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あなたは、なぜ「いま勤めている病院を辞めて、違うところへ変わりたい」と思ったのでしょうか。転職の理由は人それぞれです。きっと、100人の看護師がいれば、100通りの答えが返ってくるでしょう。

もし、あなたの転職理由が「なんとなく、いまの職場が合わない」などあいまいな理由であれば、転職はあまりおすすめしません。次に入職する病院でも、なんとなく合わない理由が出てきてしまう可能性が高いからです。

そうなると、時間と労力をかけて新しい病院で働き始めたとしても、現状に満足することができず長続きすることは難しいでしょう。

では、どのようにしたらあなたに合った職場を見つけ「転職して良かった」と思えるのでしょうか。転職する前のステップとして、まず事前に準備しておきたいことを確認しておきましょう。

転職理由は時間をかけて明確にする

新しい職場を満足のいくものにしたければ、転職を考えた際に、じっくり時間をかけてあなたなりの転職理由を明確にしておくことが大切です。

あなたが転職する理由はなにか?

看護師の転職理由はどのようなものがあるのでしょうか。年齢別に例を挙げてみます。

若い年代の看護師の転職理由としては、「将来性を感じない」「人間関係が悪い」「他の看護関連の仕事を経験したい」「大都市の病院で働きたい」などです。

一方で年齢が上がってくると「労働に対して収入が見合っていない」「体力的にきつくなってきた」「自宅から近い場所で働きたい」「子育てが一段落した」などがあげられます。

これらを踏まえて、あなたがいま抱えている転職理由は一つだけでしょうか。他にも自分自身では気付いていない潜在的な理由がないのか、自分自身に問いかけてみましょう。

あなたがいま働いている病院の現状をどうとらえていて、勤務体制や給与体制に不都合はないのか、新しい病院に転職して望むことはどういうことなのか、そこで何を得ていきたいのかをしっかり考えてみましょう。

転職理由が少ないと失敗しやすい

私の失敗例をあげます。私は30代半ばで看護師免許を取得し、新卒から看護師として勤務しはじめて1年半で3回転職を繰り返しました。

私の最初の病院の主な転職理由は「将来性を感じない」ということでした。人間関係もあまりいいものではありませんでした。しかし、なにより新卒で慢性期病棟に配属になったため、10カ月間おむつ交換と入浴・食事介助を繰り返すだけでした。注射を患者さんに打ったことは一度もありません。

私が働いていた病院では、急性期病棟と慢性期病棟の2つがありました。

私と同じ病棟に異動してきた、もともと急性期病棟で何十年も働いていた先輩が「新卒でうちの慢性期病棟に3年もいたら、看護技術がなにも身につかないままだから、同じ病院内でも急性期病棟には行けないと思った方がいいよ。だから新卒で入った人たち、慢性期病棟に配属された人はずっとこの病棟にしがみ続けるか、3年以内に辞めているでしょ。何年か勤めて転職するとしたら、もう軽度の介護施設くらいしか残ってないよ」といわれました。

私は新卒といっても30代半ばで看護師免許を取ったので、すぐに40代になってしまいます。40代で何年か看護師経験があるにもかかわらず、同じ職場で働き続けるとなると、注射も打てない看護師です。このときは正直焦りました。

そこで私は、「病棟を変わって急性期での経験を積みたい」という希望を看護部長に出しに行きました。しかし、半年以上その慢性期病棟にいたため、同じ病院内の急性期病棟で働く他の新卒にはもはや出遅れていました。

看護部長に「今の看護技術で、急性期病棟で働くのは無理。3年は今の病棟にいてもらわないと、次に入る新人には誰が仕事の流れを教えるの」と言われ、異動を受けつけてもらえませんでした。

私の選択肢は、3つ残っていました。「ずっと同じ病棟に注射も打てないまま定年まで居続ける」か、「3年後に急性期病棟に異動して、後から入った若い看護師に注射の打ち方から教えてもらう」か、「早めに転職」です。

