「精神的健康を取り戻す援助を必要としている患者さんに寄り添っていきたい」と精神科へ転職を考えている人がいます。

ただ精神科へ転職希望といっても漠然としたイメージしかもっておらず、志望動機の書き方に不安をもっていることが多いです。精神科の曖昧なイメージだけで志望動機を作成すると、採用担当者にそのことを見抜かれて、書類段階で落とされてしまう可能性がでてきてしまいます。

そこで今回は希望する精神科に採用される履歴書の志望動機の書き方についてお伝えしていきたいと思います。

精神科看護における履歴書の志望動機の書き方

では精神科看護における履歴書の志望動機の書き方についてお話ししていきます。履歴書の中でも、志望動機は何を書くべきか悩む人がもっとも多いです。

志望動機は職歴欄と並んで、あなたの考え方や生き方、人となりをみることができるため、アピール度が高く、採用担当者が注目する箇所となっています。丁寧に書き進めていくようにしましょう。

では志望動機には何を書けばいいのでしょうか。

志望動機では、簡単にいえば、応募先の精神科で「何がしたいのか」「何ができるのか」を書けばいいのです。志望動機を作成するにあたってまずは、「今回の転職で何を達成したいのか」を考える必要があります。

今回の転職で何を達成させたいのかを考える

最初に、面接に進む書類を作成するには、じっくりと今回の転職について考えてみましょう。具体的にいえば「今回、精神科へ転職することによって、自分は何を達成させたいのか」を明確にさせるのです。これが転職活動の軸となります。

逆に、この軸がはっきりしていないと「どこの精神科でもいいから、内定をもらえさえすればいい」となり、転職そのものが目的になってしまいます。これでは満足いく転職にはならず、短期間で退職を余技なくされることにもなりかねません。

できれば今回の転職を最後にするべきです。

そのため、まずは「なぜ精神科に転職したいと思ったのか」という精神科看護を選んだ理由を具体的に考えてみましょう。

もちろん「看護技術が苦手だから、技術のあまり要らない精神科ならやっていけそうだと考えた」「精神科は残業が少ないと聞いて楽に思えた」「前職の人間関係や待遇面で不満があった。落ち着いて看護を行える科ならそのようなことはないだろう」なども転職理由の一つです。

しかしそれなら、コールセンターでも眼科でも皮膚科でもデイサービスでも良かったはずです。そうではなくて、なぜ精神科看護を選んだのでしょう。

「精神科看護を選んだ理由」「精神科看護で働きたい希望」を突き詰めれば、「前職までの領域では達成できないことを精神科で身につけていきたいと思ったから」ではないでしょうか。

精神科には精神科でしか学べないことが多くあります。

患者さんとのかかわりひとつとっても、相手の反応に対して、自分はどう感じ動いたのかを自己分析する(プロセスレコード:患者とのやりとりの一場面を切り取り、その時の言葉をそのまま再現する記録様式)必要があったり、看護師自体がケアの道具として患者さんのために動いたりと、他の領域にはない特殊性があります。

まずは、ここを明確にしなければなりません。ここがはっきりしない場合は、まずは精神科で自分はどのような仕事をしたいのかを徹底的に考えましょう。

ただし、単に「~がしてみたい」「~の資格を取得したい」といった願望を書くだけでは足りません。あなたは中途採用ですので、願望の裏付けとして、いままでの経験と実績を示す具体的内容を付け足すことが必要です。

すなわち「自分はこれまでこのような看護を実践してきて、このような実績を残した。今後はこの経験を活かして精神科でこのような仕事をしていきたい」という流れで書くようにしましょう。

病院研究を行う

次に、どのような病院へ転職希望であったとしても、希望先の病院研究をすることが大切です。病院理念、看護理念などを調べ、規模が同程度の精神科と比較して「何が違うのか」「どこに魅力を感じたのか」など詳しく書き出してみましょう。

単に精神科に転職したいのではなく、「なぜこの病院の精神科で働きたい」と思ったのかを考えてみましょう。例えば、「精神科では、いままでの自分の看護能力を活かせると思ったから」はNGです。

