専門看護師とは、日本看護協会の専門看護師認定審査に合格した、特定の専門看護分野においてハイレベルな看護実践能力を有すると認められた看護師のことです。

「いつかは専門看護師の資格を取得してみたい」という目標をもって、日々の看護業務に取り組んでいる看護師も少なくないのではないでしょうか。

2016年の時点で、専門看護師として認定される専門看護分野は13分野あり、それぞれの場において高い技術力を発揮する多くの役割を担うことを目的に活動しています。専門看護師には、果たすべき6つの役割(実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究)があります。日本看護協会にHPによると以下の通りです。

・専門分野において、個人、家族及び集団に対し卓越した看護を実践する(実践

・看護者を含むケア提供者にコンサルテーションを行う(相談

・必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う(調整

・倫理的な問題や葛藤の解決をはかる(倫理調整

・看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす(教育

・専門知識・技術の向上・開発をはかるために臨床の場での研究活動を行なう(研究

上記の文章だけを読んでも、専門看護師の役割をイメージしづらいと思います。そこで今回は専門看護師の資格取得方法とその役割について、事例を挙げながら実際にどのような看護を行なっているのかについてお話していきます。

専門看護師の資格を取得するには

まずは専門看護師の資格を取得する方法についてお話ししていきましょう。

専門看護師の資格取得方法

専門看護師は質の高い看護ケアの提供を行なう能力が必要であるため、深い知識と技術を修得することが必要です。年に一回、日本看護協会が専門看護師の資格認定試験を行なっています。その資格認定試験を受けるためには下記のとおり厳しい条件があります。

・日本の看護師免許を所有していること

・看護分野での実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は専門看護分野の実務経験があること)

・看護系の大学院を修了し、所定の単位26単位を取得していること(所定の単位とは、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の単位のこと)

専門看護師になるためには、看護系の大学院に通算2年間は通うことが必須条件となります。

この2年間に「仕事をしながら大学院に通う」ということは課題の量などからしてもその両立は難しく、事実上2年間は勉強に専念しなければなりません。専門の技術の習得だけでなく、卒業に向けての論文作成も必要となるため、研究を重ね続ける必要があります。そのため、仕事時間をセーブしてでも勉強時間に充てるくらいの覚悟と努力が必要となります。

これらすべての条件を満たし、年に1回の専門看護師の資格認定試験を受けます。この試験は筆記試験と面接があります。筆記試験では、総合問題・論述式問題・事例問題などが出題されます。

このような難しい試験を受け合格することで、晴れて専門看護師としての認定証が交付され、活躍の場を広げることが可能となります。

しかし苦労して取得したこの専門看護師の資格は、認定看護師の資格と同様、一生ものの資格ではありません。5年ごとに看護実績や教育活動、社会活動、研究成果などをまとめたものを提出し、更新審査を受ける必要があります。

2年間の学費や生活費などの準備が必要

仕事をしながら専門看護師の資格を取得することは困難ですので、事前にある程度の大学院に支払う2年間の学費や生活費の準備が必要となります。

私のいとこは助産師で、現在、専門看護師の資格を取得しています。自分が助産師として働きながらも死産した経験から「自分と同じ経験をした母親の気持ちに寄り添いたい」という想いをもつようになりました。そこで専門看護師を目指すために一念発起し、母性看護の分野で大学院に通いました。

しかし専門看護師の道は困難を極めました。まずは大学院に合格するための勉強です。寝る時間も惜しんで朝方まで勉強したそうです。さらに両親から大学院に通う学費を貸してもらうことにしました。後から、月々返済することにしたのです。

また、当初、大学院に通うのは2年の予定だったのですが、1年目に待望の妊娠が判明し、出産・育児のために1年休学しました。そして、育児が落ち着いてから復学を果たしました。そのため予定より長い3年間の学生生活となったのです。

この3年間は、自分が看護師をしていた給与よりも少ない夫の給料だけで生活をしなければなりませんでした。さらに出産・育児費用や休学費用、その間の生活費など予定外のお金も必要となり、400万円以上両親に借金をしてしまったそうです。

専門看護師を目指したため、経済的にはとても困った状況が続いたと話していました。

専門看護師の資格取得に積極的な病院がある

いくら本人のやる気や実力があって「専門看護師になろう」と思いたっても、2年間も大学院に通うとなると経済的に困難な状況になってしまうことが容易に想像できます。これらのことから、やる気も実力もあるのに専門看護師を諦める看護師が多くいるのも事実でしょう。