同じ病院で3年以上の経験があるにもかかわらず、異動できたとしても、さらに若い看護師に注射の打ち方から教えてもらうのは耐えられませんでした。ただ、実際のところは何年か勤めたあと、急性期病棟に異動する人はいなかったため、慢性期病棟でずっと過ごすことになります。

「この病院の慢性期病棟に新卒からいる人は、ずっとここで看護技術を身につけないまま働きつづけるか、辞めて介護施設に就職するしか選択肢は残っていない」という現状を見ていた私は、できるだけ早く看護技術を身につけたかったので転職することに決めました。

「30代半ばで新卒、注射も打てない。転職できる病院はないかもしれない」と気持ちが先走り、このときは転職活動に対して冷静になれませんでした。

新しい病院を選ぶ基準は、「看護技術を身につけられる」という看護師としてステップアップできる病院であることだけでした。「看護師としての技術経験が乏しいのだから、人間関係や給与面、勤務体制などについては、数年は耐えないといけない」と思っていました。

ハローワークに出向き、「看護師としてステップアップできる病院」だけを条件に相談をすると、市内でも大人気の眼科をすぐに紹介されました。一日に200人以上の患者さんが訪れ、白内障や緑内障、硝子体のオペも行うクリニックでした。

「ここは眼科だけれど、患者数も多く、オペも手伝えるので看護師として技術が磨けそう」と安易に考えた私は、すぐに履歴書を送りました。結果は、即採用でした。しかし、ほっとしたのもつかの間、このクリニックは人間関係が非常に悪く、そのうえ毎日4時間以上の残業がありました。

さらに、壮絶ないじめにあい心も身体もボロボロになり、たった6ケ月で辞めることになりました。

あとで転職会社のコンサルタントに聞いたのですが、この眼科は非常に人間関係が悪いことで有名でした。しかも、ここだけは誰にも紹介しないといわれるようなブラッククリニックでした。コンサルタントに「よくここで6カ月も勤めることができましたね」と驚かれたくらいです。いまでもその眼科は求人がでているままです。

私のように転職を焦って、転職理由を深く考えず、すぐに行動に移してはいけません。「転職したい」と思ったら、急に今いる職場が色あせて見え、働くのが急に辛くなるでしょう。しかし、ここは慎重に考え動くことを勧めます。一度転職に踏み切ったら、後戻りはできないからです。

いまあなたが考えている転職理由を明確にし、新しく働く病院でこれだけは譲れないということを実際に書き出してみましょう。自分に自信がなくても、いくつか明確な転職理由をもつことが大切です。

教育体制、給与体制、人間関係、労働時間、福利厚生、通勤時間など、今の病院で満足していること、満足していないことはなんでしょうか。書き出すことによって、転職までしなくても配置転換などですむ場合もあります。

また、ハローワークや転職会社などを仲介する場合は、転職理由を明確にして伝えることが肝心です。

ハローワークや転職会社は採用する面接官ではありません。そのため、主にどういった面を不満に感じ、どうして転職を希望しているのか、不安や悩みを正直に話してみるとよいでしょう。

どんなプロのアドバイザーでも、あなたが現状に満足していない理由をうまく伝えきれていないと、どのような病院があなたに合っているかわかりません。その結果、マッチングしていない病院をあなたに紹介してしまう可能性が高くなってしまいます。

希望する病院の情報収集をどのように行うか

さらに私が転職に失敗した理由には、情報収集の少なさもあげられます。

ハローワークに相談に行ったその日のうちに、一刻もはやく勤めていた病院に見切りをつけたくて、「この眼科に転職したい」とすぐに申込みをしました。「市内で腕の良いクリニック」という情報だけで、自分の中で勝手に「ここなら大丈夫だろう」と判断してしまったのです。

