養護学校に転職を希望している場合、養護学校で勤務する看護師の「具体的な仕事内容」や「実状」、「実際に転職した人の話」などを聞いたことがあるでしょうか。

養護学校の看護師求人には夜勤がないことはもちろん、残業や体力仕事もないため、離職率が低く人気のある案件です。

しかし「養護学校で働くのは楽しそう、長く続けられそう」といったイメージだけで転職してしまっては、「このようなはずではなかった」というような事態が起こる可能性が十分あります。

そこで今回は養護学校への転職を考えている看護師に向けて、事前に知っておきたい「養護学校で働く看護師の仕事内容や実状」についてお伝えしていきます。

養護学校とは

そもそも「養護学校」とはどのような学校なのでしょうか。

養護学校とは「心身に障害をもつ幼児・児童・生徒が通う学校のこと」で、幼稚部・小学部・中学部・高等部まであります。

2007年までは「ろう学校」「盲学校」「養護学校」と分けられていましたが、2007年の法改正以降、これらの学校全て「特別支援学校」と統合して呼ばれるようになりました。名称が変更された理由としては、教育の目的が「養護から支援へ変更となった」ことがあげられます。

「養護」とは「特別な保護下のもとで、助けること」を意味します。一方「支援」とは、「力を添えてサポートすること」です。子どもの成長を全て手助けするのではなく、「必要なときに必要な手助けをして子どもの成長を促す」という意味合いが強まったといえます。

「学校教育法第72条」によりますと、特別支援学校の目的は主に2つあります。

一つ目は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者または病弱者などが幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じた教育を受けることです。そして二つ目は、学習上もしくは生活する上で想定される困難を克服し、自立するために、必要な知識や技術を獲得することです。

現在も「~ろう学校」「~盲学校」「~養護学校」と名称がついている学校も多くありますが、これらはすべて特別支援学校のことです。

特別支援学校の中でも特に看護師の配置人数が多いのは、従来呼ばれていた養護学校のことです。そのため、この記事では従来通りの呼び方である養護学校を使わせていただきます。

文部科学省による平成27年の調査統計によると、日本における特別支援学校の総数は1,114校、幼児・児童・生徒の人数は幼稚部・小学部・中学部・高等部合わせて137,894人となっています。特別支援学校に入学する幼児・児童・生徒数は年々増加傾向にあります。

小・中学部の公立の養護学校では、1学級あたりの平均人数は6人、重複障害であれば3人となっており、少人数教育が実施されています。

養護学校で働く看護師としての主な仕事は、主に「医療的ケア」です。

医療的ケアとは例えば、鼻腔チューブ・胃ろう・腸ろうからの経管栄養、IVH中心静脈栄養、口腔・鼻腔内に貯留した痰の吸引、気管切開部からの吸引や衛生管理、経鼻咽頭エアウェイの装着、人工呼吸器や酸素療法の管理、導尿の介助などです。

これらの行為は、一般的に医師免許や看護師免許をもたない人では実施できません。

しかし平成24年度の制度改正により、看護師免許をもたない人でも5つの特定行為に限り、研修を受け都道府県知事に認定された場合、「認定特定行為業務従事者」として実施できるようになりました。

その5つの特定行為は以下の通りです。

認定特定行為業務従事者の実施できる5つの特定行為

・口腔内の喀痰吸引

・鼻腔内の喀痰吸引

・気管カニューレ内の喀痰吸引

・胃ろう、または腸ろうによる経管栄養

・経鼻経管栄養

このように養護学校の教員も上記5つの特定行為であれば、認定を受けたうえで実施することが可能です。

養護学校での看護師の立ち位置

養護学校での看護師の配置に関して、学校教育法上の規定がありません。

各教育委員会が「日常的に医療ケアを必要とする幼児・児童・生徒の人数や状態」を判断し、養護学校に必要な数の看護師を雇用し、配置しています。

養護学校に入学する幼児・児童・生徒が年々多くなっていることから、平成25年度より、養護学校へ看護師を配置するために必要な経費の1/3を国が補助するようになりました。