このような文章はどこの病院でも通用してしまいます。中には例文サイトをみて、そのまま精神科の志望動機例文を引用し、アレンジして書き始める人がいます。これは絶対にしてはいけません。

このような志望動機を読んでも採用担当者の印象には残らないからです。

採用担当者があなたの履歴書をみて「ぜひ会いたい」と思うような、志望動機を作成しなければ意味がありません。

さらに、志望動機については面接で再度質問されます。面接で「あなたはなぜうちの精神科で働いてみたいと思われたのですか」という質問を受けたときに、自分の言葉で考えて書いてない志望動機であるとボロが出てしまい、引用したことを見抜かれてしまいます。

中途採用であるのに、これほど格好悪いことはありません。「志望動機作成で手を抜いて、例文を引用する」ということは、絶対に避けるべきです。

志望動機で書いてはいけないフレーズ

志望動機で書いてはいけないフレーズがあります。

例えば「御院の安定性にひかれて」「精神科なら将来性があると思ったから」「精神科の仕事内容に興味をもったから」などがあります。このような抽象的な言い回しを書いてはいけません。

もちろん精神科は今後、患者数はますます増え続けることが予想されるため、看護師需要のある領域であり、安定性や将来性を志望動機のひとつとしても悪くはありません。社会的な現状を踏まえると精神科は将来に渡り必要性が高まるからこそ、魅力を感じたということもあるでしょう。

しかしそれは志望動機の一部にしか過ぎません。「〇〇のように社会で必要とされている科だからこそ、精神科で看護経験を積んでいきたい。〇〇のような部分でいままでのキャリアを活かして、御院に貢献できる」といったところまで具体的に書き進める必要があります。

中には、「精神科に興味を持って」「精神科看護は今後必要性が増すと考えて」という文章しか書かず、志望動機を片付けている履歴書があります。このような志望動機をみると、採用担当者は依存的で主体性の低い人物だと判断し、書類段階で落とす可能性があります。

また「精神科未経験ですが、御院で経験を積んでいきたい」など病院を看護学校と勘違いしているような書き方や、「残業や時間外労働がないので」「男性看護師でも働きやすそうな職場なので」など、自分本位の理由を志望動機にすり替えてしまっている書き方も印象が良くありません。

次に精神科の志望動機では避けるべきフレーズについて一覧にしました。これらを参考に自分の志望動機をチェックしてみてください。

避けるフレーズ 書いてはいけない理由
精神科は将来に渡って必要とされる科であるため 「将来性」「安定性」という言葉で全て片付けてはいけない。抽象的過ぎて、採用担当者には伝わらない
一生懸命頑張りたい

仕事への情熱は誰にも負けない

やる気だけを売りにしても、具体性がない

精神論だけでは抽象的になり、説得力に欠ける

精神科の仕事内容に興味をもち 精神科に応募している時点で、興味があるのは当たり前

具体性に欠ける

御院とともに私自身も成長していきたい

精神科は未経験なので経験を積んでいきたい

職場を看護学校と勘違いしている

病院は看護師の経験を積む場ではなく、患者様に安全な医療を提供する場

精神科は未経験のため、自信はありませんが~ 謙虚すぎる

採用担当者は「本当に看護能力がない」と受け取ることがある

育児で残業や転勤ができないため

通勤に便利なため

自分のプライベートな理由を志望動機にすり替えてしまっている

個人的な事情を志望動機に書いてはいけない

前の病院では人間関係が悪く~

待遇が悪く、終業時間内に帰れず~

前の職場の不満があったとしても、絶対に書いてはいけない

そのような不満や悪口を他院でも言いふらす人とみなされる

御院の看護理念にひかれ 応募する病院を単に褒めているだけ

具体性に欠けて、面接で突っ込まれると答えられないパターン

自信がなければ、プロに頼る

今回を最後の転職にするには、本気で取り組まなければなりません。

「志望動機をとりあえず書いてみたものの自信がない」「希望する病院の情報(職員の退職理由、具体的仕事内容、看護師平均年齢、離職率、昇給率など)を十分に入手できていない」など転職活動に関して不透明で、不安な部分があれば、転職サイトに登録して相談する方法があります。

