看護師として働くなら、総合病院を選びたい看護師は多いです。総合病院で幅広い看護技術や知識を身につけ、その中から専門性を見つけ出しキャリアアップしていけば、「看護道を極めた」といっても過言ではありません。

ただ、総合病院へ転職を希望といっても、数多くの専門の科があることから、なかなか履歴書の欄の志望動機を書きにくいことがあります。さらに、「いくつもある総合病院の中から、なぜその病院を選んだのか」という視点によって、志望動機を書き進めなければなりません。

そこで今回は「総合病院へ転職希望の看護師のための履歴書・志望動機の書き方」についてお話ししていきます。

総合病院の特徴

まずは簡単に総合病院の特徴についておさらいしておきたいと思います。

総合病院とは、「内科・外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科の5つの診療科を含む複数の科をもち、入院ベッド数が100床以上ある医療機関のこと」をいいます。

大学病院や特定機能病院、救急指定病院、地域医療支援病院などは、すべて総合病院とされています。そこで、次にそれぞれの違いについて述べていきます。

学病院:通常の診療のほかにも、研修医の教育、最先端医療や難病などの研究が行われている医療機関

特定機能病院:16以上の診療科をもつ高度先進医療を行っている医療機関

救急指定病院:救急搬送を受け入れる医療機関。重症度や緊急性に応じて、一次、二次、三次救急がある

地域医療支援病院:一次医療を支援し、専門外来や救急医療、入院など地域医療体制の中核を担う医療機関

総合病院はこのように規模が大きい医療機関であるため、それに比例して多くの看護師が必要となります。求人数は多いので、細かい条件があっても、それに合う求人を選択することができるのが特徴です。

・総合病院と一般病院の違い

総合病院と一般病院の違いは、主に診療科の数の違いによる規模の大きさです。

「5つ以下の診療科しかない」もしくは、5つ以上の診療科があったとしても「内科・外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科という5つの診療科が設置されていない」、「入院ベッド数が100以下」の場合は、一般病院とみなされています。

・診療所病院の違い

また診療所と病院の違いについてもお話ししておきます。医療法ではベッド数が20床以上ある医療機関を病院といい、19床以下であれば診療所といっています。

病院と診療所は患者さんにとっては同じだと考えられがちですが、担っている機能が異なります。どちらも同じ医療機関にはなるのですが、病院は重症度の高い患者さんを、診療所は軽症の患者さんを診療するのが主な役割となっています。

総合病院の看護師の特徴

次に総合病院の看護師の特徴について挙げます。

  • 教育体制が整っているため、看護技術や知識のレベルが高い
  • 専門分野の技術や知識をいくつか身につけている
  • 幅広い視野で看護を行うことができる
  • 最先端の医療や看護に詳しい など

総合病院の看護師は、診療科の少ない医療機関に勤める看護師とは異なり、いくつかの専門科を回りながら経験を積んでいきます。また緊急性の高いハイリスクな患者さんを看ることが多く、看護技術や知識を広く深く学んでいくことができます。

さらに、新しい医療機器や手術方法などを導入している医療機関が多く、先進の医療知識を身につけることも可能です。

このような新しい技術や知識を取り入れるための教育体制が整えられており、看護師としての方向性を決めやすい環境にあるのも総合病院の看護師の特徴の一つです。

そのほかにも、教育体制の一つとしてキャリアアップのためのサポート体制が万全です。一般病院と比べて、専門看護師や認定看護師などの資格取得を行っている看護師が多いことも、看護師としての目標を定めやすい環境が整っているといえるでしょう。

中途採用で働き始めた看護師にとっては、しっかりした教育を受けられるため、知識や技術不足を心配することなく、働き始めることが可能です。

総合病院の志望動機の書き方

では、これらのことを踏まえて総合病院への転職を目指すとき、履歴書における志望動機の書き方についてお伝えしていきます。

この総合病院にしかないという強みを見つける

まずは、志望する総合病院のサイトやパンフレット、病院見学会、転職イベント、医療系雑誌、転職サイトなどから情報を集め、「この病院にしかない」という強みを見つけましょう。

