整形外科は看護師に人気の求人のひとつです。命に直結するような重大な疾患を抱えている患者さんが少ないため、興味をもたれている方も多いのではないでしょうか。

できれば「整形外科で看護キャリアを積んでいきたい」とするのであれば、「やりがい」をもって看護を実践していくことが大切です。そのためには、整形外科の看護師として「しっかりした看護観」をもっておくことが大切です。

そこで今回は、転職前でも入職後でも整形外科看護に関わるのであれば心得ておきたい「整形外科の看護観」について、お話ししてきます。

整形外科の動向

まずは、整形外科という領域全体を俯瞰してみましょう。

整形外科は専門が分化してきている

整形外科はもともと、子どもの体についての変形の予防・矯正・治療を対象としていました。その後、骨・関節・筋肉・神経など運動器疾患の治療を行い、扱う領域を広げていきました。

そして現在ではその領域がさらに広がり、整形外科は「運動機能再建外科」と「リハビリテーションを含む領域」としての発展を遂げました。

さらに、ただ単に「整形外科」というだけではなく、「股関節外科」「脊椎外科」「肩関節外科」「膝関節外科」「手の外科」「災害外科」「スポーツ外科」、また「低身長に対する脚延長の治療」など専門分野に分かれている医療機関もあります。

私事ではありますが、私は20代のときに慣れないヒールの靴を履いていて転倒したはずみに、壁に左手の薬指を突いてしまったことがありました。

そのときはあまり痛みを感じなかったのですが、夜になると眠れないほどの激痛を感じ、朝になると指が紫色になり2倍以上に腫れていました。

そこで近隣の2件の整形外科クリニックを受診しました。しかし、どちらでも「これはただの突き指で腫れているだけ。しばらくすれば治る」といわれ、痛み止めと湿布を処方されました。

しかしどうしても痛みも腫れも治まらないため、3件目の整形外科クリニックでこのことを相談したところ、そこで初めてレントゲン写真を撮影してもらえました。そしてこの受傷は「粉砕骨折」で、「放っておくと指が曲がらなくなる」といわれました。

そこで日本でも有数の「手の外科」を紹介してもらいました。その医療機関は、電車で1時間半もかかり、待ち時間3時間は当たり前のところでした。

しかしそこには「手のことに関してはスペシャリストの医師」が在籍していました。私のような粉砕骨折の手術以外にも、手根管症候群、腱鞘炎の手術なども行っており、手術を終えた患者さんは満足し退院されていく姿が印象的でした。

後から分かったのですが、執刀にあたってくれた医師は、日本でも有数の「手の外科専門医」でした。中には、遠方からわざわざ飛行機で来院し順番を長期間待ち、手術を受ける患者さんも存在するくらいでした。

私はその医療機関で「左手首の軟骨を受傷した指の関節に移植する手術」を行い、2週間程度の入院をしました。左手首には、そのときの手術痕が残っています。

10年経った今、薬指はしっかり曲がり、看護にもパソコン入力にも何の影響もありません。幸運なことに痛みなども生じたことがありません。

当時、私は看護師になるとは夢にも思っていませんでした。勇気を出して3件目の病院を受診し「手の外科」を紹介してもらえたこと、そして左の薬指を手術をしてもらえたことは、本当に「運が良かった」と感じています。

また、身体各器官の力学的・機械工学的な相互関係をコンピューターを用いて解析する「ボディメカニクス」や「バイオメカニクス」の研究も盛んに行われるようになってきました。

