「整形外科に転職したいけれど、なかなか志望動機が上手に書けない」という人は多く存在します。それはどうしてでしょうか。

以前に整形外科で実際に働いた経験をもっている看護師であれば、そのときに抱いた「看護観」や「目標」について語ることができます。

しかし整形外科が未経験の場合、志望理由は「人づてに聞いた内容を想像して膨らましたもの」になってしまいがちです。

あなたの想像上の「整形外科のイメージ」を伝えるだけですと、採用側に「現実との間にギャップがあるけれど、この人はやっていけるのだろうか」と思われてしまいます。

まず「整形外科の看護師とはどういう看護観をもって働くことが大切か」を理解し、大まかな整形外科について理解しておくことが大切です(こちらについては、当サイトの「整形外科に転職し『やりがい』を感じる看護師になるための考え方」に掲載しています)。

その上で、「自分はどうして整形外科の看護師になりたいのか」を再考し、自分なりに志望動機を具体的に絞り込んでいくと良いのです。

採用される志望動機とは

まず、「志望動機にはどのような目的があるのか」、「どのように志望動機を書いていけば良いのか」について簡単にお話ししておきます。

志望動機とは

志望動機については、履歴書の書式によって志望動機のスペースがわざわざ設けられているものもあれば、「趣味・特技」などと同じスペースに書く場合もあります。一見あまり重要視されていない項目のような印象を受けますが、そのようなことはありません。

志望動機は採用に向けての重要な選考基準であり、面接まで進めば必ず聞かれる質問のひとつともいえます。

志望動機とは、「あなたがその医療機関の、しかも整形外科に入職を希望し、そこで『自分は何ができるのか』『どのようなキャリアアップしていきたいのか』『何を実現していきたいのか』といった将来に向け前向きでポジティブな意志表示をすること」です。

簡単にいえば、志望動機とは志望先の医療機関で「自分には何ができて」そして「何をしたいのか」を伝えることです。

そのため、「自分のこれまでの能力を活かせると思ったから」といったような誰でも書きそうな紋切り型の志望動機ではいけません。

この記事の後半に例文を載せているので、それを参考にしながら必ず自分の言葉で考え、自分の意志を志望動機に練りこむようにしてください。

ただ単に、整形外科の志望動機例文を少しアレンジするだけでは、面接の場で必ずボロが出てしまいます。充分な時間を取って、自分なりの志望動機を考えることが重要です。

志望動機のアピール度を高めるには

そもそも、あなたが「整形外科に転職しよう」と考えた理由は何なのでしょうか。

人間関係や待遇、仕事内容の不満も転職理由のひとつだったかもしれません。しかし突き詰めれば、「今の職場ではできないことを次の職場である整形外科で実現したいと思ったから」ではないでしょうか。

そのため、もし「整形外科に転職したい」という理由が明確でない場合は、まずは「整形外科で自分はどのようなことを実現し、やりがいを見出していきたいのか」について徹底的に考えることが大切です。

ただ単に「整形外科で働きたい」「整形外科で~を実現してみたい」という願望だけでは不充分です。

必ず、整形外科を志望した裏付けとして、いままでの経験と実績を示す具体的内容を付け足す必要があります。それは整形外科での知識やスキルである必要はありません。

小児科、内科、特養といった他領域の看護知識やスキルでも、整形外科で活用できます。また看護経験が少なければ今までの人生経験も活用できます。いえ、活用していくよう自分でもっていくのです。

つまり、「自分はこれまでこのような領域で経験を積んできたから、このような看護観をもち仕事をしている。今後はこの経験を活かして整形外科でこのような仕事をしていきたい」という流れで志望動機をアピールすればいいのです。

志望動機、採用されやすいポイント

ここでさらに「志望動機の採用ポイント」についてまとめておきます。

なぜ御院なのか、なぜ整形外科なのかを伝える

採用側は知りたいのは、「たくさんある医療機関の中から、なぜこの医療機関を選んだのか」「さまざまな領域がある看護分野のなかでも、なぜ整形外科を選んだのか」ということです。

