当サイトの管理人である私は東京の大学を卒業後、10年以上東京で社会人をしていました。そして30歳を過ぎたころ、家庭の事情で中国地方のある田舎に帰郷することとなりました。

私は前職でマスコミ関係で働いており、医療現場でのドキュメンタリー制作に関わったことがありました。その経緯から、医療分野に興味をもちはじめ、33歳で大学に入りなおし看護を勉強し始めた経歴をもっています。

看護大学を卒業後、1年半の間に2回病院を変わりました。最後にした転職活動のときに実際に転職サイト(転職エージェント)を利用し、私にとって最高のクリニックをみつけてもらった経験があります。私はいまでもそのクリニックに看護師として勤めています。

ようやく「看護師という職業を選んでよかったな」と思える現状になりました。それまでは、今までの人生では経験したことのない苦痛の連続でした。このような経験を多くの人の参考にしてもらいたいと考え、転職体験談・経験談や転職の成功ポイントを記していきたいと思います。

看護師という異色の世界

私は田舎から上京し、大学の社会学系学部を卒業しました。そして10年以上、マスコミで作家として働いていました。主にバラエティ番組の企画を行なっていました。この仕事は、自分が企画した番組の視聴率が良いときはもてはやされ、視聴率が悪いとばっさり切り捨てられるという過酷な世界でした。

私はいくら切り捨てられても、何度も這い上がりました。この負けても屈しない精神で10年以上企画を出し続けていたため、自分では打たれ強い性格だと思っていました

そしてその気持ちをもって帰郷し、看護を一から学びたいと考え、33歳で広島の大学(看護系)に入学しなおしました。大学生活は順風満帆で楽しく過ごすことができました。もともと書くことが好きだったので、論文などは教授からよく褒められていました。

こうして、無事に看護師資格を取得しました。

しかし、広島の大学を卒業してから最初の1年半は、人生で苦痛を味わう地獄のような期間でした。看護師という世界はなんて異色の世界なのだろうと身をもって知らされた時間となりました。

最初に勤めた病院は「将来性を感じなかった」

まず看護大学を卒業して、最初に勤めた病院は地元でも有数の2次救急のある大規模病院でした。この病院を退職した理由は人間関係というよりも、「看護師としての将来性を感じない」ということが大きなウエイトを占めました。

新卒で30代半ば、私は慢性期病棟である重症心身障害者病棟に配属になりました。

日々の仕事といえば、「おむつ交換」「入浴介助」「食事介助」の繰り返しです。毎日の看護記録は「とくに何も変わらない」であり、書くとしたら「皮膚に発赤がみられたため、体位変換をこまめに行った」といった内容でした。これなら看護師でなくても書ける内容です。

この病棟に配属され、注射を打ったことは一度もありませんでした。このようなことを書くと、「おむつ交換も入力介助も食事介助も立派な看護だ」と思う方もいると思います。

しかし、私は30代半ばです。最低でも3年間は異動がないとされるこの病棟に勤め続けたところで、看護師としての技術は身につかず先行きを不透明に感じていました

この病棟の周りの看護師をみてみると、若い看護師は根拠のある看護技術を身に付けられていないように感じました。またある程度、歳を重ねたら辞めて近隣の特別養護老人ホームに移っていました。

入職説明会では「急性期病棟でも慢性期病棟でも同じように看護技術が身に付く」と謳っていました。しかし、3ケ月に一回程度、新卒が全員集まって採血などのテストがあるだけでした。

もちろん採血をしたことがない慢性期病棟に配属された看護師は、学生のころに使用した「看護技術」の教科書を引っ張り出して、熟読をしてテストに臨んでいました。そうすれば100点が取れるテストでした。テストで100点さえ取れば、「看護技術は修得した」とみなされていました。

早めに退職し、看護技術を見つけるために転職

そのころ私と同じ病棟に異動してきた、急性期病棟で何十年も勤務してきた先輩看護師から「新卒でここの病棟に3年もいたら、看護技術は何も身につかない。そうなると、ずっとこの病棟にいつづけるか、辞めるとしたら、軽度の介護施設しか残っていないよ」といわれました。