実はこれが一番大変な作業になるのですが、強みさえきちんと掴むことができれば、あとは簡単に進んでいきます。

総合病院のほうが、一般的な個人病院よりも外部に情報発信している量がけた違いに多いため、それらの情報を参考にするとよいでしょう。

このように医療系の雑誌やパンフレットには、その医療機関独自の看護のあり方や最先端の看護技術、キャリアアップの方法、その病院の看護部の特徴などが記載されていることがあります。

もし、このような情報を個人で集めるのが難しいと感じた場合は、看護師専門の転職サイト(転職エージェント)に登録することをおすすめします。例えば、情報収集だけの利用でも構わないとする「看護のお仕事」などの転職サイトがあるので、そちらを利用してみるとよいでしょう。

では、なぜ志望する総合病院の強みを見つけなければならないのでしょうか。

それは、あなたの志望動機を読んだ採用担当者が知りたいことを、的確に答える必要があるからです。つまり、「数ある総合病院の中から、どうしてこの総合病院を選んだのか」ということです。

一般的な志望動機では「御院であるなら、自分の経験と能力が活かせると考えたため」など、ありふれたものを書きがちです。しかし、中途採用であるなら、もう一歩踏み込んだ志望動機を書くべきです。

志望動機であるため、いくつかの総合病院と見比べてみて、「どうして自分はこの総合病院に転職したい」と思っているのか、「自分がその総合病院に入ってどうなりたいのか」「何を実現していこうとしているのか」といった将来に向けてのポジティブな意思を伝えることが大切なのです。

そのためには、「自分はなぜこの総合病院で働きたい」と思ったのか、自分の考えを整理する必要があります。

自分のこれまでの看護キャリアや技術と、志望する総合病院が求めている看護師像や看護能力の接点を見つけることで初めて、採用される志望動機に仕上がるのです。

採用される総合病院の志望動機と注意点

強みを見つけることができれば、志望動機について書き始めます。志望動機は履歴書に書いたら、それで終わりということはなく、必ず面接で再度聞かれます。そのための準備として考えるとよいでしょう。

まず、志望動機で採用側が知りたいことは何か、以下に要点をまとめてみました。

  1.  なぜ、この総合病院を選んだのか
  2.  いままで看護経験がこの総合病院でどのように活かせそうか
  3.  この総合病院で将来、何を実現したいのか

中途採用の志望動機には、この3点が入っていることが必須です。この3点が混ぜ込まれた志望動機の例文を次の項で示しますので、確認してみてください。

※ 志望動機を書くときの注意点

志望動機を書くにあたって次のような注意点があります。

志望動機を例文サイトなどに掲載されている例文などから引用して書き写したり、ありがちな表現を使って記述したりすると、面接のときに必ずほころびを見つけられてしまいます。絶対にやめましょう。

特にサイトの例文からの引用を行うと、すべての応募者や医療機関にあてはまるような、あいまいで、ありがちな表現を使用することになります。そのような表現を使うと、他の応募者との優劣がつけられず、採用担当者の印象には全く残りません。

例えば、以下のような表現です。

NGワード

  • 御院で看護師として自己実現がしたい
  • 御院でいままでの看護経験を活かしていきたい
  • 以前から御院に憧れがあった
  • 御院の将来性に興味をもった

これらの表現をどうしても使用したい場合は、具体的な言い回しに修正して、「御院でなければいけない理由」を書くことが大切です。大変かもしれませんが、しっかり時間をとって情報を集め入念な準備をし、かならず自分の言葉で書くようにしましょう。

実際の志望動機の例文

では実際に履歴書の志望動機の例文を書いていきます。例文はあくまでも参考程度に留めてください。

そして再度確認しますが、「 ① なぜ、この総合病院か」、「 ② 自分の活かせる看護経験や知識」、「 ③ 入職して何をしていきたいのか」を盛り込んだオリジナリティのある志望動機に仕上げましょう。

別の科から総合病院へ転職する場合

昨年、興味をもっていたBLSヘルスケアプロバイダーの資格を取得しました。実務経験はないのですが、② 常に患者様の緊急時に備えて緊張感をもって看護を行っていきたいと考え、知識や技術の向上を行ってきました。

