病棟勤務は夜勤や残業などが多く、体力的に限界を感じる看護師が多くいます。

その点、クリニックであれば、一般的に夜勤はなく自分のペースで仕事を行えるといわれています。そのため、病棟からクリニックへ転職を考える看護師が多いです。

しかし、せっかく希望するクリニックに勤め始めることができたにも関わらず、短期間で退職を余技なくされることがあります。

それはなにが原因なのでしょうか。

実は看護師が転職する際、クリニックに関する一般的な常識やウソの情報に惑わされて、自分の思い描いていた内部事情とは異なることがひとつの退職理由に挙げられます。

そこで今回は、病棟からクリニックに転職したい看護師が知るべき「クリニックの噂話、それはウソ?ホント?」について検証していきたいと思います。

クリニックに転職したら看護スキルは落ちる?

まずは、病棟からクリニックに転職する際に、看護師が一番不安になる点である「いままで培ってきた看護スキルが落ちるのではないか」という点について、実際の体験談から検証していきたいと思います。

当サイトの管理人である私自身、病棟から内科クリニックに転職しています。

個人的観点からになりますが、病棟からクリニックに転職して看護スキルや知識が落ちたかといえば、そのようなことはありません。

もちろん勤めるクリニックによって異なります。クリニックのなかには、看護師が担う業務の幅が少なく、診察介助、血圧測定、採血、注射くらいしかないところがあります。注射は医師が行うクリニックもあります。

私の友人が勤める泌尿器科クリニックでは、午前午後合わせて1日に15~30名くらいの来院患者さんであるため、看護業務がないときは休憩室でずっと雑誌を読んだりテレビをみたりしているといっていました。

「楽そうでいいな」と思う方はそのようなクリニックに転職するとよいでしょう。

しかし、楽に働けるクリニックでは接する患者さんが少ないため看護スキルを身につけるのは難しいです。私の勤めるクリニックでは、午前だけでも100名近い患者さんの来院があります。そのため、看護師は常に院内を走り回っています。

私は30代後半で看護師になったため、「できるだけ様々な看護業務やスキルを身につけ、キャリアアップをしていきたい」と考え、転職サイトのコンサルタント(転職エージェント)から今のクリニックの求人を紹介してもらいました。

いま勤めているクリニックでは、診察介助、血圧測定、採血、点滴、心電図、CT検査、ネブライザー、吸引、創傷処置、胃カメラ検査、大腸カメラ検査(ポリープ切除を含む)、レントゲン(胸部・腹部など)、各種検査説明、検査予約など看護業務は多岐に渡ります。

また救急受入れ・搬送も受け付けています。さらに、これらのさまざまな看護業務の合間に、精密検査、人間ドックなどを行う必要があり、絶えず動き回っているのが日常茶飯事です。

そのため医師から絶え間なく指示を受け、迅速かつ的確にこなしていかなければ、時間も人手も足りません。座る暇はもちろんありません。

このようなことから、このクリニックに転職する前は苦手意識のあった採血業務ですが、いまでは血管に触れることの難しい患者さんの採血でもスムーズに行えるようになりました。

また、私の勤めるクリニックでは毎週のように勉強会が行われます。

勉強会での議題として例えば「心電図・CT画像の読み方」「熱中症患者さんの応急処置の根拠」「救急搬送する際のスムーズな対応」「脳梗塞の発症兆候」など、看護師一人ひとりが仕事をしていて疑問に思った内容を、自分で勉強してスタッフの前で発表しています。

この勉強会は一見大変そうに思えますが、医師やベテラン看護師のアドバイスや見解を直接聞けるため、自分ひとりの知識だけに留めず、すぐに実際の業務に役立てられます。

私事になりますが、私は次のような勉強会で身に付けた知識をすぐに患者さんに活用できた経験をもっています。

ある日、毎月1回、定期的に来院される90代の男性患者さんがご家族とともに来られました。患者さんやご家族に様子を聞くと「いつもと変わりないよ」といわれました。

バイタルはいつもと同様、発熱なし、食欲あり、睡眠もとれているとのことでした。

しかし、私からすると診察室に入室する際、その患者さんの足元が若干ふらついているのではないかと思いました。いつもと比べると歩行時に足が十分に上がっていない気がしたのです。また、言葉が出にくく、少し元気がないようにも感じました。

