看護師が転職を考えて中途採用の募集に申し込みをするとき、中には看護師としての経験年数が浅い人がいます。看護師になって1年目や2年目の人がこれに該当します。
社会人として就職し、3年未満の人を第二新卒といいます。こうした第二新卒の人だと、ある程度の年数を社会人として経験しているわけではないため、転職時のスキルや知識についてはどうしても劣ってしまいます。
ただ第二新卒はその分だけ年齢が若いです。そのため転職市場では重宝されやすい存在となりやすく、結果として美容外科・美容皮膚科の中途採用募集に申し込んだとしても問題なく採用されます。むしろ、第二新卒は美容クリニック転職で有利だといえます。
しかし、何でもいいので転職すると失敗します。事前にどういう求人が優れるのか理解しておかなければいけません。そこで、「就職して1年目や2年目の看護師が美容クリニックへ転職して成功する方法」について解説していきます。
もくじ
1年目や2年目で看護師転職するのは普通
一般的に看護師が資格を取得して学校を卒業した後は、病院へ勤務します。ただ病院によっては、自分が思い描いていた職場とは違っていたり、働くときの環境が悪かったりします。
私についても、新卒1年目は大病院で勤務しました。ただ慢性期病棟への配属であり、毎日行うのは入浴介助やおむつ交換などの仕事でした。採血や点滴を行うことはなく、採血すらできない看護師としてスキルの向上なしに過ごすことになりました。
そのため半年ほどで退職を決意し、転職活動を開始したという経緯があります。つまり1年目や2年目の看護師の中でも、「経験1年未満にて採血すらできない状態」で転職をしたわけです。ただそれでも、いまでは満足のいく職場で勤務できています。
第二新卒の看護師が転職することを考えたとき、心配になる点として「自分のスキルはそこまで高くないのに問題ないのか」と考えることがあげられます。ただ私の事例から考えても、特に心配する必要はありません。
美容医療の看護は特殊になりやすい
また実際のところ、いくらそれまで過去に看護師として優れた知識や技術があったとしても、美容クリニックでは役に立たないケースが多いです。これは、美容外科・美容皮膚科では仕事内容が特殊になりやすいからです。
一般的な診療科でも、精神科や眼科は仕事内容が特殊になりやすく、他の科での経験が役に立ちません。同様に、これらの科を経験していたとしても、内科などへ転職するときはゼロから覚えなおす場合が非常に多いです。
同じ状況は美容外科・美容皮膚科でも起こります。例えば、以下は美容皮膚科の求人にある仕事内容です。
このように、レーザー処置やピーリング、脱毛などが業務内容です。病院でこうした施術を実施することはなく、美容クリニックで最初から覚えなおす必要があります。
そのため、美容外科・美容皮膚科への転職を考えるとき、看護師としての経験が少ないことを心配する必要はありません。美容看護が未経験なのであれば、「第二新卒の看護師でも、5年以上の病棟経験がある人でも同じ土俵に立っている」といえます。
美容外科・美容皮膚科が第二新卒を採用するメリットは大きい
また美容クリニックにとっても、第二新卒を採用するメリットは非常に大きいです。これは、新卒のようにゼロの状態から教える必要がないからです。
新卒と比べたとき、第二新卒では「お客さんに対して、どう接すればいいのか理解している」「社会人としてのマナーがある」などの利点があります。また、それでいて医療現場での大変さも理解しているため、働くときに順応しやすいです。
転職市場では、第二新卒の転職が非常に盛んです。これは、経験年数は少ないながらも社会人経験があることが評価されるからです。
・転職市場は年齢が若いほど価値が高い
一方で美容クリニックの場合、実際のところベテラン看護師よりも第二新卒のほうが有利です。前述の通り美容看護師は業務内容が特殊なので、それまで過去の経験はそこまで役に立ちません。そのため1年目や2年目であろうが、ベテラン看護師であろうが特に関係ありません。
さらにいうと、転職市場では年齢が若いほど価値が高いです。つまり「1年目や2年目で20代前半の看護師」と「10年ほど病院勤務した30代の看護師」では、圧倒的に20代前半の看護師のほうが重宝されます。
これについても、第二新卒での転職を心配する必要がない理由だといえます。美容外科・美容皮膚科での転職だと、むしろ1年目や2年目の看護師のほうが採用試験で有利になりやすいのです。
臨床経験1年以上なら、未経験でほぼ申し込みできる
それでは、実際のところ第二新卒はどのように考えて求人を選べばいいのでしょうか。このとき、美容クリニックへ転職を考える人だと、大多数が未経験での転職になります。既に美容医療を経験している人は少なく、一般的な病院やクリニックなどで勤務していた人が求人へ申し込みます。
そのため美容外科・美容皮膚科の求人のほとんどは、未経験であっても申し込みできるようになっています。
