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新しい病院に入職が決まり、新人看護師は不安と期待で胸を膨らませることと思います。せっかくここまで努力して勝ち取った看護師免許です。充実した看護師生活を送るためにも、多くのことを勉強してキャリアを積むことを望んでいることでしょう。

しかし、もし新しい病院であなたが予期していない問題に遭遇してしまったらどうしたらいいのでしょうか。

厚生労働省が発表した「新人看護職員の離職理由」によると、新人看護師が1年以内に離職してしまう理由として、以下のことが上位に挙げられています。

・看護学校を卒業した時点での能力と求められるギャップの差が大きい

・新人を認めることが少ない職場風土がある

・現場の看護職員が新人に看護技術を教える時間が少ない

ただ、これらの離職理由は、新人看護師と上司との間に人間関係がしっかりできていれば、わざわざ離職する必要はないことが多いと思わないでしょうか。

人間関係が良ければ、看護師としてキャリアを積みやすくなります。そこで新人看護師が心得ておきたい、上司との人間関係の悩みを少なくする3つの対処の仕方を述べたいと思います。

1.自分から進んで誰にでも挨拶をする

新人看護師にとって基本となるのは、挨拶です。挨拶とは、実は心理学的に意味のある大切な行動です。「挨拶くらい簡単にできる」と思っていても、案外きちんとできていないことが多々あります。

例えば、あなたが出勤したら必ず「おはようございます」と、明るく元気よく挨拶をするとします。けれど、毎回「あ、うん……」といった素っ気ない反応しかできない先輩看護師がいるとしましょう。

新人だから挨拶をしっかりするのは当たり前と思っていても、毎日そのような素っ気ない態度をとられてしまうとどうでしょうか。朝から気分が滅入ってしまい、だんだんとそのような人に挨拶するのが嫌になってくるのではないでしょうか。

あなたは、徐々にその人に合わせて、挨拶する声が小さくなったり、おざなりになったりする恐れがあります。

しかし、素っ気ない返事をする人でも、実は挨拶されるのが嫌なわけではありません。人は誰しも、「承認欲求」というのを持っていて、誰かに自分を認めてもらいたいという本能があります。挨拶は承認欲求を満たす一番簡単な方法です。

挨拶は人間関係を良くする

あなたが挨拶をしたという行為は、その人の存在を認めたことになります。このことは、たとえ上司や先輩の返事が素っ気なかったとしても、その人の「承認欲求」を満たすことになります。

そのため、あなたが挨拶をしたとき、たとえ相手から素っ気ない態度をとられたり無視されたりしたときには、「その人はあなたのように元気に挨拶を返すことがただ単に照れくさかったのだ」と考えるようにしましょう。

とくに日本人は繊細な人が多く、正面から丁寧に挨拶をされると、とっさに対応できなくなってしまう人も少なくありません。

あなたは、挨拶を返されなかったとしても、新人として先輩看護師や周囲の医療関係者に対して挨拶をし続けることが大切です。相手の態度を気にする必要はありません。挨拶は先手必勝なので、自分から進んで行うと心得ておくとよいでしょう。

ひとこと付け加えれば、さらに印象アップ

挨拶をするときに、さらに相手に好印象を与える方法があります。挨拶は「おはようございます」「お疲れ様です」「お先に失礼します」などのワンパターンだけではありません。これらの挨拶にひとこと付け加えるのです。そうすると、あなたの印象はさらに良くなります。

例えば、いつもの挨拶の後に以下のことを付け加えてみましょう。

「昨日はありがとうございました」

「今日は気持ちのいい朝でしたね」

「今日は冷え込みますね」

「昨日の雨は冷えこみましたね」

「先日のお話し、大変勉強になりました」

「今日も一日よろしくお願いいたします」

これらを加えるだけで、お互いの気持ちを一時的に共有することができます。これが結果として、相手との距離を縮めることにつながります。

こうなると、相手はあなたに好意を抱きやすくなります。これは挨拶をする上でのテクニックともいえますが、できればちょっとした一言を付け加えてみるとよいでしょう。

2.新人看護師にありがちなイジメ体質を脱却する

どんな世界にもイジメは存在します。とくに看護師の世界は、閉鎖された女性中心社会です。そのうえ、一人当たりに任される仕事量も多く、限られた時間の中で何人もの患者さん相手に、素早く的確に看護を行う必要があります。

