30代・40代の看護師が転職を考える際、「職務経歴書」の書き方で戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。それもそのはずです。学校でも社会人になってからも、職務経歴書の書き方を教えてくれる機会はほとんどないからです。

ひと言で「職務経歴書」といっても、その書き方はさまざまです。決まった書き方がなく自由である反面、応募者ごとの格差が付きやすい重要な書類であるともいえます。

30代・40代ともなると経験も豊富で「履歴書に書ききれなかった項目」などがあり、あれもこれも「職務経歴書でアピールしたい」と考えることが多くなります。しかしそのアピールをダラダラと書き連ねるだけでは、採用側の目に留まることはありません。

そこで、あなたの職務経歴書を見た採用側が「この人と是非会って話がしてみたい」と思うような職務経歴書の書き方について、今回はお話ししていきたいと思います。

30代・40代の看護師のための採用される職務経歴書とは

では30代40代のある程度、看護経験のある看護師の職務経歴書の書き方について述べていきます。

時系列でダラダラ書いてはいけない

結論から言いますと、いくら経験が豊富で様々な経歴があるからといって、それを時系列でダラダラと書き連ねても採用側にとって「魅力的な職務経歴書」とは言えません。

採用側は数多くの応募者の職務経歴書に目を通していかなければなりません。そのため、職務経歴書はぱっと見ただけで「この人に会って、もっと詳しい話が聞いてみたい」と思わせるような魅力的な内容にしなければなりません。

30代、40代、50代ともなると経歴が豊富であるため、ダラダラと長いだけで要点がさっぱり分からない職務経歴書を作成してしまう人が多いようです。「時系列で今までの看護師としての経歴を並べただけ」の職務経歴書を書く人が大変多いのが現実です。

しかし職務経歴書で一番大切なのは、「看護師として、その経験で何を得たか」など、自分のアピールポイントを盛り込んでいることです。

下記に職務経歴書の失敗例と改善例を掲載しました。こちらを参考にして人事担当者の目に留まるような職務経歴書になるよう自分なりに工夫してみましょう。

職務経歴書の失敗例

業務内容
期間:1998年4月~2003年3月

A総合病院 脳外科配属

期間:2003年4月~2005年3月

同病院 手術室配属

1日に数件のオペ介助を行う

期間:2005年4月~現在

B外科クリニック勤務

B外科クリニック院長に引き抜かれ看護師長を行う

職務経歴書の成功例

業務内容
期間:1998年4月~2003年3月

A総合病院 脳外科配属

脳障害や意識障害のある意思疎通を図りにくい患者様の看護に従事

(獲得したスキル・知識)

脳外科では術後、脳浮腫となり不穏となる患者様や後遺症で全介助を強いられる患者様が多くいらっしゃいました。そのような患者様に対して、細やかな配慮や観察を怠らず笑顔で接してきました。

また、少しでもいつもと違った様子がみられればバイタル確認を行い、先輩方と相談の上、医師に報告を行い、合併症を起こさないよう最善の看護を行ってきました。

また最先端の脳外科医療に関わるため自ら勉強会を開催し、日々看護を磨く努力を続けました。

期間:2003年4月~2005年3月

同病院 手術室配属

(獲得したスキル・知識)

1日に数件の手術介助を行いました。最初は覚えることがたくさんあり、緊張感が続く中での介助であるため、病棟とは異なる最新の注意を払いながら仕事を進めていました。

そのうち、医師との意思疎通が図れるようになり、スムーズな器械出しができるようになってからは、手術室看護師の面白さが分かってきました。非常に高リスクの手術を受けもたせてもらった経験も豊富にあり、自分の自信につながりました。

チームワークを発揮して、無事に手術を終えることができたときに看護師としてやりがいを感じることができました。

期間:2005年4月~現在

B外科クリニック勤務

(獲得したスキル・知識)

B外科クリニック院長に引き抜かれ看護師長を務めました。クリニック立ち上げの際は、様々なトラブルに見舞われて大変でしたが、ひとつずつ問題をクリアしていくことに喜びを感じることができました。

手術室で学んだチームワークを発揮するために、「看護管理職者のための勉強会」などに参加しました。そのおかげでチームワーク力を伸ばし、お互いに助け合える関係を構築することができました。その結果、開院以来退職した看護師はいません。

