「ツアーナースの仕事に興味があるけれど、実際にはどのような仕事内容なのか分かりづらい」「周囲にツアーナースを経験したことがある看護師の知り合いがいないから、ツアーナースのイメージが湧かない」といった声があります。

確かに、ツアーナースという仕事は言葉のイメージだけで捉えられてしまい、具体的な仕事内容が分かりづらいのが現状です。イメージだけで働いてみると、「こんなはずではなかった」という事態もありかねません。

今回、実際にツアーナースを体験された方に会う機会をもつことができました。そこで、ツアーナースという華やかそうな仕事の裏側で起こっていること、同じ看護師が体験し感じたことを知るべく、当サイトの管理人である私がインタビューを行い、まとめてみました。

※インタビュアー(私)は「管理人」と表記します。

ツアーナースにインタビューをして体験談を聞く

今回インタビューを伺ったのは、福岡出身のHさん、女性、看護師歴10年(小児科・整形外科・透析内科での勤務経験あり)、とても気さくで子どもにも親しまれそうな人柄の方です。

実際にツアーナースを体験した方の声とはどのようなものなのでしょうか。

ツアーナースの求人に採用されるには

・管理人
それでは始めさせていただきます。Hさんがツアーナースの求人をどのようにお探しになられたのか、詳しい経緯について教えてもらっていいでしょうか。

・Hさん
私がツアーナースをやってみたいと思ったきっかけは、空き時間にスポット派遣の仕事をしている同じ病棟の友人の影響でした。

友人も私と同じように病棟で常勤勤務をしているのですが、3連休などには、看護師の派遣の仕事をいれていました。イベントナースや健診ナースなど多種多様なスポット派遣を、趣味の一環として行っていました。

看護師免許を生かして自分自身も楽しめ、お小遣いも稼げるので、友人は大変充実した毎日を送っており、いつも派遣の仕事について私に嬉しそうに話してくれました

その中でもとくに「ツアーナースが面白かった」と聞いて、もともと養護教諭になりたかったこともあり、人材派遣会社に登録することにしました。

・管理人
多くの人材派遣会社があると思うのですが、どのような視点で「この人材派遣会社に登録しよう」と思われたのですか。

・Hさん
派遣の仕事には不安もありましたので、先ほどの友人に聞き、大手でしかも、多くの求人案件をもっている会社にしました。それなら常勤で働いている自分の条件にも合う求人があると思ったからです。

登録をして次の日に人材派遣会社の担当者から電話がかかってきました。私が希望していた日に偶然にもツアーナースの案件があり、不安はありましたが、「とりあえず一回は経験してみよう」と思い、すぐにOKを出しました。

ツアーナース初心者でしたが、お給料は、日給で14,000円、2泊3日ですので42,000円ということでした。私にとっては大変大きな金額で、その金額を聞いたときは、「たった3日で夜勤の何回分に当たるのか」を頭の中ですぐに計算してしまいました。

ツアーナース、事前の打ち合わせ

・Hさん
私が紹介されたのは、私立小学校の6年生で実施される林間学校に同行するツアーナースの案件でした。その小学校から養護の先生の申し送りがあるということで、仕事が昼までに終わった日、事前にその小学校に出向きました。

人材派遣会社からの指示通り、職員室に向かいました。職員室の扉を開けると、目の前にお腹の大きな30代くらいの女性が立っていました。

「〇〇(人材派遣会社の名前)から来ました看護師のHです」というと、その女性が「ちょうど良かったです。私が養護教諭のKです。妊娠中なんですが、切迫早産の危険があるということで、林間学校の引率は行けなくなり、臨時でお願いするしかなかったんです」といわれました。

林間学校のタイムスケジュールや、何かあったときの緊急対応先などについての説明が行われました。

・管理人
小学校で事前に打ち合わせがあるということですが、そのときのお給料は支払われましたか。

・Hさん
いえ。事前の打ち合わせのお給料は出ませんでしたが、車で30分くらいのところでしたので、その学校から特別に「お車代」ということで1,000円をいただきました。他のツアーナースの仕事では打ち合わせにいくと、2,000円程度支給してくれるところもあります。

・管理人
打ち合わせで驚いたことはありますか。

・Hさん
はい。林間学校の一式で使う包帯の量です。包帯やガーゼ、綿球、湿布などが山積みになっていました。たった2泊3日の林間学校なのに、「これほどの量が必要か」というくらいの量の包帯類が置かれていました。

また一人ひとりの子どもの病歴が綴られた写真付きのカルテのようなものを見せられ、喘息やアレルギー疾患のある子を把握しておくように伝えられました。

一人ひとりの子どもの病歴を把握したうえで、しかもこれほどの大量の包帯類を使うことになるかもしれない事態に、私一人で対応できるかどうか不安になりました

林間学校初日

・Hさん
ついに林間学校初日になりました。お給料や「ただ単に子どもが好き」という理由だけで仕事を引き受けてしまったことに、不安を感じていました。

事前打ち合わせの通り、「〇〇(人材派遣会社)から来ましたHです」と1号車のバスいた学年担任の先生に声をかけました。そこで他の教員にも紹介してもらいました。

私は1号車のバスの最前列右側に座り、マイクを渡され、児童に向かって自己紹介をしました。そのあとで、「バスに酔いやすい人はいますか」と尋ねると、ほとんどの児童が手を挙げました。児童ははしゃいでいる様子であったので、「本当に気分が悪くなりそうなら、早めに私に知らせてくださいね」と伝えました。