ほかの看護師を見回しても、「あと少し定年まで頑張ろう」「次はあまり看護技術を必要としない精神科のある病院に行こう」と考えている看護師が多く、キャリアアップが望めない状況でした。

私は30代半ばで看護師免許を取ったので、すぐに40代です。40代で3年間の看護師経験があるにも関わらず、注射も打てない、看護技術が何か知らないまま働き続けることになります。このことは「キャリアアップどころか看護師としての技術を身に付けられないのではないか」と不安を感じました。

このとき私に残された選択肢は下記の3つでした。

  • ずっと同じ病棟にいて看護技術が何なのか曖昧なまま、定年を迎える
  • 3年後に急性期病棟に異動させてもらい、注射の打ち方などを指導してもらう
  • 早めに転職をし、看護技術が学べる環境に身を置く

この中で私は、看護技術を身に付け、キャリアアップをしていきたいと考えていたので転職することに決めました。しかし私はどのように転職活動をしていいのか分からず、とりあえずハローワークに出向くことにしたのです。これが間違いの始まりでした。

次の転職先の眼科クリニックでいじめに遭う

ハローワークでは市内で人気の眼科クリニックを紹介されました。30代半ばで新卒であった私は、注射が打てず、看護技術もなかったことから、「転職できる病院はないかもしれない」という恐怖でいっぱいでした。

そのため、転職活動に対して焦りばかりが生じ、冷静になれませんでした。「自分は看護技術がなく、注射も打てない使えない看護師だ」と考えていたので、次の転職先としての希望条件は「看護技術を身に付けられる」というものだけでした。

ハローワークで紹介された眼科クリニックは、市内で朝6時から順番を取りに来る人がいるほど人気の眼科でした。

院長の人柄が良いと噂で、一日に200名以上の患者さんが来院していました。普段の診察に加えて、白内障や緑内障、硝子体のオペも行なうスーパークリニックでした。

私は「眼科だが患者数は市内で一番多く、オペの介助にも入ることができるため、眼科の分野で看護の道を究めていこう」と決意を新たにしました。面接を受け、結果はその場ですぐに採用となりました。

前の病院は二交替の夜勤があったのですが、この眼科は夜勤なしで給与も同程度もらえ、オペ技術も身に付くということで、はりきって仕事に臨みました。しかし、それもつかの間、前よりもさらにきつい地獄のような日々が始まりました。

「高給与」と考えていたのですが、毎日4時間以上のサービス残業がありました。私の住んでいる地域の信号は午後10時を過ぎると赤信号が点滅します。ほとんど毎日、その点滅をみながら帰宅していました。

そして働き始めて2日目には、私よりも2ケ月早く入職した20代の若い看護師がロッカールームで嗚咽をあげて泣きじゃくっていました。そして「ここで働くのは、もう無理です」といい残し、そのまま来なくなりました。

それからというもの、次のいじめのターゲットは新人の私になりました。

覚えきれない大量の仕事をいきなり教えられ、少しでも間違ったり、やりかたが分からず戸惑っていたりしたら「もう二度とこの仕事はやらなくていいから。絶対にこの仕事には指一本ふれないで」といわれました。その仕事を手伝おうとしても「本当にやらなくていいから」と何度も念を押されました。

わたしは、「忙しくて仕事がしんどい」ことよりも、「何もさせてもらえなくて仕事がしんどい」ほうが何倍も辛いことを、身をもって実感しました。

そのような中で、私が唯一行なえる仕事はだれよりも早く出勤してクリニックの掃除を隅々まで行うことであり、あとは先輩看護師の仕事を見学するだけでした。そんな様子に院長も見て見ぬふりをしていました。

そして患者さん以外のスタッフには無視される状況が6ケ月続いたある日、決定的なことが起こりました。

私が昼休憩に黙々とトイレ掃除をしていると、休憩室で師長が「彼女(私のこと)、しぶといね、はやく辞めろって。これからも一切仕事なんかさせないのにね」といって、他の看護師と事務の人と一緒になって大笑いをしている声が聞こえました。

私は看護師として勤めてはじめて、トイレで声を押し殺して泣きました。「前の病院をあんなに早く辞めてしまったのだから」という負い目もあり、次の眼科では何があっても頑張ろうと決めていたのですが、もう限界にきていました。

