ツアーナースを経験したことのある看護師であれば、多くの方が「ツアーナースをして良かった、本当に楽しかった」「また機会があれば、ツアーナースをしたい」という感想をもちます。

それほど、ツアーナースの仕事は多くの看護師にとって、病棟や施設の仕事とは異なった開放感が魅力的なのでしょう

しかしツアーナースをする上で、臨床経験の少ない看護師だと「私にもツアーナースができるのかな」と不安を抱くことがあります。

それは事故や急病人が出た場面での「応急処置の方法」や「病院を受診するかどうかの選択」そして「救急搬送が必要かどうかの判断」が求められるときです。

今回は、臨床経験が少ない看護師がツアーナースをする際に不安にならないで済むための「応急処置の具体的な対応方法」や「病院受診が必要かどうかの判断」など必要なスキルについて確認していきます。

ツアーナースに必要なスキルとは

ツアーナースをしている最中に訴えが出やすい症状における、「応急処置の具体的な対応方法」や「病院受診が必要かどうかの判断」などの必要なスキルについて述べていきます。

※以下に掲載していることは、あくまでも目安として参考にしてください。実際の現場では、そのときどきの状況に応じて臨機応変に判断してもらえたらと思います。

乗り物酔い

子どもに多い症状です。車や電車、バスなどの乗り物に乗って、一時的にめまいや吐き気などの症状が出るものです。「動揺病」「加速度病」ともいわれます。

乗り物酔いは、段階を経て症状に変化がみられます。初期症状として、頭重感・頭痛・生唾・欠伸(あくび)などがみられます。次に、冷や汗・顔面蒼白・悪心(吐き気)・手足が冷たくなる・ふらふらした感じなどが起こります。そして嘔吐となります。

乗り物酔いは、自律神経の働きが乱れ、脳が警鐘を鳴らしている状態です。症状を放っておくと、症状は悪化の一途を辿ります。

対策としては以下のことを試してみるとよいでしょう。

・あごを引いて、乗り物の進行方向に目線を置く

乗り物酔いの原因は、脳が予測した情報とのズレを感じ、自律神経の働きが乱れてしまうために起こります。

そこで、あごを引いて、乗り物の進行方向を見るようにします。またカーブなどでは乗り物の動きに合わせて身体を傾けるなどすると、脳の予測した情報との間のズレが少なくなり、乗り物酔いには効果的です。

乗り物の進行方向が見えにくい場合は、遠くの景色をみるようにアドバイスをするとよいでしょう。

・乗り物のなかでゲームや読書をさせない

揺れている乗り物の中でゲームや読書をするのは、もともとあまり乗り物に酔わない人でも酔いを助長させます。目の近くで小さな文字や画面などを追うと、さらに脳は乗り物の揺れを予測しにくくなり、乗り物酔いの症状が悪化しやすくなってしまいます。

・揺れの少ない場所に移動する

揺れることで酔いが悪化してしまうため、揺れの少ない場所に移動させましょう。バスなどの乗り物ですと、運転席の近くです。船ですと、中央あたりの席に座らせると乗り物の振動が少なく、酔いにくいとされています。

・身体を締め付けない服装にする

身体を締め付けるような服装を着ていると、ムカムカが助長されます。お腹を圧迫するようなベルトや首を絞めつけるネクタイを付けているようであれば、外してもらいましょう。靴も脱ぐとリラックスできます。

・嫌な臭いを断ち切る

嫌な臭いは、乗り物酔いの症状を悪化させます。例えば、ガソリンやたばこなどの普段接しない臭いだけでなく、他の人が食べているおやつの匂いも乗り物酔いをしている人にとっては悪臭となりえます。

そのような臭いが車内で立ち込めている場合は、窓を開けて新鮮な空気を取り込み、空気を入れ替えてあげましょう。

・市販の酔い止めを飲ませる

これらのことを試してみても、それでも効果がない場合は、酔い止めの薬を飲ませると良いでしょう。酔い止めの薬を飲むことで、薬効だけでなく、「薬を飲んだから、もう大丈夫だ」という安心感を得ることもできます