近未来にはこれらの技術を駆使し、高齢者介護の場などで実践的に利用されていくようになるといわれています。

このように運動器疾患の治療はより専門的に、そしてより重要な位置づけになってきています。

整形外科看護の範囲は広がってきている

高齢化に伴い、医療の現場は医療施設から在宅へとシフトしています。そのような中で整形外科看護の範囲もまた、医療施設の整った医療機関だけにはとどまりません。

在宅療養者などの増加に伴い、整形外科看護は地域へと広がっています。介護領域や在宅医療、リハビリテーションなどの領域へも看護業務の拡大がみられています。

このような変遷により整形外科に携わる看護師は、「医療機関で疾患の治療を行ったあとは看護の必要性はない」という考え方ではなく、「治療後を見据え、在宅で患者さんが安心して生活ができるように調整する」という考え方をもつことが大切になります。

このように整形外科の看護は、疾患治療の看護のみならず、「日常生活への復帰や自立に向けて援助する役割」をも担うようになりました。

整形外科での治療の目標とは

整形外科での治療の目標は、実は「完全な治癒(原状回復)」ではなく、「これ以上病態が悪化しないように防ぐこと」だとされています。

運動器疾患の患者さんの場合、退院後のリハビリテーションまで含めた看護計画を立案し、そのときどきで患者さんの状態に応じた看護を具体的に実践していくことが大切です。

運動器に疾患を抱える患者さんは、身体的変形や機能障害や疼痛などをもっており、生活に支障が出ることがあります。

このような患者さんに対して、看護師には「早期離床→機能改善→動作の再獲得」という段階を踏みながら、徐々に自立できるよう関わっていくことが求められています。

治療の効果が現れるには、特に手術後のリハビリテーションが重要になります。手術や処置などの治療がうまくいったとしても、適切にリハビリテーションを行わなければ思ったような効果は期待できないからです。

とくに高齢者の場合、回復への意欲が少なく、自立に向けた動機付けが難しい場合も多く、看護師の精神的な援助に左右されることも多いです。

現在日本では、在院日数が短縮され、治療と看護の質の向上が要求される時代となりました。「患者さんの意欲をいかに引き出すか」は、「治療の目標が達成されるかどうか」に直結します。

患者さん一人ひとりに合った関わりを実践し、治療目標が達成されるよう支援することが大切になります。

整形外科の患者さんの特徴

次に「整形外科の患者さんの特徴」についてお話しします。患者さんの特徴を把握することは「どのような関わりをすればいいのか」の指針となります。

運動器疾患を抱えた患者さんは、それが一時的なものであっても、身体的・精神的・社会的にマイナスの影響を受けています。

たとえ患者さんが受けた障害が一生涯にわたって抱えていくものであっても、一個人としての品位と誇りを失わせず、精神的に自立できるようにサポートしていくことが看護において大切なことです。

整形外科の患者さんの身体的問題とは

運動器疾患を抱える患者さんの身体的な問題とは、大きく分けると「痛み」「機能障害」「変形」の3つです。

どの問題を抱えていても、患者さんはQOL(Quality Of Life:生活の質の向上)の低下につながります。そこで、これらの障害をもちながらも日常生活への適応を促し、その質を高めていくことが看護の重要な視点となります。

それでは一つずつ説明していきます。

痛み

痛みは、運動器疾患の代表的な身体的問題です。ひとことで痛みといっても、こわばり、つっぱり、しびれ感、だるさ、冷感など痛みに関する訴えは人それぞれ違います。

このような場合、ただ単に「痛い」という訴えを傾聴するのではなく、「どこが痛いのか」「どのような痛みであるのか」「どのくらい痛みが続いているのか」といった情報収集を行いましょう。

さらに可能であれば、「痛みの中心はどこか」「痛みはどの方向に向かっているのか」「痛みはどの部位にまで放散しているのか」「痛いのは表面か、深部か」といったことについても把握しておくとよいでしょう。

痛みは、必ずしも「疾患部だけ」ではありません。患部をかばうことによって、患部以外の部位に生じることもあります。

例えば、子どもが「膝が痛い」と訴え受診したところ、診断名は「ペルテス病(大腿骨頭の血行障害による壊死)」のことがあります。

別の事例では、高齢者で「腰が痛い」と訴えがあり受診したところ、診断名は「変形性股関節症」で、「股関節の痛みをかばい姿勢が悪いことで痛みが生じたものである」といったこともあります。