そこで私は以前、勉強会で行った内容を思い出して、患者さんのいつもの様子といまの様子を比較し、今回観察して得られた情報を医師に伝えました。

医師も「そうなのよ。いつもと違う気がしたんだけど、あなたもそう感じた? 一応、脳のCTを撮影してみようか」ということになりました。CTを撮影してみると、硬膜下血腫が発見されました。

硬膜下血腫とは下記のように脳の表面と硬膜との間に血液が貯留し、脳を圧迫する状態をいいます。

引用:近畿大学医学部脳神経外科

患者さんご自身の記憶には無かったのですが、以前どこかで頭をぶつけていたのです。頭部に明らかな外傷がなかったため、ご家族もまた頭部打撲に気づかなかったようです。

硬膜下血腫は、早期発見が大変重要です。症状が進行するまで放置していれば、手術が困難となり患者さんは後遺症に苦しむことになりかねません。

幸いその患者さんは、すぐに救急搬送され、手術を受けて無事退院されました。いまはまた杖を使い独歩で来院してくれています。

このように勉強したことが、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)を下げないで済んだと考えると専門知識を積み重ねていくことの重要さを再認識できました。もし私がいまも病棟で勤めていたら、外来で必要となるような幅広い知識を得ていなかったかもしれません。

ちなみに私の勤めるクリニックの院長は「規模の大きな病院の看護師よりも、自分のクリニックに勤める看護師のスキルや能力のほうが高く、的確に動ける人材。もしスキルや知識で足りないと感じる部分があれば、自分たち(クリニック側)で補い、育てていきたい」と考えている方です。

そのため、認定看護師や専門看護師などの資格取得を推奨しており資格取得支援金制度を設けてくれています。看護師同士で仕事終わりに自主的に残って勉強会を開くなど、お互いが切磋琢磨して認定看護師資格を取得するため頑張っています。

私の勤めるクリニックの場合、「仕事に対する医師の情熱が違う。それは特別なクリニックなのではないだろうか」と考える人もいるでしょう。

しかし求人を探せば、クリニックでも看護師を育てていこうとするところ、資格取得を行うために支援金を援助してくれるところは多々あります。

例えば下記のような求人です。こちらは、あるクリニックのパート求人ですが、資格取得支援制度が設置されています。

こちらのクリニックでは、認定看護師だけでなく、准看護師が正看護師免許を取得できる支援も行ってくれています。

実際に准看護師から正看護師になるには、相当の費用と日数がかかります。私の知り合いの方は、准看護師から正看護師になるのに、休職したうえ自費で200万円以上必要だったといっていました。これらの負担をクリニック側がサポートしてくれるとなるとありがたい制度だといえます。

看護スキルが落ちるのが不安という方は、このように「看護師を育てていこうとする気概をもったクリニック」や「さまざまな資格取得に積極的であるクリニック」を探すようにしましょう。

クリニックでの看護師の仕事は同じことの繰り返し?

クリニックの看護師は、採血や点滴など同じような仕事を繰り返すことが多くなってしまうと考える人がいます。

しかし、わたしの勤めるクリニックではそのようなことはありません。

院長は「院内を常に改善していきたい」と考えているため、「なにかアイデアがあれば、とりあえずやってみてほしい」としています。

とくに転職してきた新人看護師は、以前働いていた病院と比較できるため、改善点を見つけやすいのです。そのため、院長は新人看護師によく意見を求めています。

私がこのクリニックで新人だったときのお話をします。

私はあまり看護師経験がなかったため、それを引け目に感じていました。しかし院長は私に「あなたは看護師経験が少ないことが強み。患者さんの立場で物事を考えられる能力に優れている」といってくれました。

また「簡単で、身体に侵襲のないどのような検査をするにせよ、患者さんは不安を抱えている。そのため次に何をするのか、なぜそのような検査をするのかを患者さんに理解してもらい、不安を少しでも減らさないといけない」という院長の考えがあります。

そこでこれらの院長の言葉を受け、新人の私でもできることを探しました。

すると、大腸カメラ検査の説明を行うときに、説明用紙がA4で2枚になっていて大変見づらく、説明をする看護師自身も患者さんへの言い忘れを時々していることに気づきました。

そこで私はクリニカルパス(入院診療計画書)を応用して、A3の用紙1枚に「大腸カメラ検査の検査説明日程」を作成しました。それが下記になります。

いま、私の勤めるクリニックでは、この用紙を大腸カメラ検査前の説明に使うようになりました。

この用紙を説明に使うようになってからは、検査前に行わなければならないことが時系列で記載されているため「分かりやすくなった」と患者さんからも看護師からも好評です。

このようにクリニックでは新人看護師でも強みを生かし、すぐに実際の仕事に反映してもらえるスピードをもっています。そのため、同じ業務を行っていても様々な考えをもって改善点を探しながら、やりがいをもって仕事を遂行することができます。

クリニックのほうが病棟よりも残業が少ない?

