感染予防・対策の基本はなんといっても手指消毒です。医療従事者の看護師自身が菌を媒介しないために、一ケアにつき少なくても一度は手指消毒や手洗いをする必要があります。

仕事中に頻回に手を洗ったり、消毒したりする必要があるため、看護師で手荒れに悩んでいる人は大変多いです。手荒れは看護師の職業病ともいえるでしょう。

看護師が媒介者となって患者さんに感染させないために大切な手指消毒ですが、手荒れの状態は細菌の温床となり感染伝播の一因となります。さらに手荒れを恐れて、手指消毒をおろそかにしてしまうことも、感染要因とつながります。

しかし看護の仕事を続けている限り、手荒れが改善することは難しいのが現状です。だからといって「看護師を辞める」「現在の職場を退職する」と考えるのは早急です。

そこでまずは、看護師の手荒れの原因と治療方法、予防方法について知り、改善がみられるか試してみることが大切です。それでも改善しなければ初めて、退職して職場自体を変えるという手段を取ってみると良いでしょう。

看護師の手荒れの原因

最初に、看護師の手荒れの原因と予防方法について述べていきます。まず、どうして看護師は手荒れを発症しやすいのでしょうか。

まずは解剖生理学を思い出してもらえたらと思います。手の皮膚は、保護膜・表皮・真皮・皮下組織という構造になっています。皮膚には以下のような働きがあります。

  • 体の内側の水分の喪失を防ぐ
  • 体温調節
  • 外的刺激の感知や防御

皮膚には大切な機能がたくさんあります。もちろん手の皮膚にも同様の働きがあります。

手の皮膚の表面には、皮脂膜という潤いを逃さないための保護膜があります。一ケアごとの手洗いで手指を頻回にアルコール消毒したり、入浴介助や検査器具の洗浄など石鹸や洗剤を使用する水仕事をしたりしていると、皮脂膜が取れて手荒れが起こってしまいます。

アルコールには消毒作用がある反面、脱水作用や脱脂作用もあります。また石鹸や洗剤には界面活性剤が入っており、これは皮脂や油汚れを落とす洗浄作用があります。油汚れを落とすということは、手を保護するはずの皮脂も落ちることになります。

石鹸や洗剤に触れる機会が多ければ、誰でも手が荒れてしまいます。これは、アレルギーではなくて、非アレルギー性の接触性皮膚炎です。石鹸や洗剤など物質そのものに刺激性があるものに頻回に触れれば、それだけで手荒れになってしまいます。

このようにアルコールや石鹸・洗剤に触れる機会の多い看護師は、職業柄どうしても手荒れを起こしやすいです。

健康な手の表面は左図のように汚れや外的刺激をブロックする仕組みになっています。しかし、手荒れを起こした手の表面は右図のようになっています。

引用:ネイチャー生活クラブ

もともと手のひらの皮膚は、顔などの皮膚と比較すると角質層が厚く、外的刺激に対して頑丈にできています。しかし、手のひらの皮膚には毛穴は無く、皮脂はあまり出ません。皮脂が出なければ、皮膚バリア機能が低下しやすくなります。

とくにアルコールや石鹸などで頻回に手洗いをする看護師は、皮脂膜が少なくなりやすく手が荒れやすい環境に身を置いているといえるのです。

手荒れの治療方法

手荒れを皮膚科専門医のもとで治療を行う場合、どのような治療が一般的なのでしょうか。

手荒れの初期は、手の乾燥が原因でガサガサして、「あかぎれ・しもやけ・ひび割れ・落屑(かさかさ)・水疱(みずぶくれ)・硬化(皮膚が硬くなる)」などの症状がでます。手荒れの状況に応じて、処方される薬が異なります。

・皮膚が硬くなった場合

症状が悪化してくると皮膚が象のように硬化し、ゴワゴワになります。アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚のように硬くなります。慢性的な皮膚の炎症を繰り返していると、表皮細胞がターンオーバーできずに、治りにくいのが特徴です。これを皮膚の苔癬化(たいせんか)といいます。