このとき失敗は許されません。そのような仕事に追い立てられていることもあり、看護師は気持ちに余裕がなくなりやすい職業ともいえるでしょう。

先輩看護師にとってみれば、「次の患者さんをずっと待たせたままなので、今の仕事を早く終わらせないと」と思っているとき、新人看護師がちょっとしたミスをしてしまうと、自分の受け持っている仕事が中断され、イライラが募ってしまいます。これらの積み重ねで、新人がイジメのターゲットになってしまうことがあります。

ただ、同じ新人看護師でも、イジメに遭いやすい体質の人とそうでない体質の人がいます。その違いは、一体なんなのでしょうか。

イジメられやすい人には特徴がある

実はイジメに遭いやすい人というのは、相手の感情を敏感に察知し、できるだけ相手に同調しようとする、優しい人に多い傾向にあります。

とくに新人看護師は、上司が教えてくれた看護で間違っていると思う箇所があっても、仕事を教えてもらう立場にあります。そのため、先輩の顔色を伺いながら、自分の意見を飲み込み、言われたことにそのまま従ってしまう傾向が高いといわれています。

「人間が誰かをイジメたいと思うとき」とは、「相手が自分に気を使って言いたいことを言わず、つねに自分に従順な態度ばかりを見せているとき」に多くなります。

人間はもともと、弱い相手を攻撃し支配したいという欲求を持っている動物です。そのため、上司があなたのことを「自分に逆らわない弱い人間」だと認識してしまうと、あなたに攻撃を加えやすくなってしまいます。

誰にもイジメをしたり、イジメられたりする可能性がある

もちろん、弱いと思った人間に自分の立場を利用して攻撃を加えるなど、本能の赴くままに動いてしまう人は、知性や教養のレベルが低い人です。

しかし、看護師が受け持つ仕事の多さが原因で、気持ちに余裕がなくなり、思った通りに仕事が回らなくなってしまうことはよくあります。

こうした状況で、あなたが上司という立場であれば、新人看護師をイジメの対象にしているかもしれません。

気持ちに余裕がなくなり、周りへの配慮などはできなくなったときのことを想像してみましょう。今でも十分忙しいのに、その上さらに新人が度重なるミスをしたとなると、「できれば一回言ったら仕事を覚えてほしい」と思うはずです。

しかし、まだその病院の看護師として十分な経験を積んでいない新人は、同じようなミスをどうしてもしてしまいます。そんなとき、嫌味や陰口をいってくる上司や先輩もいるでしょう。ここで新人看護師は、イジメてくる上司に対してどのような態度をとったほうがいいのでしょうか。

イヤなことはきっぱり断る勇気を持つ

新人看護師がイジメを行う上司や先輩に対してとる間違った態度としては、先輩看護師の感情を逆なでしないよう、先輩になんでも合わせることがあります。これを最善策と考えることは、大きな間違いです。

実際のところ、たとえ新人看護師であったとしても、新人であるあなたのほうが正しいこともたくさんあるはずです。

上司に対しても「そのようなやり方はいやです」「そこは間違っています」と自分の率直な気持ちを伝えることが大切です。

これをアサーティブコミュニケーションといいます。直訳すると、自己主張するという意味になります。

これは、ただ自分の意見をやみくもに押し通すことではありません。自己主張だけをすると、トラブルの原因になります。相手の立場や意見を尊重しつつも、自分の意見を率直に、誠実に、対等に伝えることが大切です。

例えば仕事が忙しく、あまり睡眠が取れていないときがあったとします。次の日も夜勤です。しかし、上司に研修のレポートを明日までに書いてくるように言われました。そんなときに行うアサーティブコミュニケーションの方法は、以下の通りです。

こちらのレポートを明日までに書くとなると、夜勤の前の睡眠が十分にとれなくなります。それでは、勤務時に頭が冴えずミスをしてしまい、患者さんに迷惑がかかってしまうかもしれません。

