夜勤なしにて残業なしで帰宅できるため、美容クリニックで働く看護師に大きな魅力を感じる人は多いです。ただ、このとき同時に不安を覚える人もいます。それは、美容クリニックに存在する個人ノルマです。

営業ノルマがあるとなると、非常に大変なように思ってしまいます。特に病院やクリニック、施設で働く看護師の中で営業経験のある人はほとんど存在しません。それまで過去には一般的な患者さんのみを相手にしているため、ノルマがあるとなると動揺してしまいます。

このとき、すべての美容外科・美容皮膚科の求人でノルマを課せられるわけではありません。ノルマなしとなるケースもよくあります。

そのため心配な場合はノルマなしの求人を選ぶといいです。ただその場合、インセンティブもありません。そのためメリット・デメリットを見比べる必要があるため、これらの内容を含めて解説していきます。

美容クリニックで個人ノルマを課せられる可能性

医療保険を活用する医療機関とは異なり美容クリニックでは、患者さんではなくお客さんを相手にすることになります。すべてが自由診療であり、しかもそれなりに高額な施術サービスを提供することになります。

そのために一般的な医療機関よりも圧倒的に儲かるわけですが、問題なのは、美容外科・美容皮膚科によっては看護師に対して個人ノルマを課す点です。

病院に比べると、看護師はお客さんと施術内容について話し合う場面が多くなります。病院やクリニックだと施術内容はすべて医師が説明するケースがほとんどです。ただ美容クリニックだと、医師だけでなく看護師も医療内容について深く理解しなければいけません。

また収益の対象は整形手術やレーザー治療だけではなく、化粧品などその他の商品をお客さんに説明し、販売することもよくあります。

こうした美容施術勧誘や商品販売などについてはノルマがあるため、営業経験のない看護師は美容外科・美容皮膚科への転職をためらってしまうのです。

「美容クリニックは収益性が高い」という事実は広く知られており、夜勤なしにも関わらず看護師は高額な給料となりやすいです。ただ高年収の理由には、「ノルマを含む」という現状があげられます。

インセンティブ制度があると確実にノルマあり

このとき、中途採用の求人に「当院にはノルマがあります」と記載されているケースはほとんどありません。そうした求人は敬遠されるからです。ただ表現を変えており、求人票では「インセンティブがあります」と記されるようになります。

例えば、以下は横浜にある美容外科クリニックの求人です。

「インセンティブ制度有=ノルマあり」といえます。そのためノルマなしでの転職を考えている場合、インセンティブ制度のある中途採用は避けなければいけません。

個人ノルマなしでも、店舗全体のノルマ有無を見るべき

ただ、「個人ノルマなし」と求人票に記載されていたとしても安心してはいけません。これについては、あくまでも個人に対するノルマがないだけかもしれないからです。

例えば以下の大阪にある美容クリニック求人では、個人ノルマなしとなっています。

しかし美容外科・美容皮膚科には「店舗ごとのノルマ」を課しているケースがよくあります。大手のクリニックでは特に、こうした店舗でのノルマが存在することがあるのです。

確かにあなた個人に課せられるノルマはないかもしれません。ただ店舗ごとのノルマが存在することにより、結局のところ頑張ってお客さんに対して営業をしなければいけなくなります。つまり「個人ノルマなし」とあったとしても安心はできません。

探せばノルマなしの美容外科・美容皮膚科の求人は存在する

そのためノルマなしの中途採用募集を探しているのであれば、本当の意味でノルマなしの求人を選ぶようにしましょう。実際のところ、インセンティブ制度有の美容外科・美容皮膚科は非常に多いため、営業ノルマが存在するケースは多くなります。

ただ中には、ノルマなしの美容クリニックも存在します。例えば、以下の美容クリニック求人がこれに該当します。

「ノルマ・勧誘電話はない」とあり、看護師がお客さんに対して何らかの営業活動をすることはないと理解できます。

個人ノルマなしであっても、営業の電話をかけたり、頑張って化粧品を売る必要があったりする美容クリニックはたくさんあります。こうした現実を理解したうえで営業が苦手な場合は、完全にノルマなしの中途採用募集を探すようにしましょう。

インセンティブが付与されないデメリット

ただ当然ながら、ノルマなしの場合はインセンティブ制度が存在しないことを意味しています。どれだけ売上を作ったのかを示す成績のご褒美として、インセンティブに反映されるのです。

美容商品や美容施術をお客さんに勧めて売れば、その分だけ美容クリニックは儲かります。こうした売り上げや儲けの一部がインセンティブとしてボーナス(賞与)などに上乗せされると考えましょう。

ただ個人やクリニックごとのノルマがない場合、当然ながらインセンティブとしての給料上乗せはありません。

インセンティブ有の場合、「通常の給料やボーナスとは別に、年収の2割以上がインセンティブ」などの状況は普通であり、非常に大きな副収入になります。その結果、ノルマなしではどうしても給料が下がってしまうといえます。

・接客が好きな人はノルマありが優れる

そのため接客好きの人にとってみれば、ノルマありのほうが優れます。インセンティブが付与されるため、お客さんが欲するサービスを売ることで満足してもらえれば、それに応じてさらなる高年収を得られるからです。

どれだけ自分の成績が優れていたとしても、それが業績給として反映されなければやる気が起こりません。

ノルマなしの求人は優れているように思ってしまいますが、インセンティブがゼロになってしまい、医療機関と同じように、頑張っても頑張らなくても給料が一律になる実状を理解しましょう。

ノルマなしでも給料が高いのは基本

なお「ノルマなしでインセンティブがない分だけ、どうしてもノルマありの美容外科・美容皮膚科と比べると全体の給料は下がる」という現状は先に述べた通りです。個人やクリニック全体で目標を達成したときの追加ボーナスが存在しないからです。

ただ、そうしたノルマなしの美容クリニックであったとしても、一般的な病院看護師に比べて年収が優れるのは変わりないと考えましょう。夜勤なし・残業なしにも関わらず、夜勤ありの病院看護師と同等またはそれ以上の給料になるのです。

例えば以下の東京にある美容外科では、ノルマなしにも関わらず月33万円以上の給料です。

未経験の転職であっても当初からこうした給料になるため、圧倒的に高年収を実現できることが分かります。

確かにノルマあり(インセンティブ制度有)の美容クリニックに比べると、全体の給料額は落ちる傾向にあります。ただそれでも、一般的な病院やクリニック、施設で勤務するよりも優れた勤務条件によって高年収を実現できる事実は変わりません。

営業ノルマの有無で中途採用募集を選ぶ

美容クリニックへの転職で多くの人が心配する問題点に営業ノルマの存在があります。病院で勤務する看護師は営業職ではないため、美容外科・美容皮膚科に存在する営業ノルマにためらってしまうのは当然だといえます。

そうしたとき、ここまで紹介したように営業や勧誘活動がない求人が存在します。そうした中途採用に申し込めば、ノルマに悩まされることはありません。

ただノルマはインセンティブという形で給料に反映されるため、ノルマがない分だけ自分の年収には当然ながら反映されません。そのため、インセンティブ有の美容クリニックよりも給料が低くなりやすいことを理解しましょう。しかし、ノルマなしであったとしても病院看護師より優れた条件で勤務できるというわけです。

美容外科・美容皮膚科への転職でノルマなしは可能です。ただ求人選びの注意点を理解したうえで、どのような募集に申し込むべきなのか事前に理解するようにしましょう。


看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。

個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。

ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。

これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。