このように疾患部だけに目を向けるのではなく、幅広い視野で観察を行うことが重要です。

また痛みは、動作と関連して捉えることも大切です。どのような動作をすれば、痛みが出るのかを把握しておけば、日常生活における障害の内容と程度を推測することが可能です。

痛みは悪化すれば、QOLの低下を招くだけでなく、精神的に不安定になることもあります。「できるかぎり痛みを緩和し、自制できるレベルに留められる」ことを看護目標に置くと良いでしょう。

機能障害

機能障害の場合、「運動器のどの部位にどの程度の障害をもたらしているか」を把握しておかなければ、QOLの維持や向上にはつながりません。

具体的な援助を実践するには、身体全体を「上肢・上肢帯」「体幹」「下肢・下肢帯」に分けて「機能と範囲」を評価し、「どのような援助が必要か」を決める手がかりにします。

上肢・上肢帯

上肢・上肢帯は、食事動作や衣服の着脱など日常生活における細かい動作を担っています。

「手や指を使い細かい動きができるか」を判断するためには、手関節の掌屈・背屈、肘関節の屈伸、肩関節の動きなども観察することが大切です。

手や指以外の上肢で問題が出るとすれば、「起き上がり動作」です。例えば、関節リウマチ患者さんの場合、手のひらを床に付けることが難しいため、起き上がる動作に支障が出ることがあります。

また肘関節に屈曲制限があれば、手を上にもっていくことができず、シャツや上着のボタンかけなどができない場合があります。ドアノブを回せないなどの不自由が生じることもあるため、自宅のドアを工夫する必要も発生します。

さらに一方の手に障害があり、片手動作を余儀なくされる場合、生活上不都合になります。これが利き手の障害であれば、基本的動作に直接、支障をきたすため、動作の細かい査定を行い、工夫が必要となります。

体幹

体幹は脊椎と筋肉によって支持されています。脊椎にかかる重力は下部にいくに従い大きな荷重を受け、腰部にひずみが生じ、腰痛などの要因となります。

背筋と脊椎が障害されると、直立姿勢を困難にすることもあり、生活の適応障害につながる場合もあります。また背筋や脊椎に痛みが伴うと、痛みのため運動制限が起きることもあります。

そうなれば、自力での体位変換や起き上がり動作が不自由となり、セルフケアの低下や筋萎縮を招く可能性も高くなります。患者さんの起き上がり動作などを観察し、「どのような補助具があれば安全安楽に起き上がれるか」などを確認することが大切です。

下肢・下肢帯

下肢の主な機能は「起立」と「歩行」です。

股関節・肘関節の痛みや、下肢の可動制限は、歩行障害につながります。さらに歩行動作については、骨や筋肉・関節の障害のほかに、脊髄損傷による運動麻痺によっても問題が生じます。

患者さんから「歩けない」という訴えがあったり、観察して「歩き方がおかしい」と感じたりすることがあれば、早めに担当医に相談するようにしましょう。歩行困難は、自立した生活を送るうえで著しい障害であるといえます。

起立や歩行能力に問題があると考えられる場合は、椅子からの立ち上がり動作、坂道や階段を使っての走行動作、排尿動作、入浴動作などの度合いを査定し、補助具を用いた歩行訓練が必要となることもあります。

変形

変形とは外見上の変化です。四肢の欠損・短縮・彎曲・萎縮・突出・膨張・腫脹などの変化のことをいいます。

この変形した状態については、「患者さんが変形に関し、どのような認識をもっているか」を把握することが大切です。とくに後天性による欠損や変形は「障害の受容過程」において、現在「患者さんはどの位置づけにいるのか」を把握し関わりをもつと良いとされています。