皮膚科では、このように苔癬化した皮膚の治療方法として、ステロイド外用薬と亜鉛華軟膏の重ね塗りを勧めるところが多いです。

ステロイド外用薬は、皮膚の炎症を劇的に鎮静化させる効果を期待できます。手荒れの重症度に応じて、適切な強さのものを処方してもらうようにしましょう。

ただし、手は体の中でも皮膚の最も厚い部位であるため、とても強いランク(アンテベート軟膏やネリゾナ軟膏など)のステロイド剤が選択されることが多いようです。これらを処方された場合は、医師や薬剤師に指導された用法・用量・使用期間を守るように心がけましょう。

一方、亜鉛華軟膏は、ステロイド外用薬ほどの効果はありませんが、患部を保護して炎症を緩和させる効果と、患部の浸出液を吸収し乾燥させ皮膚の再生を促す効果があります。こちらはステロイド外用薬と異なり、長期使用が可能とされています。

・皮膚が薄くなった場合

一方、弱い外的刺激が加わり続けると、表皮の角質細胞が角化できず、皮膚が薄くなる場合もあります。悪化すると、指紋がなくなる人もいます。この場合、皮膚科では外的刺激を避け、プロペト(ワセリン)などの保湿剤を頻回に塗る方法を勧められることが多いです。

ワセリンは、ドラッグストアなどで簡単に手に入れることができます。

私は必ず一つ小さいものを持ち歩き、家には大きいサイズを置くようにしています。最初はワセリンのべとべとするのが苦手でした。

しかし、「1分程度塗りのばしていると、手に馴染んでくる」のを知ってからは愛用しています。ワセリンをつけると手に薄い膜が張られたような感じになります。洗剤を使わない仕事であれば、ある程度の水ははじいてくれるため、ちょっとした水仕事をする際には重宝します。

プロペト(ワセリン)は、石油を精製したものです。石油由来の成分となると体に悪いイメージがありますが、石油はもともと地下から湧き出している天然由来の成分です。現在では高度な技術で石油を精製しているため、安全性が非常に高い成分です。プロペトは生まれたばかりの赤ちゃんにも使用できます。

しかし、いったん荒れ始めた手指は、皮脂膜が少なくなっているばかりか、皮膚のバリア機能が壊れているため、外的刺激にさらに弱くなっています。そうなると、水に触れただけでも手は荒れてしまうのです。また、手が荒れる前には何ともなかった紙などに触っても、敏感に皮膚が反応し始めて荒れるようになってきます。

こうなると完治するのはさらに困難になります。

手は仕事をしているときだけでなく、仕事をしていないときでも、一日中いろいろなものに触れます。そのため、手の皮膚を安静に保つというのは至難の業です。医療機関で処方された塗り薬は、なにかと手を使う昼間や仕事中であれば、塗布しづらいのが現状です。

一日のうち、寝ている時間の6時間だけ薬を塗っても、それは1日の4分の1にしかすぎません。残りの時間は刺激にさらされているような状況では治らないのも当然です。では手荒れを予防するには、どうすればいいのでしょうか。

看護師の手荒れの予防方法

次に看護師が自分でできる手荒れの予防方法について述べていきます。

手荒れは非常に厄介です。手荒れで皮膚科を受診する看護師は多いのですが、薬を処方されて完治したという人をあまり聞いたことがありません。それは手荒れを発生させる原因が看護師の仕事にそのものにあるからです。

しかし手荒れだからといって、すぐに看護師の仕事を退職するわけにはいきません。まずは「手荒れを治す」という強い気持ちをもって、3ケ月間、次の方法を行い、皮膚状態を回復させる努力をしてみましょう。

① 洗剤やアルコールに触るときは必ず手袋をする

職場の上司に手荒れが辛いことを申し出て、洗剤やアルコールに触るときには、必ずゴム手袋の着用をさせてもらうようにしましょう。

ゴム手袋で手がかゆくなる人は、ラテックスアレルギー専用のゴム手袋があるので購入してもらうと良いでしょう。一人だけラテックスアレルギー専用のゴム手袋を使用するのに抵抗がある人は、綿の手袋の上にゴム手袋を重ねて装着すると、直接ゴムが手に当たらないので手荒れを起こしにくくなります。

ちなみに私の勤める職場では、ラテックスアレルギーの人はいないので、ラテックスアレルギー専用の手袋は置いていません。ただ、以下のように手荒れで頻回にゴム手袋を使用する看護師用の安価なゴム手袋と、細かい作業を行うとき用のやや高価なゴム手袋を使い分けるようにしています(左がやや高価、右が安価なゴム手袋です)。