しかし財政上の都合により、養護学校に勤務する看護師の多くは嘱託職員・非常勤職員・パートでの雇用となっています。

嘱託職員と正職員では、採用時の任用条件が異なります。

正職員であれば、公務員試験に合格しての採用となります。一方、嘱託職員の場合は、履歴書と面接などでの採用となり、特別な試験は課せられていません。

そのため、嘱託職員の看護師は基本的に「正職員(ここでは学校教員)の補佐をする」という認識であることが多いです。また、定年までの雇用である正職員とは異なり、(延長もありますが)基本的に雇用契約時に1年や3年という短期間の勤務条件のもとでの仕事となります。

そのため養護学校の嘱託職員の看護師の場合、「学校の会議に出席できない」「発言権が無い」といったことも多々あります。

養護学校の看護師の実際の職務内容

次に「養護学校での看護師はどのような仕事を行うのか」について具体的に確認していきます。

養護学校の看護師には次の通り、4つの主な役割があります。

・痰の吸引や、経管栄養、吸引、導尿、酸素管理など医療行為の実施

・医療ケアを必要とする幼児・児童・生徒へ指導を行う職員への助言

・医療的ケアに対する保護者からの相談対応

・主治医や放課後教室・デイサービスなどとの連絡調整

病院での看護師の役割は、子どもが安全・安楽に検査や治療を受け、疾患を治癒させ健康を回復させることを目的として看護ケアを行います。

一方で、養護学校の看護師の役割は、幼児・児童・生徒が安全・安楽に教育を受け、その教育効果を教師から最大限に発揮させてもらえるよう環境を調整することです。

病棟看護師は「医療」を中心とした看護ケアを行うのに対し、養護学校看護師は「教育」を中心とした看護ケアを行うという点で違いがあります。

学校生活とは、幼児・児童・生徒にとって日常生活の大部分を占める重要な「成長の場」なのです。

養護学校で幼児・児童・生徒に寄り添う看護師は、「学校生活=成長の場」ということを認識し、「児童・生徒の成長を支える看護」の専門性を向上させていくことが大切です。

そのためには看護師といえども医療や看護の知識だけでなく、教育分野の知識も増やしていくことが携わった子どもの成長を支える上で重要な事柄となります。

養護学校で働く看護師の平均年収

次に、養護学校の看護師の平均年収について述べていきます。まず、養護学校の看護師は公務員扱いのケースが多くなります。

養護学校は、私立の養護学校も存在しますが、国立、県立、市立、区立など公的機関であることが多いです。例えば、〇〇大学附属〇〇特別支援学校、〇〇市立〇〇特別支援学校といった具合です。

そのため公的機関の養護学校に勤務する看護師であれば、当然「公務員扱い」となります。

例えば、市立の養護学校で勤務する看護師であれば、市の職員と同じ収入基準となります。県立であれば、県の職員と同じです。正職員であれば、ボーナスも市や県の職員と同じ基準額となります。

市や県などによっても異なりますが、採用時の年収は大体300~350万円といった金額が相場となります。

一般的に養護学校の看護師は、「公務員と同等の待遇で安定して働くことができる」と考えておいてよいでしょう。

公務員と同等の待遇とは、福利厚生が充実しているということです。具体的にいえば、有給休暇、特別休暇、地域手当、住居手当、単身赴任手当といった諸手当の支給や社会保険、年金なども他の公務員と同じ待遇となります。

病棟勤務の看護師と比較すると、養護学校看護師の働き始めの年収は低い傾向にあります。しかし、夜勤がないこと、能力に関係なく安定して昇給していくこと、体力勝負の仕事ではないこと、残業が少ないことなどを考慮すると、人気の求人であることが伺えます。

養護学校での経験年数を重ねていけば、毎年少しずつでも昇給していくため、最終的には年収500万円を超す看護師も出てきます。

ただし後述しますが、養護学校の求人の条件として、看護師の経験年数が5~10年と臨床経験が必要であったり、小児科での経験が必須であったりすることが多いです。

雇用条件が厳しい理由として、養護学校の看護師は、一般的な保健室の養護教諭などと異なり、経管栄養、酸素管理、吸引・導尿など「生命に直結しやすい医療ケアが多く任されているから」だといえます。

参考までに、平成30年度の「横浜市の特別支援学校の看護師募集(嘱託)に関する要項」について掲載しておきます。大体、このような求人募集内容で掲載されることが多いです。

【横浜市の特別支援学校の看護師募集に関する要項】(平成30年度)

