人によって転職理由は異なりますが、その中で子供関係の悩みは非常に多いです。結婚後の人であれば、子供が欲しいと考えるのは普通です。そうしたとき、「産休・育休を問題なく取得できるのか」「出産後も問題なく働ける職場なのか」を心配するのです。

そうしたとき、美容クリニックへの転職は育児にとってどうなのか悩む看護師は非常に多いです。

美容外科・美容皮膚科は一般的な病院やクリニックと大きく診療形態が異なります。また情報量も少なく、働くとなるとどのような職場環境になるのか想像できません。当然、美容クリニックならではの注意点が存在します。

そこで結婚した後に看護師が美容クリニックへ転職するとき、妊娠後の産休・育休の取りやすさや育児中の働き方を見据えてどう求人を選べばいのかを含めて解説していきます。

産休・育休は問題なく取得できる

美容クリニックへ転職するとき、産休・育休は問題なく取得することができます。一般的に美容外科・美容皮膚科はその他のクリニックに比べて福利厚生は充実しやすいです。

看護師の求人では、クリニックよりも病院のほうが福利厚生面で優れることが一般的に知られています。そのため夜勤など過酷な労働ではあるものの、病院は産休・育休の取得が可能になっています。これと同じことが美容クリニックにもいえ、産休・育休を問題なく取得できます。

産休・育休は国の制度のため、誰でも取得できるように思ってしまいます。ただ、実際には「有給休暇を取得できない看護師の職場が非常に多い」という現実が示すように、労働環境が過酷な看護師では国の制度さえ利用できないケースがよくあるのです。

そういう意味では、福利厚生が充実しやすい美容クリニックへの転職だと、産休・育休の取得は問題になりにくいと考えましょう。

妊娠後でも夜勤なし・残業なしを実現可能

さらに、美容クリニックで非常に重要なのが「夜勤なし・残業なし」という事実です。病院で産休・育休を問題なく取得できるとはいっても、妊娠した多くの看護師は職場に不満を覚えるようになります。妊娠中であっても平気で夜勤に入れられるからです。

実際のところ、夜勤は妊娠中の母体に対して大きなストレスをかけることになります。その結果、看護師では切迫流産などのトラブルが起こりやすくなっています。例えば以下は、過去に実施された妊娠時の状態に関する調査結果です。

出典:看護職員労働実態調査

他の職員に比べて、どの調査項目でも看護師で妊娠中のトラブルが多くなっています。例えば切迫流産に着目すると、一般企業のOLに比べて2倍ほどです。つまり結婚後に妊娠・出産を希望している女性にとって、夜勤のある病院勤務を続けるのは、生まれてくる赤ちゃんにとって非常に悪い環境だと分かります。

一方で美容クリニックでは、そうした夜勤がありません。また完全予約制のため、残業なしで帰宅できます。

結婚している人が転職するとき、産休・育休の取得のしやすさだけで考えるのは意味がありません。「実際に妊娠した後、ストレスのない環境で働けるかどうか」を考える必要があります。そうしたとき、日勤のみの美容外科・美容皮膚科は最適だといえます。

結婚後、早めの転職で産休・育休をスムーズに取得できる

なお結婚して妊娠希望なのであれば、いますぐ美容クリニックへの転職を考えたほうがいいです。理由は単純であり、早めに転職していないと、産休・育休を取得するときの条件が悪くなってしまうからです。

産休については、転職直後を含めてどのような人でも取得できます。ただ育休については、その職場で働いている期間が1年未満の場合、取得できないリスクがあります。

妊娠しても、産休に入るまでの半年ほどは継続して勤務する人が多いです。そのため、妊娠する半年前までには転職を完了しておく必要があります。そうしなければ産休に入るまでに1年以上が経過しておらず、育休を取得できない危険性があります。

これが、結婚後で妊娠希望の看護師がいますぐ転職するべき理由です。

転職時期を後ろ倒しにするほど、実際に妊娠した後の育休の取得が不利になりやすいです。妊娠希望の場合、妊娠後や育休後の復帰を含めて問題なく継続して勤務できる美容クリニックを探す必要があるのです。

出産手当金や育児休業給付金は退職するとダメ

ただ中には、「出産したあとに転職すればいい」と考える人もいます。夜勤ありの状況を耐える必要はありますが、産休・育休を取得した後に病院を辞め、育児のしやすい美容外科・美容皮膚科へ転職することを考えるのです。

しかし、この方法だと大幅にお金を損することになります。

産休中や育休中だと、出産手当金や育児休業給付金が支給されます。ただ、これは「いま働いている職場に復帰する人」のみ利用できます。つまり、育休後にいま勤めている職場を辞める場合、こうした給付金を利用できません。

参考までに、月30万円を得ている看護師では以下のような給付金になります。

制度名 看護師に給付される金額
出産一時金 一律42万円
出産手当金 65万円前後
育児休業給付金 180万円前後
合計 約290万円

このうち、出産一時金を除いたお金が入らないため、大幅に損をするというわけです。そのため育休後に転職ではなく、「結婚後は早めに育児のしやすい美容外科・美容皮膚科へ転職し、育休後はそのまま休業前と同じ職場に復帰するべき」というわけです。