患者さんの洗髪や足浴・手浴などのケアのときだけでなく、自分の洗髪時にも、できれば薄手の手袋をして手を保護するようにしましょう。もちろん洗濯干しや皿洗いなどのときも手袋を着用しておけば、手を外的刺激にさらさずに済みます。

② 日常的手洗いよりも衛生的手洗いを主に行う

仕事中は、日常的手洗いよりも衛生的手洗いを主に行うよう意識してみましょう。

日常的手洗いとは、石鹸や界面活性剤を使って30秒以上行う手洗いです。一方、衛生的手洗いとは、アルコール消毒など速乾性擦式手指消毒剤を使った手洗いのことです。

「アルコール成分を使っていない日常的手洗いのほうが、手荒れになりにくい」と考えている人が多いですが、実はそうではありません。

日常的手洗いは、石鹸や、場合によってはお湯を使用します。これが、手の表面の皮脂膜を取る原因となります。石鹸や洗剤には界面活性剤が入っており、手を保護する皮脂を落とします。

また、日常的手洗いを行う際、手についた水分の拭き残しがあると皮膚の表面に残った水分と一緒に、皮膚の角質層の中に蓄えている水分も蒸発させてしまうため、手荒れを助長させてしまいます。

一方、衛生的手洗いは、速乾性擦式手指消毒剤を使用します。現在医療機関に置かれている速乾性擦式手指消毒剤は開発が進み、日常的手洗いよりも消毒効果が高く、数種類の保湿成分が含まれていることが多いため、手荒れを予防しやすくなっています。

例えば、一般的な医療機関でよく見かける速乾性擦式手指消毒「ピュアミスト」の成分を一つひとつ確認していきます。

引用:キョーリン製薬グループ ヘルスケア事業

まず始めにベンザルコニウム塩化物について解説します。こちらは界面活性剤の一種で、殺菌・消毒成分があります。コンタクトレンズの防腐剤としても使用されている薬剤です。

エタノールは、化粧水などにも使われており、殺菌・防腐・溶解などの目的があります。イソプロパノールにもエタノールと同じように殺菌作用があります。イソプロパノールを添加する理由は、エタノールにイソプロパノールを添加すると飲用不可となり、酒税が免税され安価で提供できるようになるからです。

ミリスチン酸イソプロピルは、天然の油脂やロウと同じ構造をもつ油として合成されたエステル油で、保湿目的で多くの化粧品にも使われている成分です。ミリスチン酸イソプロピルはロウと同じ構造をもち、合成ロウとも呼ばれています。

グリセリン保湿剤で、こちらも多くの化粧品に使われています。下の写真のように私が使っている無印良品の化粧水にも入っています。

2-メタクリロイルオキシエチルホスホリスコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(リピジュア®は、ピュアミストが売りとしている保湿成分です。人間の細胞膜をモデルに作られた高分子成分で、保湿性に優れているとされています。化粧品や人工臓器などにも応用されています。

このように、速乾性擦式手指消毒剤には多くの保湿成分が含まれているため、日常的手洗いよりも手の保湿を保ち、手荒れを予防することができるのです。

③ 手袋をつけたままにしない

荒れた手を保護したいために、仕事中はずっと手袋をしたまま仕事をしている人がいます。しかし、これでは清潔でないばかりか、手袋の中が自分の手汗で蒸れてしまい、皮膚炎を起こしやすくなってしまいます。

できれば一ケアが終わるたびに手袋を外して、速乾性擦式手指消毒剤でアルコール消毒を行い、衛生的手洗いを行うようにしましょう。

④ 皮膚保護クリームを塗る

手荒れは、ハンドクリームの選び方で治り方はかなり違ってきます。一般的なハンドクリームはもちろんのこと、皮膚保護クリームやバリアクリームと呼ばれる皮膚の表面をコーティングするクリームを活用してみるのはいかがでしょうか。こちらはネットやドラッグストアなどで売られています。例えば、次のような商品です。

水仕事をする前に、このような皮膚保護クリームやバリアクリームを塗っておくと良いでしょう。皮膚保護クリームは人工的に保護膜を作り、手荒れの原因となる水・お湯・アルコール・洗剤などから手を守ってくれます。

