同じように看護師として働くのであれば、高年収を目指したいと考える人は多いです。そうしたとき、看護師の中でも非常に高い収入となるのが美容外科・美容皮膚科で働く看護師です。

保険診療ではなく自由診療のため、特殊な医療になりやすいのが美容医療です。ただすべて自費のため、一般的な病院よりも収益性が圧倒的に高いという特徴があります。その結果、かなり儲かるようになり、看護師の給料も高いです。

それでは、高い給与を実現できる美容看護師とはいっても、平均でどれくらいになるのでしょうか。また、美容クリニックごとに手取りは異なるのでしょうか。

当然ながら、給料という点だけで考えても美容外科・美容皮膚科への転職では事前に考えるべきポイントがいくつも存在します。高い収入を目指すとき、看護師がどのように考えて中途採用募集を見ればいいのか確認していきます。

美容外科・美容皮膚科の平均年収は病院並みに高い

病院で働く看護師だと、平均年収が一般的な職業の人に比べて高額であることが知られています。看護師だと病院で働く場合が非常に多く、看護師の平均年収は478万2700円となっています(厚生労働省:賃金構造基本統計調査)。

参考までに30代の年齢で考えると以下のようになります。

平均年収平均給与
30~34歳409.5万円 34.1万円
35~39歳467.3万円38.9万円

平均年収が約480万円とはいっても、20代や30代前半では低めの給料となります。また、これには時間外勤務手当や夜勤手当、家族手当なども含まれます。

一方で美容クリニックの場合、当初から病院看護師の平均年収と同じくらいの収入になるケースはよくあります。つまり、同じ20代や30代で夜勤ありにて勤務している看護師よりも高年収になります。例えば、以下は東京にある美容クリニックの中途採用募集です。

美容看護師として働くことで、当初から年収472万円ほどです。夜勤なし・残業なしという状況にも関わらず、看護師の平均年収と同じくらいの給料を実現できるのが美容クリニックです。

もちろん最初の提示額であるため、より仕事に慣れて勤務年数が上がれば収入は上昇していきます。こうしたことからも、美容外科・美容皮膚科で働く看護師は圧倒的に高い給料を実現できることが分かると思います。

通常のクリニックより、平均100万円は高収入になる

また美容看護師だと病院看護師の平均年収と同じまたは高い水準からスタートするようになりますが、一般的なクリニックに比べるとさらに給与水準は高くなります。

病院でもクリニックでも基本給はほとんど変わりません。ただ病院看護師では、クリニックよりも平均年収が100万円ほど高いです。これは、それだけ夜勤手当や時間外手当が加算されているからです。夜勤の分だけ、病院看護師はクリニック看護師よりも平均年収が100万円ほど高くなると考えましょう。

一方で美容クリニックの看護師では、日勤のみにも関わらず最初から病院看護師と同等の給料となります。もちろん最も低い水準でこの給料のため、美容クリニック全体の平均年収はさらに上がります。

ただいずれにしても、美容外科・美容皮膚科へ転職するだけで通常のクリニックよりも100万円以上は高収入になるのが当然だと考えましょう。

年収500万円以上は普通だが、ノルマの有無で全体の収入が変わる

こうした現状のため、美容クリニックできちんと働けば年収500万円以上になるのは特に珍しいことではありません。

ただ年収額については、当然ながら求人先の美容外科・美容皮膚科によって大きく異なります。特に、ノルマの有無によって収入が大きく左右されると考えるようにしましょう。

看護師で営業経験のある人はほぼ存在しません。そのためノルマの存在についてためらう人は多いです。ただノルマの有無については、インセンティブとして反映されるようになります。こうしたインセンティブがボーナスとして上乗せられるのです。

インセンティブが給料全体の2割以上を占めるようになるのは特に珍しくありません。例えば給料は月30万円ほどであっても、インセンティブによるボーナスが支給され、年収500万円を大幅に超えることはよくあるのです。

そうはいっても、「ノルマなしがいい」という看護師は多いです。ただノルマなしであっても、非常に高額な月収となるのは変わりません。例えば、以下は大阪にある美容外科・美容皮膚科の中途採用募集です。

個人ノルマなしの美容クリニックですが、月の収入は30万円です。ノルマなしなのでインセンティブ制度はないものの、ボーナスが加わることで高額な年収となるのは同じというわけです。

もちろんノルマありの美容クリニックで働く看護師に比べると、どうしても全体的な平均年収は下がります。ただ、それでも高給料なのは同じなのです。

福利厚生まで考え、手取りを意識する

しかし看護師が考えるべきは目先の給料だけではありません。提示される年収だけを考えても意味はなく、手取りまでを意識する必要があります。このとき、全体的な福利厚生まで考えるようにしましょう。

