美容クリニックの看護師へ転職すると、看護技術やスキルが低下するとされており、仕事へのやりがいをどのように見出せばいいのか不安を感じる人がいます。
実際、美容外科に転職した私の友人は、大学時代の講師から「看護師なのに美容外科に勤め始めたの? エステティシャンと同じような仕事に就いたのね」といわれ、ショックを受けたそうです。
確かに同じ看護師でありながら、美容クリニックの看護内容について理解していない看護師は多いです。しかし、美容外科や美容皮膚科に勤める看護師だからこそ、一般病棟の看護師に負けない看護のやりがいや魅力を感じることがたくさんあります。
そこで、美容外科や美容皮膚科など美容クリニックで働く看護師のやりがいや魅力、役割を解説していきます。
もくじ
美容クリニック看護師としてのやりがい・魅力
美容クリニックへ転職するといえば、高待遇・高給与・日勤のみ・残業なしなど多くのメリットがあります。ただ、それだけで仕事を続けるには限界があります。
美容外科の看護師の仕事で感じるやりがいとは一体どのようなものなのでしょうか。それは、以下のような魅力です。
- お客さんから感謝やお礼の言葉をいわれる
- お客さんに頼られ、社会に貢献できたと感じる
- 仕事で認められ、自分の成長を感じる
- 自分の掲げた目標を達成できる
仕事をするのであれば、感謝をされなければ仕事に対してやりがいや魅力を感じなくなってしまいます。逆に感謝やお礼を言われるように仕事をすれば、周囲からも認められ、自分の成長を感じて楽しいと思うことができるのです。
それでは、お客さんから感謝やお礼の言葉をもらうようにするためには、どのように行動したらいいのでしょうか。次に具体的な方法について述べていきます。
お客さんがイメージする以上の結果を出す努力をする
美容クリニックに来院するお客さんは、「いまよりも美しくなりたい」という目標や目的があります。美容クリニックの看護師はお客さんの目標・盲的に向けて全力でのサポートが求められています。
そのためには何を実践すると良いのでしょうか。それにはあなたの知識や技術、感性すべてを使って、お客さん一人ひとりに接することが必須です。
例えば、「美しくなりたい」と若いお客さんが相談のため来院したとします。
しかし一概に美しくなりたいといっても、お客さんによって「なりたい美しさの基準や感性」は異なります。「かわいい」「キレイ」「美しい」といった言葉は流行に左右され、その人によっても浮かぶイメージが違います。
このとき男性の美容外科医であれば特に、若い女性のお客さんがイメージする「かわいい」「キレイ」「美しい」といった言葉のニュアンスの理解が困難なときがあります。
そのようなときは、同じ女性目線で考えられる同年代の看護師のほうが、お客さんの伝えたいニュアンスを的確に把握でき、医師とお客さんの橋渡しによって活躍できます。
例えば「かわいい」という言葉は、どちらかというと一般的に「女の子っぽい癒し系のイメージ」になります。目と目の間隔が広く、目じりが下がって、顔全体がフラットな印象を指します。
「かわいくなりたい」という要望のあるお客さんであれば、どちらかというと眼や鼻、口など顔のパーツの施術は好ましくありません。むしろ、美肌にするなど全体的な印象を改善することから始めると、お客さんの理想とするイメージに近づけていくことができます。
一方で「キレイ」を目指している女性の場合はどうでしょうか。その場合であれば、知的・クール・大人っぽい印象を求めているケースが多く、顔全体の比率を整えることをおすすめするといいでしょう。目の印象を変えたり、鼻を高くしたりするパーツの施術のほうが、お客さんにとって納得いく結果になる場合が多いです。
このように美容整形というのは、本人が希望する「キレイ」「かわいい」をイメージ通り理解して、本人が想像する以上の結果を求められていることになります。
看護師がお客さんの悩みを解決する具体例
そこで、若い女の子の間でよく行われる二重まぶたの施術を例に挙げ、具体的に話をします。このとき、以下のようになります。
