パートナーに合わせて自分のライフスタイルを変化させ、満足のいく働き方を実現させるため、結婚を機に転職を希望する看護師が多く存在します。

このような場合、志望動機を書く際に「結婚を機に転職を決意した」「パートナーのライフスタイルに合わせるため、日勤のみの働き方をしたい」「将来的に子どもが欲しいので、育児環境の整った職場で働きたい」といった理由だけでは、自己アピールに欠けています。

このような志望動機でも採用にまで至るケースはありますが、人気のある求人での採用は難しいといえます。

一体、あなたの書く志望動機には何が足りないのでしょうか。

そこで今回は「結婚を機に転職を行う場合、どのような志望動機を作成しアピールすれば採用に至るのか」についてお話していきます。

応募先でアピールできる志望動機の書き方とは

結婚を機に転職を行う場合、どのような志望動機の内容にすることが大切なのでしょうか。最初に志望動機の書き方についてお話します。

志望動機は必ず自分の言葉で書く

看護求人は件数が多いため、「転職は簡単に行えるだろう」と安易に考えがちになります。そのため、志望動機を自分の思うままに書いてしまったり、ウェブサイトなどから例文をそのままコピペしてしまったりする人がいるのです。

しかし人気のある求人で応募人数が多ければ多いほど、そのような安易な志望動機は簡単に見破られ「不採用」とされてしまいます。採用側は、数えきれないほどの志望動機をみてきた「人材を見抜くプロ」だからです。

ある採用担当者が教えてくれた次のような話があります。

採用担当者が応募者の志望動機を見ていると、一字一句違わない同じ志望動機を提出した2人の応募者がいたそうです。

担当者はこのことが気になり、その志望動機のコピペチェックをしてみることにしました。すると「ある看護師求人サイトからそのまま引用していた志望動機だった」ことが判明しました。もちろん、その2人は面接を受けることすらできませんでした。

「自分の人生を左右する転職において、のようなことを実際に行う人が同じ時期に二人もいるとは驚いた」と担当者は話していました。

またそれ以降、その採用担当者は応募者が提出した志望動機は一つ一つ、専用のソフトを使いコピペチェックを必ずかけるようにしているそうです。丸写しとはまではいかないまでも簡単に手直ししたものだと疑われる場合も、面接に呼ぶことはないといっていました。

ちなみに、コピペであるかどうかは実際に以下のようなツール(コピペリン:年間利用料 6,000円)などで簡単に判別できます。

上記は極端な例にはなりますが、「いろいろなサイトに掲載されている志望動機の例文を、自分なりに少しだけアレンジを加えて書き直す」こともあまりおススメできません。そのまま引用するのではないにせよ、少しアレンジするくらいでは、あなたという人材をアピールすることはできないからです。

転職時においては「数多くの応募者の中から自分が採用されるために、どのように自分をアピールできるか」が重要になります。

その目的を達成するために、履歴書の中でも採用担当者が一番注目しているのは志望動機の欄です。この部分を簡単に手直しするだけでは他の応募者と差をつけることは難しいです。

この記事でも後半に志望動機の例文を挙げます。しかし例文はあくまでも参考程度に留め、必ず自分の言葉で書くように心がけましょう。

自分の言葉で書くための情報収集

自分の言葉で書くといっても、どのように書けばいいのかわからないことが多いのではないでしょうか。そのようなときに参考にしたいのが、応募先の様々な情報です。応募先の情報はすこしでも多く集めることが大切です。

情報を集める方法としては、求人票に書いてあることだけでなく、自分で実際に足を運んで見学してみたり、そこに勤めている看護師から話を聞いてみたりするのもいいでしょう。もちろん、ホームページに掲載されてある病院の理念や看護部のモットーなどの確認も行いましょう。

そして、「自分はどうしてこの求人に惹かれ、応募してみたいと思ったのか」を自己分析し、実際に箇条書きにしてみましょう。

「給料が高い」「待遇が良い」「日勤のみ」といったことだけが、あなたの希望条件ではなかったはずです。いくら給料が高くて、待遇が良く、日勤のみでも、人間関係などが悪いため離職率が異常に高く、サービス残業が非常に多ければ、多くの看護師はそのような医療機関に応募しようとは思わないからです。

