「いま配属されている科は自分が希望していた科ではないから、そろそろ違う科に転職したい」「看護師をしていて別の科に興味をもつようになったので、そちらへの転職をしてみたい」という看護師も多いのではないでしょうか。

しかし未経験の分野にいきなり転職をするということは、「その分野に興味があったから」というだけでは、見ることやること全てが初めてで覚えることが多すます。その結果、挫折を味わう一因になってしまうことが多々あります。

しかし、そのたびに気持ちを切り替えて挫折に立ち向かっていくことで、あなたの看護師としてのレベルはアップしていくので心配はありません。

そして、あらかじめ「未経験だけれど、この分野に必要であるここだけは勉強している」というような知識や技術があれば、それは入職後、あなたの武器(強み)として活躍させることができます。

次の転職先で役立つ資格をあらかじめ取得しておくと、採用後も資格取得で得た知識や技術を活用し、活躍することが期待できるのです

そこで今回は、転職先として人気のある「循環器・呼吸器」「救急・集中治療・手術室」「腎・透析・内分泌」といった領域について、有利となる資格とその取得方法について解説していきます。

循環器・呼吸器に転職を希望する人に有利な資格

最初に循環器・呼吸器に転職を希望している看護師が、転職前にこれらの分野に関する資格を取得しておくと、あなたの強みになるだけでなく、採用側に「やる気」を伝えることにもつながります。

「専門の領域で3年の看護経験が必要」といったような事前の経験を必要としない資格についてお話していきます。

禁煙支援士

こちらの資格は「禁煙したいけれど、どうしても喫煙を止められない人」に対してスムーズな禁煙のサポートを行なう資格になります。

「禁煙化学」に基づいた禁煙に関する知識を獲得し、禁煙をどのように行っていけばいいのか、また心理的なサポートに対するノウハウを身に付けることができます。

下記に大まかな取得条件と取得までの流れについて記しておきます。

【取得条件】

日本禁煙科学会(JASCS)の会員であること

日本禁煙科学会学術総会、講習会に参加すること(参加点:中級5点、初級2点)

【取得までの流れ】

① 講習会・試験

講習会・試験は全国で実施される(詳細は日本禁煙科学会のウェブサイトを参照ください)

② 認定申請

過去の実績レポートを提出する

毎年2月・8月に受付が行われる

初級はレポートなどが不要で、申請のみとなる

③ 認定

認定期間は5年間

④ 更新

同学会学術総会や講習会の参加をすることによって、参加点5点を獲得できる

禁煙支援士には「初級」「中級」「上級」があります。初級から中級、中級から上級へとステップアップしていくシステムになっています。

抗酸菌症エキスパート

抗酸菌症エキスパートという資格は、結核や非結核性抗酸菌症に対して適切な医療を推進する専門知識や技術を獲得した人に与えられるものになります。

基本的な到達目標としては、以下のように4つあります。

① 最新の結核・抗酸菌症の疫学、病態、検査法、臨床経過などを理解すること

② 治療法を理解し、なぜこの治療法が行われたのかが説明できる

③ DOTS(Directly Observed Treatment,Short-course:直視監視下短期化学療法)の意義を理解すること

④ 潜在性結核感染症の概念と治療方針を理解すること

【取得条件】

臨床経験が3年以上あること

生涯教育セミナーを受講すること(必須条件)

【取得までの流れ】

① 日本結核病学会に登録する

② 年一回開催される生涯教育セミナーを受講し、必要単位を取得する

③ 申請を行なう

抗酸菌症エキスパートの対象者は、看護師、准看護師、診療放射線技師、保健師、薬剤師、臨床検査技師、栄養士、管理栄養士、理学療法士などです。

呼吸ケア指導士

呼吸ケア指導士の資格は、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会が導入した認定制度です。3年以上、こちらの学会に登録していなければなりませんが、ある程度の期間を経て転職を考えている人には大変有利な資格となります。

この資格の目的は、呼吸障害をもつ方々への継続的ケアを行なうために、呼吸ケアに関する最新の基礎知識と臨床的技術を取得して地域で指導的な役割を担っていく人材を育てていくことにあります。

【取得条件】

日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の会員に3年以上登録していること

所定の研修単位(50単位以上)を取得していること

【取得までの流れ】

① 学会に入会する

② 研修単位を取得する

呼吸ケア指導士認定委員会が定めた講習会を受講する

③ 認定

認定期間は5年間有効

呼吸ケア指導士の対象者は、医師、歯科医師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士、管理栄養士、薬剤師などで、呼吸ケア領域で専門職として活動できる立場の職についている人です。

呼吸ケア指導士は2013年初めて認定されました。呼吸ケア指導士の認定者数329人中、看護師は59人です。

3学会合同呼吸療法認定士

呼吸療法の目的、理論、治療の実際など、呼吸に関して高度な専門知識をもつコメディカルを認定する資格です。呼吸療法チームの一員として、必要となる知識を習得できる資格となっています。