ただし、添付文章をよく読み、服用に適したタイミングと留意する副作用、飲み合わせ禁忌の薬などを服用していないかなど注意が必要です。

・乗り物に乗る前にできること

また事前に行える対策としては、まずは十分な睡眠をとって体調を整えておくことが大切です。睡眠不足で身体に倦怠感があるときは、血圧が低下気味で血流が身体に十分に行き渡らないため、自律神経が乱れやすい状態になっています。これだと、乗り物酔いをしやすい傾向にあるといえます。

さらに乗り物に乗る前に、満腹すぎても空腹すぎても乗り物に酔いやすくなります。乗り物に乗る前の食事は軽めにし、小腹がすいたら手軽に食べることができる軽食や飲み物を用意しておくほうが良いです。

また子どもは一度乗り物に酔ってしまった経験があると、その記憶がストレスとなり、乗り物に乗ると気分不良や悪心、眩暈(めまい)の症状が誘発される子がいます。

ツアーの初日に乗り物酔いをした子に対しては、「乗り物に乗る前は軽く食事をする」ようアドバイスを行うとよいでしょう。

外傷

こちらも、どのようなツアーでもよく起こる症状の一つです。ひと言で外傷といっても症状は多岐に渡るので冷静な判断が必要となります。こちらについては、身体のどの部位を受傷したかによって、その対処法をそれぞれ確認していきます。

・歯・口の外傷

歯や口にケガをした場合は、口の軟組織の血液と唾液が混じるため出血量を多く感じ、特に子どもはパニックになりやすいです。まずはケガ人を落ち着かせ、受傷した歯や口の状態を冷静に観察しましょう

歯の破折である場合は、歯の先端部か歯根部かを見極めます。破折部が歯の先端の一部で、冷水で感じるようであれば、緊急度は低く、近日中に歯科医療機関を受診するようにしましょう。

一方で、歯冠の破損した部位が歯肉部に近かったり、歯髄が露出していたりしているようであれば、早急に歯科医療機関に受診するようにしましょう。早めに専門医の処置を受けなければ、治癒期間が長くなるだけでなく、完全な治癒が困難となります。

隣の歯に水平(前後)や上下(垂直)に受傷した歯が移動したような歯の脱臼である場合は、歯を元の位置に押し込み戻します。こうすることで、止血になるだけでなく、予後も良くなります。

出血している場合は、滅菌ガーゼなどで圧迫止血を行います。歯が脱落している場合は、脱落した時間を記憶し、早急に保存液か生理食塩水、もしくは牛乳に浸し、受診するようにしましょう。

・頭部の外傷

頭部の外傷で気を付けなければならないことは、他の身体の部位に対して、重症化して後遺症を残したり、稀に死亡したりするケースもあるということです。慎重にならなければなりません。

大きく分けると「意識障害を伴わない頭部の外傷」と「意識障害を伴う頭部の外傷」で重症度が異なります。意識障害を伴わない場合は、脳への影響はほとんどなく重症化することはあまりありません。

しかし頭皮に外傷があれば、外傷の割に出血が多いのが特徴です。清潔なガーゼなどで圧迫し血を行い、外科医で早めに処置をしてもらいましょう。またときに頭蓋骨に骨折を伴っている場合もあるため、やはり外科医に診てもらうことが大切です。

意識障害を伴う場合は、外傷により脳自体に障害が及んでいる可能性があります。意識障害はさらに重症度を分類することができます。

① 意識障害が数分程度だった場合

意識障害とは、脳に衝撃を受けたことで意識が混濁してしまい、「刺激を行ったり、呼び掛けをしたりしても無反応で、状況を正確に理解できない状態」のことをいいます。

たとえ意識障害を起こしたのが数分と短い時間だとしても1~2時間は安静にし、経過観察を行います。

その後、下記のような異常があれば早期に病院に受診する必要があります。これらは脳に障害がみられたときに生じる症状です。

脳に外傷があった際の「気を付けなければならない症状」

・意識障害が出現する…うとうとし、寝はじめる。わけの分からないことを言い始める

頭痛や嘔吐を訴える

・顔や四肢の片側に麻痺が出始める…舌を出すと麻痺のある側に曲がる。片側だけ四肢に力が入らなくなる

物が二重に見え始める

痙攣が起こり始める

瞳孔の大きさに左右差が表れる…患側の瞳孔が散大する

② 意識障害か逆行性健忘、または両方が5分以上続いた場合

逆行性健忘とは、「障害の起こった時点より前のことを思い出すことができない」などの症状です。自分がどうして受傷したのか、なぜこのような状況になっているのか分からなくなります。

