看護師転職では、初めに履歴書・職務経歴書を送ります。その際に「こちらの書類(履歴書・職務経歴書)を送付させていただきます」という意味で、一筆添えた送付状を加えると、好印象を与えやすいことをご存じでしょうか。

履歴書には「添え状が絶対に必要か」といえば、そうではありません。しかしこの添え状は、「面接への後押し」として有効に活用することができます。履歴書以外で好印象を与える材料があるのに、それを使わない手はありません。

そこで今回は、中途採用の看護師が転職活動を行なう際に提出する送付状・添え状に関して、有効に活用できる書き方についてお話ししていきたいと思います。

看護師転職での送付状・添え状の有効な書き方

看護師転職において、送付状・添え状を添付して応募書類を送らない人がいます。添え状とは、応募書類郵送時の最初の表紙として、履歴書や職務経歴書などと一緒に付けて送る書類になります。

就職を考える際、履歴書や職務経歴書は必ず提出しなければならない書類ですが、添え状は提出書類として明記されていないことがほとんどです。例えば、以下は東京にあるリハビリテーション病院での看護師求人の応募内容になります。

出典:原宿リハビリテーション病院

このように履歴書や職務経歴書、看護師免許証は必要ですが、送付状に関しては記載のないことがほとんどです。そのため添え状を見落として、履歴書や職務経歴書だけを郵送する応募者が多いのが現状です。

このとき、「多くの人が履歴書や職務経歴書だけを郵送するのならば、私も送付状を付ける必要はないだろう」と考えるかもしれません。しかし、皆が送らないからこそ、あえて添え状を送ることで常識ある人物だと採用側に思わせることができるのです。

もし、いままでの転職活動で、履歴書や職務経歴書に添え状を一緒に送付してこなかったのであれば、これからは添え状を付けるようにしましょう。

履歴書を郵送するのではなく持参する場合も、封筒の中に履歴書と職務経歴書のほかに、最初のページとして送付状を添付しておくことが好ましいです。

・送付状を最大限に活用する方法

では、この添え状を最大限に活用するにはどうしたらいいのでしょうか。

添え状には次のように「盛り込むべき項目」と「必須ではないけれど、盛り込んでおくと効果的な項目」の2種類があります。

  • 盛り込むべき項目:氏名、書類名
  • 必須ではないけれど盛り込んでおくと効果的な項目:自分の弱点をフォローする内容

氏名や同封する書類名などは前者の「盛り込むべき項目」となります。しかし、これだけでは添え状は応募書類と一緒に送られてきた表紙の意味しかありません。

そこで添え状を効果的に利用する方法として、後者の「盛り込んでおくと効果的な項目」を添え状に記載します。これについては、「添え状」にあなたの弱点を補うリカバリー内容を記載するといいのです。

弱点とは、例えば中途採用にありがちなハンデ(40代・50代といった中高年であること、長期ブランクができてしまったことなど)やマイナス材料(応募必須条件を充分に満たしていないこと、リストラに遭ってしまったこと、病気を患って前職を辞めたことなど)です。

もちろん履歴書や職務経歴書でハンデやマイナス内容について具体的な説明をしなければなりません。しかし、「添え状」は採用担当者が一番初めに目にする書類です。その書類で初めに好印象を与えておくのです。

採用担当者は、多くの応募者の履歴書や職務経歴書に目を通さねばなりません。もし、あなたが履歴書や職務経歴書に、ハンデやマイナス材料を作ってしまった理由とリカバリー内容について十分に記載していても、それをじっくり読まない可能性があるのです。そうなれば、面接まで進むことなく不採用となってしまうのです。

そのような事態を回避するには、最初に目を通す送付状・添え状でハンデやマイナス材料を先回りしてリカバリーしておくのです。すると、あなたという人物に興味をもってもらえ履歴書や職務経歴書に好意的に目を通してもらえます。

基本的な送付状・添え状の見本

まずは、一般的な添え状の基本的な内容を挙げていきます。こちらは「長いブランクがある、転職回数が多い」などのリカバリー説明を入れる必要のない方の送付状見本となります。

なお添え状の作成方法ですが、オリジナリティやテクニックは必要ありません。テンプレート(例文や定型文のこと)に沿って、自分の経歴と併せながら添え状を作成していきます。

ただ、添え状の注意点として、書きすぎないことが挙げられます。

また、一般的に看護師の就職試験では、履歴書は手書きのほうが好印象を与えやすいです。使いまわしをしていないことがわかるからです。

しかし、添え状はパソコンで記載したほうがすっきりとして見やすいので、パソコンで作成して構いません。もちろん手書きにしたからといって、評価が上がったり下がったりするものでは無いので心配要りません。

