新卒のときは、面接にスーツを着用するのが当たり前です。しかし、看護師の中途採用の面接時でも、わざわざスーツを着用しなければならないのでしょうか。

「大規模医療機関の面接ならスーツ着用しなければならないけれど、施設やクリニックの面接時にそこまでしなくていいのでは?」「中途採用なので、セミフォーマルくらいで構わないのではないか」と考える人がいます。

しかし結論からいえば、看護師の中途採用の面接だからこそ、スーツ着用が望ましいです。今回は、その理由について述べていきます。

看護師の転職時、中途採用でもスーツが基本

看護師の面接時は、スーツ着用が基本です。もちろん、スーツを着用したからといって見た目だけで採用されることはありません。当然、看護キャリアややる気などが採用の判断ポイントとなります。

しかし、転職時にはスーツを着用し、まずは見た目で好印象を与えることが大切です。そこで、スーツを着用したほうが良い理由について述べていきます。

採用側は見た目を重視している

「見た目よりも、中身で判断してもらいたい」と多くの人が考えます。しかし、人は無意識のうちに見た目(目から入る情報)で判断していることが多いのです。

例えば、あなたがお客さんを初めて自宅に招いたとします。そのとき、「身だしなみを整え、清潔感に配慮した格好で訪れる人」と「自宅で着ているような服装で訪れる人」では、どちらをより歓迎したいと考えるでしょうか。もちろん前者です。

このことは採用側も同じです。

面接という人生を決める大事な場面なので「スーツを着ていこう」と考えるか「セミフォーマルでいいだろう」と妥協するかで、一瞬にして新しい仕事に対する熱意の有無が伝わってしまいます。

ほかの応募者と差をつけ自分をアピールできる最初のステップが「見た目」なのです。

こう述べると「そのようなことはない。人は中身が重要!」との反論があるかもしれません。「私が受けるのは看護師採用試験であり、モデル採用試験ではない。そのため、採用側は見た目で判断するのではなく、話す内容で採用か不採用かを決めている」と思うでしょう。

ところが知り合いの人事担当の面接官に話を聞いてみると、「最終的には見た目で選んでいるかもしれない」という本音が返ってきました。面接は数十分、長くても1時間程度しかありません。いくら採用のプロだからといって、このような短時間では人間の本質を見抜くことはできません。

また、私の勤める医療機関の院長の話も参考になります。院長は「採用は見た目じゃない。どのくらい仕事に熱意をもっているかで採用するかどうか決めてる」といっていました。一見、面接の内容や人柄を重視して採用の可否を決めているように思えます。

しかし以前、私は院長に「昨日、来られていた応募者はどうでした?」とセミフォーマル着用で訪れた応募者の印象を聞いたことがあります。すると院長は「一生懸命さは伝わってくるんだけど、ちょっと身だしなみがだらしない気がしてね。とりあえず、保留かな……」という返事が返ってきました。

やはりスーツを着用するかしないかで、その人の与える印象は全く違ってくることが分かります。このように応募者が採用側に最初に与える見た目の印象は、採用の可否に大きく関わっていることが多いのです。

・「メラビアンの法則」によると見た目が重要

その証拠に、カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のアルバート・メラビアン教授がある実験を行いました。それは、「言葉や話す内容」「見た目」「声」のどれが相手に強い印象を与えるのか、というメラビアンの法則を生み出した実験です。

その結果、強い印象を与えたのは「見た目」が1位で55%、「声」が38%でした。「言葉や話す内容」はわずか7%に過ぎなかったのです。人は半分以上、見た目で印象を決めているのです。

このことからも「人は見た目で大きく左右される」ということがわかります。

・「見た目」は外見ではない

「人は見た目が重要」といわれると、「自分は背が低く、スタイルがよくない。もちろん顔も自信がない。見た目を良くしろといわれても、いまさらできるものではない」と思っている人がいるかもしれません。

しかし心配はいりません。

「見た目」とは、顔かたちといった外見ではなく、顔つき・服装・姿勢・身ぶり・手ぶり・身だしなみのことだからです。これらは少し意識すれば、簡単に変えることができます。