このような症状が表れた場合は、少なくとも6時間以上、注意深く観察を行います。①で挙げた「気を付けなければならない症状」が出始めるようであれば、すぐに医師の診察を受ける必要があります。

③ 受傷当初より意識障害があり、症状が持続する場合。徐脈や呼吸抑制、嘔吐が強くなっている場合

このような場合は、早急に脳外科手術の行える医療機関に救急搬送を行う必要があります。

救急車が到着するまでの5~10分間、急激な脳圧亢進による呼吸停止や心停止に備えて、心肺蘇生の準備をしたり、AEDの手配を行ったりしておくことが重要です。

・四肢の外傷

四肢の外傷には、打撲や捻挫、骨折、脱臼などがあります。症状とは、受傷した部位の腫脹(腫れ)と疼痛(痛み)などです。

応急処置を行う理由は、症状の悪化の防止と早期回復が目的です。麻痺、変形、開放骨折などがみられる場合は、応急処置を施したうえ、救急搬送をするなど早めの対応をしなければなりません。

・捻挫・脱臼・骨折

捻挫とは、外からの力によって関節包や靭帯が損傷し、関節が通常の可動域を超え、一時的に関節面の相互関係が壊れ、時間の経過とともに元に戻る状態のことです。

脱臼は、関節面の相互関係が壊れたままで、変形がみられる状態のことです。骨折は、外からの力のより骨が変形や損傷をおこし、連続性がなくなった状態をいいます。

受傷した直後は、ただの打撲や捻挫だと推測していても骨折を伴っている可能性もあるため、急ぎではないものの外科医に診せておいたほうが安心です。

痛みを訴えるようであれば、応急処置(RICE処置)を行い、添え木などをあて痛みを伴わないように固定をしてから、医療機関を受診するようにしましょう。

RICE処置について下記を参考にしてください。

RICEとはケガの応急処置の4原則です。

・R:Restは患部を安静にします。包帯や三角巾、添え木による固定を行い、受傷部の悪化を防止します。

・I:Icingは冷却の意味で、受傷部をタオルであて、その上から氷や保冷剤で冷やします。出血の抑制と疼痛緩和の目的があります。

・C:Compressionは圧迫の意味で、受傷部を包帯などで押さえます。出血と腫脹の軽減を図る意味があります。

・E:Elevationは挙上の意味で、受傷した部位を心臓より高い位置に挙げ、圧迫とともに出血と腫脹の軽減を行います。

注意点意識消失、ショック、頭部、頸部、背部の外傷や大量出血、脱臼・骨折が疑われる場合、RICEは実施せず、むやみに動かさないことが重要です。

また、アイシング時間の目安は15分前後で、感覚が麻痺する前に止めなければ、凍傷を起こす危険性があります。また圧迫しすぎると血行障害を起こす危険があるので、適度な圧迫が大切です。

RICE処置を施しても症状が改善せず、痛みを訴える場合は、骨折か靭帯損傷を起こしている危険があります。その場合は早急に医療機関への受診が必要です。

また、起立位ができないようであれば、下肢の脱臼や骨折の可能性が高いので、救急搬送の要請を検討します。

・創傷・開放創(外傷)

傷口から出血しているようであれば、すぐに応急処置をする必要があります。

まずは、水道水などの流水を使い、受傷部をキレイに洗います。そのときに、傷口をこすって洗ってしまうと、血が止まりにくくなってしまうので、こすらないように注意しましょう。

次に、出血部位を清潔なガーゼやタオルなどで圧迫しましょう。

これらの応急処置を行って数分で止血しない場合は、出血部の圧迫もしくは、出血部位より心臓側をタオルなどで縛って、早急に医療機関を受診するようにしましょう。

特に開放骨折といって、開放創があり骨折した部分が皮膚の外に出ている場合は、骨髄炎を発症させてしまう可能性が高くなってしまうので、救急搬送など緊急に対処することが大切です。