なお美容クリニックは元々の給料が高いため、育休中に支給されるお金は高額になりやすいです。年収が高い人ほど産休・育休中に支給されるお金は高額になるため、そうした面でも先に美容クリニックの中途採用募集に申し込むのはメリットだといえます。

育児ママは帰宅時間が非常に重要

そうしたとき、妊娠希望の看護師は何でもいいから美容クリニックの求人へ申し込めばいいわけではありません。美容外科・美容皮膚科ならではの注意点が存在します。

このとき、結婚後の転職で特に注意するべきなのは帰宅時間だといえます。就業時間帯を確認する必要があり、妊娠希望の場合は帰宅時間の問題を解決しない限り、転職しても育休後に復帰できず、結果として後悔するからです。

高齢者がメインの病院やクリニックとは異なり、美容クリニックは会社帰りのOLがメインターゲットです。つまり年齢層は比較的若く、結果として19:00や20:00など夜遅くまで営業している美容外科・美容皮膚科は普通です。

例えば、以下は大阪にある美容クリニックの求人募集です。

このように日勤のみで残業なしであるものの、19:00までの就業時間です。朝は遅めに開業し、夜は遅めまで営業しているのが美容クリニックだといえます。

ただ夜の帰宅が遅い場合、現実的に子育てを続けることができません。しかし、世の中に存在するほとんどの美容外科・美容皮膚科は夜遅くまで営業しています。この問題を解決するため、妊娠希望の看護師は転職するに当たって、以下の事項が可能かどうか確認するようにしましょう。

  • 託児所や時短勤務の有無
  • 妊娠・出産後のパート移行

それぞれの方法について、より深く確認していきます。

福利厚生の託児所や時短勤務を見極めるべき

前述の通り、美容クリニックは福利厚生が整いやすいです。そのため通常のクリニックに比べると、育児という意味でも優れやすいです。

そうしたとき、美容クリニックによっては託児所を備えている場合があります。特に大手の美容クリニックだとこうしたケースが多くあり、一般的な病院と同じように子供を預けることができるのです。例えば、以下は名古屋にある託児所ありの美容クリニック求人です。

こうした中途採用募集であれば、フルタイムであっても問題なく美容外科・美容皮膚科で勤務を続けられます。

または、時短勤務が可能な求人へ申し込みしましょう。このとき求人票で確認するべきは「子供が何歳になるまで時短勤務が可能なのか」だといえます。

法律によって「子供が3歳になるまで時短勤務を認めないといけない」となっています。そのため時短勤務の制度があるのは当然です。ただ子供が3歳になった瞬間に親の手から離れ、フルタイム勤務できるようになることはあり得ません。

つまり時短勤務はどれだけ短くても、子供が小学校に上がるまでは必須といえます。時短勤務の有無だけで判断するのは意味がなく、「いつまで時短勤務を認めてくれるのか」が非常に重要になります。

例えば以下の美容外科・美容皮膚科の中途採用では、小学校3年生になるまで時短勤務が認められています。

他にも福利厚生が充実している求人ですが、時短勤務の条件については非常に優れているといえます。同じ美容クリニックの中でも、結婚して妊娠希望の場合はこうした求人を選ばなければいけません。

妊娠・出産後はパート移行を確認しても問題ない

一方で時短勤務について「子供が3歳になるまで」と決まっている美容クリニック求人も多いです。その場合、いまは正社員として転職することになるものの、妊娠・出産後はパート看護師として移行できないか交渉するようにしましょう。

常勤看護師の場合、フルタイム勤務は当然として、土日についても出勤することになります。そうなると、あなたが実際に妊娠・出産して育児をするとなると、実際のところ働き続けるのが難しくなるケースがあります。

そこで、妊娠・出産後はパート勤務へと移行します。正社員とは異なり、非常勤としてのパート勤務であれば、勤務日数や時間を自由に調節できます。例えば、以下は名古屋にある美容クリニックの非常勤求人です。

平日のみや午前のみであっても勤務可能な中途採用募集です。常勤では無理ですが、非常勤ならこうした働き方を実現できます。

正社員からパートへ変えるのは普通であり、特に大きな問題は起こりません。日勤のみで残業なしなのは優れるものの、実際のところ勤務時間の問題を解決しない限り、継続して働くのが困難になりやすいです。そのため、転職時の段階からパート移行の交渉をしておくのは非常に優れているといえます。

結婚後、妊娠希望の転職で産休・育休を取得する注意点は多い

看護師が結婚したあと、次に見据えるのが妊娠・出産です。こうしたとき、「いまの職場では継続した勤務が難しい」と多くの人が考え、早めに転職します。

早期に転職するメリットは非常に多く、そうしなければ産休・育休での給付金を受け取れません。また美容クリニックであれば、夜勤なしにてストレスの少ない環境で勤務できます。これは、切迫流産の防止にも寄与します。

ただ産休・育休だけに着目すればいいわけではなく、復帰後でも問題なく働けるかどうかを確認しなければいけません。そこで託児所や時短勤務、パートへの移行を含めて求人を探す必要があります。

ここまでのことを理解するからこそ、ようやく美容クリニックへの転職で優れた求人を発見できるようになります。夜勤なし・残業なしの美容外科・美容皮膚科の求人であっても注意点は多いため、何を考えて転職活動するべきか事前に認識するようにしましょう。


看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。

個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。

ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。

これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。