「障害の受容過程」とは「ショック期→否認期→混乱期→解決への努力期→受容期」という位置づけの変遷を通して、障害を克服していく過程のことをいいます。

外見上に変化が生じた場合、形態の変形だけでなく、疼痛や機能障害を伴っていることも多いです。身体の可動性にどのような影響をもたらすのかを事前にアセスメントしておくことが大切です。

整形外科の患者さんの心理的問題とは

次に「整形外科における患者さんの心理的問題」について述べていきます。

「運動機能が低下している状態」ということは、いままで行っていた行動が制限・阻害されることになります。

これは一時的な場合もありますが、行動が阻害されるということは、「社会的弱者」という位置づけとなり、他人の物理的・精神的援助が必要になることが多いです。そのため患者さんには、さまざまな心理的問題が生じやすくなります。

整形外科患者さんの心理的状態

人間は本来「自立し自分の意思で生きていきたい」ものです。しかし、身体の障害の程度によっては、他人のサポートを必要とする状況もあります。

このような場合、患者さんの中には「自立したい気持ち」と「他人の援助を受けなければならない現実」との間にギャップが生じ、精神的に不安定になることがあります。また反対に、障害を理由に他人への依存度合が強くなる場合もあります。

患者さんの気持ちを傾聴し、徐々に自立に向けて行動変容が行えるよう促していくことが大切になります。

急性期から慢性期における心理的反応

整形外科の急性期の患者さんは、捻挫・脱臼・骨折などといった疾患を生じています。これらの損傷により、漠然とした不安を感じることがあります。これは「予後に対する不安」というより、「当面の状況に対する不安」です。

患者さんが抱くこれらの不安は、治療が進んだ段階で、生活や経済・職業などに対しての具体的な不安となっていきます。例えば、「もとの生活を送れるのかどうか」「経済的に治療を継続していくことができるかどうか」などといった不安です。

当面の状況に対し、患者さんがどのような不安を抱えているのかを傾聴し、その解決に向けた看護を展開していくことが大切です。

一方で、整形外科の慢性疾患を抱える患者さんの場合ですと、劣等感や他人への依頼心を強めたり、社会への適応の破綻などによって不安になったりすることがあります。

治療が長期に及ぶと、拘禁反応が出現することがあります。拘禁反応とは、入院などで自由を束縛されることで、人格の変化が起こることをいいます。うつ状態、治療の逃避・拒絶、自己中心性といった症状がみられます。これらは自立した生活を送る妨げとなります。

患者さんが障害を克服し自立した生活を送るためには、医師や看護師だけでなく、さまざまな専門家の協力が不可欠になります。

市役所や福祉事務所、保健所、保健センター、社会福祉協議会、居宅介護支援事務所など、地域の公的資源の活用ができるよう、患者さんを援助することが大切です。

また患者さんが一家の家計の主な担い手である場合は、生計を誰が代わりに担っていくのかなども問題となります。

さらに障害の部位や程度に応じては、自宅を改造する必要が出てくることもあります。重度障碍者であれば、ホームヘルパーなどの利用も必要となることがあるかもしれません。

これらの問題については、医療相談員(MSW : Medical Social Worker)と話し合い、患者さんの思いに応えられるような機会を作っていくことが大切です。

整形外科における看護師の役割とは

「身体に障害を抱える」ということは、その人がその人らしく生活をする上での妨げとなり、社会的な存在価値を脅かすことがあります。

患者さんが身体的障害を克服し、社会に適応し、自立できるようにサポートしていくのが整形外科における看護師の役割です。

すなわち整形外科における看護の役割は、障害を抱えた患者さんを、尊敬の念をもった一人の人間として、家庭や社会に送り出すことにあります。

そこで整形外科における「身体的援助」と「心理的援助」の方法について、具体的に述べていきたいと思います。

整形外科における身体的援助の方法

整形外科における身体的援助の方法ですが、患者さんの疾患の程度や障害部位に応じて、段階的に進めていきます。

運動器疾患における治療上の臥床や安静・固定は、治療部位には必要なことである反面、全身的な機能は低下します。そのため、患者さんには、筋力低下の防止を図り、関節可動域の維持・拡大を行うために、具体的な看護援助計画を立てることが大切です。