しかしなかには、専門看護師の資格取得をサポートしてくれる病院もあります

専門看護師の資格取得に積極的な病院の中には、2年間という長い就学期間にもかかわらず、研修や勉強時間を確保するための休暇をもらえたり、大学院に通学している間の固定給を支払ってくれたり、さらには大学院での必要な経費も払ってくれたりするところがあります。

上記でお話した私のいとこは、このようなサポート体制の整っていない病院に勤めていたため、自分と夫・両親の協力でどうにか専門看護師の資格を取得できました。しかし、専門看護師となった4年目のいまも両親への借金の返済が続いています。

もしあなたの勤めている病院が専門看護師の資格取得に積極的でないのであれば、専門看護師の育成に熱心な病院に転職することを視野にいれておくほうが将来的に困らない状況になります。

経済的にあまり困窮しない対策をとっておくほうが後々のことを考えると得策です。

専門看護師の資格取得での待遇や収入の変化

では専門看護師の資格取得をしたことで、その後の待遇や収入に変化はみられるのでしょうか。日本看護協会から出されている2007年の「専門看護師新規認定者の状況」の中に下記のデータがあります。

資格取得後、職位・給与の変化なし 71%
専門看護師として資格手当てがつく 15%
職位が上がり、それに伴う昇給がある 4%
職位は変化しないが昇給する 4%
職位のみ上がる 2%

このデータによると、70%以上の専門看護師は「資格取得後においても職位や給与など何も変わらない」ため、この資格は「苦労したわりに待遇や収入に変化がなく、報われない資格」ともいえます。

前述した私のいとこは、専門看護師を取得し復職した途端、任される仕事が増えたそうです。勤務時間外に、勉強会を開催したり、院外活動(学会の活動や看護研究についての作業)を行なったりするなど、大変忙しくなったといっていました。

待遇面では役職が主任となったため、役職手当として月に3000円アップしたそうです。しかし院外活動などの仕事が増えたぶん、夜勤が少なくなったため、トータルとして給与は大幅に下がったそうです。

専門看護師の資格を取得しても、待遇面で昇給や昇進につながらないのは、専門看護師の必要性を理解していない病院がまだ多くあるからです。

認定看護師も専門看護師も看護師免許のように国家資格ではなく、日本看護協会が独自につくった資格制度です。

そのため病院側からしたら「看護師側が勝手につくった資格で、レベルアップをしたから待遇を良くしてほしい」といわれても、「専門看護師の資格がどのくらい病院にとって役立つ資格か」を病院側が分かっていなければ、待遇が良くなることはありません。

もう一度、あなたが勤務する病院が「専門看護師を必要としている病院であるのか?」ということを調べてみましょう。

もし、あなたが取得した専門看護師の専門分野がいま勤務している病院での需要があり、専門看護師の力を存分に発揮することができるのであれば昇進や昇給の可能性は高くなります。稀な例ですが、なかには専門看護師の資格を取得したことで昇進し、月収で10万以上昇給した専門看護師もいます。

病院によって昇給や昇進に大きな差があるのが、いまの専門看護師資格の現状といってもいいでしょう。もし「それでも専門看護師になりたい」という強い意志があるのであれば、それなりの待遇と専門看護師を生かすための環境がある病院に勤めるべきです。やはり待遇がよくなければ、モチベーションが下がることにつながってしまいます。

専門看護師の具体的な役割とは

次に専門看護師の具体的な役割について事例をもとにお話します。

専門看護師の仕事の役割としては先ほど述べたように6つあります。もう一度どのような役割があるのか書いておきます。

看護のなかでの特定の分野で病気やけがをおった方々への高度な看護を実践する役割を担っています(実践)。

また、患者さんが円滑に療養生活を送ることができるようにコンサルテーションを行ない(相談)、サービスをコーディネートします(調整)。その他にも、患者さんが前向きに病気をとらえられるように促していきます(倫理調整)。

さらには、看護職への勉強会を主催したり(教育)、知識技術を高めるための研究にも携わったりするなど多様な仕事に関わります(研究)。

「これら6つの役割は専門看護師でなくても行なえるのではないか」と思う看護師もいるでしょう。しかし、6つの役割を大学院で専門的に勉強し研究することで、専門看護師の6つの役割を意識しながら、必要な場面において患者さんにスムーズな誘導を行なうことができるようになるのです。

