ドラマや映画などでカッコよくテキパキ仕事をこなす手術室(オペ室)看護師に憧れる人も多いのではないでしょうか。看護師であれば、一度は憧れる手術室看護師です。

今回はそのような「手術室看護師に転職したい人」や「これから手術室看護師として働く人」のための、「手術室看護の考え方」についてお話ししたいと思います。

手術室看護師として、しっかりした看護観をもつことは転職中でも転職後でも役に立ち、「看護師としての成功」につなげることができます。では「どのような看護観をもつことが大切なのか」について、お話ししていきます。

手術療法の医学的動向

まずは近年における手術療法の医学的動向について述べていきます。

現代の手術療法は飛躍的進歩を遂げ、がんの根治術、高齢者・新生児への手術適応が可能となってきました。さらには、心臓疾患などのハイリスクな患者にも手術が適応できるようになった時代でもあります。

移植に関する法律も変わり、人工臓器置換術、生体臓器移植・死体臓器移植などの臓器移植術なども行なわれるようになりました。

このような手術療法の発展の背景には、手術自体が安全に実施できるようになったこと以外にも、術後の輸液管理や中心静脈栄養法の安全性の向上、画像診断技術の発展などが挙げられます。

そして手術療法の進歩とともに、術後のQOL(Quality Of Life:生活の質の向上)を重視する傾向に変わりました。

すなわち、単に「手術で病巣を取り除く一番効率の良い方法は何か」という医師中心の考え方から、「術後の患者さんが今後もQOLを下げない生活を送るためにはどのような術式を選択するのが良いか」という患者中心の考え方にシフトしてきたのです。

QOLを下げない術式の代表格は、「内視鏡下手術(胸腔鏡下手術・腹腔鏡下手術など)」だとされています。メスを使って体を切開する開腹術とは異なり、内視鏡下手術は低侵襲性の術式として、さまざまな疾患に対して適応されることになりました。

他にも低侵襲性の手術としては、冠動脈や脳血管の病変に対する「血管内手術」の進歩も挙げられます。従来から行なわれている頭蓋骨を開く「開頭手術」から、「血管内手術」はカテーテルを足の付け根や肘などから血管に挿入し、頚部や脳の血管にコイルやステントを留置する術式です。

さらに近年では「日帰り手術:day surgery(デイサージャリー)」も盛んに行われるようになっています。

ひと昔前までは手術といえば、予定日の一週間前から入院して準備をし、術後も数ケ月に及び、入院・加療するのが当たり前のことがありました。しかし現在では外来での手術が可能となり、手術を行ったその日に帰れるような手術も多くなりました。

もちろん日帰り手術となると、全身麻酔ではなく局所麻酔で行なわれるために、適応される術式には限界があります。しかし、日帰り手術の適応が多くなれば、患者さんの日常生活に与える影響は少なくて済むことになります。

例えば、仕事をもっている人であれば、手術のために仕事を休むのは当日か長くても数日のみで良いのです。日帰り手術であれば、「手術を行ったばかりに数ケ月も休職し、職場に迷惑をかける」というような心配は不要です。さらに日帰り手術であれば入院代の経済的負担が無いため、手術費用を捻出するだけで済むという容易さもあります。

一方、日帰り手術の短所としては、「術後の経過を自分で判断する必要があること」や、「手術創処置のために数日から数週間は外来通院しなければならないこと」などが挙げられます。

この日帰り手術に関する「事前の説明」や「術後の注意事項」については看護師が担うことも多く、手術室看護師の大切な役割のひとつといえます。

手術を行う患者さんの心理的状態

人が手術を受ける決心をする心情として、「再び健康を取り戻せる・取り戻したい」という期待があります。

しかし、手術は患者さんだけでなく、家族や周囲の人を巻き込む人生の一大事といえます。さらに身体を傷つけることは体に侵襲を与えるため、今まで味わったことのない不安や心配、恐怖心などをもたらすことがあります。

そこで、ここではいくつかの手術を取り上げ、患者さんの心理状態について具体的にお話ししていきます。

乳がん患者さんの術前の心理状態

まずは、乳がん患者さんの手術前の心理状態について述べていきます。

乳がんの手術には2018年現在、主に「乳房切除術」と「乳房温存術」の二つがあります。

手術に臨む乳がん患者さんの姿勢としては「完治を目指し乳房切除術を行い、元の生活を取り戻したい」「再発を覚悟しつつも、がん再発確率の少ない乳房切除術に賭けてみたい」「再発・再手術覚悟で乳房温存術を受け、乳がんと一生付き合っていこう」という3つが挙げられます。