① 看護師を育成する教育プランに定評のある御院で精進しながら、③ 患者様に信頼していただける看護師を目指してまいります。

・同じ科から総合病院へ転職する場合

私は6年間、消化器内科病棟で働いてきました。② 一昨年、消化器内視鏡技師の資格を取得し、後輩の指導やマニュアル作成にあたってきました。私の作成したマニュアルは評判がよく、内視鏡でのインシデントが減少した実績があります。

① 御院では先進の消化器内科医療を行っていることを知り、③ 内視鏡の専門的な看護師としてぜひ御院の一員となって取り組ませていただきたいと思い、応募させていただきました。

・第二新卒から総合病院へ転職する場合 

前職は短期間しか勤めていませんが、② 実際に看護師として働いてみて、より幅広い視野と深い知識が必要だということを実感しました。特に患者様との信頼関係を得るには、注意深く患者様の変化を見つけ、早期に対応できる能力を養う必要があると感じました。

① 救急搬送患者様の受け入れを断らないことをモットーとされている御院で、③患者様に信頼され、あなたに看護を任せたいといっていただける看護師を目指したいと考え、応募させていただきました。

・転職歴が多い場合

いままで、内科、外科、小児科、耳鼻科と様々な経験を積んでまいりました。どの科でも常に看護の魅力を感じていたのが「患者様の笑顔を引き出すこと」でした。

① この地域での医療全体をサポートしている御院で、② いままで培った様々な科での看護経験を活かしながら、③ 患者様に笑顔になっていただける看護を目指したいと考えております。

・派遣看護師を経験している場合

派遣看護師として、主に複数の訪問看護ステーションで看護に従事してまいりました。訪問看護を行うなかで、① 緩和ケア看護に携わり、より高度で専門的な視野をもって患者様に安全安楽を提供できる環境に身をおきたいと考えるようになりました。

② 在宅看護での経験を活かしながら御院で迷いや葛藤を抱える患者様の心に寄り添っていける看護師でありたいと考えております。

・パートやバイトを経験している場合

約6年間、② 患者様にとって安心できる看護を提供することを念頭に看護業務を行ってきました。私がパートを行うなかで、① 常に意識してきたのが、御院での高い看護技術や知識の吸収を行うことです。御院で開催される色々な勉強会に参加してきましたが、育児が落ち着いたこともあり、念願の希望であった御院に今回応募させていただきました。

総合病院での看護経験はありませんが、③ 行動目標を具体的に立てて、早期に戦力となれるよう精進してまいります。

・リストラを経験している場合

この度、① 昭和初期からクオリティの高い看護を提供している御院で、③ 専門性を活かしながら貢献していきたいと考えるようになりまた。

前職では看護主任を任されてきました。そして、スタッフ同士の意思疎通不足などの問題点に着目し、チームをまとめる役割を果たしてきました。今回、業績不振による早期退職者優遇制度を利用し、いままでの専門性を活かして再度、外科看護師として再出発いたしたく転職を決めた次第です。

志望動機で「会ってみたい」と思わせる

総合病院ならではの強み、さらには希望する総合病院にしかないオリジナリティを見つけて、自分のアピールポイントと混ぜて自分にしか書けない志望動機に仕上げることが大切です。

履歴書の志望動機の欄は小さく、あまり多くのことを盛り込めません。ポイントを押さえて、簡潔にわかりやすく書くことを心がけましょう。

そして採用担当者に「この人物と会ってみたい、面接でさらに深く志望動機について聞いてみたい」と履歴書をざっと読んだだけで興味を抱かせることが重要です。

総合病院に入職希望の看護師は多くいます。その中で「採用される志望動機に仕上げる」ことが、採用への第一歩となります。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

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一つの職場で働き続けるという形態ではなく、3ヵ月や半年など一定期間だけ勤務する派遣看護師という方法も存在します。高時給を実現でき、人間関係のもつれがなく、「派遣が終わった後は長期の旅行に行く」など自由な働き方を実現できます。

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