そのため今日の夜はしっかりと睡眠時間を確保したいと思います。夜勤明けに睡眠をとったあとの明後日でしたらレポートに取りかかれます。それでもよろしいでしょうか

ポイントとしては、相手の要求を受けることによるデメリットをはっきりと伝えることと、それに対する代替案をだすことです。

上司の命令だからと言って「立場を利用しての無理な要求を通させてはいけない」のです。新人看護師でも、できないものはできないと考え、「NO」といえる強い気持ちをもつようにしましょう。

人間関係に悪化が見られる人は、相手に同調する態度ばかりとっていなかったでしょうか。

イジメにあうのは、実際にイジメを行う上司だけが悪いのではありません。いままで、自分の気持ちを押し殺し、無理して上司に合わせ、自分は弱い立場という態度を示してしまったあなたにも原因があることを悟りましょう。

今後は上司の機嫌や態度に必要以上に合わせず、上司の立場を尊重しつつも、あなたの心に従って行動していくことが大切です。

3.好かれるより、信頼される新人看護師を目指す

社会人になる前の学生生活では「誰からも好かれる人」がグループで中心的な人物だったでしょう。学生生活においての人間関係は友人が主なので、「仲間どうしの良好な関係づくり」が大切です。

しかし、職場ではどうでしょうか。看護師の仕事としての目的は「患者さんの自然治癒能力を高めるための環境を整え、健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和などの看護をチームで最大限に引き出して行うこと」です。

仕事で必要な人間関係とは何か

看護師の間で起こる職場の人間関係のトラブルの多くは、友達で必要な人間関係と仕事の人間関係を混同してしまうために発生することが多いです。

なぜなら、誰からも好かれたいと思われたい人は、誰からも嫌われたくないという気持ちから、看護の仕事の優先順位がずれてしまうことが多いからです。

例えば、あなたは一人で立ち上がることが難しい患者さんがトイレに行こうとベッドから起き上がっているのを見かけました。看護師であれば、このときは患者さんの補助をしなければなりません。

しかし、同時に遠くのほうから先輩があなたの名前を大声で何度も呼んでいます。

このとき先輩との人間関係を優先する人であれば、患者さんの看護はとりあえず行わないで、先輩の機嫌を損ねないよう、先に先輩のところに駆け付けるという行動を行ってしまいます。患者さんのことは後回しにしてしまうのです。

これは極論ですが、「患者さんへの看護」と「先輩との人間関係」において、あなたは知らず知らずの間に優劣をつけていることはないでしょうか。

看護の仕事を行うに当たって、誰からも好かれる人間になることを目的としてはいけません。看護の仕事に大切なのは、信頼される人間になるということです。

先輩の呼び声がかかっても、今は患者さんの看護を優先させる必要があるために駆けつけることはできないことを誰かに伝えてもらうか、行けなかった理由をあとで率直に話すようにしましょう。

仮にそのことを先輩が怒ったとしても周りはしっかり見ています。「この人になら安心して患者さんを任せられる」と周りに思われる看護師になっていくことが大切です。

本音で意見を言い合える職場が「理想の職場」

そしてさらに、できればあなたの看護観などの素直な意見を上司や先輩にいえるような職場に変えていきましょう。

上司や先輩がおこなった看護に疑問があったとしたら「こうした方がいいのではないでしょうか」「どうしてあのような看護を行ったのでしょうか」と聞いてみるのです。

意見を交わすような風土がない職場だと最初は煙たがられ、批判をされたり、空気が悪くなったりするかもしれません。

しかし、なんの意見も発しないまま、まるく収めようとすると、いまの病院であなたは「いてもいなくても同じ人」「替えの人材はいくらでもいる人」になってしまいます。

「上司や先輩に意見を言う」という場数を積んでいくと、おのずと自分の看護観が出来上がっていきます。それがあなたらしい看護につながり、キャリアアップの道しるべとなります。

