看護師は動き回る仕事が多く、重たい患者さんを車椅子やベッドに移乗したり、入浴介助をしたりしてひざを痛めるケースが多いです。ひざ痛は歩くなど軽い日常の動作にも影響するため、今後も看護師として仕事ができるかどうか不安を抱えやすい疾患の一つです。

そうして変形性膝関節症となったり、水を抜いてもひざが痛かったりするようになります。このような状態になると、看護師として仕事どころではなくなります。

このとき看護師だと、ひざに対して負担のかからない職場への転職を考えるケースはそれなりに多いです。サポーターなどで頑張ってもいいですが、根本原因を取り除かないと症状の改善は無理だからです。

そこで変形性膝関節症を含め、ひざ痛に不安のある看護師におすすめの仕事や痛みへの対処法について解説していきます。

看護師のひざ痛の原因や症状

歩くときにひざの痛みを起こす病気はいくつかあります。そうしたとき、40歳以上でひざの痛みに不安を抱いている人数は全国で推定800万人存在するといわれています。そのなかでも最も頻度が高い一般的な病気は変形性膝関節症です。

変形性膝関節症はさまざまな原因により関節の質が悪くなり、本来であればかからない外力が軟骨にかかり、この軟骨が損傷・摩耗していく疾患のことをいいます。下図を参考にしてください。

特にひざは自分の体重を支える関節であるため、体重をかけた際に痛みを生じると、歩く動作が困難になります。

このとき、変形性膝関節症の主な原因としては加齢が挙げられます。また理由は明らかになっていませんが、男性よりも女性のほうがひざ痛を訴える割合が高いです。ほかにも、遺伝的要素やメタボリックシンドロームもひざ痛に関係があるとされています。

看護師は立ち仕事が多く、その大半を女性で占める職業です。さらに、夜勤などのストレスで太り気味の人が多いです。このようなことから40代以降の看護師であれば、多くの人がひざ痛を抱えるリスクがあります。ひざ痛が原因となり、退職を余儀なくされた看護師も多いです。

ひざ痛で一番に出やすい症状は「痛み」です。ひざの水を抜くなどの治療により一度痛みが消失しても、しばらくすると痛みが出てきます。そのため、根本原因をなくすために転職するというわけです。

変形性膝関節症など、ひざが悪くてもできる仕事

それでは変形性膝関節症などにより、ひざが悪くてもできる仕事にはどのような職種があるのでしょうか。看護師免許を活かすにしても、どのような仕事であれば負担がかからないのか理解する必要があります。

これについては、以下のような中途採用募集が基本になります。

  • 忙しくないクリニック
  • 要介護度の低いデイサービス
  • 健康相談員でのコールセンター

それぞれの求人について、どのようになっているのか深く確認していきます。

忙しくないクリニックにて、動きの少ない科を狙う

忙しくないクリニックの場合、患者さんの来院がないときに座って休憩できる職場があります。事前に「ひざ痛があるので、あまり動き回れない」ことを伝えておくと、安心して仕事にとりかかることが可能です。

特にオペのない眼科や予約制の心療内科だと、看護師の仕事は診療の補助や検査、採血だけと少なく、急患を相手にすることは基本的にありません。

参考までに私の働くクリニックはとても忙しく、患者さんが一日で150名ほど来院します。問診や血圧測定に始まり、胃カメラ検査や大腸カメラ検査、超音波検査、心電図、レントゲン、CTなど検査が多く、病棟のように広くないフロアであるにも関わらずバタバタと動き回ります。

さらに、ほとんど早歩きで立ち仕事になります。私はひざ痛の経験はないのですが、ひざ痛を抱えている同僚は何人もいます。同じクリニックでも、ひざが痛い看護師はこうした職場を避けましょう。

一方、私の勤める職場の近隣のクリニックは、来院患者数が一日平均30名前後です。クリニックに置いてある検査機器は少なく、「検査の必要がある」と判断されると他院へ紹介となります。

もちろん看護師の中には、暇なクリニックで働くことで看護スキルが落ちてしまうことを嫌がる人もいます。ただ、ひざがさらに悪化すれば将来は歩けなくなり、日常生活そのものが困難になります。そうなると看護技術の向上どころか、あらゆる動作ができなくなるため、ひざを大切にしてスキルアップを捨てる覚悟が必要です。