その中でも服装は事前に準備するだけで、好印象を与えられる絶好のチャンスといえるのです。

・スーツに勝る好印象は無い

面接に着ていく服装となると、スーツに勝る好印象を与える方法はありません。採用試験では、面接官にいかに好印象を与えるかが採用の大きな分かれ目であるのです。

スーツを着て面接に臨むことで、採用側に「誠実さを兼ね備えている」「清潔感がある」「常識がある」「真面目である」「熱意がある」「真剣に臨んでいる」「しっかりしている」という好印象を与えることができます。

看護師の仕事を遂行するためには、誠実さや清潔感はもちろん、常識があり、仕事に対していかに真面目で、熱意や真剣さをもったしっかりした人間であるかが重要です。まずはスーツを着用することで、あなたの仕事に対する心意気を見せることができるのです。

スーツ選びの基本

スーツ選びでは、「古いよれよれのスーツよりは新しいスーツ」、また「ぶかぶか・ぴちぴちのスーツよりは自分の体に合ったスーツ」のほうがいいです。

・新しいスーツを購入する場合のおすすめは

古かったり、体形に合っていなかったりするスーツしかもっていない場合は、転職を決めた際に新しいスーツを購入しましょう。

新しいスーツは、安くてもかまいません。古くて体形に合っていない高級スーツより、安くても体形に合った新しいスーツのほうが好印象を与えることができます。

この場合、「洋服の青山」や「スーツカンパニー」などのスーツ量販店に向かえば、上下セットでも3万円以内で購入できます。

私は転職面接のとき、家の近くの「洋服の青山」で黒のスーツを上下合わせて25,000円くらいで購入しました。ほかにもスーツをもっていたのですが、いまの自分の身丈に合ったものを着用し、心機一転、万全の態勢で面接に臨もうと考えたからです。

このような店舗でスーツを購入すると、次のような思いがけないメリットを発見できました。

  • 安さ:まずは、もちろん安さです。安くても新しいスーツであれば、しわやヨレが少なく、誠実さや清潔感を与えることができます。
  • 近さ:次のおすすめする点は、近さです。郊外に店舗を構えていることが多いです。そのため、デパートよりも簡単に行くことができるため、思い立ったらすぐにスーツを買いに動けます。
  • 早さ:また早さもあります。デパートなどよりもこのような店舗のほうが、裾直しなどを迅速に行ってくれることが多く、すぐにスーツが必要という人にとっては非常に助かります。
  • 敷居の低さ:さらに敷居の低さです。デパートのスーツ売り場ですと、敷居が高く「入店すれば購入しないといけない気がする」といったイメージがあります。その点、洋服の青山などであれば、それほど高価なものを買うわけではありません。そのため、気に入るものが無ければ、「また次回に」と言いやすいです。
  • プロ目線での選定:ほかにもスーツのプロによる目線で、スーツ選びを行ってくれる点も挙げられます。私は店員に「すっきりみえて、清潔感漂うスーツがほしい」というと、年齢相応のスーツをもってきてくれました。サイズなども細かく調整してくれ、ぴったりのスーツに出会うことができました。
  • スーツへの絶え間ない研究心:スーツはクリーニングに出すのが一般的です。しかし最近、スーツ量販店では家庭で洗濯できる生地やしわになりくい生地を使っていることがあるため、毎回クリーニングに出す必要がなくなります。他にも、夏でも熱のこもらないスーツなど、便利なスーツが増えてきています。
  • スーツに特化したアイテムが豊富:また重宝したのが、スーツを着こなすためのアイテムが豊富に取り揃えられている点です。

スーツに特化したアイテムで助かった話をします。

私の場合、洋服の青山でスーツを購入してから、分かったことがありました。スーツはジャストフィットのものを選んでもらいました。しかし、ブラウスはもともと持っていた自前のものを着用しようと洋服の青山で購入しませんでした。

このブラウスは綿素材のもので、生地がふんわりとしていました。そのため、立ったり座ったりを繰り返していると、ブラウスが浮いてきて、だらしなく見えてしまうのです。以下のような感じです。

そこで購入先の洋服の青山にスーツを持っていっていき、「ブラウスが浮かないようにするにはどうしたらいいのか」と相談しました。すると次の写真のように、1000円以下でウエスト部分にずれ防止の補整を行ってくれました。

白い部分がずれ防止の補整してもらったところです。これを付けるとブラウスが上にまくれ上がってくるのを抑えられ、しかもウエスト部分がずれないので、面接時に大変重宝しました。