・採用職種:嘱託員

・募集人数:若干名

・雇用期間:平成30年4月1日以降(随時)~平成31年3月31日(更新規定あり)

・勤務場所:勤務校については、各校の欠員状況により決定

・勤務日:月曜から金曜 週5日勤務

・勤務時間 午前9時から午後4時まで(うち休憩1時間)

・休業日:土曜、日曜、祝日、年末年始

・賃金: 176,200円(予定)その他、期末手当も支給

・福利厚生:通勤手当支給、社会保険加入、有給休暇等は本市規定による

・応募資格:平成30年4月1日現在、年齢満64歳以下の方、正看護師免許を有する方(必須)

重度心身障害児者に対する医療経験のある方、もしくは特別支援学校等児童生徒に対する理解がある方

ただし、子どもが好きな方、経験の少ない方も相談してください。

看護師の経験が豊富にあったとしても養護学校での看護師経験がなければ、賃金は新卒と同等の金額からのスタートとなります。上記の応募要項でも、 賃金176,200円~と「~」が付いていないので、経験などはあまり考慮されないと考えられます。

ただ一般的な病棟勤務とは異なり6時間勤務であるため、「賃金を少ないと考えるかどうか」は人によって異なるでしょう。

養護学校勤務の看護師のメリット

次に、養護学校で働く看護師のメリットについて考えていきましょう。養護学校で勤務すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

長く続けやすい勤務形態

養護学校での看護師勤務ですが、先述のとおり夜勤がなく、残業も教職員に比べると少なく、家庭と両立しやすい雇用形態であるといえます。

また、公務員であれば福利厚生が充実しているため、病棟やクリニック、施設勤務の看護師と比較すると、雇用条件でのメリットを感じることが多くあります。

児童・生徒と向き合う時間が多い

仕事に追われて、病棟勤務の看護師は患者さんに充分に向き合う時間が少ないのが実態です。しかし、養護学校の看護師であれば、一人ひとりの児童・生徒と関わる時間が多く、信頼関係を築きやすい一面があります。

病棟勤務のような精神的・体力的にハードな一面は少なく、ゆったりとした環境で自分のペースで児童・生徒と向き合い、仕事をすることができるので、精神的なストレスが少ないことが多いです。

ときには勝手に動き回って他の児童に迷惑をかけたり、言うことを聞いてくれなかったり、と一筋縄ではいかないことも多々あります。また1人の医療的ケアが長引いてしまい、児童・生徒を待たせて怒らせてしまうこともあるでしょう。

しかし「信頼関係を築き、できなかったことができるようになっていく児童・生徒の成長過程を見守ることができる」のが養護学校の看護師のやりがいでもあるのです。

養護学校勤務の看護師のデメリット

一方で、養護学校で働く看護師のデメリットについて挙げていきます。

研修の場がない

各教育委員会にもよりますが、教職員などもともと教育に従事している人であれば、医療ケアについては関心が薄く、現場まかせ、看護師まかせとなっていることが多いです。

養護学校間の看護師でのつながりはあまりなく、お互いの情報交換の場をもてません。

また病棟看護師のように知識や技術の向上を目指した研修の場も少ないです。そのため、医療ケアの向上や新しい知識の獲得が難しいとされています。

求人自体が少ない

養護学校の看護師は離職率が低いため、求人がなかなか出ません。そのため、求人自体あまり見かけません。

養護学校の看護師の募集時期は明確に「いつ」と決まっていません。一般的な看護師の求人時期とずれていることもあり、こまめに情報収集を行わなければなりません。

養護学校数はそれほど多くないため、希望する学校があれば常に「求人が出ていないか」のチェックを欠かさないようにしましょう。

正職員ではなく、非常勤、嘱託やパートの雇用形態が多い

養護学校の数少ない求人を探してみると、そのほとんどが非常勤職員・嘱託職員・パートの雇用形態です。

正職員という雇用は数少なく、「しっかり腰を据えて働きたい」という人にとっては難しい一面があります。

非常勤職員や嘱託職員であれば、出勤する日にちも時間も決まっているため、育児や介護など家庭で制約がある人にとっては働きやすい雇用形態ともいえます。

ただ、非常勤や嘱託職員であっても勤務経験が長くなってくると、新しく入ってきた新人看護師に指導を行ったり、責任を任されたりすることがあるなど、負担が大きくなっていきます。