まずは「なぜこの医療機関の、整形外科という分野に興味をもったのか」を突き詰めて考えることが大切です。そして「その中でも〇〇の分野に強い御院で働きたい」というような流れで書いてみるとよいでしょう。

採用側にあなたの未来を想像させる

新卒採用とは異なり、中途採用では「いままでの『経験』を活かしてどのようなことができるか」が注目ポイントとなります。

「これまでどのような看護観をもって仕事に取り組んできたか」、それによって「どのようなスキルや経験を身に付けてきたか」ということを伝えましょう。そして、その上で「整形外科では何を実現したいのか」というビジョンを打ち出すことが大切です。

あなたの志望動機を知ることで、採用側にその職場でイキイキと働いているあなたの姿を想像させることができれば、採用にぐっと近づけることができます。

志望動機、これだけは絶対に書いてはいけない!

志望動機をあまり深く考えないで書いた場合の不採用になりやすいフレーズがあります。

下記のようなフレーズだけを使わないよう注意しましょう。もし、どうしてもこれらのフレーズを使用したいのであれば、具体的なエピソードを交えるなどし、「これら単独のフレーズを並べるだけの志望動機」としないように気をつけましょう。

志望動機NGフレーズ集

× 御院の整形外科に魅力を感じて

× 整形外科には将来性があると思ったので

× 御院の整形外科で自己実現ができると思ったので

× 今までの看護経験を整形外科では活かせると考えた

× 御院で最新の整形外科技術を学びたい

× 以前から整形外科に憧れていた

× 育児や介護が必要で、整形外科は「残業が少ない」と聞いたので

× 前の職場は人間関係が悪かったので

× 落ち着いた環境の中で働きたいと思ったので

× 未経験なのでどこまでお役に立てるかはわかりませんが…

あなたの志望動機には、上記のようなフレーズだけを使っていないでしょうか。この例文集だけをみて、「整形外科には将来性がある」といっただけの「使い古された言い回し」は使わないようにしましょう。一見、良さそうにも思えますが、自分なりの考えが何もありません。

まずは整形外科業界、整形外科看護について知ることです。

例えば「整形外科には将来性がある」とは、いったいどういうことでしょうか。まずは整形外科についての全体像を把握しましょう。

すると「高齢化社会において医療の現場は医療施設から在宅へとシフトしており、整形外科看護は地域へと広がりをみせている。そのため、介護や在宅医療、リハビリテーションなどの領域にも看護介入が必要となり、整形外科領域は重要な位置づけとなることが確かである」ということが分かります。

そうすると下記のように具体的な志望動機を述べることができます。

「そのような状況にある整形外科領域だからこそ、このような看護観をもち仕事をしていきたい。今までの積んできたこのような経験を活かして、こういう部分で御院に貢献できると考えている」

このように具体的に詳細に落とし込んで書いていくことが大切です(整形外科業界や看護については、「整形外科に転職し『やりがい』を感じる看護師になるための考え方」に掲載しているので、一読しておくことをおススメします)。

採用側は「将来性に魅かれて」「もともと整形外科に興味があった」「自己実現できる」などと簡単に片づけている志望動機には、いままでうんざりしているはずです。

このような志望動機を書く人は、「入職すれば自分は動いたり考えたりしなくでも、医療機関のほうで私の自己実現を叶えてくれる」と思っていることが多いです。

しかし自己実現を行っていくのは「あなた自身」であり、職場が準備するものではありません。このようなフレーズを使ってしまっては「依存的で主体性の低い人」だと判断されてますので、注意が必要です。