人間は2週間安静臥床しているだけで、脳の循環や大腿四頭筋の機能が低下し、起立や歩行に支障をきたすようになります。離床可能となっても、すぐには起立や歩行が困難であることが多いのです。

例えば、安静状態が長期に及び、その後起立や歩行を行おうとしても、起立性低血圧、大腿四頭筋の筋力低下による膝くずれなどが予測できます。

そのため、運動機能の回復を行う過程として、床上生活から段階的に運動訓練のスケジュールが組まれることが望ましいとされています。これはどのような種類の動作の機能回復についても同様のことがいえます。

整形外科における機能回復訓練は、床上安静のときから段階的に行うとよいとされています。

例えば、四肢の運動訓練を経て、ベッド頭側挙上による座位、自立による長座位、端座位、起立、歩行といったステップに当たります。患者さんの回復具合をみながら、無理のない範囲で焦らず、徐々に行っていくと良いでしょう。

また、上記のように身体的援助を行うことで、「障害の緩和」だけでなく「状態の悪化防止」と「二次的障害の予防」という看護目標も達成することが可能です。

ただ、ひとつ注意しておきたい点があります。

それは、安楽な体位だからといって、高齢患者さんに長時間ファウラー位(上半身を45度起こした体位)をとってもらうことは危険ということです。

下肢は股関節の屈曲位を長時間とっていると、膝窩部に寝具の圧力がかかりすぎることになります。このことで膝窩動脈は圧迫され、血行障害を引き起こす危険が高まります。さらに、血栓症合併の可能性も秘めています。

また下肢はファウラー位では外旋位をとりがちですが、外旋位を長時間行っていると腓骨頭を圧迫するため、腓骨神経麻痺になりかねません。腓骨神経麻痺は、鶏歩(けいほ)など歩行に大きな障害をもたらすことがあるため注意が必要です。

このように安楽な仰臥位といっても、下肢は外旋位となりやすく、足関節は伸展位で尖足位になっています。上記のような重症の麻痺には至らなくても、下腿三頭筋と前脛骨筋のバランスが取れず下腿三頭筋が短くなり尖足を生じる危険があります。

整形外科における精神的援助の方法

整形外科の患者さんは、治療中から日常生活動作の自立に向けての訓練を行います。このとき患者さんは、身体の動きが制限・制約され、生活上不自由さを感じます。

ときに苛立ちや無力感を覚えるため、精神的な援助も必要となります。

例えば、自立して日常生活動作ができない状態であっても、将来を見据え、可能な日常生活動作の自立化に向けて具体的な方向づけをし援助することが大切です。

また、障害部位の固定や安静が必要な場合でも、自立に向けた援助が重要となります。例えば、治療に問題を生じさせない範囲で健康な部位を積極的に動かすことを目的にした援助などです。

たとえ臥位であっても、ベッド頭側30度の挙上ができれば、大抵の生活動作は自立して行えます。食事、排泄など、動作の細かな分析と訓練で、自立が可能なのです。

床上であっても、「生活動作すべてを援助しなければならない」ということではありません。自立して自分で自分のことをできるということは、患者さんにとっても精神的な自立につながっていきます。

患者さんに応じた声かけや観察を行い、身体的・精神的自立に向けての看護援助を行っていくことが何よりも大切です。

整形外科における心理的援助の方法

外傷など外見上の際立った特徴は、「あだ名」や「からかい」などの的になりやすいといえます。看護にあたっては、患者さんの示す反応や態度から、その心理的状態を察知し「援助の糸口」を見出していきます。

