女性特有の問題を抱えている人は多いです。また晩婚化や出産年齢の高齢化、少子化といった問題もあり、これらの問題を解決するために産婦人科を目指す看護師・助産師はたくさんいます。

しかし一般科と異なり婦人科の場合、「患者さんと接するとき、どのような点に注意すべきか」「どのような看護観をもって行動すればいいか」といった詳しい内容について、知らない人も多いのではないでしょうか。

また求人を選ぶにしても、医療機関によって求人内容は大きく異なります。婦人科と産科でも仕事内容は違うため、それらの相違点を理解したうえで最適な中途採用募集に申し込まなければいけません。

そこで産婦人科に転職希望の方に向けて、どのように考えて求人先を選択し、転職活動を進めればいいのか解説していきます。

お産から更年期障害まで幅広い産婦人科領域

通常だと、医療では特定の領域のみ取り扱うようになります。例えば循環器科であれば心臓ですし、呼吸器科であれば肺・気管です。

一方で産婦人科は非常に取り扱い範囲が幅広いといえます。「女性特有の問題を取り扱う」という意味では共通していますが、以下のようにあらゆる分野をカバーしなければいけません。

  • お産
  • 不妊治療
  • 性感染症
  • 更年期障害
  • がん(乳がん、子宮頸がん)

もちろん他にもたくさん存在しますが、このようにかなり幅広いといえます。しかも、原因がはっきりしない疾患ばかりです。女性ホルモンが広く関わる領域であり、例えば更年期障害だと「なんだか気分が悪い」という患者さんが相手になります。

人工中絶やがんなどまで取り扱う

またピルの服用や更年期障害のケアならまだいいですが、産婦人科ではより重い手術をするケースもよくあります。

これが入院であっても、お産など喜ばしいことであればまだいいです。私も過去に妊娠・出産したときは助産師さんに感謝しました。

ただ産婦人科領域では妊娠中絶も取り扱います。望まない妊娠から、胎児がダウン症だと分かった妊婦さんまで、その理由はさまざまです。

他にはがんも広く取り扱うのが産婦人科です。30歳以降の若い女性であってもみられるのが乳がんであり、女性であれば発症頻度がそれなりに高いがんになります。また子宮頸がんもそれなりに多く、あらゆる分野において女性をサポートしていくことになります。

そのため術前・術後の管理や採血・検査などは当然として、化学療法への理解や家族へのケアまで必要になるのが産婦人科で働く看護師・助産師だといえます。

看護師・助産師が活躍できる中途採用募集

なお産婦人科領域であるため、当然ながら助産師だと活躍する機会が多くなります。妊婦健診やお産介助、授乳ケア、新生児のケアを含め、これらの対応は看護師だと無理であり、助産師でなければ行うことができないからです。

助産師だと全員が看護師免許を保有することになるため、産婦人科領域に関する看護ケアはすべて行うことができるものの、看護師資格だけの場合、どうしてもお産に関わる医療機関では活躍の場が減ります。そのため、お産が関与しない医療機関への転職がメインとなります。

もちろん産婦人科病院でも広く看護師を募集していますが、だいたいは出産以外の患者さんの対応となります。

そうしたとき、看護師・助産師では以下の求人へ申し込むことになります。

  • 婦人科メインのクリニック
  • 産科メインの病院・クリニック
  • 両方を取り扱う産婦人科病院
  • 不妊治療のクリニック

それぞれの募集がどのような内容になっているのか、より深く確認していきます。

婦人科メインのクリニックで広く女性の健康を扱う

産婦人科領域の中でも、出産を取り扱う場合はどうしても業務内容が大変になりがちです。そのため、必然的に多くなるのが婦人科メインのクリニックです。婦人科領域だけであれば夜勤は当然ながら発生しないですし、妊娠・出産に伴う急な容態変化はありません。

このとき婦人科では月経関係やピル処方、避妊相談、性感染症、がん検診、更年期障害、骨粗しょう症と幅広く取り扱いますが、患者さん自体は基本的に健康体なので重い症状ではありません。また助産師資格は不要なので、看護師免許を持っていれば誰でも求人に申し込むことができます。

また外来のみになるため、基本は未経験でも応募できます。例えば、以下は東京にある婦人科専門のクリニック求人です。

分娩は行わず、外来のみの診察を実施しているクリニックになります。出産を取り扱わない婦人科クリニックは非常に多いため、経験者や未経験者に限らず看護師の転職先として候補になります。