以下に2つの事例をあげます。これらを読んで、専門看護師の役割について実際に知ってもらいたいと思います。

事例から検証する専門看護師の役割:事例その1

ここでは、がん看護専門看護師の資格を取得して、訪問看護ステーションに勤務しているY看護師が実際におこなっている専門看護師の仕事を取り上げ、6つの役割について具体的にお話していきます。

【事例:Aさん 40代男性 脳腫瘍】

Aさんは40代という若さで脳腫瘍を発症してから1年が経過していました。Aさんには妻と小学2年生の男の子がいます。日常生活は妻による全介助が必要でした。嚥下がうまく行えず誤嚥を繰り返し、肺炎になってしまうことが多々ありました。

Aさんは身体の動きが取れないため、何をするにも妻の介助が必要でした。そのため、奥さんだけの力では通院が難しくなり、訪問診療とY看護師が担当する訪問看護を受ける運びとなりました。

訪問看護を行なう当初から、担当医師はAさんの生命予後を考慮して胃瘻の造設を勧めていました。しかし、AさんはY看護師に「胃瘻や点滴を行なってまで長生きしたくない。自分が弱っていく姿を息子に見せたくない」と険しい表情で語りました。

Aさんの奥さんは「どんな形であれ、Aさんには生きてほしいと思っています。しかし本人が望まないのであれば、それはAさんの人生です。これ以上、私は口出しができません」と諦めているようでした。

そこでまずY看護師は、Aさん自身がどのような体験を経て、いまの考えに至っているのかを聞き出しました(実践・調整)。

Aさんはある日を境に、いままで行っていた生活上のすべての行動を妻やヘルパーなど他者に頼らなければならない生活を送るようになってしまった経緯から、自分のおかれている状況を受け入れられず、生きる希望を見失っているようでした。

そのことを踏まえ、Y看護師はAさんやAさんの家族の希望に添いながら(相談)、Aさんの自尊心を損なわせず、身体状況に合わせた「生活がしやすくなるヒント」を訪問のたびに1~2つ程度提供していきました(実践)。

またAさんには自尊心を回復させるようなアプローチを行い、Aさんの奥さんには介護の工夫を教えるとともに、予期悲嘆へのケアを通じてエンパワーメント(自分自身の力で問題を解決していく能力を身に付けること)されていくように支援を展開しました(実践)。

Y看護師が訪問するたびに、少しずつAさんはADL(日常生活動作)の回復がみられ、笑顔が増えていくようになりました。

Aさんは自暴自棄になっていた状況から、わずかに自分ができることを見つけだし、自立して生きる術を身に付けていくようになりました。そのことでAさんは前向きに人生をとらえるようになっていきました(倫理調整)。

訪問看護を始めてから数ケ月が経過した頃、Aさんは「もう少し生きてみたい。胃瘻を作ることで延命が可能なら、そのようにしたい」「妻の稼ぎに頼るのではなく、自分で働いたお金で治療を継続したい」といって自分から病院を手配し、入院し胃瘻を造設しました。

そのような折、Y看護師はAさんに「もう少し時間があったら何をしたいか」と尋ねました。するとAさんは「息子に勉強を教えたい」と答えました。(相談

Aさんはもともと小中学生の学習塾の講師をしていました。しかし脳腫瘍を発症し、塾の講師を辞めていました。その後、身体の動きが取れにくくなってくるばかりか、徐々に聴力の低下がみられ、片耳がわずかに聞こえる程度となっていました。

塾の講師であったAさんにとって、この病の軌跡は自分の存在意義のすべてを繰り返し失う体験であり、生きることの辛さや苦しさ、悲しみの連鎖となっていました。

そこでY看護師は、Aさんに残されたわずかな聴力を最大限に活用できるケアを検討しました。その一つの方法として、Aさん親子にパソコンを使用して息子さんとコミュニケーションをとる方法を提案してみました(調整)。

Y看護師はAさんに「言ったことが言葉としてパソコン上に映し出されるソフト」を紹介しました。このソフトは文字と音声を変換しあえるもので、聴覚障害の方が健聴者等との間で円滑なコミュニケーションが取れるように開発されたものです。これを利用して二人のコミュニケーションの手段にすることをY看護師は思いついたのです。

