看護師というと、多くは女性が就く職業になります。ただ少ないものの男性看護師も中にはいます。そうしたとき、当然ですが男性看護師についても転職したいと考えることはよくあります。
ただ男性看護師がそれなりにいるようになったとはいっても、どうしても全体の数からいうと女性看護師のほうが多いです。また、実際に転職するとなると、どのように求人を考え、優れた職場を探せばいいのか分かりません。
そうしたとき男性看護師を特に欲している職場があるため、このような求人だと特に重宝されるようになります。また女性のような妊娠・出産などはなく、子供の面倒を見るために早く家に帰らなければいけないわけでもありません。そのため、求人を選べば男性看護師は優れた条件で転職しやすい傾向にあります。
ただ転職であるため、事前に注意点を理解しなければいけません。そこで、男性看護師が考えるべき求人内容のポイントについて解説していきます。
もくじ
一般的な病院を含め、就ける職種は限られるのが基本
男性看護師なので既に理解していると思いますが、男性という時点で病院ではかなり不利な存在といえます。看護師でメインの働き先である一般的な病院・クリニックでさえも、男性看護師は非常に仕事をしにくい立場にあるといえます。
同僚の女性看護師と接するときは何も問題ないものの、患者さんとの関係で大問題になりやすいです。男性患者なら大丈夫ですが、女性患者を男性看護師がケアするのは、女性患者から非常に嫌われるようになります。
どれだけベテランであっても女性患者から断られるのは普通であり、一般病棟やクリニックで働く以上、全員が女性患者との関わりが難しいと感じることになります。
これが産科・婦人科となると、男性看護師が働くのは不可能というほど、女性患者から敬遠される存在になるのが男性看護師です。こうした科だと若い女性の患者が多くなり、さらには女性特有の悩みをケアすることになるからです。
男性医師で産婦人科医は特に問題ありません。ただ、男性看護師は微妙だというわけです。
こういう意味で男性看護師にとって優れた環境で勤務できる求人は限られます。男性看護師の場合、同僚よりも女性患者さんとの関係性が最も難しいといえます。
体力仕事などで頼りにされやすい男性看護師
ただ同じ職場で働く看護師を含め、同僚からは重宝されやすくなります。もちろん女性ばかりの職場で働く難しさはありますが、男性なので女性特有の陰湿ないじめに巻き込まれるリスクは圧倒的に少なくなるといえます。
それよりも、男性看護師は力があるので体力が必要な場面ではむしろ同僚から頼られるようになります。
実際のところ、看護の現場では力仕事がメインになるケースがよくあります。例えばダンボールに入った輸液を移動させるとなると、それなりの重さになります。またベッドでの介助や車いすへの移動など、ある程度の腕力がなければいけません。
そうしたとき、力のある男性看護師は頼られやすい存在だというわけです。
また女性看護師のように、どこかの女性グループに所属して派閥を作らなくても問題なく、そうした職場ではやりやすいといえます。
特に男性看護師が欲される求人を理解する
こうした特徴があるため、男性看護師にとって特に働きやすく、職場からも求められている求人はいくつかあります。
男性看護師の場合、「女性患者とのコミュニケーションが問題になりにくいかどうか」で働きやすさが決まりますが、そうしたときに以下の職場だと男性看護師が活躍しやすいといえます。
- 精神科の病院
- 介護施設・老人施設
- 訪問看護ステーション
- メンズクリニック
もちろん救命救急・ICUや整形外科、内科系の病院を目指しても問題ありません。ただ上記の求人だと、より働きやすい環境になっているというわけです。それぞれがどのようになっているのか解説していきます。
精神科は暴力問題から男性看護師が重宝される
一般的な病院求人の中だと、最も男性看護師を受け入れているのが精神科病棟です。精神科は元々、年収が高い傾向にも関わらず不人気です。仕事内容がバイタルサイン測定や点滴くらいになり、あとは患者さんとのコミュニケーションがメインになるためです。
また患者さんからの暴言があるだけならいいですが、場合によっては統合失調症や認知症の患者さんから暴力を受けることもあります。また女性看護師だと、男性患者から恋愛感情を持たれることも普通です。
こうした問題があるものの、力のある男性患者に襲い掛かられたとしても、男性看護師であれば問題なく対処できるというわけです。
そのため、精神科病院であれば男性看護師を歓迎する求人がいくつも存在します。例えば、以下は神奈川県横浜市から出されている精神科病院の求人募集です。
このように、わざわざ「男性看護師を大歓迎」と記されています。また精神科未経験でも問題ない求人であり、それだけ男性看護師が活躍しやすいといえます。
なお精神科だと、確かに高度な看護技術は身に付きにくいかもしれません。ただ年収は優れており、特に家族を養わないといけない男性看護師だと、給料の面では優れた内容になりやすいといえます。