夜勤なし(日勤のみ)で勤務できますし、子育て経験があればそれを活かすことができるため、育児中のママ看護師にはおすすめの中途採用募集だといえます。

産科メインの病院・クリニックで助産師として活躍する

一方で助産師メインの中途採用も当然ながら存在します。容易に想像できますが、出産を取り扱う病院・クリニックの求人は助産師の募集ばかりになります。

産科メインの医療機関だと、看護師資格だけでは行えることが限られます。その結果、助産師の中途採用募集になるというわけです。産科の病院やクリニックの規模はさまざまであり、あらゆる医療機関から助産師の求人が出されます。

例えば以下では、東京にある産科クリニックから出されている助産師の募集です。

お産に関わるため、当然ながら24時間体制の夜勤ありとなります。この求人の場合、夜勤は助産師2名体制で働くことになります。

正常な妊娠や出産の手助けをするのが助産師であり、常に新たな命と関わることになるので勤務形態は大変ではありますが、やりがいは大きいです。助産師資格を保有するのであれば、産科への転職が一般的です。

産科・婦人科の両方を取り扱う産婦人科病院

なお医療機関としては、産科と婦人科の両方を取り扱うケースもよくあります。また産婦人科に限らず、小児科を併設しているケースも普通です。

医療機関でいくつかの科を有するのはよく見受けられますが、そうした産科と婦人科の両方を有する病院へ転職しても問題ありません。ただ複数の科を有する病院の場合、通常だと看護師はどこの科に配属されるのか分かりません。すべては病院の人事が決定します。

ただ産婦人科病院だと分かりやすく、基本的には「助産師資格のある人:産科に配属」「看護師資格のみの人:産科以外(婦人科・小児科など)に配属」となります。

例えば助産師であれば、総合病院からの募集であっても「出産に関わる助産師を募集している」とピンポイントで求人が出されるようになります。例えば、以下は公立病院から出された助産師の中途採用募集です。

公立病院なので公務員の立場になりますが、「助産師の募集=産科での求人」となるのが基本です。看護師免許のみと、助産師資格まで保有する場合では行える業務に違いがあるため、このように働く科が分かれるのです。

そのため助産師にとってみれば、産科メインの小さい病院・クリニックであっても、こうした総合病院であっても基本的な業務は変わりません。ただ総合病院だとより高度な医療を提供できるため、より緊急を要する妊婦を相手にする確率が高くなります。

また看護師免許のみの人が産婦人科病院で勤務する場合、産科以外となります。

不妊治療のクリニックで少子化防止に貢献する

また看護師が活躍できる産婦人科領域としては、不妊治療をメインに行うクリニックもあります。お産ではないので看護師資格のみでも問題なく、それでいて少子化の防止に貢献できるやりがいのある仕事内容だといえます。

ただ実際のところ、不妊治療は非常に値段が高額になりやすいです。そのため、相談に来院する患者さんの世帯年収なども考慮したうえで、最適な内容を考えなければいけないのが不妊治療といえます。

また不妊に悩んでいる人は非常に多く、有名なクリニックだと日本全国どころか、海外から来院するケースもあります。例えば、以下は福岡にある不妊治療専門のクリニックです。

求人票にある通り、全国や海外から患者さんが来院します。福岡なので「韓国の患者さんが多い」と容易に想像できますが、不妊治療なので必ずしも地域密着ではなく、あらゆる地域の患者さんが対象になるのです。

なお、こうした不妊治療のクリニックだと有床のケースも多くその場合は夜勤があります。ただ助産対応はなく、体はいたって健康な人ばかりのため、夜勤ありとはいっても非常に楽な夜勤対応になりやすい特徴があります。

・不妊看護専門看護師を目指しても問題ない

また看護師の中には、より高い専門性を目指して認定資格の取得を考える人もいるでしょう。こうした資格の中には、不妊看護専門看護師があります。

不妊看護専門看護師の資格を取得することで、不妊というデリケートな問題に対して、周囲からの心理的ストレスを受けている患者さんに対してのカウンセリングを実施しています。不妊は非常に大きな問題のため、こうした資格を目指してより高度なスキルの習得を考えても問題ありません。

看護師の給料は普通だが、助産師の年収が高くなる

なお収入について、産婦人科で勤務する看護師は特別に高い給料となるわけではありません。これについては、ある意味当然だといえます。

例えば夜勤なしの産婦人科クリニックでは、乳がん検診などで特殊な医療機器を活用する機会があったとしても、その他の内科クリニックと比べて業務内容が特別に大変になるわけではありません。そのため看護師が産婦人科の病院やクリニックへ転職したとしても年収は普通です。