以下の写真を見てください。やわらかい綿素材のものを組み合わせて立ったり座ったりを繰り返しても、ブラウスが上がってこなくなり、すっきりした着こなしができるようになりました。

このように、スーツを自分の満足いくようにカスタマイズできるのも、スーツに特化した店舗ならではの強みです。もしスーツを購入する必要がある場合、安いスーツでいいので新しくて自分にフィットするものを購入し、良い印象を与えることが大切です。

・スーツのベストな丈はヒップライン

いままで使っていたスーツを面接で着用する場合は、ジャケットの丈を鏡で確認してみてください。ジャケットのベストな丈はヒップラインの一番高いところに裾がくることです。こうすると、すっきりとしてきれいに見えます。次の写真を参考にしてください。

ジャケットからヒップ部分が出すぎていても、隠れすぎていてもアンバランスになり、だらしなく見えてしまいます。必ず、鏡でチェックして、裾の高さを確認するようにしましょう。

・スーツの色は黒か紺

また、スーツの色ですが基本は黒や紺です。

ただ、30代や40代看護師といった年齢を重ねてきた人であれば「一回しか着ないかもしれないリクルート調の黒や紺のスーツに3万円もかけたくない」と思われる方がいるかもしれません。

そこでおすすめなのが、黒に白の細かいストライプが入ったスーツです。やや遠くから見ると、黒に見えるくらいのストライプです。このくらいの主張しすぎないストライプであれば、リクルートスーツには見えません。

そのため、面接以外のほかのシチュエーション、例えば、お子さんの卒業式などでも着こなすことが可能です。以下に私がもっているものを掲載します。

ちなみに、私が看護師をする以前、テレビ局で放送作家をしていた頃に購入したスーツもご紹介します。

以下に紹介するこのスーツは裏地が淡いピンクなのが珍しくて、気に入っています。裏地に誰も注目していないのは承知の上ですが、颯爽とビル街を歩いて、風で裏地がちらっとみえる自分に酔いしれていました。

面接などの堅苦しい場面でなければ、ボタンを留めず裏地をあえて見せることで、黒一色のスーツでもリクルートスーツにはみえません。このようなスーツも30代や40代看護師におすすめです。

ただ、あなたがスーツを購入する目的は、面接で好印象を与えることです。「この人はおしゃれだな」「高そうなスーツを着ているな」「裏地が素敵だな」などと思われる必要はまったくありません。

看護師の基準服はナース服です。きりっとしたスーツ姿で面接に臨んだ場合、あなたをみた採用側は「この人がナース服を着たら、真面目にきびきび働いてくれるだろうな」とイメージしやすくなる色を選ぶように心がけましょう。

・シャツやブラウスは白が基本

ちなみに、スーツの下に着るシャツやブラウスは白が基本です。女性の場合、一番きちんとして見えるのはシャツで、次がブラウスになります。面接のときは男女とも一番上のボタンまで留めておくことが大切です。

シャツやブラウスはユニクロなどでも2,000円くらいで購入できるので、おすすめです。ただし、フリルやレースがついたものは、面接では華美すぎるので止めておいたほうが無難です。

・ネクタイの色は濃いめの青や紺が無難

ネクタイの色は派手なものでなければ、あまり色や柄を気にすることはありません。ただ、濃いめの青色や紺色が落ち着いた印象を与えることができて無難です。柄はストライプがスマートにみえるのでお勧めです。

セミフォーマルでも大丈夫?

中途採用の面接であれば、「セミフォーマルなら大丈夫なのではないか」と考える人がいます。セミフォーマルとなるとスーツほど好印象を与えることはできませんが、それでもラフな服装をするよりは印象は良いです。

また、派遣看護師やパート、一部のクリニックなどの採用面接では、「セミフォーマルでも問題なし」というところがあります。では、セミフォーマルとはどのような服装なのでしょうか。

男性のセミフォーマルといえば、ブラックスーツやディレクターズスーツ(ブラックのジャケットに、ブラックとグレーのストライプのスラックスを組み合わせたスーツ)が基本です。

一方で、女性のセミフォーマルは定義が難しく、「これがセミフォーマル」という服装はありません。実はこれが面接で厄介な点なのです。

自分ではセミフォーマルだと思っていても、採用側からすれば「なぜ面接という大切な場に、このようなラフな服装できたのだ」と思われることがあるからです。

女性のセミフォーマルとは一般的には、テーラードスーツといわれるものになります。テーラードスーツとは、スーツの上着をスーツよりは若干カジュアルにアレンジしたものです。