したがって、噂を信じて次に行く病院を決めてしまってはいけません。

では、どうすればいいのでしょうか。下記に最適な求人先を選ぶ方法をいくつかご紹介します。

あなたの希望条件を箇条書きする

あなたが先ほどはっきりさせた転職理由は何だったでしょうか。これらの理由を今度は箇条書きにしてみましょう。

「この条件なら大丈夫」という基本的なラインを決め、それをクリアする病院の中から選ぶようにしましょう。

基本的なラインとは

働き方:正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなど

仕事内容:主な看護業務はなにか(診療の補助、療養上の世話など)、また何人程度の患者さんを受け持つのか

希望給与額:生活していく上で必要な最低額を基準に希望額を決定しておく

勤務時間と休日:3交替制・2交替制のどちらか。早朝勤務や夜勤は月どのくらいあるか、土日に休日はとれるか、などの具体的な勤務条件、育児などどの程度優遇されているか

病院の規模:クリニックや病院など。ある程度の規模の病院だと、転勤や異動はあるのか。福利厚生はどの程度整っているのか。

他にも、どのような理念をもった病院で、新人をどのように育てているのか、新人がすぐに辞めていないか、あなたの身につけたい看護技術は習得可能なのかなど、あなたの希望を具体的に書き出してみましょう。

効率的に情報を集めていく5つの方法

しかし、これらの情報を個人的に集めるには限界があります。そこで、希望する病院の情報の集め方は以下のように主に5つあります。

1.インターネットでホームページをチェックする

こちらで病院の理念や新人看護師の教育体制などを知ることができます。

2.ハローワークで直接尋ねてみる

ハローワークに行き、勤務体系や給与、賞与についての情報を集めることができます。

3.看護協会(eナースセンター)に問い合わせる

eナースセンターとは、日本看護協会が行っている求人紹介サービスです。求人紹介だけでなく、職場環境の改善なども目的としているため、その病院の職場環境や労働環境についての取り組みについての情報を知ることができます。

さらに、eナースセンターの職員は元看護師の人が多いため、新しい職場の不安や疑問について尋ねやすいことが多いです。

4.看護師転職サイトに登録をする

看護師転職サイトは病院の内部事情にとても詳しいです。看護師転職会社は、いままでに行ってきた転職サポートの実績と医療業界のネットワークを駆使し、日々情報収集を行っています

ハローワークよりも看護師求人情報を多く抱えており、ハローワークで募集が出るよりも先に求人情報を教えてくれます。希望している病院が求人募集をしていなくても、転職アドバイザーが直接その病院に問い合わせをし、入職できることもあります。

さらに、給与面など個人的には交渉しにくいことでも、病院との仲介をしてくれるため、より満足のいく転職を行うことができます。

また先に登録しておくと、いまはマッチングした求人がなくても、あなたに合った求人が出た段階でいち早く教えてくれます。応募者が殺到する前に早く面接まで行い、あなたに決定してもらうことも可能なのです。あなたの代わりに看護師転職会社は情報網をいつも張り巡らせているので、すぐに求人情報を得ることができるのです。

eナースセンターは主に地方のクリニックや介護施設の求人を取り扱っています。それに加えて、看護師転職会社は都市部や大病院の求人を扱っています。転職サイトについては、それぞれ強みや特徴が異なるため、複数登録して比較検討するとよい求人を集められるようになります。

5.実際に希望する病院に行ってみる

外部からさまざまな情報を仕入れた後は、実際にその病院に足を運んでみましょう。良い面だけでなく、悪い面も観察してみます。

このとき、見学を実施している病院もあります。転職サイトを活用すれば、これから働く職場について、面接後に見学させてもらえるように調節してくれます。

また、患者として訪れてみてもいいです。病院の雰囲気やスタッフの表情、口調などをじっくり観察し、そこであなたが活き活きと働けているかイメージしてみましょう。

落ち着いて冷静に転職活動を

転職を考えたら、まずは転職理由をじっくり考え、希望する病院がちゃんとあなたの希望に沿っているのか、冷静に検討することが大切です。

いまの職場で起こっている問題だけを取り上げて、焦って転職すると、人間関係や勤務体系などいまよりももっと悪い状況になる恐れがあります。

転職を考えたら、事前にしっかり自己分析と病院分析を行い、あなたに合った病院に巡り合い、あなたらしく長く活き活きと働いていけるようにしましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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