一般的には、看護師は日本国内で働きます。ただ中には、看護師としての知識を活かして海外で活躍したいと考える人もいます。

しかし海外で看護師転職するにしても、日本の看護師免許は日本でのみ利用できます。そのため、海外転職の求人があるのか不安に感じる人が多いです。ただこれについては、条件はありますが問題なく看護師として海外転職できます。

また転職ではなく、ワーホリ(ワーキングホリデー)や海外ボランティアとしての活躍はどうなのか考える人もいます。先に結論をいうと、ワーホリ留学や海外ボランティアは無駄にお金ばかりかかるのでやめたほうがいいです。

看護師が海外にて活躍する場合、事前にどのような中途採用募集が存在し、最適な求人を選べばいいのか学ぶ必要があります。ここでは、看護師が海外転職するときに必要な知識を解説していきます。

東南アジアに限らず、日本人看護師は世界レベル

日本人看護師のスキルは、アジア諸国はもちろんアメリカやヨーロッパなどの欧米諸国と比較しても優秀であり、トップレベルにあるとされています。日本人特有な細やかな気配り、手先の器用さ、勤勉さなどの日本人の特性が看護に活かされるため、看護技術は世界最高レベルにあるのです。

そのため日本にて総合病院・クリニックでの臨床経験がある場合、世界中どこでも活躍できるといえます。

一方で弱点もあり、それは自分の能力をアピールしない点です。実際、日本人の多くは中高6年間以上に渡って英語を学習してきたはずなのに、ほとんどの人が「英語を話せない」と答えます。

ただアメリカ人に「日本語は話せる?」と尋ねると、日本語を一度も勉強したことがないにも関わらず、「話せるよ、フジヤマ、テンプラ、サムライ」などと答えます。そうして、そこから話が膨らんでいきます。完ぺき主義なのが日本人の悪い特徴です。

看護経験があれば即戦力になれる

そうしたときいま現在、英語力が乏しかったとしても、海外で働くに当たり機器操作などで困ることはほとんどありません。実際のところ、操作方法はほぼ同じだからです。

もちろん看護の場で患者さんと意思疎通を図るために英語の勉強は必須です。そのため、いずれにしても海外転職やワーホリ留学、海外ボランティアを考えている場合は英語力を磨かなければいけません。

ただ、使用する薬や医療機器の操作は世界共通だと理解しましょう。例えば、薬の用法用量は世界どこでも同じです。また医療機器の操作方法も同じであり、説明書が日本語か英語かの違いしかありません。

医療は世界共通の部分が多いため、医療水準が世界的にも高い日本にて看護師を経験していれば、東南アジアやアメリカ、ヨーロッパなどで問題なく活躍できる理由がこれになります。

あとは現地へ実際に渡航し、英語力を磨きながら仕事に慣れていくだけとなります。

海外看護師資格(アメリカNCLEX-RNなど)はハードルが高い

ただ前述の通り、看護師として海外で働く場合、日本の看護師資格がそのまま通用するケースは少ないです。その国の看護に関する試験を課している場合がよくあります。

例えばアメリカで看護師として働きたい場合には、NCLEX-RN(以下RNと略す)というアメリカ看護師資格試験に合格しなければなりません(カリフォルニア州以外)。

もちろん簡単な試験ではなく、2~3年以上の勉強は必要です。仕事の合間に本気で勉強しなければならず、看護師資格を取るよりもハードであることは理解しましょう。ただ取得すれば、ハワイを含めて看護師として勤務できます。

例えば、以下はアメリカ・シカゴから出された求人募集です。

このように日本語と英語を扱える看護師を広く募集しています。ただ「要米国資格」とあることから分かる通り、かなりの努力をしてアメリカの看護師として勤務できる資格を取得しなければいけないことが分かります。

タイやマレーシア、ベトナム、シンガポールなど東南アジアは現地免許不要

ただ実際のところ、看護師資格を取得するだけでも非常に大変だったのにも関わらず、それ以上に勉強が必要で大変な「海外の看護師資格」を取得するのは現実的ではありません。

もちろん3年以上をかけて勉強し、実際にアメリカなどの看護師免許を得て、ハワイなどで活躍している看護師はいます。

しかし海外で挑戦したいにも関わらず、無駄に資格取得の勉強に時間を費やしていては意味がありません。いますぐ海外へ転職し、現地の空気を吸いながら語学力を磨き、看護に携わるほうが圧倒的に成長スピードが速いです。