3学会というのは、日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会になります。

【取得条件】

看護師なら経験が2年以上、准看護師なら経験3年以上

認定委員会が認める学会や講習会などへの出席を行なう(12.5点以上の点数を取得することが必須)

【取得までの流れ】

① 講習会

3月中に申込書が配布される

4月中旬に受付が行われる

品川プリンスホテルアネックスタワーにて8月下旬から9月上旬にかけて講習会が行われる

受講料:20,000円

② 認定試験

11月中旬から下旬の日曜日に行われる(会場は東京)

受験料:10,000円

③ 認定

認定料は3,000円、認定期間は5年間

④ 更新

認定委員会に認められる学会や講習会に参加する、更新のための講習会への出席など(50点以上必要となる)

講習会に参加してから、受験までに半年以上かかります。コメディカルというのは、看護師や准看護師のほかに、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士などがあげられます。

循環器専門ナース

循環器専門ナースは、臨床心臓病学教育研究会が主催、日本心臓財団が後援している資格となります。

循環器専門ナースは、循環器専門医療機関などの高度医療に対応できる技術と知識の習得を目指します。医師と対等の知識と経験をもち、臨床の現場での迅速な対応や判断ができる看護師の育成を行っています。

【取得条件】

正看護師として1年以上、准看護師、正看護師合わせて5年以上の経験を有すること

循環器専門ナース研修コース(土日研修)を計4回受講すること

【取得までの流れ】

① 研修会

夏季と冬季の年2回開催される

例えば冬季研修であれば、1月中旬より約2ケ月間、土日ごとに計4回の研修が実施される

受講料:155,000円

② 認定試験

試験が郵送されてくるので、期限内に解答用紙を返送する

③ 合格・認定

④ 更新

2年おきに行なう

こちらの資格は看護師限定の資格になっています。高度な知識をもって、看護活動を行いたい人に向いている資格といえます。

救急・集中治療・手術室に転職を希望する人に有利な資格

次に救急・集中治療・手術室に転職を考えている看護師に取得しておくと有利な資格をお話します。特にこちらの領域に希望される方は、一刻を争う事態に遭遇することが多く、事前にこの領域の知識や技術をもっておくことに越したことはありません。

BLSヘルスケアプロバイダー/ACLSプロバイダー/PALSプロバイダー

こちらの資格は日本ACLS協会が、アメリカ心臓協会(AHA)公認のガイドラインに沿って、一次(BLS : Basic Life Support 一次救命処置)と二次(ACLS : Advanced Cardiovascular Life Support 二次心肺蘇生法)救命処置、さらに小児二次救命処置(PALS : Pediatric Advanced Life Support)を習得した人が認定されるものになっています。

【取得条件】

条件は特になし

ただし、ACLSプロバイダーとPALSプロバイダーの取得を希望するのであれば、BLSヘルスケアプロバイダーの資格を取得しておく必要あり

【取得までの流れ】

① 講習会

受講料に試験料と認定料を含む。2016年現在

BLSヘルスケアプロバイダー(1日間)18,100円

ACLSプロバイダー(2日間)38,300円

PALSプロバイダー(2日間)42,300円

② 試験

受講時に筆記試験、実技評価を実施の上、合格認定を行なう

③ 認定

認定期間は2年間

④ 更新

講習会を受講することが必須条件

こちらの資格は院内で、医師や薬剤師などコメディカルの方にも取得が推奨されていることがあります。

医療環境管理士

医療環境管理士とは、医療現場で必要な感染予防対策の知識や技術を習得するための資格になります。具体的な内容は、感染に対する基礎知識や、感染症予防と対策、感染・環境管理、関係法規などです。

【取得条件】

条件は得になし

ただし筆記試験合格後、講習会を年に一回受講すること

【取得までの流れ】

① 検定試験

年に2~4回実施される筆記試験

② 講習会

上記の筆記試験に合格した者を対象とした講習会を受講する

講習会料:21,600円

③ 認定

認定後、更新期間は特になし

私はこの資格を看護大学に通っているときに取得しました。教材を購入して、空き時間に勉強しました。年数が経ったいまでも、これらの知識をエビデンスのもとに実施することができています。

一度取得すると、更新も必要なく、どこの領域にいっても必要となる知識ですので、余裕があれば取得しておくと心強い資格になります。

腎・透析・内分泌に転職を希望する人に有利な資格

では最後に腎・透析・内分泌に転職をしたいと考えている方に取得しておくと有利な資格について解説します。

ケアマネージャー(介護支援専門員)

こちらの資格は、看護師として5年以上勤務することで受験資格が与えれます。介護保険法で定められた公的な資格です。

要支援・要介護を認定された患者さんに対して、アセスメントに基づいたケアプランを作成して、ケアマネジメントを行なうことがケアマネージャーの主な仕事となります。

看護師がこちらの資格を取得しておくと、病気そのものだけでなく、予防医学や介護予防といった知識を習得することが可能です。

【取得条件】

看護師(看護師以外にも医師、保健師、社会福祉士、介護福祉士などの国家資格をもっている)として5年以上かつ900日以上の実務経験があること

【取得までの流れ】

① 試験

申込期間 5月~7月

日程 10月

会場 各都道府県(こちらかは各都道府県の介護支援専門員試験のウェブサイトを参照ください)

