「一度退職した職場に出戻りたい」と考える看護師がいます。転職した先のほうが問題を多く抱えており、「以前働いていた職場のほうが良かった」と考え出戻りをする人も多いです。

結論から言いますと、「出戻りしやすいかどうか」は、そのとき「どのような退職の仕方をとったか」次第です。もし出戻りする可能性があるのであれば、「出戻っても受け入れてくれるように退職の手順を踏む」必要があります。

しかし、ここでは過去の退職の仕方を後悔しても前には進みません。

そこで今回は、「退職理由別に出戻りするためのスムーズな方法」、「出戻りするメリットとデメリット」など、「看護師が出戻りするときに役立つ情報」について述べていきたいと思います。

退職理由別、出戻りを行う上手な方法

出戻りがスムーズに進むかどうかは、「どのように退職したか」によるとお話しました。そこで退職理由別に、出戻りを上手に行う方法について述べていきます。

結婚・出産・育児で退職→出戻り

「職場で迷惑をかけてはいけないから」と、結婚や出産、育児を理由に退職した場合、出戻りはあまり深刻な問題ではありません。あなたの働きぶりを知っている職場からは「良く戻ってきてくれた」といってもらえることもあるでしょう。

ただし、注意しておかなければならない点が2つあります。

まず1点目は、育児サポート体制を万全にしておくことです。

例えば、子どもが熱やケガなどで急な休みを取らなくても良いように、保育を頼める人を作っておいたり、病児保育などに登録し利用できるようにしたりしておくと安心です。また急な残業などのときに、どのような対応をすればいいのか決めておくと良いです。

このような育児サポート体制を整えておけば、子どもの急な発熱でも他の看護師に交替を頼むことはないため、周囲が助かります。そればかりか、自分も育児をしながら働いていることに負い目なく仕事に取り掛かることができます。

2点目は、ブランクを念頭にいれておくことです。ブランクが長ければ長いほど、身体も頭も思うように動きません。さらに、あなたがいたときとは、細かいルールが変更しているかもしれません。

「私はここに長くいたのだから大丈夫」と過信せずに、困ったことや分らないことがあれば、すぐに質問し解決するようにしましょう。

育児を理由にまた辞めるようなことがあっては、現場は混乱してしまいます。「長く勤められるような状態であること」を周囲にアピールし、いざというときに慌てないで済むようにしておくことが大切です。

介護で退職→出戻り

親の介護などで退職した場合の出戻りもあまり問題にはなりません。こちらも育児と同じで、緊急事態が起こったときにどのような対処をするのか、具体的に決めていることができれば良いです。

例えば、「弟夫婦が帰ってきたので、仕事中は親を任せられるようになった」「施設の入所の順番が回ってきたので、いまはそちらに入居できた」などの復職にあたって、具体的な理由を述べることができれば問題はありません。

こちらもブランクが長いようであれば、一から覚え直すつもりで仕事に取り組みましょう。

キャリアアップするために退職→出戻り

「他の領域の看護も学ぶ必要がある」としてキャリアアップのために他の職場に転職したものの、そこでの修行を終えて、もとの職場に戻ってくる場合があります。この場合も、出戻りをしてもあまり問題ではありません。

もとの職場では学べない知識やスキルを身に付けて、もとの職場で「その看護スキルを活かしていきたい」と考えているため、歓迎されることが多いでしょう。

ただし、「私は〇〇病院でこのような知識やスキルを獲得している」などを鼻にかけてしまっては周囲の反感を買ってしまいます。出戻る病院の良いところは認め、最初はそのやり方を受け入れて、しばらく行ってみることが大切です。

その上で、「こうしたほうが理にかなっている」というやり方があれば根拠を伝えながら行っていけば、周囲も従いやすくなります。

「新しい風を吹かす」には手順があります。いきなり今までのやり方を「これは違う、あれも間違っている」と頭ごなしに否定してしまっては、いまの職員は面白くありません。それでは「逆風」になってしまいます。