ちなみに「乳房温存療法」とは、乳房の乳腺内にある手で触れる病巣だけを乳房温存術で取り除き、細胞レベルで取り残した可能性のある病巣については放射線や化学療法、ホルモン療法で根絶するという治療法です。

「乳房切除術」「乳房温存術」のどちらを選ぶかは、「がん再発への恐怖心」や「復帰する職場環境」「仕事への傾倒度合い」などの要因により影響を受けるとされています。

女性にとって「乳房を切除する」ということは、「女性の肉体的・精神的に大切なシンボルを切り取る」ということです。これはいくら年齢を重ねた女性にとっても同様です。

乳がんと告知されると、後悔・自責・虚無感・開き直りといった気持ちで疾患を受け止める患者さんがほとんどです。

さらに医師から手術を勧められたときは、「乳房を切除しなければ生きられない」というあきらめや、「女性のシンボルを失い、命を保障してもらう」という命の取引を行う心情になることが多いとされています。

乳がん患者さんにおいて重要なことは、術前における「治療の受容」です。患者さんは「自分にとってこの方法が最適だ」と思えた術式を選択し「それを受容できるかどうか」が、治療によるストレスを軽減させることにつながるのです。

乳がん患者さんは、術前、がんの転移や再発を心配したり、乳がんに罹患したことで家族や親せき、友人との関係変化に不安を抱いたりしやすい心理状態にあります。

その一方で、なんとか自分自身を励ましたり、適切な助言者を探し、乳がんを前向きに捉えたりと、もがき苦しみながらも「どうにか現状に対処しよう」と頑張る気持ちももっています。

このことは、術前の乳がん患者さんは「他者のサポートを必要とするほどの窮地に立たされている状況にある」といえます。このようなときに、看護師には患者さんが悲しみや不安などの感情を表出できるようなかかわりをもつことが求められているのです。

患者さんの気持ちを充分に傾聴し、医学的専門知識をもってかかわれるのは、患者さんに一番近い存在である看護師であるのです。

中年期がん患者さんの心理状態

次に、中年期のがん患者さんの心理状態についてお話しします。

「中年期にがんに罹患し、手術が必要となる」ということは、「がんにならなければ、他者をサポートする立場」にある中年世代の心理的負担を増大させる要因となっています。

例えば、中年期がん患者さんは手術前は、療養上の不便な事柄に関して家族に世話をしてもらう傾向にあります。しかし入院中、徐々に「家族が自分の洗濯や買い物、身の回りの世話をすることは迷惑ではないか」と感じる「アンビバレントな感情(愛情と憎悪など相反する感情)」をもつことが多いのです。

このような感情を抱いていることを念頭に、患者さんが自らの気持ちを表出できるような機会をつくり、傾聴することが大切です。

とくに中年期がん患者さんは、手術療法に多大なる期待感を寄せ「手術による完治」が生きる希望となっていくため、前向きに治療を考えられるようなサポートをしていくことが重要です。

心臓疾患患者さんの心理状態

最後に心臓疾患の患者さんの心理状態について述べていきます。

心臓は致命的臓器であることから一見、術前の不安は大きいと推測されます。しかし、他の腫瘍患者さんと比較したところ「手術に不安を感じる度合いに、あまり差はなかった」という研究報告があります。

これらの理由として、手術への不安や恐怖はあるものの、心臓疾患の患者さんは、他の疾患の患者さんより「手術に対しての期待感が高い」ことが挙げられます。がん患者さんのように「再発」の危険が少ないことが、術前不安を大きなものにしていないのです。

しかし、手術に対する不安や恐怖が無いわけではありません。心臓疾患を抱える術前患者さんは、抑うつ・落ち込み・疲労・混乱の感情をもちます。

しかし「術前の不安や恐怖といった気持ちを傾聴してくれるサポート体制が整っていれば、このネガティブな感情が湧き上がることは低い」とされています。

こちらも術前の患者さんの不安心理を読み取れるよう、術前にしっかり気持ちを表出できる場を設けるよう調整することが求められています。

以上、3つの疾患に罹患した患者さんの術前の心理状態について述べてきました。

ところで、人はなぜ、肉体的にも精神的にも明らかに苦痛や恐怖を伴う手術を受けるのでしょうか。

それはもちろん、手術を受けることによって、疾患によるわずらわしさや苦しい気持ちなどの苦痛から解放される願いからです。また、生命危機回避や術後のQOLの向上といった願いの表れでもあります。