介護施設・老人施設は体力問題で男性が優れる
他には、介護施設や老人施設だと体力の問題があるため、男性看護師が広く求められやすいです。こうした介護施設だと、重い荷物運びや患者さんの移動の介助など、女性看護師にとって嫌な力仕事があります。
例えば介護施設で働いていると、どうしても以下のような場面が何度も出てきます。
患者さんを老人施設から自宅へ一時的に帰らせる場面ですが、重い車イスを持って作業をするのは女性だと大変です。ただ介護業界も働いている人は介護士を含めて女性が多いため、男性看護師がいるだけでかなりありがたい存在になるというわけです。
その結果、介護施設・老人施設からも男性看護師の中途採用求人が多いです。例えば、以下は大阪にある老健での求人です。
なお仕事内容はバイタルチェックや状態観察、服薬管理、入浴後処置などになるため、一般的な病院などのように高度な看護技術を磨くことはできません。ただ同僚からも患者さんからも重宝される存在になりやすいというわけです。
訪問看護ステーションは受け入れ患者を選別できる
男性看護師の場合、訪問看護ステーションという選択肢もあります。一般的な病院だと、いろんな人が入院しています。またクリニックについては、さまざまな患者さんが訪れます。その中には若い女性がいることも多く、そうしたケースだと男性看護師は仕事をやりにくいです。
一方で訪問看護ステーションであれば、どの患者さんの家を訪れるのか既に分かっています。また女性患者のお宅であっても、「男性看護師でも問題ないかどうか」を事前に聞くことができます。そのため、病院で働くときのような「女性患者から拒否される」などは起こりません。
さらに訪問看護ステーションでは、介護施設と同じように移乗が必要になる場面があります。そうしたとき体力のある男性看護師は活躍します。
また女性看護師だと、家庭の事情で急な対応をしにくいです。ただ男性看護師であれば、夜間や緊急対応をしやすくなります。そういう意味でも、男性看護師は活躍しやすい職場だといえます。
こうした訪問看護ステーションについても男性看護師を歓迎する求人が数多く出されています。例えば以下は大阪にある訪問看護ステーションであり、男性看護師を広く募集しています。
訪問看護ステーションであれば、「女性患者から嫌われる問題」を回避できるようになります。それでいて頼りにされやすいため、男性看護師にとって非常に働きやすい環境が整っているといえます。
メンズクリニックなら女性患者との接触から解放される
また男性看護師にとって、女性患者とまったく接しなくてもいい職場は働きやすく、非常に優れているといえます。こうした職場は少ないですが、例えばメンズクリニックであれば女性患者がいないため、少なくとも「患者さんと接する」という意味では非常にやりやすいといえます。
こうした男性専門のクリニックとしては、例えば以下のようなものがあります。
- AGA治療など、ハゲを治す皮膚科
- 包茎などの悩み
- 男性の脱毛
いずれにしても男性の美容クリニックとなりますが、こうした職場への転職を考えても問題ありません。例えば、以下は仙台にある男性専門の美容クリニックの中途採用募集です。
このように、男性看護師を歓迎しています。患者さん全員が男性のため、女性看護師よりもむしろ男性看護師のほうが求められているわけです。男性患者としても、同性の看護師のほうが相談しやすいため、結果として男性看護師が活躍しやすくなります。
なお看護師の中では、美容外科・美容皮膚科は高給料になりやすいです。そのため高年収を実現しながら、女性患者と接しなくてもいい職場がメンズクリニックだといえます。また夜勤がないのも男性専門の美容外科・皮膚科の魅力です。
男性看護師だと、他職種への転職は普通しない
ただ中には、女性患者と接するのが嫌で他職種に転職できないかと考える男性看護師もいます。しかし男性看護師だと、普通は他職種への転職は普通しません。一般的に看護師から他職種へ転職する場合、以下の職種となります。
- コールセンター
- 治験コーディネーター(CRC)
- ツアーナース
これらはどうしても給料が低くなり、さらには転職するにしても女性がメインになってしまいます。看護師と同様に女性ばかりの職場になるわけですが、仕事は楽になるものの給料も下がり、男性が転職先として選択することはあまりないのです。
そのため男性看護師は異業種への転職ではなく、同じ看護師内で求人を探すのが一般的です。ただここまで記した通り、他職種へ転職しなくても同じ看護師の職場で「男性が広く必要とされている求人」があるため、そうした求人募集へ申し込めば問題ありません。
採用される転職理由・志望動機を考える
これらを理解したうえで、どのような求人に申し込みたいのかを見定めたうえで転職サイトを通じ、応募するといいです。
ただ、このときは転職理由を考えなければいけません。求人先に志望動機を伝えることになりますが、正直に「女性患者に嫌がられない職場がいい」「高年収を目指したい」などのような理由を述べるのは微妙です。そうではなく、プラスの転職理由となるように、志望動機を考えなければいけません。