相手の気持ちや考えを敬いながら、ゆっくりと新しい風を吹かすことができれば、周囲はあなたが出戻ったことで「心地よい風」を感じることができます。

病気で退職→出戻り

病気で退職した場合、大きく二つに分かれます。「肉体的な病気」か「精神的な病気」のどちらが原因で退職したのかです。

・肉体的な病気

まず「肉体的な病気」が原因で退職し、出戻りをした場合についてお話します。

この場合、療養を十分におこない、他の看護師と同じように動けるのかどうかが採用の分かれ目です。すぐに体が辛くなったり、こまめな休みを取らなければならなかったりと、あなたを採用することで周囲に負担が増えてしまっては、現場は困ります。

もし体力的に自信が無いようでしたら、まずは派遣看護師など短期間から勤めてみることをおススメします。そこで「体調に問題がない」ということが分かれば、そのことを出戻り先の医療機関に伝え、安心してもらうようにしましょう。

・精神的な病気

次に「精神的な病気」が原因で退職し、出戻りを考えているケースについてです。

精神的な病気は、そのような患者さんに接していれば分かりますが、「完治が難しい」とされています。

他の職員であれば、勤務中に「患者さんから理不尽に怒鳴られる」など何か問題にぶつかったとしても、軽く受け流すか、次につなげる努力をすることができます。

しかし精神的な病気が治っていなければ、そのことを必要以上にネガティブに考えてしまう傾向にあります。そして「あのことが良くなかったのではないだろうか、やはり自分は看護師に向いていないのではないだろうか」と深刻に悩みすぎ、自分で自分の首を絞めてしまいます。

精神的な病気を理由に退職し、その後出戻りたいのであれば、「困難が生じた際の自分なりの解決方法を見つけた」とか「医師に状態は改善しているといってもらっている」などの根拠を上げ、周囲を納得させることが大切です。

「ちょっとした障害で退職しない」ことを病院側に分かってもらい、馴染みある職場で心地よく働ける基盤を作っておくことが大切です。

人間関係が悪く退職→出戻り

人間関係が悪いことを理由に退職した場合、出戻ってもうまくいく保障はありません。以前に人間関係で揉めた人たちは、あなたの出戻りのことを心よく思っていないため、さらに陰湿な行為に出る可能性があります。

できれば部署を変えてもらい、何事もなかったかのように元気よく働くことが一番です。

しかし、もし部署替えが難しいようであれば、「なぜそこに戻りたいのか」という原点に戻って熟考してみることです。

「他の職場のほうがよっぽどひどい人間関係だった」「今思うと、あれは指導であった」と思うのであれば、出戻った職場できちんと頭を下げ、謙虚な姿勢で臨むようにしましょう。

待遇が悪く退職→出戻り

一度は待遇が悪いと考え退職したものの、他の職場よりも福利厚生などが整っているなどが分かり「出戻りたい」と考え直すとします。そのようなときも、真摯な気持ちで一からやり直すことが大切です。

出戻りのメリット

次に出戻りするメリットについて考えてみましょう。

キャリアの途中から再スタートすることが可能

一般的に転職し、新しい職場でスタートするとなると、ある程度の経験値などは考慮されますが、最低ラインからの給与となることが多いです。そのため、同じ条件で転職しても給与が低くなる割合のほうが高いのです。

しかし、以前勤めていた職場で「このくらいの給与だった」ことが分かれば、そこからのスタートになる可能性が高いです。

覚えることが少なくて済む

一緒に働くスタッフやその医療機関のルール、物品の位置、一日の流れなど、すべてがまっさらの状態で「覚えないといけないことだらけ」というわけではありません。そのため、「あなたは新たに覚えることが少なく、採用側も教えることが少なくて済む」というメリットがあります。

