看護師にとって人気となる職場の一つが美容クリニックです。特に育児中のママ看護師にとって、病院ではなく美容外科・美容皮膚科への転職や復帰を考える人は非常に多いです。

病院勤務だと、どうしても夜勤を避けることができません。そうなると家族との時間を合わせることができず、不規則な生活になってしまいます。また、こうした環境で子持ちの看護師が子育てを続けることはできません。

そうしたとき美容クリニックの求人を正しく選び、子育てに適した勤務形態を確認することで、優れた条件の美容看護師として活躍できるようになります。

ただ当然ながら、事前に注意するべきポイントがいくつか存在します。ここでは、子持ちのママ看護師が美容求人へ転職するときに考えるべきポイントについて記していきます。

夜勤なしで高収入のため、子育てや出産後の復帰で人気

育児中の美容看護師というのは、どうしても人気になりやすいです。出産後の職場復帰や子育てをするうえで、単純に優れた条件が整っているからです。

知っている通り、美容外科クリニックでは夜勤なしです。美容整形外科では手術をするケースが多いものの、どれも日帰り手術です。日勤のみの勤務となるため、病院勤務のように夜勤の有無で子育てに悩むことはありません。

また一般的なクリニックについても夜勤はないものの、このような求人ではどうしても年収が低くなります。子育てをする以上、どうしても出費が多くなります。そのため稼がなければいけませんが、夜勤ありの病院勤務からクリニックへ転職すると、それだけで年収が100万円以上下がるのが基本です。

しかし、美容クリニックの看護師は高年収です。例えば以下は東京にある美容クリニックですが、当初から月収30万円です。

月30万円以上であり、こうした給料になるのは美容外科・美容皮膚科ではわりと普通です。一般的なクリニックでは無理ですが、このような収入を実現できます。

また夜勤なしにも関わらず、ボーナスを加えると「夜勤ありの病院勤務」と同程度またはそれ以上の年収になります。そのため病院勤務のときに比べて年収を落とさずに日勤のみの勤務を考えたとき、子持ちママにとって美容看護師が優れるようになるのです。

土日出勤が基本になる美容外科の看護師

ただ美容外科・美容皮膚科への転職を検討するとき、美容整形外科の看護師になるには事前に考えなければいけないことがあります。それは土日出勤です。

一般的なクリニックであれば日祝日休みです。土曜日は開業しているものの、日曜日や祝日は閉まっています。しかし、美容クリニックでは病院と同じように日曜日や祝日も開院しているケースが非常に多いです。病院のように24時間ではないものの、日曜日や祝日の休みがほぼないのです。

例えば以下は大阪にある美容外科・美容皮膚科ですが、平日・土日オープンは当然として、祝日も平気で開院していることが分かります。

子育て中のママ看護師が美容整形外科に転職する場合、この問題を解決しなければいけません。子供が小さいにも関わらず、土日・祝日出勤を続けることはできません。通常の保育園では、日曜日や祝日は閉まっているからです。

まさか小さい子供を家に一人置き、仕事に出かけるわけにはいきません。美容クリニックの看護師は条件が良いものの、子持ち看護師にとって一番の障壁が「美容クリニックでは、土曜日はもちろんのこと日曜・祝日も平気で開院している」という現状になるのです。

託児所付きの中途採用募集を探す

そこで、この問題を解決する一つの方法に託児所があります。病院で託児所が存在するのは看護師であれば誰でも知っています。ただクリニックについても、美容外科・美容皮膚科を含めてたくさん院を有する大手の場合、託児所を保有しているケースがあります。

一般的なクリニックだと、託児所を有するケースはほとんどありません。仮にクリニックで提携先の保育所があったとしても、さすがに日曜日や祝日は利用できません。

ただ美容クリニックは自由診療という性質上、非常に儲かるようになっています。そのため経済力があり、看護師に対する福利厚生として託児所を有することがあるのです。特に個人クリニックではなく、大手だと福利厚生が整っている場合が多く、子育て中のママ看護師でも託児所があれば働きやすくなります。

例えば以下は、名古屋にある美容クリニックの中途採用募集です。

この求人の場合、託児所ありだけでなく勤務時間が18:00までとなっています。美容外科では夜遅くまで営業しているケースがあるものの、そうしたことがなく育児中の看護師の転職や復帰に最適だと分かります。

もちろん美容クリニック全体の数から考えると、託児所ありの中途採用は少ないです。ただ子持ち看護師の場合、現実的にこうした求人を選ばなければ働くことができません。そこで、このような中途採用を探す必要があります。

パート勤務の美容看護師で土日休みにするのは可能

または、パート勤務の美容看護師として活躍する方法でも問題ありません。美容クリニックの常勤で土日休みを目指すのはほぼ不可能です。一方で託児所を見つけるにしても、その条件を満たしている中途採用募集の数はどうしても少なくなります。

しかしパートとして非常勤雇用となる場合、自由に勤務時間や曜日を選ぶことができます。常勤では勤務する曜日を自由に選ぶのは無理ですが、パートなら可能になるのです。

正社員は土日祝日を含めて働いているものの、あなたはパートとして平日のみ働くことが可能です。これであれば、「夜勤なし」「平日のみ」「残業なし」のすべての条件を満たせるようになります。例えば、以下は名古屋の美容クリニックから出されたパート求人です。

この美容外科・美容皮膚科では週3~5日で勤務できる美容看護師を探しています。美容クリニックの求人ですが、非常勤での募集のため平日のみの勤務が可能です。また、午前のみでも問題ありません。このように働き方を調節できるのがパートでの美容看護師です。