これに一般的なハンドクリームやハンドローションを併用すると皮膚が保護され、手荒れ予防につながります。手荒れ専用のクリームなどがあるため、自分に合った使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

ただし、仕事中は匂いのするハンドクリームをつけるのは控えたほうが良いでしょう。患者さんの中には匂いに非常に敏感になっている人がいるからです。

ちなみにハンドクリームは医師の処方が必要な医薬品よりも効果は劣りますが、ネットやドラッグストアなどで購入する場合、次のように医薬部外品と表示があるものを選ぶと良いでしょう。

医薬部外品とは、医薬品と化粧品の中間に位置し、医薬品より比較的安全性が高く、化粧品より効果の認められた有効成分が配合されたものになります。ドラッグストアなどでハンドクリームを購入する場合は、医薬部外品の表示があるものを選ぶと良いでしょう。

私の勤めるクリニックでは院長に交渉して、以下のような医療用ハンドローションをハンドソープの隣に置いてもらうようにしました。手の保湿や保護が行えるため、次の処置までに時間が空くようなときは、手を洗って拭いたあと、こまめにつけるようにしています。匂いがなく、伸びがいいものを選ぶと良いです。

ハンドソープをこまめにつけるのを習慣にするコツは、ハンドソープの近くにハンドクリームやハンドローションを置いておくことです。そうすれば目に入りやすいので、付け忘れることが少なくなります。

⑤ 手が濡れたらすぐに拭く

手を濡らしたまま長時間放置していると、手が荒れる原因になります。どのように忙しくても、濡れたままの手で次の処置をしてしまっては、看護師だけでなく患者さんも気持ちの良いものではありません。手の水分を完全にふき取るのに、3秒かかりません。

その時間さえ無いようであれば、ペーパータオルをポケットの中に忍ばせておいて、こまめに手を拭くように心がけましょう。

⑥ 就寝時には集中的に手荒れをケア

就寝時には、手荒れを集中的にケアするようにしましょう。荒れた手を保護するには、ハンドクリームを塗って、綿やシルクの手袋をつけて寝ると効果的とされています。

綿は吸湿性があり、ゴム手袋のように蒸れることはありません。シルクには綿のような吸湿性に加えて、さらに保湿性・放湿性があるので、シルクのほうがおすすめです。

手袋をつけると、外的刺激から手を保護することができるだけでなく、手の冷えを防ぎ、保湿効果も期待できます。

また、夜間密閉療法を行ってみても良いでしょう。処方されたステロイド軟膏を傷口に塗り、その部分にだけ軽くラップを巻いて眠る方法です。この方法を3日間行い、改善がみられるか試してみてください。

ラップで巻くことで、薬剤が浸透しやすくなります。ただし3日を限度とします。それ以上はゴム手袋を四六時中つけているのと同じで、手汗で皮膚炎を引き起こす恐れが出てきてしまうため、止めておいたほうが無難です。

⑦ 除菌製品はなるべく使用しない

除菌製品は手荒れの原因の一つとなっていることがあります。「薬用石鹸」「除菌ハンドソープ」「除菌食器用洗剤」などは、手荒れの原因となることが多いのです。

職場で除菌製品を使用している場合は医療機関ということで仕方がないかもしれませんが、家ではできるだけしないほうが手荒れに関しては得策です。

もともと皮膚の表面には、多くの常在菌が存在しています。約20種類、数百億個の常在菌が住み着いているのです。これらの常在菌は一見「雑菌」と考えられがちですが、皮膚を守る大切な働きをしている菌のほうが多いことが分かっています。

例えば、表皮ブドウ球菌といわれる常在菌は、別名「美肌菌」ともいわれている菌です。表皮ブドウ球菌は、全身の角質と角質の間に存在し、肌に保湿効果をもたらすグリセリン関連物質を分泌します。また、黄色ブドウ球菌に対抗する抗菌ペプチドを産生するため、皮膚を保護する役割も果たしているのです。

しかし除菌製品を多用すると、雑菌だけでなく、表皮ブドウ球菌のように体に必要な常在菌の多くが取り除かれてしまうことになるのです。これでは、手荒れを自ら助長していることになりかねません。日常生活において、除菌製品で皮膚の除菌までする必要はありません。