「クリニックのほうが病棟よりも残業が少ないか」という点ですが、こちらもクリニックに応じて異なります。

私の勤める内科クリニックは、終業時刻は18時となっていますが、掃除や後片付けをして実際にタイムカードを押すのは18時半くらいになります。

これは季節によっても異なります。インフルエンザにり患した患者さんが多くなる12~3月にかけては、仕事が終わるのは19時半くらいです。気候の落ち着く4月や10月のみ、来院患者数が少なく、定時をちょっとすぎたくらいで帰れることが多くなります。

ただ、近所にある人気の耳鼻科クリニックでは、私たちが帰宅する19時以降でも駐車場がいつも満車で、患者さんが玄関から溢れています。

その耳鼻科クリニックに勤める看護師に尋ねると、「診療時間は17時半までとなっているけれど、患者さんが多すぎて、3時間待ちは当たり前。小さい子どもの患者さんが多いから、すぐに検査して処置も難しいしね。結局、毎日の帰宅時刻は大体22時になる」と不満を漏らしていました。

私が以前勤めていた眼科クリニックでも、ほぼ毎日22時まで働いて帰っていました。しかもこちらはサービス残業でした。

このように「終業時刻が18時までとなっているけれど、夜の22時まで残業をする」となると、クリニックより病棟勤務のほうが残業時間は少なくて済みます。

このようなクリニックに転職した看護師は、家庭と仕事の両立が難しく短期間で退職してしまうことが多くなります。

またクリニックの場合、看護師は医師の都合に合わせて、休日出勤をしたり当直に同行したりする仕事も担っています。

休日診療が受けているクリニックでは、土日祝日であってもクリニックを開業しなければなりません。また、医師会などで当直当番を院長が受けていれば、当直時にクリニックの看護師を同行させることもあります。

私の勤めるクリニックでは看護師に月に3~4回の当直同行当番が回ってきます。当番制なので、月に1回当番が回ってくるかどうかといったところです。しかしこちらの当直同行当番をすると、昼間の業務を終えて、夜23時まで救急センターで診察介助を行わなければならないため、私の場合、翌日まで疲れは取れません。

やはり患者さんから人気のあるクリニックは、終業時刻通り帰宅するのは難しいのが現状だといえます。

クリニックは看護師が少ないので休みを取りづらい?

クリニックは看護師の人数がギリギリなので、休みをとりづらいと考えている人がいます。

確かに私の勤めているクリニックは、看護師の人数がギリギリであるため、休みを取りづらいのが現状です。

看護師が現在7名在籍しているのですが、2名が60代後半、2名が50代、残り3名が30~40代です。そのため30~40代は若手という位置づけがされています。

60代の先輩看護師がいうには「働く気はあるけれど、大腸カメラ検査でのポリープ切除など神経を使う業務はなかなか体がついていかない」そうで、大腸カメラ検査など介助が大変な業務はすべて若手看護師に任されています。大腸カメラ検査の日程はほぼ毎日入っていて、若手看護師2人が交替で検査介助につくことになっています。

そのため若手である私は休みを取りづらいです。大腸カメラ検査は看護師2人での介助が必要であるため、私が休んでしまうと、患者さんにもスタッフにも迷惑をかけることになり検査自体できなくなってしまいます。

このようなことから私の勤めるクリニックの場合、有給はほぼ使えていません。

この話を聞くと「やはりクリニックは休みを取得しづらいのではないか」と不安になった方がいるのではないでしょうか。

クリニックでも有給や休みをしっかり取得できるクリニックは存在します。

実際、私が以前勤めていた眼科クリニックでは有給を好きなときに取得できていました。雇用されている看護師の人数が多く、正職員4名に加えパートも2名在籍していたので、誰か一人有給を取得しても、あまり仕事に支障はありませんでした。