看護学生としていくら知識を学んだとしても現場で活きないのと同じように、実際に働くからこそ実力が付き、語学力が伸びるのです。

そうしたとき東南アジアであれば、例外的に現地の看護師資格を保有していなかったとしても日系クリニックで働くことができます。例えば、以下のような国になります。

  • タイ
  • マレーシア
  • ベトナム
  • シンガポール

東南アジアだとこうした国がメインになりますが、これらの国には日本人が非常にたくさんいるため、現地には日系クリニックがそれなりに存在します。こうした日系クリニックで広く看護師の募集が存在するのです。

例えば、以下はシンガポールにある日系クリニックから出された看護師の中途採用募集です。

このように「日本の看護師免許で勤務が可能」と明記されており、アメリカやヨーロッパのように現地の看護師資格は必要ありません。いま保有している日本の看護師資格だけで問題ありません。

看護師が海外転職を考える場合、東南アジアの日系クリニックが第一選択になります。臨床経験があればいますぐ転職でき、特に現地の資格取得は必要ないからです。

参考までに、以下はマレーシアの日本人街にある日系クリニックです。

クアラルンプールのモントキアラ(Mont Kiara)という日本人街にある日系クリニックですが、このように入り口は日本語であふれています。もちろん客の多くは日本人です。また高級住宅街のため、欧米人や金持ちのマレーシア人が住んでいる地域でもあります。もちろん欧米人も来院するため、日本語だけでなく英語も学ばなければいけません。

英語力を磨きたい場合、東南アジアの中でもマレーシアやシンガポールへ転職するといいです。マレーシアとシンガポールは広く英語が通じる国として知られているからです。

一方で英語力をそこまで重視せず、タイやベトナムなど特定の国に住みながら看護師として活躍したい場合、それらの国を目指すといいです。

どの国でも就労ビザの関係で日系クリニックが大原則

ちなみにアメリカでも東南アジアでも、あらゆる国において看護師の勤務先は日系クリニックになると考えましょう。

現地の日本人が多く来院する医療機関であれば、日本語ネイティブであることが大きな武器になります。もちろん海外の人も来院することになるので前述の通り英語を学ぶ必要はあるものの、日本人である強みを活かせます。

むしろ最初の海外転職では、日系クリニック以外は無理だと理解しましょう。現地の国の医療機関にとって、現地の言葉をうまく話せない看護師を採用するメリットはありません。日系クリニックだからこそ、看護師として広く日本人向けの求人募集が出されるのです。

もちろん、こうした日系の医療機関なら就労ビザを取得するのも容易になります。例えば以下はマレーシアの就労ビザですが、海外転職ではこうしたビザを必ず取らなければいけません。

日系クリニックであれば、日本人を相手にする機会が多いため、就労ビザを取得するときの説明が容易です。つまり、就労ビザを取りやすいといえます。

現地の国にとってみると、変な外国人を自分の国に住まわせたくありません。そのため就労ビザを出すときに厳格な審査が必要になるものの、日系クリニックへ看護師が転職する場合なら審査が通りやすいというわけです。

ワーホリ・インターンシップの留学(オーストラリアなど)は意味ない

ただ海外転職を考えるとき、ワーホリ(ワーキングホリデー)を利用した留学を利用できないかと考える看護師も多いです。代表例としては、オーストラリアなどへ看護師がワーホリをするパターンです。

一見すると、オーストラリアなどで高給を実現しながらワーホリとして看護師勤務できるように思うかもしれません。ただ、実際のところワーホリやインターンシップなどで留学するのは微妙です。

例えば日本人の看護師ワーホリの代名詞ともいえるオーストラリアであれば、ワーホリで看護師を経験するとはいっても、先進国なのでアメリカと同じように現地の資格がなければ就労不可能です。そこで、看護師ワーホリでは以下の資格を取得します。

  • Assistant in Nursing(AIN):看護助手のようなもの

オーストラリアの専門学校にて資格取得しますが、約6ヵ月の期間が必要になります。もちろん学校での勉強が基本なので、現地の病院で勤務することはなく、その間は無給です。

またあくまでも看護助手であり、行えることはバイタル測定や血糖値測定など簡単な作業のみです。患者さんと積極的なコミュニケーションを図るわけではなく、本当の意味で現地の看護業務を学べるわけではありません。

しかもワーホリやインターンシップとしての留学のため、非常に高額な費用を支払わなければいけません。参考までに、以下は看護師向けにオーストラリアのワーホリプログラムを提供している留学会社の費用です。