手荒れで悩んでいる方は特に、除菌製品は避けたほうが良いでしょう。

⑧ 絆創膏を多用しない

私の同僚看護師の中に、手荒れがひどく手の関節から出血を繰り返す人がいました。採血をするときに、手荒れを見た患者さんが嫌がってはいけないと、ひび割れて出血した部分に絆創膏を何枚も貼っていました。本人も直接、手荒れの傷口にアルコール消毒薬がしみないので楽だったのでしょう。

しかし、手荒れで出血していても絆創膏を多用してはいけません。絆創膏をはがすとき、絆創膏のテープ部分と一緒に皮膚表面の角層も剥がれてしまいます。これでは肌のバリア機能がさらに低下することになります。

さらに絆創膏の中が水仕事などで濡れた状態になっていると、角層がふやけて、傷口に雑菌が侵入しやすくなり、肌荒れの原因となってしまいます。

手荒れで指先のひび割れや出血がつらい場合は、皮膚科でドレニゾンテープを処方してもらうと良いでしょう。ドレニゾンテープは薄い透明なフィルム状のテープです。ただ、やや剥がれやすいのが難点です。

ドレニゾンテープが剥がれやすいと感じる場合は、傷口を生理食塩水や水道水できれいに洗い流したあとで、褥瘡処置などで使われるデュオアクティブを貼り、そのうえからオプサイトジェントルロールというシリコーン製の粘着剤を貼る方法もあります。

デュオアクティブでなくても、ドラッグストアなどで購入できる傷パワーパッドなどでもよいですが、粘着力はデュオアクティブのほうが優れています。

貼ったり剥がしたりを繰り返さないで済むような保護テープを選択し、自己治癒力をサポートするように心がけましょう。

⑨ パウダー入りのゴム手袋は避ける

パウダーが入っているゴム手袋のほうが、手を手袋にすんなり入れることができるため、パウダー入りゴム手袋を採用している医療機関が多いです。

しかし、ゴム手袋の中に入っているパウダーは、皮膚の水分を吸収し、皮膚の乾燥を引き起こすリスクがあります。またパウダーは、水分だけでなく脂質も吸収するため、手の細胞を研磨させてしまい、表皮バリアが傷つく恐れがあります。

こういったことから、パウダー入りゴム手袋をパウダーフリー手袋に切り替えるだけで、手の湿疹やかゆみといった手荒れを防ぐ効果があることが判明しています。

もし可能であれば、パウダーフリーのゴム手袋を使うほうが手荒れを防ぐことができます。またゴム製の手袋でも天然ゴム製の手袋のほうがさらにかぶれにくくなります。

さらに、天然ゴムよりもかぶれ症状を引き起こしにくいものがあります。それは、人口ゴムであるニトリルゴム製のゴム手袋になります。ゴム手袋をすると、どうも手荒れがひどくなるような場合は、こちらを使うと良いでしょう。

手荒れの看護師におすすめの転職・求人先

これまで手荒れの治療方法や予防方法について述べてきました。さまざまな方法を試してみても、手荒れが治りづらい場合は、やはり職場環境そのものに問題があるといえます。手荒れは看護師の職業病とはいえ、手荒れの心配のない職場が存在します。すぐに看護師を辞める必要はありません。

そこで次に、手荒れで悩んでいる看護師におすすめの転職先についてお話ししていきます。

介護施設

介護施設というと、一見、入浴介助やおむつ交換など「手荒れが悪化してしまいそうな職場環境」と考える人が多いですが、実はそのようなことはありません。

入浴介助やおむつ交換は介護士が行う仕事であり、看護師は入所者さんのバイタルチェックなどの健康管理を行うことが主な仕事だからです。そのため、手荒れを起こす入浴介助のような仕事は少なく、手荒れで悩んでいる看護師にとっては働きやすい職場であるといえます。

ただし介護施設の中には、介護士と看護師の仕事の線引きが曖昧な施設が存在します。看護師に、介護士の仕事まで任せている施設であるのです。入職時に介護士の仕事を任されたとしても、新人看護師であれば「これは看護師の仕事ではない」と拒否できない環境にあります。

すべてがすべて、看護師と介護士の仕事の線引きをすることは難しいでしょうが、転職前にしっかり介護施設の仕事内容を調べて、看護師が行う具体的な仕事内容を確認するようにしましょう。もし自分一人で調べるのに、限界があれば、転職サイトを利用する方法があります。