そしてパソコンを導入し、Aさんの使いやすいように工夫を施しました。

息子さんがAさんにむけて話したことがパソコンの画面にうつしだされました。

「パパ、なにかようがあったらママじゃなくて、ぼくにいってね。ぼくはいろいろできるようになったよ」

Aさんは脳腫瘍を発症して以来、久しぶりに息子さんの気持ちを聞くことができました。その画面をみたAさんは数秒間かたまり、その後頭をうなだれたまま顔を上げようとはしませんでした。

気分が悪いように見えたY看護師は、Aさんに「大丈夫か」と声をかけました。

するとAさんは「いやいや、苦しくない」「息子は、私が自分のことしか考えていなかった間も大きく成長してくれていた」「うれしい。息子の気持ちが分かってうれしい。僕は生きなきゃいけない」「僕の背中をしっかりみせて大きくなってもらいたい」と答えました。そのAさんの言葉に一同がうれし涙に包まれました。

その後も息子さんとコミュニケーションを重ねるために、息子さんが学校に行っている間も、奥さんはAさんの体調が良いときに「勉強を楽しむコツ」などのビデオを撮ったり、Aさんが作ろうとしている計算ドリルを手伝ったりしました。Aさんは息子さんにこのコミュニケーションツールであるパソコンを通じて、念願だった勉強を教えることができたのです。

在宅医療チームはAさんが万全な体制で息子さんに勉強が教えられるよう、体の調整にも努めました(実践・調整)。

このころになると、障がい者関連の制度の利用をかたくなに拒否していたAさんと奥さんの姿勢が軟化し、地域のさまざまなフォーマル・インフォーマルな資源を活用できるまでになっていました(調整)。

そして数ケ月後、Aさんは穏やかな表情で、奥さんと息子さんに別れを告げ、自宅で最期を迎えました。Aさんのベッドの横には、息子さんにむけて、たくさんの言葉を書き記したプリントがたくさんおいてありました。

遺族訪問では、Y看護師に奥さんが「家で息子と夫があんな風に過ごせるとは思っていなかった。息子は父親の後姿をみて、勉強以外にも多くのことを学んだようです。最高の父親です。ありがとうございました」との言葉がありました。

息子さんもAさんが書き記した言葉を大切にファイルし、「将来はお父さんのような塾の先生になりたい」といって以前にも増して勉強に熱心に取り組む姿がみられるようになったそうです。

Y看護師はAさんの死後、夫を失った奥さんのケア、父親を失った息子さんのケアを継続させていきました(実践)。

事例から検証する専門看護師の役割:事例その2

上記のようにすべての患者さんと患者さんを支える家族が良好な関係を築いているとは限りません。患者さんと家族の間に良好な関係がない場合にも専門看護師は介入していく必要があります。次は患者さんと家族に確執があるケースについてお話しましょう。

【事例:Bさん 70代男性 多重がん、認知症、精神疾患】

Bさんは精神疾患を抱えており、特に認知に関する障害が顕著に表れていました。暴言暴力を行なうために、若いころから、家族・近所・職場での人間関係が希薄で、独居生活を行なっていました。

数年前にがんが発見されたことをきっかけに、病院の地域連携室が疎遠になっていた娘を探し出しました。娘は幼少期にBさんから受けた虐待の記憶がフラッシュバックするなかでBさんの介護にあたっていました。Bさんは娘に介護をされながらも、受診や治療を拒否し暴言暴力を続けていました。

Bさんの担当であった行政職員がBさんの気持ちを逆なでしてしまい、出入り禁止を言い渡されてしまいました。そのためY看護師のもとに訪問看護の依頼がありました。

Y看護師が訪問看護を行なって分かったことは、娘は「Bさんとどのようにかかわっていけばいいのか」「今後Bさんの容態がどのように変化していくのか」など様々な不安を抱えていました。

娘は不安から、医師や保健センター、地域包括支援センターの相談窓口にも赴いたのですが、これといった解決方法は提示されることなく、Bさんの介護に疲労困憊の様子をみせていました。

これらの話を聞いたY看護師は、「在宅状況の確認」と「現状の打開」を目的に活動を開始しました。

最初にY看護師は、Bさんの訪問前に娘と事前面談を繰り返し、娘をエンパワーメントすることから始めました(実践)。そして徐々にY看護師に対して娘の気持ちが打ち解けてきたところで、Bさんへの訪問看護を開始しました。

初回の訪問看護からY看護師はBさんに怒鳴られました。「俺には訪問看護は必要ない。頼んでいないのに来なくていい。迷惑極まりない」などといわれました。

Y看護師はそれらの言葉を聞きながら、Bさんの関心事を聞き出すようにしました。Bさんの残りの力で何を実践することができるのかを受け入れながら聞くことで、BさんはY看護師に徐々に思いを語り始めました(実践)。