そうしたとき、例えば以下のクリニック求人では非常に患者数が少ないと分かります。

1日あたり40人ほどの来院です。こうしたクリニックにて勤務すれば、ひざ痛を引き起こしている根本原因をなくせるようになります。

もちろんひざに負担のない科を選択する必要はありますが、ひざが痛くなる環境から離れられるようになるといえます。

要介護度の低いデイサービス

高齢者施設であれば、体重の重い利用者さんを抱え上げる仕事があるのではと考える人が多いです。ただ有料老人ホームやデイサービスの場合、介護度に応じて入所できる施設が決まっているため、利用者さんの自立度の高い職場を選べば、ひざへの負担が少なくて済みます。

その中でも、特に自立度の高い人を相手にするデイサービス(通所介護)を狙いしましょう。

これらの施設での看護師の役割は利用者さんの健康管理です。具体的には、バイタル測定やケガの処置、入浴後の薬塗布、救急時の対応などです。また入浴サービスがあったとしても、「移乗や入浴・排泄介助などの力仕事は介護スタッフが行う」となっており、きちんとした線引きをしている施設があります。

例えば、以下は岡山にあるデイサービスの中途採用募集です。

高齢者住宅の1階に存在し、デイサービスの施設ではカラオケやテレビ、畳スペースなどがあります。要介護度の低い人がメインのため、このように利用者が自由に楽しめるようになっています。

老人施設とはいっても形態はさまざまなので、ひざへの負担が少ない求人を積極的に選びましょう。

コールセンターで座り仕事をする

一般的に看護師が転職先として見据えるコールセンターとしては、製薬会社や医療機器メーカーのDI職(学術職)になります。ただこうした求人は20代など若い人でなければ転職が難しく、ある程度の年齢の人は受け入れてくれません。

そこでコールセンター募集の中でも、健康相談員の求人に申し込むといいです。主に従業員や健康保険組合員、保険締結者の健康相談などを電話対応で行う仕事になります。健康に関する内容であるため、看護師免許を活かして働くことができます。

電話での相談応対になるため、ほとんど座っての仕事になります。ひざ痛を抱える看護師には、非常に優れた仕事だといえるでしょう。

例えば、以下は健康相談員に関する実際の看護師求人です。

なおコールセンターは常勤に限らず、非常勤(パート・アルバイト)や派遣についても広く募集が存在します。

ひざの状態が重症であったとしても、イスに座った状態で仕事を続けることができるため、こうしたコールセンター求人についても広く視野に入れるといいです。

自分でできるひざ痛を改善させる方法

こうした求人を見据え、根本原因を取り除くのはひざが痛い看護師にとって必須であるものの、同時にひざをケアしなければいけません。環境を変えることに加えて、ひざ痛を改善させる努力も必要なのです。

そうしたとき痛いからといって患部を動かさないでいると、筋力が低下して筋拘縮が起こります。また、悪化してくると軟骨はすり減り、骨の変形が進みます。痛みの悪循環を断ち切るためにも、セルフケアの方法を知っておくと便利です。

ひざ痛の改善は、2つのステップに分けられます。まず、ステップ1で痛みを和らげ、ステップ2でひざの動きを良くしていきます。

炎症を抑えるための工夫をする(ステップ1)

まずはひざ痛の原因となった炎症を抑えて、痛みを和らげていきます。このとき看護師が悩むのは、ほとんどが慢性的なひざの痛みです。

強い痛みではないものの慢性的に痛みが続く場合、幹部を冷やすのは逆効果です。それよりも、「ぬるめの湯船に長くつかる」「蒸しタオルなどでひざを温める」など血行を良くすることで痛みが軽減します。

ひざの血行を良くすると、炎症を強めている化学物質サイトカインが流れて取り除かれるだけでなく、緊張した筋肉をほぐす効果も得られます。反対にひざが冷えてしまうと、血行が悪化してひざ痛を感じやすくなります。とくに冬季や梅雨どき、季節の変わり目はひざ痛を感じやすい時期です。

そうしたとき、上記のような温めケアを続けることで痛みの度合いは軽減し、再発も予防できます。逆に痛みを放ったらかしにしておくと、再発の可能性が高くなるばかりか悪化してしまいます。

・痛み止めは塗り薬がいい

なおこれらの痛みに対して、薬の使用を考える人もいます。こうした痛み止めには、内服薬と外用薬があります。

消炎鎮痛効果のある内服薬の多くは非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。ロキソニンやボルタレンなどが有名ですが、これらの内服薬は高い効果が得られる反面、胃腸障害や腎障害などの副作用があります。

一方、外用薬は皮膚から消炎鎮痛薬を吸収させて痛みを緩和させます。湿布やローション、クリーム、スティックタイプなど以下のようにさまざまなタイプがあります。

外用薬は基本的には塗布した部分にだけ効果が及ぶように作られているため、内服薬のような副作用の心配は少ないのが特徴です。なお汗をかきやすい人にとって湿布はかぶれやすいため、クリームやローションタイプが良いでしょう。