なお、これには航空券代や保険代、ビザ代などその他の費用は含まれていません。そのため、他の費用を含めると軽く200万円は超えます。これに、家賃支払いも必要になります。

東南アジアなどの日系クリニックへ転職する場合、もちろんこうした留学費用は不要です。ビザ代はすべて医療機関負担であり、あなたが出すことはありません。家賃については、社宅制度による福利厚生があります。

もちろん専門学校へ通う必要はなく、バイタルチェックなど簡単な作業だけを行うのではなく、実際の患者さんを相手にできます。もちろん、給料は勤務初月から出されます。

ワーホリやインターンシップなどを利用する看護師留学が無意味なのは、こうした実情があるからです。これらを知らずに「オーストラリアで看護師をしながらワーホリで働ける」と考えていると、大金を失うだけでなく無駄な時間を費やすことになります。

海外ボランティア(青年海外協力隊など)も失うものが非常に多い

これと同じことは海外ボランティアにもいえます。例えばJICAが提供しているプログラムとして青年海外協力隊は有名です。あらゆる国で看護師として勤務することになります。

このとき短期(5~6日ほど)のボランティアであれば特に問題ありません。単に現地の医療を短期間だけ学び、いま勤務している医療機関をやめるわけではありません。

ただ長期派遣となると、非常に低い給料にて活動しなければいけませ。例えば青年海外協力隊だと、さまざまな手当てを合わせても年収100万円ほどと非常に低いです。現地への渡航費や宿代は出してくれるものの、日本への税金や年金掛金の支払いもあり、お金の面では海外転職に比べると圧倒的に悪いです。

他には青年海外協力隊以外にも国境なき医師団などの海外ボランティアはありますが、どこも赴任先を選ぶことはできません。もちろん世界には英語圏ではない国がたくさん存在し、英語力を伸ばせるとは限りません。

もちろん「発展途上国にて、何もない未開の地で医療を支えたいという強い精神力があり、お金が貯まるどころか目減りしていっても問題ない」という人なら挑戦する価値があるといえます。海外ボランティアというのは、あくまでもボランティアであり、むしろ支出のほうが多くなることもよくあります。

こうした現状から看護師として海外へ挑戦したり、語学力を磨いたりするとき、やはり東南アジアの日系クリニックが最適だといえます。

看護師として転職したい国を見定める

ここまで、看護師が海外で働くときに何を考えればいいのかについて、中立的な立場から述べてきました。日本の看護師資格は基本的に日本のみで有効です。そのためアメリカやヨーロッパですぐに働くことはできず、2~3年以上の圧倒的な努力を継続しなければいけません。

ただ例外的に東南アジアの日系クリニックであれば、看護師の中途採用募集が広く出されています。現地の看護師資格は不要のため、現実的にはタイやマレーシア、ベトナム、シンガポールなどの看護師求人へ申し込むケースが大多数になるのは理解しましょう。

こうした求人の中から、「マレーシアやシンガポールで英語を学びたいのか、それともタイやベトナムなど英語圏以外でも問題ないのか」を検討した後に選択します。

ただ同じ海外での活躍であってもワーホリ留学は多額のお金を失うだけです。また海外ボランティアは「途上国にて、お金なしですべてを捧げる気持ち」のある人だけが最適です。こうした事実から、海外勤務ではほとんどの人が東南アジアを目指していることを理解しましょう。

海外特化の専門サイトを利用する

なお看護師が転職を実施するとき、通常は看護師に特化した転職サイトの活用を考えます。ただ看護師の転職サイトは「日本国内の医療機関や施設」に対応しているものの、海外求人の案件は取り扱っていません。そのため、残念ながら看護師専門の転職サイトを利用しても求人を紹介してもらえません。

そこで、海外転職に特化している転職エージェントを活用しましょう。日本において海外の中途採用募集を取り扱っている転職サイトは少ないですが、その中でもアジアに広く拠点を有する転職エージェントにJACリクルートメントがあります。

以下の通り、公式サイトにも「グローバル転職が可能」と明記されています。

海外のメディカル業界にも強く、海外転職を考えている人にとって第一選択肢になるのがJACリクルートメントです。

また看護師は年収600万円以上とはいかなくても、夜勤などを含めると年収500万円ほどの人は多いです。そのため問題なくJACリクルートメントに登録可能なため、看護師で東南アジアへの転職を考えている場合、海外転職に強いJACリクルートメントを利用しましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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