ただ、その眼科クリニックは人間関係が悪く、スタッフが有給を取得した翌日、看護師長に必ず「別に今日も出てこなくてよかったのに。あなたがいなくても仕事回るから」といわれるのが常でした。

看護師長も有給を取得することはあったのですが、ほかのスタッフが有給を取得して休むのは不満を感じていたようです。

この眼科クリニックは、知る人ぞ知るブラッククリニックでした。人間関係が悪く、新人に一度は教えた仕事を「あなたがその仕事を行うと時間がかかる。やっぱり、やらなくていい」と少しずつ仕事を減らされるような職場でした。そのため、ほとんどの新人看護師は2ケ月ともたないで辞めていきました。

そんな私も眼科クリニックではするべき仕事をどんどん取り上げられ、掃除くらいしかすることがなくなりました。わずか6ケ月で退職を決意しました。

そのようなつらい体験をしているため、いまの職場で60代の先輩看護師たちから「私はもう大腸カメラ検査につけない。ごめんね。私の代わりに検査介助についてくれて本当にありがとう。助かるわ」といわれると、「私を頼ってくれてありがたいな」と考えることができました。

私が検査介助に入っている間、先輩看護師は外回りの仕事を行ってサポートしてくれています。

新しく入ってきた看護師の中には、「大腸カメラ検査の介助につかないなんて、いくら60代だからといって、ずるい」などと訴える人もいます。

しかし、過去の眼科クリニックでのつらい経験があるため、仕事をもらえないよりは、仕事を任せてもらい頼られることに私は喜びややりがいを感じることができています。

また自分自身、看護スキルを磨いていくためにも、ポリープ切除など繊細で全神経を使う看護業務に苦手意識をもたないよう積極的に実践していくことが大切だと考えています。

ちなみに、院長も60代看護師が大腸カメラ検査介助につけないことをわかっているため、大腸カメラ検査の介助に入ると回数に応じて、わずかですが検査介助手当を出してくれるようになりました。

様々に述べてきましたが、クリニックは休みがとりづらいというのは、クリニックによって状況が異なるのです。

先ほどのパート求人の有給取得率をみてみると、以下のクリニックでは95%の取得率となっています。

このように各クリニックの方針や看護師人数、来院患者数に応じて有給取得率は異なります。

ただし、やはり看護師が1人しか在籍していないような小規模のクリニックですと、あなたが休めば、クリニックは仕事が回らなくなってしまいます。

もしあなたが有給を取得しなければならない家庭環境であれば、「有給はできるだけ取得したい」という旨を面接時に伝えることが大切です。正直に伝えず無理して転職してしまっても、どこかで支障がでてきて長続きはしません。

クリニックはスタッフ間の人間関係が大切?

確かに、クリニックはスタッフ間で人間関係がこじれてしまうと大変です。

幸い、私の場合、いまのクリニックで特に大きな人間関係のトラブルを抱えたことはありません。

60代の看護師は「患者さんの命に係わる重大ミスでなければ、実践から学んでいってほしい」という考えをもっています。若手看護師が多少ミスや失敗をしても、自分で気がつくように促してくれます。まるで母のような存在です。

50代の看護師は、姉のような存在です。50代の看護師に仕事で大変だったと思うことを伝えると毎回「分かるよ、分かるよ。つらかったね。でもよく耐えたね、また一歩成長できたね」といってくれます。実際、共感してくれるだけで大体のことは気持ちが落ち着き、仕事に前向きになれます。

また、同年代の同僚看護師は、お互いにサポートする関係を築いています。私が一つの業務に手間取って滞ってしまったとき、同僚看護師がさりげなくフォローしてくれるため、仕事をしていて「ありがたいな」と心底感じます。

そして同僚が困っている場面に遭遇することがあれば、今度は自分がさっとフォローできるよう万全の体制を整えておこうと常日頃から考えるようにしています。

このようにいまの職場は良好な人間関係であるため、スタッフ間の仲が大変よく、お互いに助け合って仕事を行えています。

過去の眼科クリニックでのつらい人間関係を考えると、今は「いい人たちに出会えて私は本当に幸せものだな」と思えています。

ちなみに病棟勤務のころは、苦手だなと思う人がいても、シフトやチームが違えば、そんなに顔を合わせることはありませんでした。そのため、人間関係をあまり重視する必要はありませんでした。