看護技術を身に付けるために再び転職

それからすぐに眼科を辞める決意をしました。わずか6ケ月でしたが、あとから聞いたところによると、この眼科の新人で一番長く勤めたのが私だったそうです。他のスタッフは全員、この眼科が設立したときから在籍している人たちでした。新人はだれも長続きしていませんでした。

そこでこの眼科を紹介したハローワークの担当の方にこれまでの6ケ月間に言われたことを伝えると「良いドクターだし近所でも評判いいから紹介したんだけど、この眼科すぐに求人でるからおかしいと思った。次の希望者には、こんなところ勧めてはダメだね」といわれました。

ハローワークの担当の方はクリニックの内情を知っていないまま、評判だけで紹介しているだけなのだと痛感しました

そこでその眼科を退職した後は、派遣で訪問看護をすることにしました。もう、私は看護師という職に愛想をつかしており、いつでも辞められる体制を作って自分の身を守るようにしていました。訪問看護は基本的に一人で行動するので人間関係に悩むことがありません。

ただ、看護師の経験が浅いため、患者さんが救急のときの対応の仕方がよく分からず、毎日急変が起こらないことを祈るのみでした。

そうしたなか、内科などで働いて看護師として経験し、実力を養いたいと思うようになりました。半面、近所からの評判がいい病院でさえ、あんな陰湿ないじめがあるならば「もう看護師は無理かもしれない」とも考えて、いろいろ悩んでいました。

プロに任せてうまくいった成功例

そこで、看護師の転職サイト(転職エージェント)に登録してみることにしました。ダメ元ですが、なにか看護師の転職に対して情報が手に入らないかと考え、4社の転職サイトに登録してみました。いまから考えると、この選択が成功のポイントとなりました。

私が複数の転職サイトとやり取りをしていくうちに、その中でもとても熱意をもって私の転職を支援しようとしてくれる一人のコンサルタントに出会いました。

「前の前の病院も10ケ月、前の病院も6ケ月で退職、現在は派遣看護師、そして30代後半、特に看護技術なし、前職の仕事内容は掃除だけ、注射も打ったことがない」という私です。看護師として自分にまったく自信がありませんでした。

そのことを伝えると、その転職コンサルタントに「看護師は以前の病院で習った看護の変なクセをなかなか直すことができないため、使いづらいという病院もある。あなたは技術を教える看護師からすると、変なクセをもっていないので教えがいがある。だから問題ありません」といわれました。

この言葉に私は救われました。「私は、いまの私のままでいいのだ」と受け入れられた思いがしました。

またそのコンサルタントに私の前職の眼科での話をしたら、「この眼科は人間関係が最悪のブラッククリニックで有名」と教えてもらいました。

転職エージェントから「よくこの眼科で6ケ月も勤めることができましたね。私なら絶対に誰にも紹介はしません」と驚かれたくらいです。ここ数年、その眼科クリニックの看護師募集の求人は、ハローワークの求人としてずっと出たままになっています。

新たに非公開求人を転職サイトに紹介してもらう

仲良くなった担当コンサルタントに看護師の愚痴をたくさん話して、自分が我慢して辛かった経験を受け入れてもらいました。そうしてもらっているうちに、「もう一度看護師としてやってみたい」という前向きな気持ちが自分のなかに生まれていることに気が付きました。

「まだ本格的な転職は考えていない」「いつかは正社員になりたい」くらいの気持ちしかもっていない私の重い腰がようやく上がりました。

そして転職エージェントに非公開求人を紹介してもらいました。コンサルタントは、「ぜひこのクリニックを受けてほしい。あなたにぴったりだと思う」といってくれました。このとき、実際に私に送られてきた面接案内のリマインドメールが以下になります。

そして紹介された内科クリニックで応募者12人の中から、無事に採用してもらうことになりました。訪問診療や訪問看護も行ない、大腸内視鏡検査や胃内視鏡検査など多くの検査を行なえる中規模の個人経営のクリニックです。

勤務を始めてからは、以前の病院や眼科クリニックのように「ここで働くのは無理かもしれない」と思ったことはなく、もう2年間以上働いています。「自分はここまでできるようになった」という自信をもって看護を行なえるようになりました。