あなたを煙たがっている上司や先輩がいたとしても、あなたが看護師として歩んでいく人生で、いまの先輩看護師がずっと上司でいることはありません。恐れないで、あなたらしい道を歩んでいくようにしましょう。

もし上司や先輩に自分の意見を言うことがためらわれるようでしたら、まずはあなたのまわりにいる人といいチームをもち、意見を言い合える環境を作り上げていくことが大切です。

いまの職場があまりいい職場でないと感じるのであれば、あなた自身で「理想の職場」をつくりあげていく努力も必要なのです。

周りに、何を考えているのかわかる人間になる

私は、30歳以降で看護師免許を取得したため、新人看護師のとき、先輩といえども「年齢は下の人」が多く、どのように人間関係を作っていけばいいか分かりませんでした。

そのときの未熟な私が出した答えは、「出る杭は打たれる」と思い、とりあえず先輩には逆らわず、みんなに好かれようとすることでした。

意見があったとしても、看護師として何年かたって中堅くらいになったら言おうと考えていました。まさに、上記で述べたような間違った考え方をしていたのです。

このとき一部の看護師からは、みんなに好かれようと周りに合わせていつも笑っていた私の態度を見抜かれ、「本当は何を考えているのかわからない」といわれはじめました。

「何を考えているのか分からない人間」のことを人は恐怖ととらえ、攻撃の対象にしてイジメてしまいたくなります。「得体のしれないもの」をつついて、相手がどのような態度をとってくるか、また何を考えているか知りたがるのです。

もちろん、私は「みんなから好かれたい」という目的しかなかったので、傷つくような言い方をされても、分からないふりをして我慢して笑顔でいました。すると、さらに攻撃は過激になってきました。

このときの私は、なぜ自分がイジメの対象になるのか分からなかったため、どうしてこんな目にあうのかわからず、泣く泣く辞職するしかありませんでした。

しかし、いまは違います。ようやく、たとえ新人という立場であっても先輩看護師に対して意見をいう重要性を理解できるようになりました。

むしろ、新人だからこそ、長年働いている看護師がルーティンで行っている看護に対して、「おかしいな」と思える部分が見えやすいのです。まだ看護をあまり知らないときのほうが、患者目線で看護師の動きを見ることができるからです。

チームで看護力を高めあえる関係に

先輩がした看護であっても、おかしいなと気付いたことは「さっきの看護はあのようにしていいのですか」と聞くようにしました。すると、先輩が「そういえばそうだね。みんな、どうだと思う?」と他の看護師にもこの話をするようになります。

すると他の看護師が「私はこうだと思う」「こうするともっと良くなるのでは」「それなら、こういう方法はどう?」など、チーム全体でよりよい看護を行うよう、意見を出し合うことができるようになりました。まさに私にとって理想の職場になったのです。

もちろん、これは私ひとりの力ではありません。私のことを分かってくれる周りの看護師がいるからこそ、こうした職場環境が出来たのです。

当然ながら、今の病院に勤め始めた当初は、どのような看護師がいるかわからず不安でいっぱいでした。再びイジメられたらどうしようという気持ちがずっと付きまとったのです。

しかし、そのようなときこそ不安を払拭するように、誰にでも元気に挨拶を行い続けました。

いまでは、出勤したときに私と目を合わせて挨拶をしただけで、先輩や同僚が私の今日の体調を見抜いてくれます。体調が悪いときであれば、私が何もいわなくても仕事をさりげなく変わってくれるなどの配慮をしてくれるのです。これについては、「ありがたいな」と毎回実感しています。

「おはようございます」の挨拶ひとつとっても、体調だけでなく、今日の仕事への意気込みや信頼関係を含めさまざまなことを把握できます。

もし、はじめは相手がいい返事をしなくても、あなたは丁寧な挨拶を行い続け、人間関係の最初の一歩を良好なものにするように努力を重ねていきましょう。

私はこうした基本的なことに気づかず、1年半で3回も転職を繰り返し、新人看護師時代はとても苦労しました。

最初から自分らしく行動して我慢をしなければ、このような苦労はしなくてよかったのかもしれません。あなたは最初から勇気をだして、あなたらしく看護をしていくようにしましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

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