しかしクリニックの場合、苦手な人がいても毎日顔を合わせなければなりません。気を配りながら人間関係を構築していく必要があります。

私の勤めるクリニックでは、人間関係に問題がないといいました。しかしこのような職場でも、トラブルが起こったことがあります。

あるとき40代の新人看護師が入職してきました。その看護師は大学病院に勤めていた経験があり、自分の看護には自信をもっていました。

そのため入職してすぐに職場でのやり方に対し、「あれはおかしい」「これはなっていない」「大学病院ではこうだった」と強制的に業務改善を行おうとしました。

当然、長年勤めている60代の先輩看護師は納得がいきません。いままでみんなで助け合って行ってきた看護業務は、徐々に事務的でギスギスしたものに変わってきました。

その雰囲気を感じ取ってか、結局40代の新人看護師は「ここは看護レベルが低い」との理由で1年足らずで退職してしまいました。

確かに40代の新人看護師は、間違ったことをいっているわけではなかったのですが、先輩看護師が構築してきたことを批判し、自分の考えを押し付けすぎたため、人間関係をうまく築くことができませんでした。

まずは人間関係において、職場で信頼される看護師になることが大切です。そして、改善点の指摘や自分の考えを押し付けるのではなく、「こういった考えはどうでしょうか?」と謙虚に提案し、徐々に職場改善を行っていくようにするとよいでしょう。

クリニックは賞与の金額が不安定?

クリニックの場合、個人経営であるため、給与保障が若干不安定のところがあります。

求人票に賞与〇ケ月分と記載があればいいのですが、記載がない場合、不安は残ります。

例えば下記のような記載です。

このような場合、年に何回なのか、何ケ月分の賞与があるのか全く分かりません。

私が以前働いていた眼科クリニックでも「賞与あり」との記載だけでした。この記載方法がトラブルの一因でした。

実際にこの眼科クリニックでは、賞与の時期になっても6ケ月以上働いていないことを理由に、賞与はありませんでした(計算してみると勤務期間6ケ月に10日間足りませんでした)。

また賞与額は「働き具合に応じる」として、スタッフ個々に支給される金額は違っていました。その額も一定ではありませんでした。まさに院長の一存による賞与額でした。

他にも私の近隣の整形外科クリニックでは、今年度はあまり利益が見込めなかったことを理由に、スタッフへの賞与は一切出なかったという話を聞きました。

クリニックは院長の裁量で、賞与の有無など決まる場合があります。

このようにクリニックの場合、求人票に「賞与あり」と記載があるにもかかわらず、賞与が支給されない可能性を秘めているのです。賞与を見込んで大型ローンなどを組んでいる人にとっては大変痛手となります。

そのため、下記のように求人票に賞与〇ケ月分との記載があったほうが、安心して働くことができます。

ちなみに賞与〇ケ月分といっても注意しておきたい点があります。

上記のように「手当を含む月収」が記載されている場合、賞与は基本給(手当を含まない)から2.7ケ月分となります。そのため、実際に支給される賞与はこの金額より少なくなります。

このあたりも求人票をみる際に、気を付けておきたいポイントとなります。

クリニックは福利厚生が少ない?

一般的に規模の大きな病院のほうが、福利厚生は良いとされています。

しかしクリニックによっては、規模の大きな病院とは異なるアットホームな福利厚生を享受できることがあります。

例えば、先述しましたが、私の勤めるクリニックでは資格取得支援金制度があります。

また、自院で診察を受けた場合、医療費と薬代が無料となります。スタッフの家族も基本的に無料です。

さらに年に4回行われる院内飲み会(忘年会・新年会・お花見会・納涼会)での費用も院長が支払ってくれます。

私は宴会部長に任命されており、下記のような院内飲み会を開催しました。

ここは市内でも一番の高級焼肉店です。

他にも、昼のお弁当を「提携している弁当屋さん」で注文すれば院長が支払ってくれます。

そして、一番嬉しいのが年に1回の国内外の院内旅行です。ハワイ、台湾、北海道、沖縄などスタッフ全員を連れて行ってくれ、その旅費とお土産代まで院長もちとなります。

4年に一度、遠方へ海外旅行に行けます。下記が院長とスタッフでイタリアに行ったときの写真です。景色を見ているのが院長とそのご主人です。

また年に一回ですが、毎年の忘年会はスタッフ一同、大変楽しみにしている催し物があります。

それは院長主催のビンゴ大会です。商品券(1万円・5千円など)、フットマッサージャー、美顔マッサージャー、アロマディフューザー、折り畳み自転車、電動歯ブラシ、ブランドもののスカーフ・バッグ、ホールケーキ、宝くじ、米5㎏など、ビンゴが出るたびに景品をもらえます。