また時給は2,000円となっており、給与面で心配する必要はありません。仮に土日休みでフルタイム勤務した場合、月収は以下のようになります。

  • 時給2,000円 × 1日8時間 × 月20日 = 32万円

このように給料は高いです。美容クリニックであれば、パートであっても年収を落とさずに土日休みで勤務することが可能です。これなら、子供を保育園に預けて働くことができます。もちろんフルタイムパートなのか、それとも週3日など働く日を少なくするのかはあなたの自由です。

夜遅くまで働かないといけない求人は避ける

そうしたとき、子供を預ける施設の問題を解決しておくべきなのは当然として、育児中のママ看護師は他に何に注意するべきなのでしょうか。これについて、美容クリニックでは営業時間に注意するようにしましょう。

先ほど少し触れましたが、美容外科・美容皮膚科では夜遅くまで営業していることがよくあります。一般顧客を相手にするため、会社帰りのOLが通いやすいように配慮するのです。そのため、20:00や21:00まで営業しているケースは特に珍しくありません。

例えば、以下は大阪にある美容皮膚科での求人募集です。

このように、平日は21:00までの営業となっています。そのため、実際のところ子育て中のママ看護師でこれらの求人は微妙です。

そうではなく、以下のような求人を探しましょう。

  • 営業時間が18:00まで
  • 早番のみ(または時短勤務)の勤務が可能

保育園の延長保育を考慮すると、19:00までには迎えに行かなければいけません。子供が小学校に通っているにしても、いずれにしても19:00までに帰宅するのは必須だといえます。そのため一般的なクリニックと同じように、18:00までが営業時間の美容クリニックは子持ち看護師にとって優れています。

または、遅くまで営業している美容クリニックであったとしても、早番のみ(または時短勤務)が可能かどうかを確認しましょう。

21:00まで開業しているクリニックでは、どこも早番と遅番でシフトを組んでいます。こうしたシフトの中で遅番を受けるとなると、子育てが無理です。そこで転職・復帰する前に勤務時間の条件を聞いておくのは必須だといえます。

美容外科より、美容皮膚科だと負担が少ない

ちなみに美容クリニックへ転職するとき、美容整形などオペを広く取り扱う美容外科があれば、オペなしの美容皮膚科もあります。このとき育児中のママ看護師にとって人気になりやすいのは、オペがない美容皮膚科だといえます。

入院のない日帰り手術とはいっても、美容外科ではオペがある以上、どうしても負担は大きくなります。一方で手術がなく、レーザー治療がメインとなる美容皮膚科であれば、看護師としての業務負担は軽くなります。

もちろんオペ看護の経験を積みたい場合、美容外科を積極的に選んでも問題ありません。また美容皮膚科だけに限定してしまうと、求人の数が限られてしまいます。ただでさえ倍率が高く、平気で面接落ちになる美容クリニックなのに、最初から選択の幅を狭めるのは良くありません。

ただ一般的に美容外科に比べると、美容皮膚科のほうが子持ちママ看護師にとっては長く働きやすいことは理解しましょう。そのため美容クリニックへ転職するにしても、子育て中なのであれば、美容外科よりも美容皮膚科に重点を置いて中途採用募集を探すことをおすすめします。

35歳の年齢制限に注意が必要

ただ子育て中のママ看護師が美容クリニックへの転職を考えるとき、必ず注意しなければいけない点があります。それが年齢制限です。

多くの場合、美容外科・美容皮膚科では年齢制限があります。転職市場では年齢が若いほど価値が高く、年を重ねるごとに価値は低くなります。看護師は人材不足なので例外的に50代や60代でも問題なく転職できますが、一般企業では35歳を過ぎた時点で価値がなくなります。

ただ美容クリニックの場合、元々が人気求人なので、看護師であるにも関わらず年齢制限を設けているケースがよくあります。例えば、以下は35歳以下の看護師でなければ応募できない美容クリニック求人です。

もちろん、美容外科・美容皮膚科ごとに採用の判断基準は異なります。ただいずれにしても、美容クリニックだとこうした年齢制限が広く存在する実状を理解しましょう。

妊娠・出産を経験している看護師だと、20代前半のような人はほとんどいません。若くても20代後半であり、30代や40代で復帰を目指す人も多いです。そうしたとき、いますぐ転職活動を開始しなければ条件の良い美容クリニックへの転職はできなくなってしまいます。

あなたの人生で最も若いのは「いま現時点」であり、転職・復帰の時期を後倒しにするほど、優れた美容クリニックへの求人に申し込めなくなってしまいます。そのため、美容クリニックへ興味がある場合はいますぐ行動に移さなければいけません。

病院や施設のように年齢に関係なく申し込めるわけではないため、子持ちママ看護師は年齢制限の存在に注意しましょう。

育児中のママ看護師でも美容クリニック転職は可能

一般的な医療機関とは異なるため、子持ちママだと美容看護師としての転職をためらうことがあります。ただ勤務条件としては非常に優れており、夜勤なしにも関わらず、夜勤ありの病院看護師と同じ(またはそれ以上)の高年収を実現できます。

ただ美容クリニックは、土曜日はもちろんのこと日曜日や祝日も平気で営業していたり、夜遅くまで開院していたりします。そこで、中途採用に申し込むにしても事前に「託児所はあるか」「パート勤務で土日休み可能か」などを確認しなければいけません。当然、何時まで勤務するのかは重要です。

子育て中だと、どうしても働き方に制限が出てくるのは当然です。これらの現実を理解したうえで求人を探さないと、転職・復帰後に後悔します。

そうはいっても、病院勤務に比べると夜勤はなく勤務方法を柔軟に考慮してくれやすいのが美容クリニックです。求人のポイントを理解すれば子持ちママでも美容看護師として活躍できるため、どのように転職活動を進めればいいのか把握したうえで早めに行動に移しましょう。


看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。

個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。

ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。

これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。