即戦力として、すぐに働き始めることも可能です。

内部情報に精通している

新しい職場に勤めるとなると、転職サイトを介さなければ、人間関係や待遇・福利厚生などの転職に必要な情報を得ることができません。

しかし、以前勤めていた職場であれば、人間関係や待遇、福利厚生などもある程度は把握しています。「どのような師長なのか」「夜勤はどのくらいハードであるのか」など転職前に知っておきたい情報をすでに手にしていることになります。

これは、転職後に後悔することが少なくなる要因となります。

入職後の疲労も少ない

新しい職場に勤めると、入職後は覚えることが多いにも関わらず、人間関係なども把握する必要もあり、最初の数ケ月は疲労困憊になってしまう人も多いでしょう。なかには、緊張しすぎてストレスが溜まり、体調を崩してしまう人もいるくらいです。

しかし出戻りであれば、仕事の流れも人間関係も把握しているため、入職後の疲労も少なくて済みます。

空きがあれば滑り込める可能性大

クリニックはぎりぎりの人数しか看護師を雇わないことが多いため、出戻りをしたいとしても採用が難しい場合があります。

その点、規模の大きな病院ですと多くの場合、人脈を辿れば採用してもらえることが多いです。また、いますぐには空きがないとしても、空き情報が出たらすぐに教えてもらい、そこに滑り込むことができるのも出戻りの利点です。

出戻り先の職場は嬉しい

看護師は入職者・退職者の出入りが激しい職場です。そのような中で、出戻る看護師がいることは、職場にとって誇らしいことといえます。

一度は退職した看護師が「やはりここで働きたい」と願い出てくると、嬉しい気持ちになる人事担当者が多いようです。

あなたも一度は別れた恋人に「やはり君のことが忘れられない」といわれるとします。そのとき、「やれやれ、仕方ないわね」など口や表情には表しませんが、「やっぱり私が良いんだ」とついつい嬉しくなってしまうのと同じ気持ちです。

あとは、出戻るときの言い方にさえ気をつければ、出戻ろうとする人を不採用にする理由は無くなってしまいます。「言い方についてどのように気をつけたら、採用側は嫌な気持ちにならずにあなたを受け入れることができるのか」について吟味することが大切です。

例えば、下記のような言い方をしてみるとよいでしょう。

「他の医療機関で働いて分かったことなのですが、ここの看護師の接遇マナーは素晴らしいものであると気づくことができました。患者様のことを第一に考え、テキパキと働いている同僚を見て、やはりここで看護師として頑張っていきたいと日々、強く思うようになってきました。失礼とは思いますが、再度御院の看護師として働かせてもらえないでしょうか」

このように、出戻り前の医療機関の悪口や不満ではなく、出戻る医療機関の良いところを口にするように気をつけましょう。

出戻りのデメリット

このように出戻りには多くのメリットがありますが、今度は反対に出戻りのデメリットについて述べていきます。

出戻ることで人間関係がギクシャクする可能性が高い

出戻りということは、上層部の人から「あなたに戻ってきてもらって嬉しい」ということを意味します。これは、一部の心の狭い人達からすれば、面白い話ではありません。

「ぱっと出ていって、ぱっと戻ってきた人がちやほやされている」、「その間も私たちはここであくせく働いていたのに…」といったネガティブな感情をもたれることが多いのです。

以前あなたが働いていた職場よりは、出戻りのほうが人間関係の構築は多少難しくなっていることが予測されます。みんながみんな、あなたを歓迎しているのではないことを注意しておきましょう。

後輩が職場では先輩になっていることも

また1年下の後輩でいろいろ面倒みて育ててきた人が、出戻りしたときに職場上は先輩になっていることもあります。

その職場ではブランクがあるため、自分が育てた後輩にも頭を下げて、分からないことを聞かなければならないときがあるでしょう。また、以前とは違った方法で看護を行ってしまい、後輩に注意されることもあるかもしれません。

そのようなときは、プライドが邪魔をして不愉快になることもあるでしょう。しかし、「ブランクを作り出戻りをする」のであれば、時としてこのような辛さも味わわなければならないのです。その点を覚悟しておく必要があります。