また眼科クリニックで仲良くなった患者さんが私を探して、いま勤めているクリニックまで訪ねて会いに来てくれたこともありました。「あのときのあなたの看護に助けられました。ありがとうございます」といってくれました。私の看護はちゃんと患者さんの役に立っていました。

さらに、いま勤めているクリニックのスタッフは「あなたが来てくれてよかった」「あなたのおかげで色々助かっている」「いてくれないと困る」といってくれます。失敗しても先輩方がなにげなく助けてくれます。

さらに、院長や他の看護師に「この仕事頼んでいい?」といわれ、自ら動いて仕事ができる自分に「私に仕事を任せてくれいて、信頼されている」とつくづく感じます

いまは私と同世代の同僚たちが自主的に「認定看護師の資格を取得しよう」といい始め、一緒に勉強を始めています。院長も「勉強するなんて関心だ。認定看護師の資格取得に必要な費用は心配しなくていいからね」といってくれています。

ここでの日々は気付けばあっという間の時間です。「仕事があって人間関係は良く、しかも働くのが楽しい」のは本当に大切な事だと実感しています。「前のような職場を何年も我慢しなくてよかった」と心から思っています。

・転職成功後、入職後も3ケ月おきに転職サイトから電話がかかってくる

こうして転職に成功し、入職後もお世話になった転職サイト(転職エージェント)のコンサルタントからは3ケ月おきくらいに電話がありました。

私は「とても満足して働いていること」を伝えると、転職サイトのコンサルタントは「そうでしょう」と嬉しそうに返答してくれます。私が充実して働けていることを自分のことのように喜んでくれます。入職したいまも、私のことを気にかけてくれていることをありがたく思っています。

成功事例から考えるポイント

私の場合はこうした成功例になったわけですが、最初から優れた職場で勤務できたわけではありません。むしろ新人として働き始めてから1年半という短い間に2回も病院を変わっているため、転職回数や期間だけを考えると非常に内容が悪いように思います。

しかし最終的には、問題なく優れた求人を見つけることができたわけです。こうした私の成功事例を振り返ったとき、重要なポイントは以下にあるといえます。

  • いまの環境を我慢する必要はなく、すぐにでも転職可能
  • 複数の転職サイトを活用するのが重要
  • 望んでいる転職内容(環境・転職条件など)を詳細に伝えるといい

私の場合は「新人で何度も転職しており、次の求人はない」と考えていました。ただ実際には問題なく優れた求人を見つけることができ、劣悪な環境の職場で働くことに耐える必要はなかったわけです。

また成功事例では転職サイトをいくつも利用したわけですが、これもよかったです。実際のところ、かなりズレた内容の求人を紹介してくる担当者もいました。そこで、複数登録した中から相性の良い転職サイトの担当者だけを厳選したのです。

他には、最初の私の転職では看護技術がなかったため、「看護技術を身に付けられそうならどこでもいい」という、非常にあいまいな内容でした。そのため失敗したわけですが、最後の転職では自分が望んでいる内容を詳細に転職サイト側へ伝えるようにしました。

そうして優れた転職サイトだけを残し、求人を絞っていった結果、成功事例へとたどり着いたわけです。こうしたポイントが成功する転職にはあるのです。

看護師を続けるなら楽しく、自分らしく行う

私が看護師という職業に携わってからの経験として、一般の社会とは異なり「閉鎖された異色の世界だ」と思うことがしばしばありました。

タフな精神の持ち主だと思っていた私でさえ、たった半年や1年ほどで限界を感じてしまう経験をしました。しかし看護職というのは、進むべき方向性を少し変えるだけで自分らしく頑張っていける世界でもあります。

日々、「我慢しなければならない」と自分を押し殺して、辛いなかで看護をする必要はありません。少し勇気を出すだけで、あなたらしく、楽しく充実した日々を送る選択肢もあるのです。

私が実際にいくつも転職した体験談・経験談をここではありのままに記しました。私が経験してきたことや知り得たこと、さらには転職での成功事例から、少しでもあなたの看護人生にとってプラスになればと思います。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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