熱中症

熱中症では、高温の環境に長い時間いると体温調節がうまく働かなくなり、大量に汗をかくことで体内の水分や塩分が失われ、けいれんや眩暈(めまい)、頭痛、吐き気など全身の症状を引き起こします。放置しておくと死亡の原因にもなりかねません。

気温の高い時期に、キャンプなどの屋外はもちろん、屋内でも熱中症を発症し、急に体調が悪くなる人もいるのでツアーナースは常に注意が必要です。

もし熱中症を疑うような参加者がいたら、すぐに下記のような応急処置を行いましょう。

・木陰やエアコンのきいた室内など涼しい場所に移動する

・衣服を緩め、風通しを良くする

・濡らしたタオルで顔や手足を冷やす(保冷剤があればガーゼで包み、頸部や腋窩、鼠径部にあて動脈を冷やす)

・塩分の入った水分をこまめに補給させる

また、熱中症には重症度別に「(軽度)熱失神→熱けいれん→熱疲労→熱射病(重度)」があります。それぞれのメカニズムには違いがあるため、原因に応じた応急処置を行うと、早期の回復が望めます。

・熱失神

暑さのために血管が拡張し、血流が減少するために血圧が低下します。もちろん、脳に送られる血流も減少するため、熱失神の一因となってしまいます。症状としては、めまい、脈は速いが弱く打つ、一時的な失神、顔面蒼白などがみられます。この状態を熱失神といいます。

一般的に、生理食塩水やスポーツ飲料を補給することで回復します。また脳に血流を送らせるために、足を頭より高くしましょう。

・熱けいれん

熱けいれんは、汗を大量にかいて体内の塩分(ナトリウム)濃度が低下したにもかかわらず、水分だけを補給した場合に発症します。症状としては、電解質バランスが崩れるため、手足のけいれんや腹部、腕に筋肉痛などの痛みを感じます。

このような症状が出現した際の応急処置の方法としては、塩分の補給が先決です。1リットルあたり約9g(小さじ2杯か中さじ1杯程度)の食塩を入れた生理食塩水を作り、それをこまめに補給させることで回復に向かいます。スポーツドリンクでも大丈夫です。

・熱疲労

熱疲労となると、塩分だけでなく水分も無くなり、重度の脱水症状を発症した状態になります。暑さのために血管は拡張し、脱水により血流が減少するために低血圧になります。体温調節機能はまだ低下しておらず、発汗はしています。

症状としては、全身倦怠感、悪心や嘔吐、頭痛などです。

身体から水分と塩分の両方が抜け脱水症状を起こしているので、塩分の入った生理食塩水やスポーツドリンクなどを補給させてください。また、熱疲労も熱失神と同様に脳に血液が回りにくくなっているため、足を頭より高く上げて横になってもらいます。

・熱射病

熱射病は熱疲労が更に悪化した状態になったものです。脱水症状がさらに悪くなり、体温調節機能もうまく働かなくなるため、発汗がみられなくなります。体内に溜まった熱が放散できなくなり、体温は上昇し続け、40度を超える可能性もあります。

体温が41度を超えると、けいれんがみられ、さらに42度を超えると細胞が破壊され、体内の重要な臓器(心臓・肝臓・腎臓など)や中枢神経に障害が起こり、死亡する可能性もあります。

症状としては、呼びかけても反応しない、言動がおかしい、意識が消失しているなどの意識障害やふらつきがみられます。

これらの症状が確認できた場合は、すぐに救急車を呼びます。救急車が到着するまでの間、頸部や腋窩、鼠径部などを冷やしたり、身体に濡らしたタオルを当てたり、また水をかけたりするなど、体を冷やすことが大切です。

風邪が疑われる発熱

風邪が疑われる場合の発熱は、ウイルスの体への侵入に対抗するためにおこります。熱の出始めは身体を震えさせ、体温を上げようとするのです。このような場合は、無理をさせず、保温性の高い衣類や寝具で体温を逃さないように気を付けます。