そして、送付状はA4用紙1枚にコンパクトにまとめましょう。B5サイズで提出する方もいます。ただB5サイズだと履歴書や職務経歴書のサイズと合いません。A4用紙とB5用紙を一緒にファイリングしなければならない採用担当者は非常に面倒になるので、避けたほうが無難です。

では、以下に添え状の例文を掲載いたします。

                〇〇年〇月〇日

医療法人 〇〇病院

看護師採用担当者様

〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇県〇市〇〇 〇丁目〇-〇

電話番号:090-〇〇〇〇-〇〇〇〇

広田 美那(ひろた みな)

 

看護職への応募の件

 

拝啓 貴院ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

さて、このたび「マイナビ看護師」にて貴院の外科看護職求人情報を拝見し、さっそく応募させていただいた次第です。

 

私は約20年間、大学病院や国立病院で外科看護師として専門的なキャリアを積んでまいりました。今までに培った経験や看護スキルを存分に発揮して職場環境に適応し、即戦力として貴院の発展に尽力していきたいと考えております。

 

つきましては、下記の通り応募書類をご一読いただきまして、是非ご面接の機会を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、貴院の今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

応募書類

履歴書 1通

職務経歴書 1通

以上

このように、添え状に独自性は必要なく、「定型文が基本」となります。さらに上に記した定型文について詳しく述べていきます。

  1.  日付
  2.  応募先医療機関
  3.  差出人
  4.  頭語と結語
  5.  あいさつ文
  6.  記書き、以上
  7.  送付内容

次にそれぞれについて説明していきます。

1.  日付

日付は記入日ではなく、投函日・送付日にします。このような重要な書類は、必ず右上に日付を記載します。日付がない添え状は、書類を送った日にちが不明であるため、何らかのトラブルの原因となってしまいます。必ず記載するように心がけましょう。

2.  応募先医療機関

応募先の医療機関名は、日付の下の左側になります。医療機関名だけでなく、部署名や人事担当者名が分かっている場合は部署名や担当者名まで丁寧に記載しましょう。以下のように、「御中」や「様」を使い分けます。

  • 「御中」は医療機関名だけの場合に使います。(例)○○医療法人 ○○病院 御中
  • 担当者に送付する場合は、「様」をつけます。(例)○○医療法人 ○○病院 人事担当 ○○様
  • 担当者が分からない場合は、「○○担当者様」と記載して問題ありません。(例)○○医療法人 ○○病院 看護師採用担当者様

3. 差出人

差出人は宛先(応募先医療機関)の下の右側に書きます。郵便番号、住所、電話番号、氏名を記載します。メールアドレスを付ける必要はありません。

4. 頭語と結語

頭語とはビジネスレターにおける冒頭の言葉を表します。結語とはビジネスレターの結びの言葉を意味します。送付状・添え状では「拝啓」と「敬具」を使用すると良いです。

5. あいさつ文

仕事上では「拝啓」の後には、時候のあいさつ文を記載することが多いです。

ただ、履歴書・職務経歴書を送付する場合であれば、テンプレート通りの「拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」とすると良いでしょう。拝啓のあとは、一文字あけるのが一般的です。

6. 記書き、以上

記書きは、中央に位置させます。「下記をご参照ください」という意味で、箇条書きの内容を読み手に確認してほしいときに使います。「以上」は、右下に位置させ、締めの言葉として利用します。

7. 送付内容

そして、最後に送付した書類の内容を書き記します。箇条書きにすることで、相手に伝わりやすくなります。

送付状は自分なりにアレンジする必要はなく、テンプレート通りの基本的な書き方を遵守するように心がけましょう。次に、リカバリー内容を入れたほうが良い応募者の添え状の書き方について説明していきます。

転職回数の多い看護師の添え状の書き方

転職回数の多い方の添え状の例文を挙げます。

〇〇年〇月〇日

医療法人 〇〇病院

看護師採用担当者様

〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇県〇市〇〇 〇丁目〇-〇

電話番号:090-〇〇〇〇-〇〇〇〇

大橋 尚子(おおはし なおこ)

 

看護職への応募の件

 

拝啓 貴院ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、このたび「看護roo! 」にて貴院の看護職求人情報を拝見し、さっそく応募させていただいた次第です。

 

私は約20年間、内科看護師としてキャリアを積んでまいりました。現在まで5回の転職経験をもっています。

20代はキャリアアップを希望し転職した経験もありますが、30代以降は引っ越し、育児や子育て、両親の介護といった理由によるものです。不遇な時期もありましたが、これも看護に必要な経験と前向きにとらえ、今後は貴院で全身全霊を尽くして働く覚悟です。

 

つきましては、下記の通り応募書類をご一読いただきまして、是非ご面接の機会を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、貴院の今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