バスの中ではクイズ大会やビンゴゲームなどが行われ、私も参加しているうちに児童と打ち解け、不安が解消されてきました

・管理人
新しい環境で早く馴染むためには、自分から積極的に打ち解けていかないといけないですね。

林間学校ではケガや病気などの対応で大変でしたでしょうか。

・Hさん
初日は、川辺で遊ぶ児童にケガが無いように見守りました。しかし、やはり「つまずいて転んだ」「岩にぶつかって、指の皮がめくれた」「なにか変な生物を踏んで、足から血が出てしまった」「炎天下で鼻血がでた」といった児童の訴えが多くありました。

大量のガーゼをもたされた理由がよく分かりました。

翌日に病院搬送する事態が発生

・管理人
初日は応急処置を行うだけで、大丈夫なケガで良かったです。翌日からはいかがでしたでしょうか。

・Hさん
翌日はあいにくの雨となり、急きょ「彫刻刀を用いた木工教室」に変更になりました。「彫刻刀」と聞くだけで、嫌な予感がしました。そして案の定、「保健のせんせー」と大きな声で呼ばれる事態が起きました。

走ってその場に向かうと、男の子が彫刻刀で手をざっくり切ってしまい、血でタオルが真っ赤に染まっていました。

当時、私は透析内科の看護師でしたので、いまさらながらキズの手当てというものをしたことがなく、したとしても、透析をする患者のシャント術後の消毒くらいしかありませんでした。このように大量の血を見ることがなかったのです。

応急処置に不安があった私は、林間学校に行く前にこのような緊急事態に備えて読んでおいた応急処置の方法を、一つずつ頭の中で確認しながら行動するようにしました

他の子たちが動揺しないように、ケガをした男の子を別の場所につれていきました。次に男の子を横にさせ、ケガをしたほうの手を圧迫しながら、心臓より高い位置に挙上させました。

そしてミネラルウォーターの入ったペットボトルを開け、その水でキズを洗い流し、清潔なガーゼを分厚く当て、その上からタオルで圧迫しました。

・管理人
急な事態に冷静に対応されましたね。それからHさんはどのような行動をとられたのでしょうか。

・Hさん
水で洗い流したときに、キズが深かったのを確認できたで、「縫わなくてはいけない」と私は判断しました。病院へは添乗員として付き添った旅行会社のOさんが連れて行ってくれました。私は他の児童もいるため、その場に残りました。

添乗員のOさんから「8針縫ったけれど、児童はいま落ち着いている。抗生剤を受け取ってから、一緒に帰ります」と連絡が入りました。そこで初めて、ほっと息をつくことができました。その後、保護者の方に「今回のケガの一部始終」についての連絡を入れておきました。

その児童は途中で帰宅することなく、最後まで無事林間学校を終えることができました。

ツアーナース最終日

・管理人
ツアーナース最終日はいかがでしたでしょうか。

・Hさん
それからは、特に大きなケガや病人も出ませんでした。ようやく林間学校最終日となり、終礼の挨拶のときには本当に安堵しました。慣れない環境で看護師として仕事をする責任感からやっと解放されて、クタクタでした。

児童全員から「ありがとうございました」と声をいただき、ジーンと胸が熱くなりました。養護教諭の先生に最後の申し送りをして、ツアーナースの仕事が終わりました。

確かに身体がすごく疲れて、家に帰ってから何も食べないまま8時間以上眠り、無理やり起き上がり、ようやく即席ラーメンを食べられるまでに回復しました。

「子どもたちにケガや病気があってはならない」と旅行中はずっと気が張っていましたが、思い返してみると、いつもの病棟の看護師である自分とは違った経験ができ、一回り看護師としても人間としてもレベルアップできたように思えました。

・管理人
これからもHさんはツアーナースをされていかれますか。

・Hさん
もちろんです。ツアーナースは私も友人と同じように好きな仕事になり、楽しんでやらせてもらっています。昨年は一度、海外へのツアーナースも引き受けました

今回お話した「初めてのツアーナースの場合」は不安や緊張もあり、どっと疲れが出てしまったのですが、回数を重ねるごとに不安も少なくなり、緊急事態にも慌てず行動することができるようになってきました。

・管理人
ツアーナースの経験を重ねることで、看護師としても磨きがかかってきているように思えます。

ツアーナースをする点で注意しておくことはありますか?