また患者様をお待たせしてしまう時間を短縮するための分析を行い、内部改革を図ることにも成功しました。患者様からの口コミや評判も好評です。

異動や転職回数が多い人であると、新卒一年目から業務内容を書き並べてしまいたくなるようです。しかし、それではA4の用紙が5枚以上にまで及んでしまうことがあります。

また反対に、上記の失敗例のように簡素に書いてしまえば、寂しい職務経歴書になります。この時点ですでに「やる気が感じられない」と思われる危険性が出てしまいます。

採用側は職務経歴書を見る以外にもたくさんの仕事を抱えています。職務経歴書を読むことばかりに時間を割くことはできません。

採用側からすれば、「職務経歴書は3枚以上に及ぶと読む気が失せてしまう」とのことです。しっかり読んでもらえるのはA4で2ページだと考え、できるだけ1ページ以上2ページ以内に収めるようにしましょう。

時系列で書いてしまう問題を解消する方法

経歴が長いと、どうしても「やってきたことを順番に書き連ねる」というスタイルを取ってしまいがちです。その問題を解消するためには、以下の方法があります。

直近の経歴から記載していく

職務経歴書を書くときには、時系列で所属病院、配属された科、業務内容を記していくのが一般的です。しかし、経歴が多い人は逆に最初に直近の経歴を記載する方法をおススメします。

採用側は読むに従って過去にさかのぼっていくのです。これを「逆年代順式」といいます。

採用側が注目しているのは、10年前20年前のあなたの経歴ではなく、直近の経験です。それを、職務経歴書をぱっと見開いた早い段階でアピールするのです。

逆年代順式の職務経歴書の記載例は以下の通りです。

【逆年代順式の職務経歴書】

■ 職務経歴

業務内容
期間:2005年4月~現在

B外科クリニック勤務

(獲得したスキル・知識)

B外科クリニック院長に引き抜かれ看護師長を務めました。クリニック立ち上げの際は、様々なトラブルに見舞われて大変でしたが、ひとつずつ問題をクリアしていくことに喜びを感じることができました……

 

期間:2003年4月~2005年3月

A総合病院 手術室配属

(獲得したスキル・知識)

1日に数件の手術介助を行いました。最初は覚えることがたくさんあり、緊張感が続く中での介助であるため、病棟とは異なる最新の注意を払いながら仕事を進めていました……

これは先ほどの職務経歴書の成功例を直近から並び替えただけです。このように直近の出来事から記載すると、読む側にとって記憶に留まりやすくなります。

得意分野・専門分野ごとにまとめる

あなたがいままで経験してきたことを、「職務分野」ごとにまとめる方法もあります。これは「キャリア式」ともいわれます。

異動や転職などにより複数の科で経験を積んできた人や、専門性で勝負してきた看護師に向いています。

この書式では、応募先で活かせる分野の職歴を職務経歴書の頭にもってきて長めに記載します。そして、応募先と関連性が薄い職歴は後ろのほうに簡潔にまとめます。

「あなたに求めてられいる看護経験やスキルが採用側の記憶に残りやすくなる」というわけです。

この方法にはさらに利点があります。転職回数が多く、それがマイナスの印象を与えそうな人である場合、転職歴が目立たなくて済むのです。

キャリア式の職務経歴書の記載例は以下の通りです。

【キャリア式職務経歴書の記載例】

■ 外科での看護に関する職務経歴

業務内容
期間:2005年4月~現在

B外科クリニック勤務

(獲得したスキル・知識)

B外科クリニック院長に引き抜かれ看護師長を務めました。クリニック立ち上げの際は、様々なトラブルに見舞われて大変でしたが、ひとつずつ問題をクリアしていくことに喜びを感じることができました……

 

■ 手術室での看護に関する職務経歴

業務内容
期間:2003年4月~2005年3月

総合病院 手術室配属

(獲得したスキル・知識)