志望動機を書く際に集めたい情報とは、給与額・キャリアアップ方法・昇給率・有給取得率・人間関係が良い・残業が少ない・託児所完備などだけでは足りません。

「自分の思い描いているような先輩看護師の存在」や「看護理念が自分に合っているかどうか」といった情報まで把握し、志望動機に記載することが非常に大切になります。

転職の際には自分の希望する条件に合った医療機関を見つけるために、もちろん人間関係や待遇などを考慮します。ただ、志望動機を書く際には、さらに応募先の「看護理念」や「看護観」までを把握し、それを活用する必要があるのです。

いくら応募先の人間関係が良くても、好待遇でも、それを強調した志望動機にしてはいけません、

看護理念や看護観が大切な理由

どうして「昇給率」「人間関係」「少ない残業」「子育てしやすい職場環境」といったことを強調して、志望動機に書くのはNGなのでしょうか。

それは以下のような採用側の本音が隠されているからです。

・昇給率がいい → 昇給率に対する考え方は人によって異なる。昇給率が思っていたのと違えば、不満をもってしまうのではないか。

・人間関係がいい → 人間関係は相性がある。中には合わないスタッフがいるだろう。人間関係が悪化すれば、すぐに退職してしまうのではないか。

・残業が少ない → 残業が少ないといっても無いわけではない。もし残業になっても、嫌な顔をせずに働いてくれるだろうか。

・子育てしやすい職場環境 → 看護師の人手が足りないときは時間外でも働いてもらう場合があるだろう。それに柔軟に対応してくれないのではないか。

このように志望動機に「貴院は子育てしやすい職場環境で、残業が少なく働きやすいと思ったから応募しました」と書き込むと、採用側は「もっといい面があるのにもかかわらず、待遇面しか見てくれていない」と考え、残念に思ってしまいます。

またいくら待遇面が優れている職場だとしても、看護を行うのが主な仕事であるため、実際の現場では何が起こるかわかりません。不意な残業が重なったり、人間関係で悩んだりし、ときには辛くなることもあるでしょう。

このようにあなたが思い描いていた職場と多少違っていたとしても、「看護理念」や「看護観」といった看護に対する根本的な考え方が合っていれば、多少問題が起こっても、心は折れることなく長く勤め続けてくれるだろうと考えられます

では看護理念や看護観とはどのように集めればいいのでしょうか。

例えば以下のように、医療機関のサイトに掲載されている看護部長の挨拶などから参考にすることができます。

引用:東京医科大学病院 看護部サイト

このように、「この医療機関には、どのような価値観をもった看護師を必要としているのか」が分かれば、それに焦点を合わせて志望動機をまとめていくことが可能です。

規模の小さな医療機関の場合、サイト自体が存在せず情報を集めにくいかもしれません。そのようなときは、看護師専用の求人サイトの担当コンサルタント(転職エージェント)から情報を集めることができます。

「結婚するから転職希望」ではNG

これらのことを踏まえ、結婚を機に転職を決意したとしても、わざわざそのことを応募先の医療機関に積極的にアピールする必要はないことがわかります。

結婚を機に転職を考えている場合、本音は以下のようなことが考えられます。

  • 結婚後、いまの職場の勤務時間ではパートナーとの時間を合わせられない
  • いまの職場では今後計画している出産・育児の環境が整えられていない
  • パートナーの職場といまの職場が遠い
  • いまの職場の給与や仕事内容に満足していない
  • いまの職場の人間関係がうまくいっていない

しかし応募先の担当者に志望動機や面接で上記のような内容をいくら伝えても、あなたに対して良い印象を与えることは難しいでしょう。

「出産・育児をするようになった場合、いまの職場では働きにくいから転職を考えた」という理由を熱心に述べても、採用担当者はあなたに対して好感をもつことはできないのです。