テーラードスーツでイメージしやすいのは、OLが仕事中に羽織っているものになります。テーラードスーツは光沢のない生地が使われていることが多いです。上下で色が異なっている場合もあります。

またテーラードジャケットであれば、スーツのように肩パットが入っていないため、やわらかめの印象を与えることができます。こちらのテーラードスーツであれば、参観日や懇談会などやや格式ばった会に参加しなければならないプライベートでも使いまわせ、私服とコーディネートしやすいのが特徴です。

このようなテーラードスーツを選ぶ場合、黒か紺といった同色・同素材の上下まとめるほうがすっきりみえます。

ただし、フォーマルなスーツより、セミフォーマルな服装のほうが選ぶのが難しい傾向にあります。人によっては「セミフォーマルではない」と見解が分かれてしまうことがあるからです。

できれば複数の人にセミフォーマルな服装を着てみせて、「この服装で就職面接を受けに行こうと思うけれど、印象としてはどうだろうか」と確認をとるとよいでしょう。

スーツ着用は自信につながる

以上、面接時のスーツに関して細かな点について述べてきました。ここまでスーツ一つにとっても細かな点に注意して面接に臨めば、「私はここまで準備を行った」という自信につながります。

たとえ、看護のキャリアや経験が少なく採用される自信がなくても、このように「準備した」ことを思い出してください。

好印象を与える約半分は、最初の見た目で決まっているのです。きちんと服装を整えて、明るく受け答えができる人のほうがキャリアや経歴よりも好印象を与えやすいのです。

転職の際に、一つひとつの行動を丁寧にとっていけば、それは採用につながっていきます。スーツ着用は、自分で事前準備できる簡単な方法です。ぜひスーツを着用して、面接で好印象を与えるようにしてもらえたらと思います。


看護師転職での失敗を避け、理想の求人を探すには

求人を探すとき、看護師の多くが転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できます。このとき、病院やクリニック、その他企業との年収・労働条件の交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「対応エリア(応募地域)」「取り扱う仕事内容」「非常勤(パート)まで対応しているか」など、それぞれ違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページでは転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

派遣看護師として転職する

・派遣看護師で高時給・好待遇を狙う

一つの職場で働き続けるという形態ではなく、3ヵ月や半年など一定期間だけ勤務する派遣看護師という方法も存在します。高時給を実現でき、人間関係のもつれがなく、「派遣が終わった後は長期の旅行に行く」など自由な働き方を実現できます。

派遣看護師で働く

注目の人気記事

・転職サイトを活用した看護師転職の体験談

看護師として活動するうえで、私自身も転職活動をしたことがあります。このときは転職サイト(転職エージェント)を利用したため、そのときの実体験や方法を踏まえ、失敗しない転職について紹介します。

管理人による転職体験記

・転職エージェントを活用し、看護師転職で成功する

看護師の転職で失敗しない方法として、必ず意識すべきことの一つに「転職サイト(転職エージェント)を活用する」ことがあります。年収交渉や勤務条件を含めすべて代行してくれるからです。そこで、具体的にどのように活用すればいいのかを確認していきます。

転職サイトの活用法

・看護師転職サイトのお勧めランキング

看護師の転職サイトはそれぞれ特徴があります。「対応地域が限定されている」「取り扱う仕事内容に特徴がある」「非常勤(パート)に対応していない」などサイトごとの特性を理解したうえで活用すれば、転職での失敗を防げます。

お勧め転職サイトランキング

新たな看護師の働き方

・美容クリニック・美容皮膚科への転職

夜勤なしで高年収を実現できる求人として、美容クリニック・美容皮膚科があります。死と隣り合わせの職場ではなく、患者さんを美しくする手伝いを行うのが美容クリニックです。

美容クリニックへ転職する

・単発・日払いの高時給求人を探すには

「今月は苦しいため、もう少し稼ぎたい」「好きなときだけ働きたい」など、こうしたときは高時給を実現できる単発・スポットバイトが適しています。健診やツアーナースなど、看護師ではさまざまな単発案件が存在します。

単発・スポットバイトで働く