また、「未経験なので学ばせていただきたい」といったフレーズは、職場を学校と勘違いしているパターンです。

「育児や介護が必要なため、残業が少ない職場で働きたい」というのは志望動機ではなく、あなた個人の生活事情を志望動機にすり替えているにすぎません。このような転職動機ではアピール力は皆無で、他の志望者と差別化は図れません。

「人間関係が悪かった」という理由もまた志望動機ではありません。どのような劣悪な環境だったとしても、前の職場の不満や悪口について面接の場では絶対に触れないようにしましょう。

さらに未経験アピールも、わざわざ志望動機に入れる必要はありません。あなたは謙遜したつもりかもしれませんが、志望動機とは「あなたという看護師」を最大限にアピールする場なのです。

あなたが必要以上に謙遜することで、採用側は「本当に看護能力やスキルが無く、自信が無いのだろう」「前職ではついていけなくなったので転職を考えたのであろう」とストレートに受け取られてしまうことがあります。

万が一、採用されたとしても、自分の想定より低く給与設定されてしまう恐れも出てきます。採用側は「謙遜するくらいなのだから、給与設定を低くしても文句は言わないだろう」と考えるからです。

そのため、面接の場で謙遜しすぎることはおススメできません。

整形外科看護師の志望動機:例文集

では実際に「どのような志望動機を書いていけば良いのか」について例文を挙げてみたいと思います。

内科⇒整形外科に転職希望の場合

最初に、「内科から整形外科に転職希望」の場合の志望動機の例文です。

私はこれまで内科で、主に糖尿病看護に携わってきました。糖尿病患者様に向けた生活指導を行う関わりの中で、患者様のお話に耳を傾け、「どのように生活習慣を改善していくのがこの患者様にとって最善であるのか」に重点を置いた看護を行ってきました。

具体的には、患者様とのお話の中で「無理のない範囲の目標」を患者様と一緒に設定させていただいておりました。これは、患者様自身の自己効力感を取り戻し、その後も将来にわたって前向きに疾患を捉えていけるような関わりをもつことが大切だと考えたからです。

・・・・・・・・・・・・・・

そこで今後はいままでの経験を活かし、御院の整形外科で看護を担いたいと思うようになりました。御院の整形外科看護では「患者様の個別性に合わせ、身体的・精神的な自立に向けての援助に力を入れている」ことを見学会で知り、感銘を受けました。この看護は糖尿病看護にも通じるところがあると感じました。

私も整形外科で患者様の不安を傾聴し、日常生活動作の訓練に前向きになっていただき笑顔で退院していけるよう具体的な方向付けを実践していきたいと考えています。

このように前半でこれまでの看護経験について述べ、「・・・・」から後半部分は今後、希望する整形外科で何を実現していきたいのかを主張しています(「・・・・」は志望動機に書く必要はないので注意してください)。

また青線部の「見学会に参加する」など転職に関して具体的に動き、本気で転職を考えている旨などを入れておくと好印象を与えやすくなります。

オペ室⇒整形外科

次にオペ室から整形外科への転職する場合の志望動機です。

私は以前、オペ室で勤務していました。様々な手術に携わる中で、整形外科の手術を行い、歩けるようになっていく患者様、身体機能は改善が期待できなくても笑顔を取り戻される患者様と関わり、将来は「整形外科に携わっていきたい」と強く感じるようになりました。

この度、配置転換を迎えることとなりオペ室から他科への異動となりました。そこで、整形外科に特化した御院で専門的に整形外科看護に携わりたいと考え、転職を決意した次第です。

オペ室看護の経験を活かし、「外来・病棟・回復室・ICUなどの多部門と患者様間」の的確で正確な情報交換を実現し、オペ前後の患者様の不安な気持ちに寄り添える看護を行っていきたいと考えています。

御院に入職することができましたら「術前・術中・術後」の全期間を通して、患者様に一貫した看護ケアを提供できる看護師としての一助を担いたいと思っています。

こちらも前半ではこれまでの看護経験を述べ、後半にはどのような看護の視点をもち、「何を実現できるのか」について主張しています。

青線部では、「前職での経験を具体的にどのように活かしていきたいのか」を記載しているため、採用側に「仕事のできる看護師」であることをイメージしてもらいやすくなります。