応募書類

履歴書 1通

職務経歴書 1通

以上

このように、採用担当者に転職回数で余計な詮索をされないように、先回りして転職回数が多い理由について簡潔に述べ、その次に入職後の決意を語っておくと効果的です。

年齢制限をオーバーしている看護師の添え状の書き方

募集年齢を超えている場合の看護師の添え状の例文についてはどのように書けば良いのでしょうか。下記を参考にしてみてください。

〇〇年〇月〇日

〇〇美容外科クリニック

看護師採用担当者様

    〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇都〇区〇〇 〇丁目〇-〇

電話番号:090-〇〇〇〇-〇〇〇〇

野崎 眞里子(のさき まりこ)

 

看護職への応募の件

 

拝啓 貴院ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、このたび「美容外科求人ガイド」にて貴院の看護職求人情報を拝見し、さっそく応募させていただいた次第です。今回の求人に関し、年齢制限を超えておりますが、選考対象として考えていただけるとのことで、心より感謝申し上げます。

 

私は15年間、形成外科看護師としてキャリアを積んでまいりました。美容外科の看護師の経験はありませんが、大学病院で培った形成外科の知識や看護スキル、後輩の育成などの経験が貴院で活かせると確信しております。

 

つきましては、下記の通り応募書類をご一読いただきまして、是非ご面接の機会を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、貴院の今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

応募書類

履歴書 1通

職務経歴書 1通

以上

上記のように応募要件を満たしていない場合は、事前に転職サイトを通して、承認を取っておくことが鉄則です。そして今回「応募書類を送付して良い」との採用側の厚意に触れ、感謝の気持ちを述べておくと好印象を与えやすくなります。

また中高年の中途採用看護師に求められている「リーダーシップ能力」などをさりげなくアピールしておくと、年齢オーバーした看護師の採用メリットを伝えられます。

ブランクのある看護師の添え状の書き方

ブランクがある場合の添え状の書き方は以下の通りです。

〇〇年〇月〇日

訪問看護ステーション 〇〇

看護師採用担当者様

     〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇府〇市〇〇 〇丁目〇-〇

電話番号:080-〇〇〇〇-〇〇〇〇

片倉 美恵(かたくら みえ)

 

看護職への応募の件

 

 

拝啓 貴ステーションますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

さて、このたび「看護のお仕事」にて貴院の看護職求人情報を拝見し、さっそく応募させていただいた次第です。

 

私は約10年間、内科、外科、ICUの看護師としてキャリアを積んでまいりました。特にICUでの経験については前職退職まで約5年間従事しており、緊急時の対応などは一通り行なうことが可能です。貴ステーションに入職できましたら、即戦力として活躍していきたいと考えております。

なお、前職退職から現在まで約1年間、看護師としてのブランクがあります。母親の介護に専念せざるを得なかったのがその理由となります。現在母親は介護施設のほうに入居することができましたので、貴ステーションでの就労上、一切問題がないことを申し伝えておきます。

 

つきましては、下記の通り応募書類をご一読いただきまして、是非ご面接の機会を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、貴院の今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

応募書類

履歴書 1通

職務経歴書 1通

以上

このように、2~3行程度で端的に経歴と自己PRを盛り込んでおけば、採用担当者に伝わりやすくなります。

また、採用担当者が懸念しているブランクの理由を先回りして添え状で触れておけば、履歴書や職務経歴書を安心して読んでもらえる可能性が高くなります。ブランクがあって転職が心配な人は、ブランクを作ってしまった理由を記載しておくことをおすすめします。

送付状は履歴書を好意的に捉えてもらえる大切な書類

人は誰しも、会った瞬間に第一印象を決めてしまいます。これは公平に判断しなければならない採用側にとっても同様で、どうしても自分のもっている情報(ここでは添え状や履歴書など)から、応募者の人格をある程度、判断してしまいます。

応募書類の第一印象を決めるのは、今回お話しした送付状・添え状です。中途採用の場合は特に「転職回数が多い」「育児があるため時短勤務を希望している」など何らかの不安要素を抱えています。

そのため、この添え状で先回りをして不安要素をリカバリーしておくに越したことはありません。

添え状で好意的な第一印象をもってもらうことができれば、履歴書や職務経歴書も好意的に読んでもらえます。またその先の面接でも「この人物は、礼儀正しい常識のある人」だと捉えられます。

このような意味からも、送付状は必ず添付して高評価の足がかりにすることが大切です。

この際、転職サイトを利用すれば、担当コンサルタント(転職エージェント)が一人ひとりの転職活動をサポートしてくれます。送付状や履歴書・職務経歴書のアドバイスだけでなく、医療機関の内部情報も教えてもらえることができ、内定まで全面的にバックアップしてくれます。転職初心者であれば、ぜひ活用しましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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