その気持ちに寄り添い、サポート環境を整えていくことで、患者さんは前向きに手術を捉えることにつながっていくのです。

手術室(オペ室)看護師が持っておきたい看護観

手術室看護とは、術前・術中・術後の全期間を通して一貫した看護を提供し、患者さんが主体的に選択した手術療法が最大限、患者さんの利益となるようサポートすることです。

具体的には、① 患者さんの意思決定の支援、② 患者さん自身が権利を主張できるようにサポート、③ 医療機器に対する配慮ある対応、④ 手術の目的を果たしながら日常生活の援助を行う、⑤ 他部門との連携を意識することが挙げられます。ひとつずつ、詳しく解説していきます。

① 患者さんの意思決定の支援

患者さんは「手術を受ける・受けない」の選択だけでなく、疾患に罹患したことにより、多くの場面で意思決定を行うことが求められます。これらは主に下記に挙げる、5つの段階があります。

① 医療機関を受診するかどうか

② どの医療機関に受診すればいいのか

③ 手術の必要性も考慮し、診断結果に納得するか

④ どの医療機関の、どの医師の手術を受けるか

⑤ どのような治療を受けるか

また意思決定したのちも「その決定は変更可能かどうか」ということにも悩みます。

このように手術をうける患者さんは、手術前から手術後まで多くの場面で選択を迫られます。

例えば、がん患者さんの場合、術後補助療法として、化学療養や放射線療法の必要性が生じることがあります。その場合、その治療を受けるかどうかの意思決定を迫られます。術後で、体力や気力も限界のなか、さらなる苦痛を伴う治療の選択をしなければならないのです。

とくに手術患者さんの意思決定で大切なのは、インフォームド・コンセントです。

インフォームド・コンセントとは、「患者さんが自分の病状、必要な検査や治療、予後等について知る権利を保障する」という法的概念です。これは、自分の受ける医療について承諾、拒否、選択などが行えるという自己決定の権利を守る倫理的な側面ももちあわせています。

とくに看護師は、患者さんの身近にいて日々の生活全般をサポートする役目を担っていることから、患者さんの意思決定の局面では、重要な役割と責任があるといえます。

この役割をしっかり果たすことで、患者さんは手術療法に対して主体的に取り組み、自分の健康について自分で考え取り組むことにつながっていくのです。

② 患者さん自身が権利を主張できるようサポート

患者さん自身が自分の権利を主張できるようサポートすることもまた、看護師の重要な役割のひとつです。

では、手術室での看護師が「患者さんの権利を主張できるようサポートする」とはどのようなことなのでしょうか。

それは、手術室で医療従事者に課せられた責任として、無菌環境内で患者さんの安全と利益を保障しながら手術の目的を果たすことにあります。

手術中の患者さんは全身麻酔か局所麻酔で、手術時間を過ごすことになります。とくに全身麻酔下にある患者さんは、声を出せない、に逃げ出せない、何をされているのかもわからない状態です。

すなわち患者さんは、自分に起きている状況を把握し、それに対して意思表示をすることや意思に従い行動することができないのです。

このようなことから手術に関する医療者には、術中患者さんの安全と利益を保障する責任があるのです。

そこで、さらに「手術室看護師としての責任」について述べておきます。手術室で看護師は下記のように「手洗いチーム」と「非手洗いチーム」に分かれます。

手洗いチーム 非手洗いチーム
術者(医師)

助手(医師)

手洗い看護師

外回り看護師

麻酔医

その他(臨床工学技士など)

・手洗い看護師

手洗い看護師は「実施される手術の基本的な解剖学や生理学の知識と合わせ、その手術の手順を把握し、無菌操作の原則を守り、的確な手術器具や手術材料の準備と術者への手渡し、管理、術野の汚染防止など」を行ないます。

手洗い看護師はこの責任を果たすことこそが、患者さんの権利を守ることになります。

・外回り看護師

一方、外回り看護師は「術野である清潔区域の外側から術野で行なわれる行為の調整」を行います。

具体的にいえば、麻酔開始前の患者さんの精神的支援や、術中の体位の固定、術中に必要になった器具や材料の調達、停電や照明の不具合の見極め、手術室の外にいる関係者への情報伝達、手術の記録などの責任を果たします。

このような役割を果たすためには、術前に患者さんの病室まで訪問し、事前に術中看護に必要な情報を得ておくことが大切になります。

例えば術中の体位など、患者さんの関節可動域を把握しておくことも術前に得ておきたい貴重な情報です。また難聴や麻痺の有無なども術前に把握しておけば、術中看護に活かすことができます。