結婚を機に転職する理由自体は理解できます。しかし、採用側は「上記のような人物を採用し、一緒に働きたいかどうか」という点でいえば別の問題になるからです。

上記に挙げたような理由では、採用側はあなたという人材の必要性は感じません。これらの理由は、実はあなたが結婚を機に転職したい「個人的な理由」にすぎないからです。

個人的な理由だけの志望動機では、「もっと雇用条件のよい職場が見つかれば、再び転職してしまうだろう」と担当者は懸念を抱いてしてしまいます。

そのため、結婚を機に転職するとしても、そのことについては軽く触れるだけにしましょう。それよりも、希望する応募先の看護理念や看護観が自分と合っていることを積極的に伝えるほうが、あなたの印象を良くすることができるということを心に留めておきましょう。

自分の強みをさらにマッチングさせる

さらに志望動機を書くうえで、採用側に良い印象を与える方法があります。それは応募先の医療機関の強み(長所・目標)とあなたの強み(長所・気づき)をマッチングさせるという方法です。するとアピール力が増し、説得力のある志望動機に仕上がります。

例えば、応募先の医療機関のウェブサイトに「患者様本位の安心・安全看護をモットーとしている」と掲載されているとします。

その場合、あなたは下記のような志望動機を書くと好印象を与えることができます。

私は、常日頃から患者様の気持ちに寄り添う看護を実践しています。仕事のすき間時間などに、元気がないと感じた患者様に声をかけて、少しでも心がほぐれるお手伝いをしております(あなたの強み)。

せんえつですが、これは貴院の看護師間で実践されているモットーと似ていると感じました(応募先の医療機関の強みや目標)。

今回、結婚を機に看護師としてのさらなる飛躍を実現するため、今までの看護経験と私の看護師としての強みを活かすことのできる貴院で看護の一助を担いたいと考え応募させて頂いた次第です(自分の長所と応募先の医療機関の看護目的に合っている内容)。

あなたの志望動機を読んで、応募先の医療機関に「このような人物にぜひ来てもらいたい」と思わせることが大切です。そのためには、応募先の医療機関がアピールしている強みを把握し、あなたの強みとマッチしていることを伝えようにしましょう。

次の転職先で仕事を長続きさせたいのであれば、応募先にあなたを採用する必要性をまずは志望動機でアピールすることが大切です。

それが応募先の強みと合っていれば、ほかの応募者よりもあなたのほうが採用側から輝いて見えるのです。

結婚を機に転職する場合の志望動機の例文集

以上のことを踏まえて、結婚を機に転職する場合の志望動機の例文集を作成しました。「結婚を機に転職」といっても、結婚のくだりはあくまでもさらっと流す程度に留めたほうが無難です。

大学病院に転職希望の場合

まずは、先ほど引用した「東京医科大学病院 看護部サイト」の副院長・看護部長のメッセージから志望動機を作成してみたいと思います。

引用:東京医科大学病院 看護部サイト

さきほどの、看護部長のメッセージの3段落目の「連携」「チーム力」「患者さん本位のケアの実践」などをヒントにして、次のように志望動機を作成してみます。

私は3年間外科病棟で、4年間訪問看護師として勤務してまいりました。貴院に興味をもったきっかけは、貴院が大学病院という枠を超えて地域での看護の役割を担っているという点です。

以前、訪問看護ステーションで働いていたとき、貴院を退院し、その後在宅療養することになった患者様を受け持ったことがあります。

そのとき、貴院の看護師による具体的な看護内容の引継ぎは大変親切でした。こちらが分からないことに対して何度も電話連絡を行ってくれたり、患者様が今後の療養生活で抱いている不安を具体的に教えてくれたりと、患者様の立場で看護をされていると実感いたしました(あなたの気づき)

今回、結婚という新たなライフステージに立ち、自らの人生を再考した結果、地域で実践してきた訪問看護の経験を活かして、私も貴院の看護師として「貴院と地域の連携を取れる看護師」として活躍していきたいと強く願うようになりました。(応募先の医療機関の強みや目標)