それぞれが持ち帰れない量のプレゼントを受け取ることができます。私がビンゴ大会で当てた景品の一部が下記です。

フランフランのバンビのクッション、無印のアロマディフューザー、フットマッサージャーです。

フットマッサージャーは立ちっぱなしの業務が多いため、看護師の足が痛くなることを分かったうえでの、院長からの贈り物です。毎日のように使用し、足の疲れを緩和させています。アロマディフューザーも喉が痛くなる季節に使い、風邪予防をしています。

私が欲しかったものばかりで、院長と交わす何気ない会話からビンゴの景品を選んでくれているようです。

規模の大きな病院では、退職金などがしっかり整備されていますが、クリニックにはクリニックなりの温かい福利厚生があります。

クリニックの福利厚生は院長次第のところがありますが、スタッフを大切にしてくれる職場であれば、満足して働くことができるでしょう。

クリニックは院長の人柄が重要

私はクリニックに勤めるのであれば、院長の人柄は大変重要だと思います。クリニック転職する際の決め手ともいえます。

以前勤めていた眼科クリニックの院長は患者さんに対しては信頼ある大変優しい医師だったのですが、スタッフに対しては怒りをぶつけやすい方でした。

その眼科クリニックでは院長がオペ中にイライラし始め、看護師に怒鳴りながら指示を出すのは当たり前でした。一般業務中でも何か小さなミスをすれば、精神的に立ち直れなくなるまで徹底的に怒られました。

例えば、私の前に入職した新人看護師は院長から「俺の視界に入るところに立つな。オペ室も今後一切、入室禁止」とまでいわれていました。

そのような劣悪な環境のためか、スタッフ間の関係もぎくしゃくしており、院長から受けた先輩看護師のストレスはすべて新人看護師に回ってきていたように思えます。

また院長の人柄は良くても、院長を取り巻く院長婦人などに働きにくさを感じる場合もあります。

私の知っている整形外科の院長は患者さんだけでなくスタッフにも温厚で話しやすい人なのですが、院長婦人がきつい方でした。

毎日、院長婦人が受付に立つのですが、スタッフの患者さんへの言葉かけが気に入らなかった場合、患者さんの前でスタッフを叱るそうです。また、院長婦人はスタッフに休日にお茶やお花教室を強要したり、終業時間後に手話教室への強制参加をさせたりと、それに巻き込まれるスタッフはかなり大変です。

このようなことから、クリニック転職時には院長だけでなく院長婦人などの人柄を判断基準の一つに加えておく必要があります。

そのときに重要なのは、患者さんからの言葉だけではなく実際に働く看護師の声や転職サイトのコンサルタントからの情報を得て判断することです。これがクリニックの転職の失敗を防ぐのに有効な方法となります。

まとめ

私はクリニックに転職し、病棟では得られなかった、やりがいのある満足した働き方を実現できています。

多くのサイトではクリニックでの看護師の働き方の一般論が掲載されていますが、なかにはやりがいをもって看護師としてのキャリアを積んでいけるようなクリニックも存在します。

しかし私の勤めるクリニックに入職する新人看護師の中には「つらい」といって早期に退職してしまう人がいます。その理由として、「有給が取得しづらい」「このように忙しいクリニックに勤めたことがない。仕事自体がしんどい」ということが挙げられます。

ただ私の勤めるクリニックでは年齢層に幅がみられるように、仕事にやりがいを感じたい看護師にとっては、長く勤められる職場であるのです。

どのような職場でも人によっては、合う合わないがあります。その職場に何を求めるかによって、働きやすさややりがいは異なってきます。

とくに病棟からクリニックに転職したい看護師は、今までの自分のキャリアや知識を活かして、仕事をしたいと考える傾向が高いです。

自分に合った職場を見つけるためには、求人情報に掲載されている内容だけをみて判断してはいけません。事前に多くの情報を得て、自分の希望に合っているかどうかをしっかり見極めるように心がけましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

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