例えば年収500万円の看護師では、さまざまな税金を引かれて手取りは約390万円になります。ただ、ここに福利厚生を加えれば高額な手取り年収を増やすことができます。

分かりやすい例としては、家賃補助があります。病院看護師であれば、非常に安い値段で住居を提供してくれることが広く知られています。これは美容クリニックも同様であり、借り上げ社宅として非常に安い金額で住めるケースはよくあります。

例えば、本来は月6万円ほどの家賃であっても毎月の負担額が1万円の場合、差額の5万円について毎月の手取り額が増えているといえます。年額60万円であるため、かなりの手取り増加といえます。

他には、美容外科・美容皮膚科では社割を取り入れているケースがよくあります。例えば以下の美容クリニックでは、美容施術が半額になります(脱毛を除く)。

美容外科・美容皮膚科へ転職する看護師だと、美容医療に興味のある人が多いです。このとき美容施術が圧倒的に安くなるため、その分だけお金を節約できるようになります。

こうした「実質的な手取り収入に関わる福利厚生」がどれだけ存在するのか確認するようにしましょう。提示される給料だけで考えるのは意味がなく、福利厚生まで含めてトータルで収入の内容を見なければいけません。

営業が得意なら年収700万円・年収800万円も可能

なお美容クリニックで活躍することで年収500万円以上になるのは特に珍しくありませんが、場合によっては年収700万円や年収800万円なども可能です。

看護師として起業する場合は別として、雇われの場合は病院の看護師長であっても年収700万円や年収800万円はほぼ不可能です。年収600万円ほどなら頑張れば可能ですが、それ以上となると限界があると考えましょう。

一方、雇われであっても唯一、年収700万円や年収800万円が可能な職場が美容外科・美容皮膚科です。

前述の通り、ノルマありの場合はインセンティブが加えられるようになります。お客さんに商品を勧めることで美容施術を受けてもらったり、商品を購入してもらったりするのです。

医療機関だと、医師がすべての治療内容を決めます。ただ美容クリニックの場合、お客さんが施術内容を決めます。これが大きな違いであり、お客さんに最適なサービスを紹介し、施術を受けてもらうことで営業成績が上がってくるようになるのです。

無理なく勧め、リピートを獲得すれば給料・ボーナスが上がる

なお営業というと、無理やりお客さんに商品を売りつけるようなイメージをもつ人が多いです。ただ美容クリニックの看護師として働く場合、訪問営業をするわけではありません。美容に対して、既に興味をもっているお客さんが向こうからやってくるため、営業という意味では非常に楽だといえます。

要は、無理なく商品やサービスを勧めればいいです。

例えば美容施術を受けた人については、「アフターケアはこの商品を使うと、より治りが早く、傷口が目立つようになることはありませんよ」と紹介します。そうすれば、ほぼ確実にその商品を購入してくれます。

何の理由もなく商品を売る場合、お客さんからは敬遠されます。ただ、「術後のケアに非常に効果的」という理由を添えて売れば、ほぼ売れてしまうというわけです。

こうして無理なく商品を紹介していき、お客さんからのリピートを獲得していけば、自然とあなたの給料・ボーナスは上がっていきます。頑張って商品を売ろうと考えるのではなく、お客さんが欲している商品を提供すれば、自然とボーナスが増えて年収700万円や年収800万円を達成できるのです。

給与の高い美容外科・美容皮膚科の求人へ転職する

一般的な看護師に比べると、圧倒的に高年収を実現できる職場が存在します。それが美容クリニックの看護師です。

病院看護師は一般的に高い給与となります。ただ夜勤なし・残業なしにも関わらず、美容クリニックで働く場合、最初から病院看護師の平均年収並みの収入を得ることが可能です。また美容外科・美容皮膚科の方針にもよりますが、営業成績が良ければ年収700万円や年収800万円なども可能です。

ただ、こうしたインセンティブによるボーナスや提示される給与だけでなく、福利厚生などその他の要素についても着目するようにしましょう。福利厚生は手取りに大きく影響するため、求人を見るときは必ず確認しなければいけません。

いずれにしても、美容クリニックでは普通では無理な高い給料となります。ただ注意点があるからこそ、どのような働き方を実現したいのか考え、優れた収入となる美容外科・美容皮膚科の中途採用募集に申し込むようにしましょう。


看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。

個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。

ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。

これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。