担当コンサルタント(転職エージェント)は転職のプロですので、個人的に志望動機の書き方を教えてくれるだけではありません。あなたのいままでの看護経験や実績、性格などを分析して本当に合った職場を紹介してくれたり、面接に同行してあなたのことを全面的にサポートしてくれたりします。

また転職サイトの中には、「相談や情報収集の利用だけでも構わない」としている転職サイトがあります。いくら利用しても無料ですので、登録しておいて損はありません。

精神科看護の志望動機の例文集

では、精神科看護の志望動機の例文をいくつか紹介していきます。

復習しておきますが、「〇〇のように社会で必要とされている科だからこそ、精神科で看護経験を積んでいきたい。〇〇のような部分でいままでのキャリアを活かして、御院に貢献できる」という具体的な内容を盛り込んで書き上げていくことが大切です。

精神科クリニックへの志望動機例文

前職では、内科クリニックで3年間勤務していました。精神的な疾患であるのに内科的な疾患だと勘違いして来院される患者様も多く、原因を探るためにさまざまな検査を行うことがありました。

そのような患者様は精神的なものが原因と分かると、一様にがっかりした表情になります。そのような中、御院を受診したことのある患者様が、御院での治療について生き生きとお話ししてくださったことがありました。

その話の中で、「患者様自身がどうなりたいかを目標設定し、その実現に向けてスタッフがサポートする」という御院の姿勢に興味をもちました。私はこれまでの内科看護師の経験を生かし、精神的・身体的疾患の両方を確認しながら患者様のサポートをしていきたいと考えています。

精神科外来への志望動機例文

私は、小児科病棟で長年看護を行ってきました。コミュニケーションが得意でない患児の気持ちに寄り添い、何がしたいのかを視線や態度で理解し、必要以上に不安にさせないよう心掛けてきました。

再入院した患児からは「病院のママ」といわれるほど、慕われるまでになりました。ただ中には、引きこもりや不登校といった子供たちの入院となると小児看護の知識だけでは足りず、自分の看護の無力さを感じることが多くなりました。

そして、小児病棟で匙を投げた精神疾患を抱える患児が「御院に外来通院し社会復帰を果たした」とお聞きして大変驚くとともに、感動いたしました。

今後は御院の一員となり、小児看護の経験を活かしながら、患者様とそのご家族との信頼関係を作り、活躍していきたいと考えるようになった次第です。

精神科病棟への志望動機例文

前職は、外科病棟でオペ後の患者様の看護を行っていました。術後せん妄で、幻覚や妄想を体験する患者様が多く、事故が起こっては危険なので身体拘束などをしてきました。

このような患者様と関わっている中で、御院の講習会に参加し、実際に身体拘束の体験をさせていただきました。術後に味わう死への孤独と恐怖のなかで、せん妄への対処の仕方として身体拘束は辛く、苦しいものだというのを実感することができました。安全という行為は、患者様にとってみると不自由、尊厳の低下に他なりません。

御院では、妄想のある患者様でも傾聴し、気配りや目配りを欠かさず、身体拘束をしないことを知りました。「その人らしく生きてもらう」ことをモットーとしている御院で外科看護の経験を活かし、ケガのないよう患者様に寄り添った看護を行っていきたいと考えています。

希望する精神科にだけ通用する志望動機に仕上げる

私の書いた志望動機の例文をみてもらうと分かると思いますが、希望する病院の精神科にしか通用しない文章になっています。ただし、この文章をそのまま引用して履歴書を提出することはできません。

このように自分しか書けない履歴書の文章に仕上げることができれば、採用担当者の目に留まり、印象に残りやすくなるのです。

あなたが精神看護を選んだ理由は何でしょうか。再度その部分を深く掘り下げ、あなたにしか書けない志望動機を作成していくようにすれば、それは採用される志望動機といえるのです。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

派遣看護師として転職する

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派遣看護師で働く

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転職サイトの活用法

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看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。

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・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

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「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

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