師が多く勤めている科の一つです。整形外科は赤ちゃんから高齢者までさまざまな年代の患者さんに対して看護を行うので、各年齢に合わせた看護が大切になります。整形外科は、患者さんが元気になっていく姿がみられる科のひとつです。やりがいを感じやすい科といえます。

私は以前、内科で糖尿患者様に対する教育担当リーダーをしておりました。糖尿患者様に生活改善を提案するものの、なかなか実行に移す方が少なく苦労していました。様々な文献を読み模索する中、「患者様を変えようとするのではなく、自分たちが変わろう」と思うようになりました。

そこでチームにそのことを伝え、患者様にこちらからの提案を話すのではなく、患者様に生活習慣を変えられない原因を聞き出し、「生活習慣を変えるためにはどうしたらいいのか」を提案していただくようにしました。そうすることで生活習慣を変えるために自主的に動く方が徐々に増え、成果として現れるようになってきました。

私はいままでの看護を通して、患者様が実際に生活習慣を変えるお手伝いをするなど、回復していく姿にやりがいを感じるようになりました。整形外科は様々な科の中で急性期から回復期まで、患者様が日々回復していく姿がみられる科です。

貴院は手術件数も豊富で、最先端の医療を行っていることで有名です。また、医師や看護師とも勉強会が多く行われ、チームで患者様の回復に全力を尽くしているとお聞きしました。

このようなことから勉強会などにも積極的に参加をし、貴院で患者様の回復に関わり、笑顔を拝見できるお手伝いをしていきたいと考え、志望致した次第です。

上記の志望動機では、できることを前半に具体的に書き、やりたいことを後半で述べています。

整形外科では幅広い年齢を対象としているため、コミュニケーション能力や整形分野での専門的なスキルを身に付けていくことが可能です。また、回復していく患者さんの姿を見てくことのできる科です。これらのことをいままでの自分の経歴と照らし合わせて、具体的に書き込んでいくと良いでしょう。

志望動機は最大のPRの場である

志望動機は履歴書のなかでも最大の自己PRの場です。能力や経歴で優劣がつけがたい場合は、採用の決め手となるのが志望動機です。

志望動機の記入では、他の病院にはない希望先の病院の魅力を伝え、「どうしてその病院を選んだのか」を書きましょう。また、「やりたいこと」「できること」を書き、「私を採用することが、希望する病院にとってもメリットになる」ということを伝え、採用側の不安を取り除いてあげましょう。

「なぜあなたを採用しなければならないのか」という採用側の不安を払拭することができれば、採用への扉は近づきます。好印象を与える志望動機を書くことで、面接のときにあなたのことを最初から低評価で判断する可能性は低くなります。履歴書で「この人はやる気が感じられる」と感じられた人を、「面接で具体的に確認する」という作業に移すのです。

もし、履歴書の書き方で不安を感じることがあれば、看護師専用の転職サイトに登録して、担当のコンサルタントから修正してもらうこともできます。転職のプロが就くことで、細かいアドバイスをもらったり、希望する病院の詳しい情報を教えてもらったりすることが可能です。

よく練りこんだ志望動機を書くことで、面接は自信をもって受けることができます。自信があると、採用もされやすくなります。そして志望動機に書いたキャリアビジョンによって、希望する病院であなたらしくステップアップしていってください。