また非常勤・嘱託職員・パートでの雇用ばかりとなると、「専門性の高い看護師の育成が難しい」といった問題も挙げられます。

募集条件が厳しい

養護学校の看護師の求人条件は、非常勤や嘱託職員での雇用が多いにも関わらず、募集条件が厳しいことがあります。

具体的には、小児科や精神科での看護経験が必須であったり、看護経験が10年以上必要であったりとさまざまです。

「看護師免許さえあれば誰でも」というわけではないため、せっかく求人をみつけたとしても狭き門である可能性も高いです。

保護者との関係作りが難しいことも

養護学校の看護師が児童・生徒の医療ケアを行う際は、それぞれの保護者が示す方法に忠実に従うことが求められます。もしその方法が医療的に間違っていたとしても、とりあえずは、保護者の意見を受け入れる姿勢をみせることが、信頼関係づくりには重要です。

最初から否定してしまっては、保護者との信頼関係の構築は難しくなります。保護者が示す方法は、いままで試行錯誤しながら編み出された方法であるかもしれないからです。

養護学校に看護師1人ということは少なく、複数配置されていることが多いです。そのため、保護者との関係づくりが難しい場合は、先輩看護師や担当の教職員に相談するなど、一人では悩まないようにしましょう。

鳥取県の特別支援学校で「看護師一斉辞職」

そこで、以前世間を騒がせたニュースを挙げて、養護学校における課題に注目してみたいと思います。

これは「鳥取県の養護学校で勤務していた看護師6人全員が一斉辞職し、医療ケアが必要な児童・生徒が登校できなくなった」というニュースです。このニュースでは、養護学校で勤務する看護師の困難さと課題が浮き彫りにされています。

このニュースの詳細ですが、養護学校で1日あたり看護師5人が専用ルームで経管栄養や痰の吸引などの医療ケアを児童・生徒に行っていました。

看護師の人数や配置について国の明確な基準はないため、学校側が看護師の必要人数について判断し、その人数を配置していました。ちなみに看護師6人は全員「非常勤」での雇用でした。

しかし、医療ケアを必要とする児童・生徒が前年度より1.8倍に増加したことを受け、看護師1人当たりの業務量が増えるようになってしまいました。

そのため、児童・生徒にケアを行う時間が「7~8分遅れた」として、看護師は保護者から厳しい指摘を受けるようになったということです。

このような危機的状況であるにも関わらず、看護師は非常勤であることから、学校の会議に出席する時間はなく「言いたいことが言えないような状況にあった」としています。そして、看護師が一斉に辞職する事態に追い込まれてしまいました。

6人辞職した看護師の中で1人だけ、元の職場に戻ったと伝えられています。

このニュースには、養護学校での看護師の苦悩が溢れています。

養護学校に勤務する看護師の医療ケアの内容が高度化し、複雑になってきているにも関わらず、この養護学校では看護師の配置人数が慢性的に不足していたのです。

また、「非常勤職員であるため、看護師が会議に参加し要望を聞き入れてもらえる機会が無かった」ことも問題に挙げられています。さらに、この養護学校では、保護者との連絡体制も十分に確立していませんでした。

このように「養護学校で働く看護師のあり方」には、さまざまな課題が存在するのです。

養護学校で働く看護師の実際の声

そこで養護学校に勤務する看護師の実際について声を集めてみました。

・看護師Oさん(勤務歴3ケ月)

私は4月から特別支援学校で看護師として働き始めました。私が採用された学校は、看護師が私一人だけです。そのため子どもたちの安全・安楽の全責任が私の肩に重くのしかかっています。今は、このプレッシャーに押しつぶされそうで、1学期で辞めることも検討中です。

子どもたちはかわいいですが、かわいいからこそ、私一人では安心・安全に通学させることは難しいと思っています。

とりあえず、毎日ひたすら何も起こらないことを祈っている状況にあります。

・看護師Tさん(勤務歴3年)