・Hさん
看護師友達から紹介を受けて、個人的に契約をしてツアーナースをする人がいますが、それはあまりおススメしません。とくに旅行では何が起きるか分かりません。

私の友人では、旅行中にツアー参加者がバスから降りるときに足を滑らせてしまい、頭を打ってしまいました。「ツアーナースが付いていながら、バスから降りるときは滑りやすいから注意しなければならないと教えてくれなかったナースが悪い」といわれ、損害賠償を起こされてしまいました。

個人契約ですので、そのような責任は自分が取らないといけないからです。その点、人材派遣会社を通しておくと、何かトラブルがあったときに人材派遣会社が仲介に入ってくれるので安心して仕事を行えます

・管理人
ツアーナースに興味がある人に、伝えたいことがあったら教えてもらってよろしいでしょうか。

・Hさん
周囲の看護師からは、「せっかくの休みに多くの子どもたちを相手に一緒に過ごすのは大変でしょう」といわれることが良くあります。正直にいうと、責任もありますし、大変は大変です。

それでも私がツアーナースをし続けるには、理由があります。

病棟勤務だけでは、無意識のうちに仕事を業務ととらえ、流れ作業のように患者さんを私の都合に合うように対応してしまうことがあります。

例えば、「本当はこの患者さんには、昼間眠たくなってしまう時間帯にレクレーションを行ってもらえれば、生活のリズムが崩れないで済むだろう」と分かっているにもかかわらず、人手が足りないために時間をずらさなければいけなくなったことなどです。

しかしツアーナースの仕事をしていると分かるのですが、ツアーナースである私はあくまでも旅行のサポーターです。

「ツアーの参加者に心からツアーを楽しんでもらうためには、まず事故が起こらないようにすること。万が一事故が起こったとしても、どのような声がけや対処をすればいいのか」について、いつも考えています。ツアーの参加者の満足度を下げないように動いているのです。

ツアーの最後には「看護師さん、ありがとう」といってもらえるような行動をとれるよう心がければ大丈夫です。最初のツアーでは誰しも不安になります。しかし精一杯自分ができることをして、最善を尽くすよう心がけると、次のツアーにつながります

・管理人
Hさん、今回はお忙しいなか、ありがとうございました。

ツアーナースにおススメの人材派遣会社

Hさんがおススメするように、ツアーナースをするには、人材派遣会社に登録しておいて損はありません。バイトやパートよりも好待遇・好条件であるだけでなく、何かトラブルが起こったときにも仲介に入り対応してくれる、ツアーナースにとって心強い味方となってくれます。

そこでツアーナースをするなら、求人案件が他社より多く、サポートも充実している人材派遣会社について2社ほどご紹介します。

MCナースネット

MCナースネットは、大都市だけでなく地方でも全国規模で展開しています。看護師専門の単発求人や派遣の求人をもつ、人材派遣会社になります。ツアーナース特集が組まれるくらい、希少案件であるツアーナースの求人を多く抱えているのがおススメの理由です。

「地方に住んでいるとツアーナースの求人は少ない」と思われる方も、MCナースネットに登録しておけば、全国展開しているので地方でも求人を紹介してもらえる可能性が大ということです。

サイトを見ていただくと分かるのですが、今すぐにはあなたの条件に合う求人はないかもしれません。しかし、MCナースネットに登録して担当エージェントに条件を伝えておけば、好待遇の求人が出次第、サイトに掲載される前にあなたに紹介してもらえるかもしれません

また、MCナースネットは多くの単発求人の案件をもっているので、もしかするとレアな単発求人を紹介してもらえるかもしれません。イベントナースなどは希少案件ですので、一度やってみても損はありません。

さらに次に紹介するパソナメディカルという会社と一緒に登録を行っておくと、求人を紹介してもらえる機会が増えることになるので、上手に空き時間を利用して、満足できる働き方を実現することができます。

パソナメディカル

パソナメディカルは、あまり聞いたことがない人も多いでしょう。しかし、数ある看護師の人材派遣会社のなかでも1985年からずっと続いているパイオニア的な存在といえます。30年以上の実績をもつ信頼ある会社です。

そのため、提携している企業とのつながりも強く、新しい仕事の案件が多いのが特長です。MCナースネットと同様、地方でも安心の全国対応で、選べる派遣の仕事の種類もMCナースネットに負けず劣らず多いのもメリットといえます。

特に「ツアーナースをするのに、看護師経験が少ないから不安がある」といった方は、こちらのパソナメディカルがおススメです。なぜなら、登録した看護師が仕事内容に不安をもっているようであれば、「無料のイーラーニング」や「無料セミナー」「なんでも相談窓口の設置」などがあり、手厚いレベルアップのサポートを受けることができるからです。

またパソナメディカルのメリットとしては、いきなり「このような仕事をしてください」といわれることはなく、事前に「業務内容」や「勤務条件」について詳細に教えてもらえます。そのため、いきあたりばったりの派遣の仕事をこなす必要はなくなり、安心してツアーナースの仕事に取り組むことができます。

さらに、パソナメディカルは福利厚生も充実しています。要件を満たせば、パソナメディカルの社会保険に加入することができます。派遣看護師を専従で行なったとしても、好待遇・好条件・福利厚生が充実しているため、あなたに合った仕事内容を選びながら看護師を続けることが可能です。

2社とも登録をしておけば、紹介してもらえる求人案件が増え、より満足した働き方を選ぶことができます。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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