ひざの動きを良くする運動やサポーター(ステップ2)

ひざに激しい痛みを感じているときは安静が第一であるものの、痛みが緩和されて、ひざが動かせるようになったら積極的に動かすようにしましょう。つまり、ステップ1のひざのケアを続けていくうちに痛みがだんだんと軽くなってきたら、痛みの程度に応じて活動量を増やすのです。

メタボリック気味の人は、減量するだけでもひざの負担を大幅に減らすことができます。例えば同じ身長150cmであっても、「BMI22の人(体重 53kg)」と「BMI25の人(体重60kg)」では、下表のようにひざにかかる負担は異なってきます。

ひざへの負担 BMI22 BMI25 負担の差
平地での歩行 約159kg 約18okg + 21kg
階段の上り 約212kg 約240kg + 28kg
階段の下り 約265kg 約300kg + 35kg

このように平地を歩いているだけでも、体重が重いだけでひざに余計な負担がかかっているのです。

・ひざ関節を鍛える簡単な運動

ただ、ひざが痛いのに激しい運動をするのは無理です。そこで、ひざ痛があっても問題ないトレーニングを実施するようにしましょう。

例えばひざ関節を支えている太ももの筋肉を鍛えるには、以下のような脚上げ体操が効果的です。

仰向けになり、反対側のひざを90度以上に曲げておきます。そうしてもう一方のひざを伸ばし、かかとを床から10cm以上ゆっくり上げます。そのまま5秒間保ち、ゆっくり脚を下ろし、5秒程度休みます。この動作を左右10回ずつ、1日に2回行います。

次は横上げ体操です。

下側の脚は90度に曲げ、上側の脚は伸ばします。上側の脚をゆっくり上げていき、床から脚を15cmほど上げたら、ひざを伸ばしたままで5秒間保ちます。その後、5秒かけて床へゆっくり脚を下ろします。5秒休んで上下10回ずつ、1日に2回行います。

このようにひざ関節周りの筋肉を鍛えるため、脚を上げるなど簡単な運動を実行してみましょう。これらの動きであれば、ひざに痛みを感じることは少なく、空き時間を利用して実践することが可能です。

なお残念なことに、いったんすり減った軟骨はいくら筋力トレーニングをしても元に戻ることはありません。しかし、弱ったひざ関節を鍛えることで、ひざ関節は着実に強化されていきます。ひざ周辺が強くなれば、以前のようにわずかな負担で生じていたひざ痛が少なくなります。

・ひざ用サポーターの利用

またひざ用のサポーターを利用し、ひざを安定させると歩きやすくなります。ひざのサポーターには「保温目的に使用するもの」「ひざを支えて固定するもの」などさまざまな種類があります。

このとき通常では、以下のような支持タイプのサポーターを利用します。

変形性膝関節症が進行すると、脚はO脚に変形して、関節軟骨がすり減っている内側にますます体重がかかるようになります。そのような脚を支持するのがこうしたサポーターです。

ただ、締め付け感が強すぎるとかえって血行障害や皮膚かぶれを起こしてしまうことがあるので、締めすぎないよう注意が必要です。

また、金属の入った支持性の強いサポーターを使用したい場合、整形外科などで買うといいです。整形外科では、以下のようなサポーターを購入できます。

もちろんサポーターを使用するだけでは、ひざの痛みが改善することはありません。実際のところ転職などによって職場環境を変えないと無理ですが、ひざに負担の少ない職場で働くと同時に、こうしたケアを実践すれば効果が非常に大きくなります。

水を抜いても痛い看護師は転職とひざのケアが必要

歩く動作をするために必須となるのがひざです。ただ看護師だと、ひざに爆弾を抱えている人が多いです。特に年齢を重ねた看護師ほど、ひざ痛が激しくなる傾向にあります。

こうしたひざ痛を悪化・再発させないためにも、ひざ痛から解放される行動をすぐに起こすことが大切です。痛みを我慢していると歩けなくなるまで重症化し、仕事どころの話ではなくなるからです。

腰痛で転職する看護師が多いのと同じように、ひざの痛みを引き起こす根本原因を取り除くために新たに求人を探すのは普通です。変形性膝関節症を含め、ひざの痛みがあっても看護師資格を活かしながら活躍できる就職先は存在します。

そうして環境を変えたうえで、ひざの痛みを改善させるようにしましょう。そうすれば、痛みがなかった以前の状態に戻れるようになります。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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