③ 医療機器に対する配慮ある対応

現在、手術室で使われる医療機器には、電気メス、人工心肺装置などがあります。ICUや回復室では、人工呼吸器、人工透析器、心電図装置、モニタリング装置、輸液ポンプ、シリンジポンプといった様々な医療機器が用いられています。

これらの医療機器は、術後の患者さんの生命維持装置や生命維持管理に必要なものですが、患者さんを拘束状態にし、患者さんは日常とは全くかけ離れた環境に身を委ねなければならなくなります。

これらの状況が長く続けば、患者さんは不安や脅威を感じ、医療機器の音や照明に不眠を訴えるようになることもあります。この状態がさらに長引けば「術後せん妄(術後に一過性におきる意識障害)」を引き起こしてしまう可能性も高いのです。

そのため手術室看護師は、医療機器と患者さんとの間での調整を図る役割を担うことが大切です。手術や治療を行いつつ、患者さんがその環境の中でも最大限快適に過ごせるよう、看護師の配慮ある対応が求められています。

④ 手術の目的を達成しつつ、日常生活の援助を行う

手術室看護では、「患者さんとの関わりが手術室だけのものであり、日常生活援助は行えないのではないか」と感じる人もいるでしょう。

医師と異なり看護師独自の役目のひとつに、日常生活援助が挙げられます。日常生活援助を行う手術室看護とは、手術療法の目的を達成できるよう日常生活援助を実施することです。

例えば、患者さんがいくら嫌がっても、ドレーンを抜くことはできません。しかし、看護師はドレーンによる治療目的を達成させつつ、患者さんが同一体位とならないよう工夫をすることは可能です。

このように治療目的は達成しつつも、患者さんにとって「どのような状態が最適であるのか」を考え、医療的観点から工夫できる看護師となることが大切です。

⑤ 他部門との連携を意識する

手術室看護師だからといって、手術が終われば仕事が終わりということではありません。

手術患者さんは「外来→病棟→手術室→回復室→ICU→病棟」というように、移動を繰り返します。当然関わる看護師も、外来看護師、病棟看護師、手術室看護師、回復室看護師、ICU看護師というように、所属の異なる看護師が対応を分担します。

これは1人の患者さんの看護が分業体制で行なわれていることになります。

分業体制はその部署での専門性が発揮できると長所がある反面、専門外のことについては関心が低下するという短所があります。

先ほどから述べていますが手術室の看護師は、術中だけでなく、「術前・術中・術後」の全期間を通して、患者さんに一貫した看護ケアを提供する気持ちをもって、看護を行うことが大切です。

手術室看護師は、手術室での専門性を発揮し、その責任を果たしながらも、外来・病棟・回復室・ICUとの密な情報交換を行い、連携を深めていくことが重要になります。

今後の手術室(オペ室)看護の役割とは

最後に、「今後の手術室看護の役割」についてお話ししておきます。

現在、「内視鏡下手術」「血管内手術」「臓器移植術」など新しい手術療法が実施される機会が多くなってきました。ここでは患者さんがジレンマを抱えやすい「臓器移植術」を取りあげ、今後の看護師の役割について述べていきたいと思います。

臓器移植術による問題

2018年現在、臓器移植が行われているのは、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸です。移植医療は人間の死生観・倫理観などと密接な関連があり、移植医療に関わる多くの人に様々な思いを抱かせることになります。

例えば、「脳死臓器移植」と「生体臓器移植」ではドナー(臓器提供者)とレシピエント(臓器移植者)との関係性において大きな違いがあります。

「脳死臓器移植」は、レシピエントは全く知らない人から臓器提供を受けることになります。一方「生体臓器移植」では、レシピエントは主に健康な家族や近親者です。

この点が全く異なり、「脳死臓器移植」「生体臓器移植」それぞれに特徴的な問題が生じます。そして看護ケアの方法も異なってくるため、それぞれの臓器移植術の問題点について理解しておくようにしましょう。

脳死臓器移植の問題点

脳死臓器移植におけるドナー家族は、身内の死の悲しみの中で、臓器提供の意思決定を行います。

生前に本人の臓器提供の意思確認があったとしても、現実に直面した家族は「心臓は動いているのに、死と認めても良いのだろうか」「本人が最期に希望したことなのだから…」といったジレンマを感じます。

また一方で、脳死移植を受けるレシピエントも、移植の待機生活期間中、常に死を意識しながら制限ある生活を送りつつ臓器提供者を待ちます。このことは同時に、「脳死患者の出現=人の死」を待つことを意味しています。