病院や職域を超えてチーム力を発揮していける看護師として、貴院で長く勤めさせていただければと考えています(自分の長所と応募先の医療機関の看護目的に合っている内容)

このように赤線で囲った部分を自分なりの言葉で言い直します。そして「応募者側が欲しがっている人物像と自分の経歴や看護観はブレていない」ことをアピールするとよいでしょう。「このような人を採用できれば、この病院はより看護力がアップするだろう」と採用側はイメージすることができます。

クリニックに転職希望の場合

次に、クリニックに転職希望の場合ですと、以下のようなウェブサイトがありました。

引用:高瀬クリニックホームページ

これらのサイトに掲載されている内容をもとに志望動機を作成してみました。

私は以前、内科病棟に勤めていました。前の職場の病棟では看護師一人当たりが受け持つ患者様の人数が多かったことから、内科看護師として看護技術や知識についてはある程度蓄えていると自負できるまでに成長させてもらったと思っています(あなたの強み)

しかし、このたび結婚を機に、一人ひとりの患者様とじっくり向き合った看護を行い、患者様の笑顔を引き出していきたいと考えるようになりました。また以前より興味をもっていました循環器看護に携わり、救急時でも患者様のお役に立てるよう、貴院で専門的な看護力を磨いていきたいと思っています(応募先の医療機関の強みや目標)

看護師の確かな技術や知識は患者様を安心させるだけでなく、チーム力を発揮させるために必要となるものです。今後は、内科看護師の経験を活かし、さらなる看護技術や知識を吸収し、貴院で即戦力となれるよう努力していきたいと考えています(自分の長所と応募先の医療機関の看護目的に合っている内容)

このように、自分の今まで積み重ねてきた経験を長所として捉え、それを新しい科でも役立てていきたいということを伝えれば、「当院の欲しがっていた看護師にマッチしている」と思ってもらえます。

結婚を機に転職でも準備を怠らない

結婚は、人生にとって大切なライフイベントの一つです。その結婚を機に自分の働き方を見直して転職し、「満足いく職場で長く働いてキャリアを積んでいく」ということは大切なことです。

あなたという人材を認めてもらう第一歩が志望動機を丁寧に自分の言葉で書くことです。

志望動機について再度、下記にまとめておきました。

あなたの強み・気づき + 応募先の医療機関の強み・長所・目標 + 「自分の長所と応募先医療機関の看護目的が合っている」とする内容

結婚でいろいろバタバタしている時期で大変かもしれませんが、今後末永く働いていく職場を決定する大切な岐路に立っているのです。転職準備を怠らず、あなたの希望する職場に長く満足して勤められるよう最大限の努力をしてもらえたらと思います。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

注目の人気記事

・転職サイトを活用した看護師転職の体験談

看護師として活動するうえで、私自身も転職活動をしたことがあります。このときは転職サイト(転職エージェント)を利用したため、そのときの実体験や方法を踏まえ、失敗しない転職について紹介します。

管理人による転職体験記

・転職エージェントを活用し、看護師転職で成功する

看護師の転職で失敗しない方法として、必ず意識すべきことの一つに「転職サイト(転職エージェント)を活用する」ことがあります。年収交渉や勤務条件を含めすべて代行してくれるからです。そこで、具体的にどのように活用すればいいのかを確認していきます。

転職サイトの活用法

・看護師転職サイトのお勧めランキング

看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。

お勧め転職サイトランキング

新たな看護師の働き方

・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

美容クリニックへ転職する

・派遣看護師で高時給・好待遇を狙う

一つの職場で働き続けるという形態ではなく、3ヵ月や半年など一定期間だけ勤務する派遣看護師という方法も存在します。高時給を実現でき、人間関係のもつれがなく、「派遣が終わった後は長期の旅行に行く」など自由な働き方を実現できます。

派遣看護師で働く

・単発・日払いの高時給求人を探すには

「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

単発・スポットバイトで働く