体温が上昇し続けると、体力が消耗されるため体力的に辛いときです。しかし体内ではウイルスや細菌を体内の熱で撃退している最中になります。

ちなみに、発熱により体内の免疫細胞が活性化するため、ビタミンCがいつもより5倍近くも失われます。そのため、発熱時には水分とともにビタミンCの補給をしてあげると良いとされています。

できれば、解熱剤の服用は避けたほうが回復が早いのですが、39度以上の高熱だったり、本人があまりにもしんどそうだったりするような場合は、ウイルスとの一時休戦の意味で無理せず解熱剤を服用させるようにしましょう

本人が暑がるようであれば、こまめに衣類を着替えさせ、薄着で横になっているよう伝えます。水分補給を忘れないように、こまめに取るよう促します。

たとえ一晩で熱が下がったとしても、思った以上に体力を消耗しているため、あまり無理をさせてはいけません。また発熱が続くようであれば、風邪以外の原因があるかもしれません。医療機関に連れていくようにしましょう。

嘔吐下痢

嘔吐下痢は突然発症することが多いです。突然嘔吐をし、多い方によっては10回くらい嘔吐を繰り返すことがあります。1~2回嘔吐があっても、慌てて医療機関に受診する必要はありません。

嘔吐をし始めてから6時間くらいは、もっとも症状が強く表れ、いくら吐き気止めの薬を服用させても症状は収まりません。しかも嘔吐が強いときに吐き気止めの薬を服用させてしまうと、「吐きたいのに吐けない」という苦しい状態になってしまうので、薬を使うのは経過を観察してからとなります。

嘔吐が強いときに無理に水分を摂取させようとしても吐いてしまうことが多いので、嘔吐下痢の場合は「絶飲食」が基本です。脱水症状にならないか不安に思う方もいると思いますが、嘔吐が一番激しい6時間程度のころは、脱水はまだ軽度です。

脱水が悪化してくるのは、嘔吐のあとに訪れる下痢症状が始まってからです。嘔吐が収まってから1時間くらい経過したら、常温の水やスポーツドリンクをこまめに補給させます。また食べられるようであれば、口当たりのよいゼリーなどを与えてください。

また感染性の嘔吐下痢であれば、吐物を処理する際にウイルスを広げないようにマスクや手袋を着用し、次亜塩素酸ナトリウム(例えば、キッチンハイターなど)で消毒することが大切です。

すぐに医療機関に受診しなければならないのは、以下のような場合です。

・6時間以上の嘔吐

・緑色の吐物がある

・血便がみられる

・激しい腹痛がある

・ぐったりしている

・意識障害がみられる

発赤・掻痒感

全身に現れた発赤や掻痒感の訴えがあると、「アレルギー性蕁麻疹を疑い、なにかツアー中の食事がいけなかったのか」と疑う必要があります。

アレルギー性蕁麻疹は重症化すると命を落とす危険性もあるため、ツアーナースは特徴と応急処置の方法について把握しておく必要があります。

アレルギーにはⅠ~Ⅳ型があり、アレルギー性蕁麻疹は花粉症などと同じⅠ(即時)型となります。アレルゲン物質を体内に摂取すると、その直後から2時間以内に蕁麻疹がでます。蕁麻疹は数時間で消失することがほとんどです。

蕁麻疹の症状としては、発赤した境界が明確で、円形や環状、地図状のさまざまな大きさの赤い盛り上がりがみられます。掻痒感があり、全身どこでも現れます。

アレルギーが悪化するとアナフィラキシーを起こすこともあるので、注意が必要です。アナフィラキシーの症状では、蕁麻疹症状のほか、悪心・嘔吐、まぶたの腫れ、胃もたれ、下痢や便秘、息切れ、喘息などがみられます。重篤になると、血圧が低下しアナフィラキシーショックをおこし、意識が消失することもあります。

応急処置としては、患部を冷やし、搔きむしらせないようにすることが大切です。

症状が急激に悪化しているような場合は、観察を行い、早めに医療機関に受診するようにしましょう。原因物質は食物のほかにもハウスダストのような吸入性アレルゲンや薬物などもあるので注意が必要です。