中途の看護師を採用する採用側のメリットとしては、「職場に新しい風を吹かす」ことができる点です。長年勤めていると見えなくなってしまった職場の改善点を指摘することができるのが、中途採用の看護師でもあるのです。

このことを志望動機でさりげなく伝え、「自分は新しい風を吹かす能力がある」とアピールする方法もあります。

一般整形外科⇒スポーツ整形外科

スポーツ整形外科とは、スポーツなどの運動で生じた障害を対象とする外科です。整形外科看護師の中には一般整形外科から、より専門的なスポーツ整形外科への転職を希望する人も増えています。

私はもともと整形外科で10年勤務しておりました。患者様の障害の受容過程に合わせ、声かけや関わりをしながら、携わっていく整形外科看護のやりがいを感じております。

私自身、運動が趣味で、学生時代よりバレーボールを行ってきました。3年前、試合中に靭帯を損傷し、御院を紹介していただくことがありました。

そこで入院中、御院の看護師と話をさせていただく機会の中で、スポーツ整形外科では損傷したとしても多くの場合は「手術療法を最優先するのではなく、運動療法によって治療が可能なこともあること」「関節鏡手術により早期復帰が可能であること」などについて教えていただきました。

そのとき私の隣に入院されていた患者様が「ここでの治療で一度は諦めていたスポーツに再度取り組めるようになった」と感涙しながら話してくれました。整形外科をより専門的に捉え、患者様中心で治療している御院の方針に感銘を受けた次第です。

その経験から3年経った今、私は整形外科看護の専門性を高めたスポーツ整形外科に携わり、患者様の力添えを行いたいと思う気持ちが強くなり転職に至りました

一般的な整形外科での幅広い看護知識やスキルをベースに、今後は御院にてスポーツ整形外科という分野で専門性を高め、患者様に信頼される看護師になっていきたいと考えております。

このような志望動機の書き方をすれば、「なぜスポーツ整形外科に興味をもったのか」「何ができ、そして今後どのようなことを実現していきたいのか」について、採用側に想像してもらうことが容易になります。

「このような看護師が働いてくれれば…」と採用側にとってワクワクするような人物であることをアピールすることができれば、採用につながっていきます。

青線部のように「どのようなことで感銘を受けたか」といったエピソードを交えれば、さらに説得力が増します。「心を動かされ、感動したことを目標にしている人」は、困難が現れたときに「立ち向かっていける人」だといえます。

このように志の高い人は採用側にとっても、「何か問題が発生したとしても解決できる人間だ。すぐに逃げることを考えない人だ」と捉えられ、採用に近づくことができます。

整形外科看護には「やりがい」が詰まっている

整形外科看護の「面白さ」「やりがい」について把握していれば、上記のような志望動機を述べることができます。反対に、把握していなければ、表面上の薄っぺらい言葉を連ねるだけになってしまいます。

採用側はこのような内容のない志望動機を多くの応募者から見たり聞いたりしています。採用側が「おっ、この人は他の応募者とは一味違うな」と感じるような内容にしなければ、志望動機を語る意味はありません。

まずは「整形外科看護とはどういったものか」を知り、「そこで自分は何が実行できるのか」を想像してみましょう。

「そこでの目標は何か」「どのような看護展開を実践していけば患者さんに喜んでもらえるのか」といった具体的な内容までじっくり自分なりに考えてみてください。

そうすれば、面接の場で「志望動機」について聞かれたときも自信をもって答えることができます。「自信をもって志望動機を答えられる人」は採用されやすくなります。

転職とは人生の転機です。あなたの思い描く未来を実現するために、志望動機こそじっくり取り組んで考えてみることをおススメします。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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