「モデルのAさんのような目になりたい」と20代の専門学生Bさんが来院してきました。 そこで医師と話し合い、二重まぶたの施術が決定し、実際に施術を受けました。後日、術後の腫れが引いたBさんは、まさにモデルのAさんと同じ二重まぶたになっていたのですが、なんだか浮かない顔をしています。 Bさんは看護師であるあなたに「鏡で全体的に見てみると、目だけが浮いていて不自然で、おかしい気がする」と伝えてきました。 そこで、Bさんが目指していた「かわいい目」について、あなたはBさんと徹底的に話し合いました。Bさんは看護師であるあなたには本音で話してくれ、希望する二重瞼の幅や角度を決定し、医師にそのことを伝えました。 そうして本人の納得いく形で再手術を受けることになりました。 モデルのAさんとは異なる二重まぶたになりましたが、Bさんの顔の輪郭や鼻立ちからすると、自然でかわいい目元に変わりました。Bさんも満足しています。 |
いまの美容外科の技術では、希望するモデルに似せて目を整形することは簡単です。ただ多くのお客さんは、どのような二重まぶたが似合うかよく分かっていません。モデルの目のパーツだけを切り取って実際にお客さんの顔に合わせてみると、アンバランスになって不自然に見える場合が多いのです。
お客さんが「憧れているモデルのような、はっきりした二重になりたい」と思っていても、顔全体のバランスからすると幅の狭い平行二重のほうが似合うことは多いのです。
パソコン上でお客さんの顔全体を見ながら、まぶたの幅を0.5mm単位で変えて違いを確かめたり、目じりや目がしらにある二重のカーブの角度を微調整したりしなければいけません。
もちろんこれは医師の仕事となります。ただ、先ほどの例でお伝えしたように、お客さんに共感しながらイメージを作り上げていくことができるのは、同性である看護師の役割ともいえます。お客さんが納得し、最終的に満足できるよう施術をサポートすることが看護師には求められているのです。
そうして、結果に満足して喜んでいるお客さんをみると「美容整形の看護師をやっていてよかった」とやりがいを感じることができます。
これは美容クリニックの看護師にしかできない看護です。そのことを日々追究し、看護を喜びに変えていければ、美容外科・美容皮膚科の看護師の仕事の満足度が高くなっていきます。
お客さんに明るくなってもらえる
美容クリニックの看護師は、お客さんのコンプレックスを直すことで内面から明るく、強くするお手伝いができます。
美容皮膚科の看護師では、「外見上のコンプレックスに自分自身が縛られて、ネガティブな考え方に陥ってしまった人」にたくさん出逢います。美容皮膚科を訪れてコンプレックスを取り去り、内面が明るく変わり、笑顔になったお客さんを送り出すのは非常にうれしいです。
他人が放った何気ない外見上のからかいの言葉に深く傷ついてしまい、今後の人生まで大きく左右されてしまうお客さんが多く、勇気を出して美容クリニックの門をくぐるのです。
コンプレックスは誰しも持っています。有名女優やモデルでさえ、コンプレックスを抱えているのです。
ただ、中にはそのようなコンプレックスをつついて「ここもあそこも直したほうがいい」と勧める美容外科の看護師がいるのも事実です。しかしそれは、レベルの低い美容皮膚科の看護師です。
必要のない施術や化粧品を無理に勧めるのではなく、お客さんにとって本当に必要と思える施術や化粧品を勧めて感謝されるほうが、長期的に見れば仕事へのやりがいを感じることができるのです。また誠実に仕事を進めているほうが、確実に売上ノルマを達成できるようになっていきます。
美容クリニック看護師の役割
そうしたとき、美容クリニックの看護師の役割は何なのでしょうか。冒頭にもありましたが、看護師であっても「エステと美容クリニックの違い」について、そもそも理解していない人が多いです。そこで、美容クリニックとエステサロンを比べながら、看護師の役割について解説していきます。
美容クリニックとエステサロンは、どちらも「悩める女性を美しく変えていく」と同じ目的があります。さらに、エステサロンやクリニックのどちらも同じ美容マシンを導入しているケースもあります。
ただ、美容クリニックで行われる美容医療という言葉からイメージされるキーワードは、「高額」「痛そう」「敷居が高い」などのマイナス面です。
一方、エステと聞くと「極上の肌を手に入れる」「癒しの空間を提供する」「外科的処置がないため、体に無理をかけない」といった、やわらかい印象をもっている人が多いです。