一度出戻りをお願いしているため以前より退職しにくい

出戻りできたとしても、以前とは職場環境もスタッフも異なっており「とてもこのような環境ではやっていけない」と感じたとします。

しかし一度退職し、無理を言って出戻りしているため、再度退職を願い出るのは以前より難しくなることが予測されます。

出戻るときの注意点

次に出戻るときの注意点について述べていきます。

以前と同じ雇用条件ではないことも

「以前の雇用条件と同じ」と思って出戻りをしたところ、以前とは異なる雇用条件である可能性があります。

例えば、「妊娠中の勤務であったため時短調整を行ってもらっていたけれど、出戻ったら『8時間労働+委員会活動に参加』が当たり前になっていた」などです。

「まだ子供が小さいから時短勤務は当たり前だろう」とあなたは考えていたとしても、採用側は「そのような配慮はもう必要ないから戻ってきたのだろう」と勘違いしていることもあります。

他にも「以前と同じ科に配属されないこと」もあります。

このように出戻ったのちも同じ条件で働けるかどうかは分かりません。事前に雇用条件など気になる点をしっかり確認するようにしましょう。

「ここではもともとベテラン」のような顔をしない

以前この職場で勤めていて、知り合いも多いとしても、新しい中途採用の看護師もいるかもしれません。あなたの出戻りに良い感情を抱いていない人もいるでしょう。

そのようなときに「私はここでバリバリ働いていた」というような態度をとってしまうと、人間関係で揉めることが多くなってしまうので注意が必要です。

できるだけ、この職場でのブランクを意識して、「この職場の中では、いまは一番の新人なのだ」と考えることが大切です。謙虚な姿勢で、分からないことを分からないままにしておかず、質問するように心がけましょう。

「出戻り」する可能性がある場合の上手な退職方法

辞めても以前の職場から応援されたり、前の職場に笑顔で顔が出せたりするということは、その人にとっての「財産」といえます。これは社会人として、「立つ鳥跡を濁さず」の常識ある節度を守って退職したその人の器の大きさを物語っています。

いくら「人間関係が大変」でも「仕事を逃げ出したい」と思っても、引き継ぎなどをせずに「次の日から来なくなる」といったことや職場の悪口というようなことは絶対にしないようにしましょう。

そのためには、退職するときに「いつでも戻っておいで」といってもらえるように入念な準備をすることが大切です人生、何が起こるか分かりません。いつ出戻りの必要性がでてくるか分からないのです。

その中で私の話をさせていただきます。

当サイトの管理人である私は、看護師になり3度の退職と転職を繰り返しています。その中にはブラッククリニックに転職した経験があり、今思い返しても心が苦しくなるくらい大変つらい目に遭いました。

しかし前のクリニックを辞めたときも、「自分の至らない点」を挙げて退職を願い出ました。いろいろ改善してほしかったり、「このような目に遭った」という本音を言いたくなったりすることはありましたが、言葉の選び方には最善の注意を払いました。

そして今新しい職場で働いていますが、以前働いていたブラッククリニックの悪口を言ったことはありません。

いま通院している患者さんの中には、そのブラッククリニックで手術を受けようか迷っている方がいますが、「そこの先生の腕は確かですよ」というようにしています。ブラッククリニックでも、手術を行う医師の腕は確かで見事なものでした。どこの近隣のクリニックにも負けていないと思います。

しかし、そういうことで「私の評価を上げよう」とか「いつか出戻りするかもしれない」と考えているわけではありません。

いくらブラッククリニックでも、いろいろな意味で「育ててもらったことへの恩返し」をしているつもりです。

どのような理由で辞めるにせよ、そのような気持ちをもてないようであれば、新たな気持ちをもって転職したとしても、うまくはいきません。

また新しい職場で前の職場の悪口を言ってしまうと、「この人はどこでも悪口をいうのではないか」と考えられてしまい、自分が損してしまいます。

自分の就職の選択肢を一つ消去してしまうことになりますので、できるだけ円満に退職するよう心がけるようにしましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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