一方で助産師になると年収は高くなります。そもそも助産師は「看護師取得に必要な3年+1年の助産師資格の勉強」が必要なため、他の人よりも余分に勉強することになります。また助産師でなければ産科で出産のケアを担当するのが難しいです。

しかも夜勤ありで助産対応をすることになるため、こうしたさまざまな要素が積み重なって高年収となります。例えば、以下は大阪の産科クリニックでの助産師求人です。

助産師2年半ほどでの給与事例ではありますが、それでも年収は560万円ほどです。一般的な総合病院だと、勤務して2年ほどなら夜勤を含めて年収450万円ほどが一般的です。ただ、それよりもかなり高い給料というわけです。

看護師資格のみだと無理ですが助産師の場合は、その人でしか行えない業務がそれなりにあってさらには仕事内容が大変なので、高年収を実現できると考えましょう。

非常勤(パート・アルバイト)の時給や夜勤専従でも違いがある

参考までに、こうした給料の違いはパート・アルバイトなどの非常勤についても同じことがいえます。例えば都市部だと、看護師の時給は平均で1,700円ほどになります。また、これが地方だと時給1,500円以下に下がることもあります。

産婦人科にてパート・アルバイトをするにしても、看護師であればこうした時給相場になります。

一方で助産師だと、最初から時給2,000円以上になるケースはよくあります。同じようにパート・アルバイトをするにしても、産婦人科では「助産師資格を保有して産科病院・クリニックで働けるかどうか」で時給が大きく異なると理解しましょう。

例えば、以下は出産を取り扱う産婦人科クリニックの中途採用募集です。

東京にあるクリニックですが、このように助産師の募集で時給2,000円からのスタートです。

またこの求人では夜勤専従も可能であり、この場合は一回で30,000円です。これに加えて、分娩手当が一件につき2,000円です。そのため、常勤に限らずパート・アルバイトの非常勤でも、お産を扱う医療機関であれば助産師は看護師よりも給料面で有利になりやすいです。

産婦人科の看護師で履歴書や面接の志望動機を考える

こうして看護師や助産師はどのような医療機関に申し込めばいいのか考えたうえで求人へ応募するようにしましょう。

ただ、転職するにしても必要になるのが履歴書の記載や面接対応です。このとき志望動機を必ず聞かれるため、事前に何を伝えるのか内容を用意しておかなければいけません。そうしたとき、産婦人科では看護師と助産師で仕事内容が分かれるため、それぞれに応じた志望動機にしましょう。

つまり、以下のようになります。

  • 看護師:婦人科で女性の健康に広く関わる志望動機
  • 助産師:妊婦の出産に深く関与する志望動機

人によって目指すものが異なるため、志望動機・自己PRはそれぞれ異なります。そうしたとき、例えば履歴書の志望動機では以下のようになります。

新たな命を宿す場面に関わる仕事に魅力を感じ、応募しました。助産師として産婦人科病院に勤務していますが、来院してくる患者さんで不妊に悩む人が多い現実に気づきました。

妊娠するには生活習慣や持病、パートナー男性との関係などあらゆる要素が関与するため、不妊問題は非常に奥が深いです。また妊娠に成功した患者さんの喜ぶ姿にやりがいを感じており、不妊治療クリニックの中でも有床で最先端の医療を取り入れ、全国・海外から患者様が来院する貴院で学びたいと考えています。

このように自分の経験を交えながらも、求人先の医療機関独自の特徴まで含めています。こうして履歴書の志望動機を考え、面接ではより内容を膨らませて面接官にあなたの思いを伝えるといいです。

産婦人科の病院・クリニックの求人で活躍する

産婦人科で働く看護師・助産師だと、女性のライフステージに合わせてさまざまな看護のサポートが求められます。

そうしたとき、まずは「看護師として働きたいのか、それとも助産師として勤務したいのか」を考えるようにしましょう。助産師資格がない場合は強制的に看護師転職となりますが、その場合は出産に関わる産科以外となります。

ただ看護師資格のみであっても、不妊治療であれば助産師資格は必要ないですし、婦人科メインのクリニックであれば転職できます。もちろん助産師であっても、夜勤なしがいい場合は婦人科クリニックへの勤務を目指すのは普通です。ただ、仕事内容は大変ですが給料などの面では助産師が有利です。

一言に産婦人科とはいっても医療機関ごとに業務内容がバラバラであり、給料・年収も大きく異なることから、これらの違いを見極めたうえで中途採用募集に申し込むようにしましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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