1日に数件の手術介助を行いました。最初は覚えることがたくさんあり、緊張感が続く中での介助であるため、病棟とは異なる最新の注意を払いながら仕事を進めていました……

このように職務経歴をキャリア別で分けて書くことも可能です。この場合、応募先と関連の高い職歴を最初にもってくることが大切です。

アピールしたいことは「別枠」を設ける

どの書式を使用するにせよ、職歴が長い場合、どうしても記載事項が多くなってしまい、要点がぼやけがちになってしまいます。

そこで職務経歴書の冒頭欄に「職務要約」といった見出しを付け、職歴の要約文を記しておくとアピールしたいことが強調されます。3~5行程度で、自分のアピールしたい職務経歴のハイライトを記す方法です。

この内容としては、職務経歴書の中でも「特に自分の強みといえるもの」や「注目してほしいと思うところ」などから選びましょう。自分がもっている強みと、希望する医療機関が求めているものが一致しているポイントを冒頭でハイライトとして伝えておけば、採用側の興味を引き、期待をもって読んでもらうことができます。

もしくは、職務経歴を記したあと、「貴院で活かせる経験・スキル」とする欄を設け、相手の医療機関で応用できそうな経験やスキルを箇条書きしてまとめておく方法もあります。

下記が職務要約の例です。

■ 職務要約

入職以来、脳外科、手術室などを経験し、直近〇年は外科クリニックにて看護師長を務めてきました。配属された部署で専門性を高めつつ、チームワークを重視し、患者様に期待以上の看護を行えるよう実践してきました。おかげで患者様からの評判は良く、雑誌のコラム「私たちのチームワーク看護力」でインタビューを受けた経験をもちます。

「工夫したこと」「身に付けたスキル」を盛り込む

職務経歴書には、「配属された科」とそこでの「成果」だけを記す人が多いのですが、選考する側としては、それだけでは物足りなさを感じてしまうことがあります。

なぜなら採用側は「配属された科」と採用されてからその職場で「できること」は別だと考えているからです。

もし素晴らしい成果を挙げていたとしても、入職したらその職場でも同様の成果を実現してくれなれば意味が無いからです。そこで配属された科での経験を通じて「看護技術」や「ノウハウ」「知識」をしっかり自分のものにして、どのように活かしてきたのかをアピールするようにしましょう。

また、職務経歴書の下に「身に付けた知識やスキル・資格」という項目を作り、付記しておくこともできます。

面接でその点を問われた時に「どのようなプロセスがあり、何を学んだのか」「どのような資格を取得し、それをどう活かして看護を行っているのか」を具体的なエピソードを交えて話せるようにしておくことが大切です。

「伝わりやすい職務経歴書」とは

では採用側に伝わりやすい職務経歴書を再確認しておきましょう。

伝わりやすい職務経歴書とは、「読みやすい」工夫をしている職務経歴書になります。

職務経歴書を見た瞬間、行間が詰まっていたり、見出しと本文の境目が分かりにくかったりしていれば、読む前から「読みにくい」と判断され、マイナスの印象を与えてしまうことになります。

「読み手への配慮ができない人物」となると、「患者さんへの配慮ができない看護師」だと受け取られてしまいかねません。

最低限、次のことを注意して職務経歴書を作成するようにしましょう。

・項目ごとに「見出し」を作る

見出しは太字にしたり、【】〈〉などをつけたりして、拾い読みしやすい工夫をしましょう。

・適宜、行間を空ける

内容が変わるような場合は、1行空けるなどして、経験内容ごとにまとまり感を出せば読みやすくなります。

・文章は短めに

「~だから~となり、そして…」と一文を長くしてしまうと、非常に読みにくい文章になってしまいます。一文を簡潔にし、ダラダラと書かないよう配慮しましょう。

このように採用側が読んで、読みやすく、工夫が施されている職務経歴書は、好印象を与えやすいのです。一方で、華々しい経歴があったとしても、読みにくく採用側が困ってしまうような職務経歴書では、やはりマイナスの印象を与えかねません。

職務経歴書は差をつけやすい

職務経歴書の書き方について詳しく知らない看護師が多いため、職務経歴書は応募者の間で差のつく書類といえます。

せっかく大変魅力的な経歴があったとしても、職務経歴書の書き方ひとつで、マイナスの印象を与えることもあるのです。これまであなたが培ってきた経験を無駄にしないためにも、職務経歴書は丁寧に、かつ慎重に作成し自己アピールを行えるように心掛けましょう。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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