しかし、美容クリニックとエステサロンには決定的な違いがあります。それは施術後の「結果」です。それでは、施術による結果の違いとはいったいどのようなものなのでしょうか。
確かに多くのエステサロンは品が良く、おしゃれな内装とリラックスできる環境が施されており、数多くの施術が提供されているのが特徴です。疲れた肌をいたわりながら日々の喧騒から逃れ、心も身体もリラックスできるのでストレスを解消したい方にはおすすめです。
しかし短期間で外見上の悩みを解決したいのであれば、美容クリニックで施術を受けるほうが確実に結果を生み出すことができます。美容外科とエステサロンで同じ美容マシンを導入していた場合でも、美容外科のほうが明らかに優れた施術効果を期待できます。
美容外科・美容皮膚科は短期間で結果が出る
万が一何らかのトラブルが起こったとき、エステティシャンだけでは対処できません。そのため、美容外科でマシンを使用するときの出力よりも低いエネルギーで施術を行う必要があります。反対に、美容クリニックではトラブルに対処できるため、マシンの出力エネルギーを高くして、短期間で施術効果を実感できます。
このようなことから、美容クリニックと同じマシンを使って施術をしたとしても、エステサロンのほうが施術効果は得られません。例えば、エステサロンでも美容クリニックでも施術件数の多い、脱毛の施術効果を考えていきます。
エステサロンで脱毛を行う場合、3~5年にわたり20~30回近く通って施術を受けなければいけません。一方、美容皮膚科などの美容クリニックで医療脱毛を行うと、1~2年の間に約5~8回程度の施術を行うだけでムダ毛は生えてこなくなります。
- エステ:3~5年にわたり20~30回(毛質により異なる)
- 美容クリニック:1~2年で約5~8回
なぜ美容クリニックのほうが、複数回の短期間施術で結果を出せるのかというと、先に述べた通り「医療機関で行われる脱毛のほうがマシンの照射パワーが強いから」なのです。
大手の脱毛専門のエステサロンなどでは、初回の施術であれば数百円で行えるところがあります。ただこの場合、数年かけて何十回も通わなければ思うような結果は生まれません。
もちろん施術料金が安いのは最初の1回であり、「両わき+Vライン」など限られたパーツのみです。残りの数十回は、正規料金となります。そのため施術にかかる費用を総合すると、美容皮膚科の方が安いです。
また同じ施術を行ったとしても、美容クリニックでは医師の監視下で施術が行われているため、万が一のトラブルにも対処できます。
結果として、エステサロンのほうが効果を感じられるまでに時間がかかるため、長期間通う必要があります。同じ施術を受けるとき素早く結果を出したいのであれば、美容クリニックのほうが短期間となるため安価で済み、トラブルも少ないのです。
同じ美容施術でも、エステサロンと比較したとき医療美容のほうが高度な専門的技術を要求されるといえます。
美容外科でのやりがいを理解する
病気の患者さんを相手にするのが一般的な看護師です。ただ美容クリニックで働く看護師だと、病気をもつ患者さんではなく、健康な人と接することになります。
ただ体は健康であっても、外見にコンプレックスがあるので心理的内面に対するケアが必要になります。そうしたとき、看護師の役割が非常に重要になるといえます。
お客さんに対して最適なアドバイスを提供することで、お客さんがいまよりもキレイになり、お客さんのコンプレックスが解消される手助けを行えるのが美容外科・美容皮膚科で働く看護師のやりがいです。またお客さんから感謝されれば、仕事が楽しいと思えるようになります。
病院で勤めるときとは、まったく違った役割を担うのが美容クリニック看護師です。こうした看護師の魅力を理解し、女性をキレイにする仕事を検討するようにしましょう。
看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。
個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。
ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。
これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。