私は、勤務し始めて3年になりますが、親御さんに対して不満があります。生徒の具合が悪くても「学校に任せておけば安心」として登校させる親御さんが非常に多いのです。

親御さんも働かなければならないのは充分理解しているつもりですが、生徒が医療機関を受診しなければいけない状態であるにも関わらず、無理やり登校させるのです。

学校側は児童・生徒に受診させる権限はないので、すべて養護学校の看護師に丸投げしている状態です。養護学校の看護師の責任は非常に重く、医師などではない教師の指示に従うことには大変恐怖を感じます。

・看護師Hさん(勤務歴6年)

私はもともと正職員として雇用されました。そのためか学校側は、看護師である私のポジションを尊重し、意見をいう機会を多く与えてくれます。教師とも対等であるため、保護者に伝えなければならないことは、看護師から直接話します。

保護者との信頼関係をうまく作れず悩むこともありますが、学校側も保護者も「子どもの幸せを願ってこそ」問題が出てくるのです。

保護者からの意見を真っ向否定するのではなく、どのようにすれば子どもも保護者も、そして教職員も看護師も満足いくかを考え、言動するように心がけています。大変な職場だとは思いますが、私にとっては大変やりがいのある職場だと思っています。

・看護師Fさん(勤務歴9年)

私は非常勤で勤めて、9年になります。養護学校の看護師として働くには、いろいろ不満な点もありますが、10年近く働くと慣れてきます。私はやりがいのある良い職場だと思います。

卒業していく生徒を見送るときは、保護者の気持ちになって、巣立っていく生徒を涙ながらに見送ります。さまざまなトラブルが日々起こりますが、「養護学校で働いていて良かった」と思える瞬間もあります。

ただ、養護学校の看護師は、看護ケア技術を向上させることが難しく、なんだか世間の看護師と比べると遅れをとったと感じることが多いです。

9年間同じケアを提供しているのですが、「世間ではこの医療ケア技術は進歩しているのではないか。私の提供するケアで間違っていないのか」と新人さんに教えるたびに、疑問が残ります。

看護師Aさん(勤務歴11年)

私は障害児と触れ合うことが大好きです。子供らしく、一生懸命生きている姿を見ると心打たれます。養護学校で障害児との関わりをもつ中で、「学校に通えて良かった」と思ってもらえるよう努力しています。

ただし、いまの養護学校は、看護師が意見を言い、それを受け入れられることは少ないのが現状です。教師からすると「一介の嘱託の看護師」に教育について意見を述べられても面白くないのは当然のことです。

ですので、私はいま同じ養護学校の教師に、子どもの成長や教育領域について教えてもらっています。このように自分から積極的にコミュニケーションをとるようにすれば、教師側も心を開いてくれます。

要は「教育委員会が悪い」「教師が意見を聞かない」といった不満を漏らすのではなく、看護師側も嘱託職員だからといって引け目を感じることなく一職員として、「認められる努力」をしていくことが大切だと思います。

養護学校へ転職する際の注意点

それでは、実際に養護学校へ転職するには、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。これには、「募集のタイミングを逃さないこと」や「必要なケア技術は事前に習得しておく」ことが挙げられます。

・募集のタイミングを見逃さない

養護学校の看護師求人は人気であることから、なかなか見つからないことが多く、レア求人になります。応募時期も定まっていないことが多く、想定外の時期に突然、求人が出ることもあります。

正職員として転職を希望している場合は、自分の希望条件に合った求人を見つけるまでは相当な時間がかかることも予想できます。

嘱託職員の求人しかない場合、「将来的には正職員になれる方法もあるのか、ないのか」といったことも確認してみることが大切です。

・養護学校で必要なケア技術はできるようにしておく

養護学校の看護師が必要となるケアは、胃瘻・注腸などへの経管栄養、酸素管理、導尿、吸引などです。これら養護学校で必要となる医療的ケアに自信がないのであれば、実際の臨床現場で働きながらマスターしておきましょう。

養護学校の看護師採用というのは、できるだけ即戦力として働いてもらえることを期待されています。

これらの医療的ケアの経験がなにも無いままで、「入職後に教えてもらえばいいだろう」といった軽率な態度で臨まないことが大切です。事前に病棟などで臨床経験を積みながら、それぞれのケア技術の根拠を理解しマスターしておくようにしましょう。

ケアの根拠を理解しておけば、条件や状態が異なる子どもにも柔軟に対応することが可能となります。

また、将来的に養護学校の看護師になりたいと思っている方は、小児科や精神科、重症心身障害児病棟などへの転職や転科を検討しておくとよいでしょう。これらの臨床経験は、養護学校の看護師として即戦力として使うことができます。