この関わりを繰り返すことで、翌週には血圧計を巻いてくれるようになりました。さらに、1ケ月を過ぎたあたりから、一年以上入浴をしていなかったBさんが清拭を希望するようになりました。そのうえ、2ケ月後にはY看護師以外の看護師とも関わりをもてるまでになりました。

そして5ケ月目には訪問介護を利用し、デイサービスに通所できるまでになりました。

Bさんが落ち着いていくようになると、Y看護師は次に娘のケアを行ないました。娘は「自分自身の健康問題」「他の家族や近所との人間関係」「Bさんにかかる経済問題」などで苦しんでいる状況をだんだんとY看護師に話すようになりました。

自己評価が低い娘に対して、Y看護師は自我を強化するように働きかけていきました。そうすることで、娘自身が関係各所と連携を図れるようになり、他者との面談を採れるようになりました(実践・調整)。

Bさんは娘とは別居しており、独居であったため、最期をどこで迎えるのかY看護師と話し合いが行われました。Y看護師はじっくり時間をかけてBさんと娘の思いをそれぞれ傾聴し、二人とも最期は自宅で迎えることで覚悟を決めました(倫理調整)。

Bさんは娘に最期を看取られました。その後もY看護師は娘のケアを継続して行っています(実践)。

専門看護師の頑張りで看護のこれからが決まる

高齢者がさらに増え、病院から在宅に医療現場がシフトするなかで、専門看護師の頑張りで、在宅の医療や看護のこれからが決まっていくのかもしれません。

上記の事例から、専門看護師は専門的な仕事でありながら、草の根的な活躍を行ない、患者さん一人ひとりに合わせた看護を実践していることが分かります

日ごろ現場の看護師が看護を一部分しかみられなくなってしまうようなところを、専門看護師がより広い視野から「この患者にとって個別に必要な看護は何なのか」を振り返ったり、看護師自身が抱えている葛藤に対して「このような看護もあるのでは?」と助言を与えられたりすることができるのも、専門看護師の役割の一つといっていいでしょう。

このような専門看護師の働きかけが看護の質の向上につながっています。1人の専門看護師が病棟でも施設でもいることで、スタッフの思いや行為・行動が言語化され、看護がレベルアップしていくという点で、専門看護師の役割は大きいといえます。

まだまだ待遇面での変化は期待できませんが、専門看護師ひとりひとりの活躍により、今後はもっと専門看護師は認められた資格になるでしょう。

「看護の現場にこの人がいるから、安心して療養生活を送れる」といわれるくらいこれからも専門看護師には活躍していってもらいたいと思います。


もしあなたがいま勤務している病院が、専門看護師の資格取得のサポート体制が整っていないようでしたら、転職を頭のスミに入れておいたほうが良いでしょう。

専門看護師の資格取得は、認定看護師よりもさらに経済的な負担が重くのしかかってしまいます。せっかく目標をもって、専門看護師の資格取得に取り組もうとしているにもかかわらず、経済的な理由が原因で専門看護師を辞退してしまうのは大変もったいないことです。

転職を考えているといっても、「どのような病院が専門看護師の資格取得をサポートしてくれるのかわかりづらい」「実際に専門看護師がいる職場ではどのような働きを実践しているのだろう」「専門看護師の資格を取得したら待遇はよくなるのだろうか」といった不安は誰にでもつきまといます。

そのようなときは効率よく転職情報を手に入れられる方法があります。それは複数の転職サイトに登録して、コンサルタントから情報を聞くという方法です。

なぜ複数なのかというと、一つの転職サイトだけだと、あなたを入職させたいために話を誇張する恐れがあるからです。かならず複数の情報を取り入れ、比較検討することが大切です。

転職サイトのあなた担当のコンサルタントは、専門看護師の資格取得や待遇面で積極的であると思われる各病院に問い合わせ、あなたの代わりに情報を収集してくれます。担当コンサルタントから教えてもらった情報の中からあなたにとって一番条件が良い病院に転職するようにしましょう。

専門看護師の資格取得にサポート体制があるのとないのでは、精神的にも経済的にも雲泥の差です。今後のあなたの活躍を応援してくれる場で、あなたの力を充分に出し切るように環境を変えることを視野に入れて考えておくほうがいいでしょう。