受験手数料:7,000円から9,000円(各都道府県によって異なる)

② 実務研修

計87時間(都道府県ごとに開催する)

③ 登録・更新

認定期間は5年間

更新時に研修に参加することが必須

このケアマネジャーは、介護系の資格ですので、社会福祉士や介護福祉士からケアマネージャーの資格を取得した人が多いのが実情です。

しかし、看護師としての経験がある方がケアマネージャーとして仕事をすると、利用者からは「病気の経過を一番よく把握してくれている」「退院後にどのような経過になるか予測して、サービスの提供を考えてくれている」などの評価が高く、貴重な存在とされることが多いようです。

健康医療コーディネーター

こちらの資格は、日本健康医療学会が主催している資格となります。疾病の予防や健康に関する知識を普及したり、生活習慣改善を行なったりといった指導を行なえる人材の育成を目指しています。

講習会では、三大疾患である「がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中」の基礎的知識、生活習慣病、健康医療などを学ぶことができます。

【取得条件】

日本健康医療学会が行なう講習会を受講すること

【取得までの流れ】

① 研修会・認定審査

日程 4月下旬の土日 1.5日間

受講料:18,000円(昼食代・認定審査料含む)

② 登録

登録料:6,000円(日本健康医療学会会員および入会手続き中の人は免除される)

③ 更新

研修ポイント 5年間で20ポイント

更新申請書を提出する

更新料:12,000円

こちらの知識をもっておくと、持病を抱える患者さんに適切な指導を行なうことができるようになるため、より専門的な知識をもって看護を行ないたい方におすすめです。

健康運動指導士

健康運動指導士とは、健康・体力づくり事業財団の資格となります。保健医療関係者と連携しつつ、安全で効果的な運動を習慣化するための運動プログラム作成および指導を担う人材の育成に励んでいます。

【取得条件】

健康運動指導士養成講習会を受講するか、健康運動指導士養成校の養成講座を修了すること

【取得までの流れ】

① 養成講習会

受講資格により受講単位等の変動があるため、健康・体力づくり事業財団のウェブサイトを参照

もしくは、健康運動指導士養成校を修了していること

② 認定試験

受験料:13,371円(2016年現在)

③ 登録

登録料:24,686円(2016年現在)

④ 更新

登録後5年ごとに更新を行なう

健康運動指導士はおもにフィットネスクラブや病院、施設、保健所、学校関連で活躍しています。個人個人に合わせた適切な運動をアドバイスできる専門家となって働くことができます。

認知症ケア指導管理士(初級)

認知症ケアに関して専門的な知識の向上やスキルアップを目的とした認定資格となります。こちらは初級ですが、さらにレベルアップを目指すのであれば、上級資格として「上級認知症ケア指導管理士」という資格があります。

【取得条件】

条件は特になし

【取得までの流れ】

① 試験

試験会場:札幌、仙台、東京、名古屋、富山、大阪、福岡、長崎

受験料:7,500円

② 認定

認定登録料:2,000円 認定登録期間:2年

③ 更新

更新料:5,000円

日本は認知症高齢者が増加しています。医療や介護の現場で働くためには、今後必要な知識となるため、取得しておいて損のない資格といえます。

資格を取得して損することはない

さまざまな資格を紹介しましたが、年単位で勉強が必要であったり、10万円以上する資格もあったりと、やや迷うこともあると思います。しかし、なにか興味のある資格を取得しておいて、損をすることはありません。

転職をする際に未経験の分野だからといって、あなたが希望する金額の給与を提示してもらえないケースがあります。そのようなときに、「私は未経験ということを踏まえて、この未経験の分野でこういう資格を取得するために頑張ってきた」と実証することができると、採用側もあなたを見る目が異なってきます。

資格を取得しておくと、入職してからも病院からの評価が最初から高かったり、医師や他のスタッフとの関係を作りやすくなったりもしますし、そのことで人脈も増えてきます。さらには任される看護の範囲が増え、患者さんにも早くから信頼されるスタッフとなるでしょう。

そのことはひいては、あなたの看護のモチベーションアップにもつながります。

さまざまなプラス面を考えると、資格取得といった初期投資をしておくことは、転職に有利に働くでしょう。

このような資格を取得したとしても「なかなか自分では希望する病院にアピールできない」と悩んだときは、転職サイトのあなたの担当コンサルタントに相談するのがベターです。

就職面接に同行してくれ、あなたに代わって第三者の口から「あなたが頑張ってきた証」をアピールしてくれます。転職に悩んでいる方は一度、相談だけでも転職サイトのコンサルタントにお願いしてみると良いでしょう。すべて無料で行なってくれ、なによりもあなたの転職の強い味方となってくれます。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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