患者さんが示す態度に対し、思慮深く、思いやりのある態度で接し、適切な心理・社会的援助につなげていくように心がけましょう。

ちなみに私の左手首に線路のような手術痕が残ったことに対し、「手の外科」のときの受もち看護師は「順番を待たずに日本で最高の手術が受けられたラッキーな痕」だといってくれました。

私の場合「すぐに手術をしなければ、そのまま指が曲げられなくなる」ため、医師が時間をわざわざ作ってくれ手術したからです。それ以来、この手術痕は隠すものではなく、私にとって話のネタであり「自慢」のひとつになりました。

このように看護師の「患者さんに応じた声かけ一つ」で、外見上の変化を受け入れられるかどうか異なります。

「障害の受容」の段階について、次に簡単にまとめました。整形外科の看護師として、「患者さんは障害を苦しみながらも受容していこう」としていることを把握しておきましょう。

障害の受容過程

第一段階:患者さんは、あきらめや不安の反応を示します。これは人生の目標を実現する可能性の大半を失ったことを実感していることでもあります。他にも、抑うつ・怒りなど障害に対しての直接反応です。

看護師は、患者さんの言うことに傾聴し、受け入れる態度を示しましょう。

第二段階:障害を否定する反応を示します。

看護師は、無理に現実を押し付けたり、訓練を急かしたりすることなく、見守る態度が大切になります。

第三段階混乱を示します。抑うつ的になったり、自己中心的な衝動に駆られたりすることもあります。これは医師や看護師に向けられた反応ではなく、自分自身の現状に対する「やりきれなさ」を表しているのです。

看護師は「患者さんは第三段階にいる」と認識したら、患者さんの状態に合わせ、訓練を促すようにします。患者さんの勢いに圧倒されることなく確固とした態度で接し、治療の方向を示していきます。

第四段階新しい自己像が生まれ、自分を取り戻しつつある段階です。この段階が一番時間を必要とし、心理的なサポートを必要とする時期にあたります。

障害が自分の将来をすべて壊してしまうものではないと気づけば、障害に対する患者さん自身の考えも徐々に変化していきます。

看護師は、障害が人生すべてを否定するのではなく新しい生き方の認識をもてるよう方向づけをしていくことが大切です。

第五段階障害をもつ自分を認める時期となります。人生の目標の修正や生き方の変更が必要となることもありますが、自分の新しい位置を見出し、それを確認していく段階です。

看護師は、福祉的なサポートも含め、解決していけるよう促していきます。

この受容の段階は、一進一退しながらも徐々に進んでいきます。時間が長くかかることも、精神的サポートが膨大に必要となることもあると理解し、接することが大切です。

患者さんのどのような反応も第五段階に向かっての過程です。自分に突き付けられた厳しい現実を受け入れるためには、「上記の障害の過程を経て、はじめて受け入れることができる」と知っておきましょう。

整形外科看護師には観察力と判断力、思いやりが必要

整形外科は知れば知るほど、奥の深い領域だといえます。障害部位以外は健康体である患者さんをどのように身体的・精神的サポートしていくかが、「看護の力が存分に試される領域である」といえます。

整形外科で看護師に求められているのは、「正確な観察力と判断力」、そして「思いやり」です。

運動機能に障害をもつ患者さんの正確で細かい状況把握を行い、「患者さんはどの段階にあるのか」を理解し、治療と看護に役立てるようにしていくことが大切です。

私自身、手の外科で手術を行ったあと、受もち看護師から手術痕を「ラッキーな痕」だといってもらっていなければ、いまでも半そでは着れず、恥ずかしくて隠していたかもしれません。しかし、この痕は、手の外科の医師や看護師の専門性が活かされた証でもあるのです。誇りに思っています。

あなたも是非、整形外科の看護師として、患者さんが新しい人生のスタートをきれるようサポートしていってもらえたらと思います。それこそが「整形外科看護師のやりがい」といえるでしょう。あなたのできることから、少しずつ始めていってください。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

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