このことは、「自分が生きるために、誰かの死を待ち望んでいる」という気持ちが生じやすく良心の呵責を感じ、ジレンマを感じます。

このようなことからドナーの家族に対しては、「臓器を提供したことは正しい決定であった」と納得できるような支援を行うことが看護師には求められています。

また移植を受けるレシピエントに対しては患者さんの抱える苦しみや思いを傾聴し、「臓器提供を受けて良かった」と思えるようなサポートが必要となります。

生体臓器移植の問題点

生体臓器移植の問題点は、「ドナー候補を誰にするか」といった複雑な人間関係が絡みやすいです。ドナー候補が決まったとしても、レシピエントは、「移植を受けることで家族にメスを入れる罪悪感」を感じてしまうことが多くあります。

また移植により、レシピエントと家族との関係や、レシピエントを除いた家族同士の関係も複雑になってしまうことがあります。

とくに社会的役割の多い成人のレシピエントは、家族の気持ちを必要以上に汲み取る傾向にあり、自分が生きることで家族に負担を与えると考えやすい状態にあります。そしてこれがひどくなると「抑うつ」が生じます。

抑うつ状態になってしまうと、セルフケアが低下したり、回復意欲の減退を引き起こしたりし、早期離床が遅くなる原因にもなりえます。

ドナーもまた配偶者で子どもがいる場合などであれば、子どもの世話ができずに落ち込み、親としてのジレンマを抱えることもあります。

臓器移植術に携わる看護師の役割

このように臓器移植に関しては、「移植前の罪責や罪悪感」「生死の葛藤」「ドナー家族の死に直面した状態での意思決定」「恐怖に対する葛藤」「移植後の心理・社会的問題」など、さまざまな問題が生じます。

このような問題が生じた場合、看護師はドナー家族の意思決定を否定することなく、傾聴し、共感の姿勢で臨むことが大切です。そしてレシピエントも葛藤がありながらも前向きに生活していけるよう、サポートしていくことが重要です。

何度もお話ししていますが、「人間の健康的な日常生活をサポートする責任を担う」のが看護師の努めです。

患者さんやそのご家族の最も近くに寄り添い、臓器移植という新しい手術療法を、受ける人も、提供する人もどちらも幸せを生み出せるよう関わることが看護師としての役割だといえます。

まだドナーやレシピエント、そしてそのご家族と、どのような関わりをもっていけばいいのか研究段階にありますが、今後現場で携わることのある「あなた」にこの看護役割を託していきたいと思います。

転職後、すでに一流の看護観をもって臨もう

以上、手術室看護について述べてきました。看護師として、さまざまな葛藤や苦しみを抱える患者さんの気持ちを少しでも楽にできるように関わることが何よりも大切です。

あなたは手術室看護に関しては未経験かもしれません。転職し、入職し始めのころは覚えることが多く、仕事に対して自信がなく、上記で述べたような「看護観などはもっていられない」と思うかもしれません。

しかし、どのように経験がなくても、スキルや知識が不足していても、仕事にやりがいを感じキャリアアップを果たしている看護師というのは、最初からしっかりとした看護観をもって臨んでいます。

知識や技術はあとからいくらでも付いてきます。しかし、看護観というのは「最初からその人がもっている財産」であるともいえます。

患者さんのために「どのように自分が動けばいいのか」「どのような知識やスキルが必要なのか」などを考え動ける看護師になっていってもらえたらと思います。応援しています。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

派遣看護師として転職する

・派遣看護師で高時給・好待遇を狙う

一つの職場で働き続けるという形態ではなく、3ヵ月や半年など一定期間だけ勤務する派遣看護師という方法も存在します。高時給を実現でき、人間関係のもつれがなく、「派遣が終わった後は長期の旅行に行く」など自由な働き方を実現できます。

派遣看護師で働く

注目の人気記事

・転職サイトを活用した看護師転職の体験談

看護師として活動するうえで、私自身も転職活動をしたことがあります。このときは転職サイト(転職エージェント)を利用したため、そのときの実体験や方法を踏まえ、失敗しない転職について紹介します。

管理人による転職体験記

・転職エージェントを活用し、看護師転職で成功する

看護師の転職で失敗しない方法として、必ず意識すべきことの一つに「転職サイト(転職エージェント)を活用する」ことがあります。年収交渉や勤務条件を含めすべて代行してくれるからです。そこで、具体的にどのように活用すればいいのかを確認していきます。

転職サイトの活用法

・看護師転職サイトのお勧めランキング

看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。

お勧め転職サイトランキング

新たな看護師の働き方

・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

美容クリニックへ転職する

・単発・日払いの高時給求人を探すには

「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

単発・スポットバイトで働く