病院を受診する判断をしたら

病院を受診する必要がでてきた場合についてお話していきます。

担当の先生や引率者、添乗員に報告

最初に担当の先生や引率者、添乗員に、「病院を受診したほうがいい判断をした理由」について述べます。そして「誰が病院まで一緒に引率するのか」について教えてもらいます。

このとき、ツアーナース単独で病院に連れていくことはまずありません。必ず担任の先生など数名が付き添います。

家族に連絡をとり確認する

病院を受診する場合は緊急時でなければ、まずは家族に連絡し、病状について説明します。そして、家族に「病院を受診していいか」の了承を得ます。

また病院にかかる際は、ツアーナースが家族の代理となって付添いを行うため、保護者に以下の確認を取ります。

・既往歴の有無

・現在服用している薬

・アレルギーの有無

・持たせた市販薬の有無

・出発前の体調状態

受け入れ可能な病院かどうか確認する

キャンプなどで山あいに滞在している場合は、近くの病院といえども車で30分以上かかる場合もあります。もしその病院が受け入れてくれなかった場合、また受け入れ可能な病院を自分たちで探さなければなりません。

そのため、先に受け入れが可能な病院かどうかを電話で確認する必要があります。宿泊先のスタッフに尋ね、どこの病院は受け入れ可能か、あらかじめ調べておくと、緊急時にこのような手間が省けます。

病院受診のときに持参するもの

病院を受診する際に、必ず持参しなければならないものがあります。緊急事態のため焦って、以下のものを忘れないように気を付ける必要があります。

・参加者の保険証のコピー

・現金(立て替えておくか、先に担当者からもらっておく)

・学校行事で参加している場合は、「スポーツ振興センター 災害共済給付制度」のプリント

学校行事や何かの会の集まりの際には、保険証のコピーを担任の先生か責任者が預かっています。そのコピーを受診時に病院に提出するようにしましょう。

また病院に到着したら、受付に「スポーツ振興センター 災害共済給付制度」のプリントを渡し、医師に記入してもらうよう頼みましょう。病院で受診した証明になるこのプリントの記入を医師にしてもらえば、給付金が下りる仕組みになっています。

ほかにも、人材派遣会社や学校から渡された「受診内容を記録する用紙」があれば、病院の待ち時間に記入しておくと自己の振り返りにもつながります。

緊急事態に対してツアーナースひとりで全てを行う必要はなく、手が足りないときは、担任の先生や引率者、宿のスタッフなどにも助けを借りるようにしましょう。

「万が一」といつも念頭に置くことが大切

私たちは看護師ですので、患者さんの症状をみて、これから起こりうる状態を想定し、症状の改善や悪化防止に尽力しなければなりません。

しかし、ツアーナースとして現場でいざ非常事態に当たった場合、同じ状況ということはほとんどなく、対応に悩むことが多く出てくるでしょう。

特に「これは大丈夫だ」と判断していたものの、時間経過とともに重症化してしまったケースなどでは、「なぜ、あのとき受診しなかったのか」と悔やまれることも出てきます。そのようなことにならないためにも、参加者の健康状態をいつも観察し、事前に「万が一」という事態を想定し行動することが大切です。

より専門性を高めるために

ツアーナースとしてより専門性を高める資格として、日本旅行医学会が主催する認定制度があります。

これは、看護師や准看護師、薬剤師、保健師、救急救命士などの医療関係者だけでなく、添乗員、フライトアテンダント、機内通訳という職に就いている方も資格試験を受けることができます。

認定試験の申し込み前に、日本旅行医学会で開催されたDVDを受講し、あらかじめ12単位を取得しておかなければなりません。その後、年に一回、6月に行われる認定試験を受験し、合格した者は認定資格を得ることができます。

現在、この「旅行医学認定看護師」に合格した看護師は全国で300名を超えており、旅行においての救命例をはじめ、多くの場面で旅行の安全性の向上に寄与しています。

ツアーナースの専門性をより高める次のステップに進む環境も整っていますので、興味がある方はチャレンジしてみるとよいでしょう。


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