ただ条件があり、「臨床経験が1年以上の看護師」と限定しているケースはよくあります。病棟などでの看護師経験があれば、それだけすぐに看護師として職場に順応してくれるからです。
例えば、東京にある以下の美容皮膚科がこれに該当します。
美容医療の未経験でも問題ないものの、応募条件は病棟勤務1年以上の看護師経験です。そのため新卒1年目の人はこの求人に申し込むことはできず、2年目以上の人(看護師で1年以上を働いた人)のみが対象になります。
もちろん、看護師としての経験年数を問わない求人もたくさんあります。そのため1年目の看護師でも問題ないケースは多いですが、求人によってはこのように臨床経験1年以上としていることがあります。そのため第二新卒の人は、転職時にいまの経験年数を考慮するようにしましょう。
わざわざ第二新卒を歓迎する求人がある
また多くの求人では、わざわざ第二新卒を歓迎するように求人票に記載しているわけではありません。年齢制限については述べている場合があるものの、1年目や2年目の看護師は元々が採用に有利のため、敢えて記すことはしていないのです。
ただ美容外科・美容皮膚科の中途募集の中には、「第二新卒を歓迎」とわざわざ記していることもあります。
これまで述べた通り第二新卒だと、新卒やベテラン看護師に比べて採用が有利になりやすいです。年齢が若く、それでいて社会人経験があるからです。ただ実際に転職活動を進める本人にとってみると、「看護師経験が少ないのに問題ないのか」と不安になる人が多いです。
そのため、わざわざ「第二新卒を歓迎」と記すのです。例えば、以下は東京や大阪に限らず、広く全国展開している大手の美容クリニックの求人募集です。
このように、臨床経験1年目や2年目の第二新卒に対して、広く中途採用を実施していることを記しています。新卒と同等の集合研修も実施するため、これについては大手ならではといえます。
美容医療では、現場教育の手厚い求人が優れる
なお第二新卒に限らず未経験の美容看護師全員に共通しますが、このときは教育制度の優れる美容外科・美容皮膚科の求人を選ぶようにしましょう。
研修というよりも、転職後はプリセプター制度などOJTの内容がどのように充実しているのかが重要になります。結局のところ、仕事は現場で覚えていくことになるからです。
美容医療の未経験であれば、お客さんへの接し方や施術の案内方法など、最初から教えてもらわなければ仕事を理解できません。そのため1年目や2年目として転職後に活躍できるよう、転職時は給料や勤務時間などの条件面だけでなく、教育研修制度の中身に着目する必要があります。
例えば私が勤務する職場では、新たに入ってきた看護師について以下のようなチェックリストを利用しています。
こうしたチェックリストがあるため、自分の過去を振り返ってみたときに「新たに働き始めて、最低限の知識やスキルを身に付けているかどうか」を把握できるようになっています。
もちろん、必ずしもこうしたチェックリストがなければいけないわけではありません。ただ私の職場ではこうしたチェック書類を利用することで、入社後に「問題なくスキルを身に付けているのか」について客観的に確認できるのです。
いずれにしても、教育制度にどれだけ力を入れているのか確認することは、第二新卒の転職で非常に重要だといえます。
第二新卒で美容外科・美容皮膚科の中途採用募集へ申し込む
看護師として働くとき、通常は患者さんを相手にします。ただ医療機関というより、健康な人を相手にする美容クリニックでは、来院してくる人はお客さんです。また施術内容も特殊なため、ゼロから覚えなおすことになります。
そのため臨床経験さえあれば、第二新卒でもベテラン看護師でも大きな違いはありません。むしろ年齢が若いため、1年目や2年目の看護師は有利です。求人先が求める臨床経験の年数には注意が必要になるものの、年齢が若いことは大きな強みといえるのです。
ただ、このときは年収や勤務時間というよりも、教育制度がどれだけ整っているのかに着目するといいです。それまで過去の仕事内容とは大きく異なるため、早く仕事を覚えられるように環境を整えることで、お客さんに貢献できるようになります。
経験年数が浅いため、臨床経験1年目や2年目の看護師は転職で不安になりやすいです。ただ美容クリニックへの転職では、こうした実情になっていることを理解したうえで、年齢が若く転職に有利な早い段階で優れた求人募集を探すようにしましょう。
看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。
個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。
ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。
これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。