養護学校への看護師求人の探し方

養護学校への看護師求人はどのように探していけばいいのでしょうか。ここでは3つの方法についてご紹介します。

ハローワークの利用を視野に入れる

養護学校の看護師求人は、公的機関であるハローワークに掲載されていることが多いです。そのため、ハローワークにあまり馴染みのない人でも、ハローワークに「養護学校の求人が無いか」の確認をしてみましょう。

ハローワークに直接訪れなくても、ネット検索で調べることもできますので、希望する地域の求人情報をこまめにチェックしておきましょう。

養護学校に直接問い合わせてみる

また、養護学校に直接問い合わせてみる方法もあります。もしかすると「来年、定年退職になる看護師が1人在籍しているので、1年後に空きが出る」といった貴重な情報を教えてくれるかもしれません。

また視野を広げて、都道府県のサイトなどで求人が出ていないかのチェックも行なっておくとよいでしょう。

養護学校への転職が難しい場合は

養護学校へ転職したいと思っても、求人倍率が高く転職が難しいと感じたり、そもそも求人自体が無かったりするような場合は、看護師専用の転職サイトに登録しておくという方法があります。

養護学校は公立であることが多いため、転職サイトでの求人案件の紹介は難しいですが、養護学校の看護師と同じような仕事内容である児童デイサービスや私設の放課後教室などの求人案件を抱えていることがあります。

その場合、公立の養護学校で働くよりも月収が高く、月25~30万円くらいで、夜勤が無いのが一般的です。

児童デイサービスなどでも、障害のある児童・生徒の自立をサポートする役割を担っています。こちらは教育というよりも、日常生活援助を通して、発達訓練や集団行動などのサポートを行う仕事です。保護者からの相談対応や、送迎なども仕事に含まれます。

児童発達支援に興味のある方は、ぜひ看護師専用の転職サイトに登録しておきましょう。

また、1つだけに登録するのではなく、少なくとも3つ以上の転職サイトに登録しておけば、成功する転職への可能性が広がります。

求人が出る前から準備を欠かさない

養護学校の看護師求人はそれほど多くありません。そのため求人が出る前から、入念な準備をしておくことが採用への第一歩となります。

養護学校への応募理由や現在までの看護師経験、経歴など全てが採用に影響すると考え、計画的に動いていくようにしましょう。

履歴書の書き方や面接での受け答えも「その場しのぎ」では採用からは遠のきます。何人もいる応募者の中から、あなたが選ばれるためには何をしなければならないのかを考えて動きましょう。何事も早めの準備が転職を成功させるためには大切です。

まずは「なぜ養護学校に転職したいのか」といった理由を何度も自分に投げかけ、転職理由を明らかにしておきましょう。そして、面接では「養護学校の看護師の仕事に対する気持ち」を熱く語れるようにしておくと転職で成功しやすくなります。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

派遣看護師として転職する

・派遣看護師で高時給・好待遇を狙う

一つの職場で働き続けるという形態ではなく、3ヵ月や半年など一定期間だけ勤務する派遣看護師という方法も存在します。高時給を実現でき、人間関係のもつれがなく、「派遣が終わった後は長期の旅行に行く」など自由な働き方を実現できます。

派遣看護師で働く

注目の人気記事

・転職サイトを活用した看護師転職の体験談

看護師として活動するうえで、私自身も転職活動をしたことがあります。このときは転職サイト(転職エージェント)を利用したため、そのときの実体験や方法を踏まえ、失敗しない転職について紹介します。

管理人による転職体験記

・転職エージェントを活用し、看護師転職で成功する

看護師の転職で失敗しない方法として、必ず意識すべきことの一つに「転職サイト(転職エージェント)を活用する」ことがあります。年収交渉や勤務条件を含めすべて代行してくれるからです。そこで、具体的にどのように活用すればいいのかを確認していきます。

転職サイトの活用法

・看護師転職サイトのお勧めランキング

看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。

お勧め転職サイトランキング

新たな看護師の働き方

・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

美容クリニックへ転職する

・単発・日払いの高時給求人を探すには

「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

単発・スポットバイトで働く