転職サイトのなかには、以下のように「情報入手だけの利用でも大丈夫」とする「看護のお仕事」といった転職サイトも存在するので、そのようなサイトを利用すると良いでしょう。

有料老人ホームやデイサービス

有料老人ホームやデイサービスでは、利用者さんは比較的自立度が高く、清潔処置を必要としている人はあまりいません。

看護師は利用者さんの健康管理を行うのが主な仕事となります。バイタル測定やケガの処置、入浴可能かの判断、入浴後の軟膏塗布、救急時の対応などになります。ときにレクリエーションの補助に入ることもあります。採血などの看護処置が少ないため、手荒れの心配が減ります。

例えば、ある大手の有料老人ホームの看護師求人の仕事内容は以下の通りです。

勤務時間や給与については、以下のとおりです。

デイサービスでは看護師は以下のような仕事内容となっています。

整形外科クリニック

整形外科クリニックは、採血などの医療処置が少ないため、手荒れを起こしにくい職場です。整形外科でも病棟であれば、術前・術後の患者さんの管理が中心となりますが、整形外科クリニックでは回復後のリハビリが中心となります。テーピングや包帯、ギブスでの固定方法などが習得できます。

ただ、整形外科の看護師は体力を使うことが多くなります。体重の重たい患者さんの車椅子移乗やベッド移乗、レントゲン介助など体力を要求されることがしばしばあります。

整形外科の看護師は、手荒れよりも腰痛を心配している人が多いのが特徴です。反対に、体力に自信のある方ですと問題なく働くことができます。

整形外科クリニックの看護師求人の一例を挙げます。

オペのない眼科クリニック

オペのない眼科クリニックの看護師の主な仕事は、検査と医師の診療の補助になります。検査は、視力検査や眼底検査、視野検査などになります。眼科は患者さんと直接触れる機会が少ないため、手指消毒を頻繁に行う必要はありません。

ただし、オペを行う眼科であると、手荒れの可能性は一気に高まります。やはり医療的処置の多い職場になると、どうしても手が荒れやすくなってしまいます。

オペの介助に入ると、衛生的手洗いよりもさらに高度な手術時手洗いを行います。専用のたわしを使い、石鹸や界面活性剤などで爪の間まで入念に手洗いを行った後、速乾性擦式手指消毒剤を用います。この工程は、手荒れをかなり悪化させます。

さらに、オペ室を掃除する際も、多量の消毒薬を使用します。オペのない眼科クリニックを選ぶようにしなければ、手荒れは悪化の一途をたどるので注意が必要です。

眼科クリニックの看護師求人の一例を挙げます。

コールセンター

「看護師自体を手荒れのせいで辞めたい」と考えている人であれば、コールセンター業務をお勧めします。

コールセンターでの仕事とは、電話による健康相談です。利用者は主に、従業員・健康保険組合員・保険締結者などになります。健康相談なので、いままでの看護師の知識を使って仕事をすることができます。

コールセンター初心者でもマニュアル完備されているところがほとんどですので、心配はいりません。ほとんどの求人が初心者OKとなっています。ただ、マニュアル完備されているものの、パソコンスキルやコミュニケーション能力に自信のある人のほうが採用されやすい傾向にあります。

コールセンターは、直接患者さんと接することはありません。そのため、清潔操作に気を配る必要はなく、手荒れの原因をもとから断ち切ることができます。また、看護師の免許が必要であるため、ある程度の収入を確保することができます。

さらにコールセンターの求人の特徴として、雇用形態が様々に準備されていることが多いです。「日勤のみ」「夜勤あり」「パート」「時短勤務」など、自分の都合に合わせて働くことができるため、入社しやすいのがメリットです。

コールセンターの看護師求人の一例を挙げます。

手荒れで「看護師を辞める」のは早い

手荒れは何らかの処置をするたびに、手が痛み、苦痛を伴います。そのたびに「看護師を辞めたい」「いまの勤め先を退職したい」と深刻に悩む人がいます。

しかし、手荒れには改善の余地がまだまだあります。この記事で紹介した方法を試してみて、それでもなかなか改善しないようであれば、転職を考えると良いでしょう。まだまだ世の中は広く、手荒れがきっかけで、天職に巡り合える人がいるかもしれません。

前向きに乗り越えていってもらえたらと思います。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

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