そこで、これまでの看護師経験の中から「応募した転職先になぜ興味をもつようになったのか」について、相手が納得できるように話を組み立てるようにしましょう。
例えばメンズクリニックへの転職であれば以下のような志望動機になります。
外科病棟で様々な手術前後の患者様のケアをしてきました。そこでは患者様のお話をできるだけ傾聴していましたが、女性患者様だけでなく、男性患者様も外見上の傷跡を気にする方が多いことに気が付きました。 そこでただケガを治す看護だけではなく、患者様の外見上の満足度を上げる男性美容看護に興味をもち始めるようになりました。 貴院では最初から高度な施術を勧めることはせず、多くの治療法の中から、まずは一番シンプルで簡易な施術をお勧めすると聞きました。そうした患者様の意向や立場を尊重した医療機関にて、患者様の悩みやコンプレックスを一緒に解決したいと考え、応募しました。 |
非常にシンプルな内容にしましたが、こうしたことを履歴書や面接で述べるようにします。
なお前述の通りメンズクリニックは雇用条件が良いことが多いですが、志望動機に「女性患者と接しなくてもいい」「夜勤が少ない」「給料がいい」などの内容をわざわざ書く必要はありません。以前勤めていた病院の欠点や悪いところも書かないようにしましょう。
前の病院でなんらかの満足いかない点があったため、転職を考えているのは採用側も分かっています。正直に転職理由を書くよりも、希望する病院の良い点を述べるように心がけると印象がよくなります。
転職サイトを活用し、求人を探す
なお、どうしても男性看護師の人数は少ないため、看護師求人の中でも男性看護師というだけで特殊な転職になってしまいます。ただ、正しく求人を選べば問題なく優れた環境で勤務できるというわけです。
そうしたとき、一般的には転職サイトを活用して求人を探すのが一般的です。ここでは、男性看護師を広く歓迎している求人事例をいくつか出しましたが、それでも女性看護師のほうが圧倒的に人数は多いといえます。
そのために、どうしても肩身が狭くなりやすいですが、そうした中で「男性看護師を広く受け入れており、活躍しやすい職場」を自ら探すのは非常に大変です。そのため、転職サイトを活用するのが普通というわけです。
転職サイトには非常に多くの求人案件があるため、特殊な転職であるほど威力を発揮するようになります。そういう意味では、男性看護師という時点で「歓迎される職場」が限られるようになるため、転職サイトを利用したうえで優れた男性看護師の中途採用募集を探すといいです。
中途採用の男性看護師は、職場によっては重宝される
一般的病棟の病院やクリニックで勤務する場合、どうしても男性看護師は働きにくくなります。女性看護師のような派閥形成はないため、同僚と一緒に働くという意味では問題ないことが多いものの、女性患者から拒否されるケースが日常茶飯事なのです。
そうした状況に耐えられる場合、外科や内科など一般的な病院へ転職しても問題ありません。ただ男性看護師の場合、積極的に男性看護師を受け入れている中途採用求人についても視野に入れるといいです。
例えば精神科や介護施設、訪問看護ステーション、メンズクリニックなどがこれに該当します。こうした職場では女性看護師の欠点を男性看護師が補えるため、同僚から頼られやすくなり、仕事へのやりがいは大きいといえます。
確かに女性看護師に比べて不利になりやすい男性看護師ですが、職場を選べばむしろ活躍しやすくなります。こうしたポイントを踏まえたうえで、転職サイトを利用しながら優れた求人募集を見つけるようにしましょう。
求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。
一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。
ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。
これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。
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看護師として活動するうえで、私自身も転職活動をしたことがあります。このときは転職サイト(転職エージェント)を利用したため、そのときの実体験や方法を踏まえ、失敗しない転職について紹介します。
・看護師転職サイトのお勧めランキング
看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。
新たな看護師の働き方
・美容クリニック・美容皮膚科への転職
夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。
・単発・日払いの高時給求人を探すには
「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。