「同じように働くのであれば、条件の良い環境で勤務したい」などと、どの看護師も考えます。そうしたとき、選択肢に挙がるのが美容外科・美容皮膚科への転職です。

一般的な病院とは異なり、美容クリニックでは夜勤なし・残業なしを実現することができます。病院では非常に難しい勤務方法ですが、美容外科・美容皮膚科なら可能なのです。それでいて、高年収なので待遇がいいです。

しかし、好待遇だからといって何も考えずに転職してはいけません。美容クリニックならではの、事前に注意するべきポイントがあります。

ここでは夜勤なし・残業なしでの転職を実現するため、美容クリニックの中途採用募集を考えている看護師について、どう考えて求人を確認すればいいのか解説していきます。

病院と違い、日勤のみ・残業なしの美容クリニック

看護師が学校を卒業した後、一般的には病院で働き始めます。病棟看護師として勤務することで医療に貢献しますが、基本的にどの病院も夜勤があります。また、非常に多くの残業があります。

規模の大きい病院の場合、夜勤を回避するのは新人だと無理です。またサービス残業だけでなく、勉強会・研修会などに出席する必要があるなど、給料に反映されない多くの時間を過ごすことになるのが病院勤務の看護師といえます。

一方で美容クリニックだと、むしろ残業のある職場のほうが少ないです。どの中途採用募集であっても、以下のように残業なしのケースがほとんどです。

東京にある美容クリニックですが、完全予約制なので残業はほぼありません。求人票にこうした記載がなかったとしても、基本的にはどの美容クリニックも残業なしになると考えましょう。もちろん、同時に夜勤はなく、日勤のみで働くことになります。

日帰り手術で完全予約制の美容外科・美容皮膚科

なぜ、美容クリニックで夜勤なしになるのかというと、理由は単純です。美容外科・美容皮膚科ではオペ手術が頻繁に発生するものの、入院が必要になるような大々的な手術ではなく、どれも日帰り手術になるからです。

これについては、あらゆる美容外科・美容皮膚科にて以下のように公式サイトに記されています。

もちろん非常に数は少ないものの、美容クリニックの中で病床を有していることがあります。ただ大手でも病床のないケースがほとんどであり、「美容外科・美容皮膚科の中途採用募集=夜勤なし」と考えて問題ありません。

また、同時にどの美容クリニックも完全予約制です。「来院=診察を受ける」という病院やクリニックとは異なり、美容外科・美容皮膚科はお客さんが来院したとしても、施術をその場で受けることはありません。正式に予約し、後日に再び来院することになります。

施術を行う患者さんの時間が1日の中で決まっているため、一般的な病院やクリニックのように、待合室が患者さんであふれかえることはありません。また暇を持て余した老人ではなく、働いている比較的若い人がお客さんのため、必要ないのにクリニックへ来院してくることもありません。

こうした理由から、基本的にどの美容クリニックであっても夜勤なし(日勤のみ)にて、残業なしの働き方を実現できると考えましょう。

美容外科より、美容皮膚科で仕事の負担が軽い

参考までに、美容外科よりも美容皮膚科のほうが看護師に対する負担は軽いです。これは、美容外科ではオペが存在する一方、美容皮膚科ではオペなしであるからです。

日帰り手術とはいっても、オペがあれば看護師の業務負担は大幅に増えます。事前の準備や片付けまで含めると、注意しなければいけない場面が多くなるからです。一方で美容皮膚科だと、レーザー治療がメインになります。

場合によってはビタミンC点滴などを実施することがあり、採血や点滴の作業が発生するケースがあります。ただ、レーザー照射やその介助が一般的な仕事内容となる美容皮膚科だと、美容外科よりも負担が少ないというわけです。

これについては、人によって目指す勤務条件が異なります。夜勤なし・残業なしの中でも、できるだけ業務負担の軽い美容クリニックを目指す場合、美容皮膚科の求人を狙うといいです。

一方で同じ日勤のみの勤務であっても、高度な美容医療を学びたいと考えている場合、美容外科を含む美容クリニックへの転職を考えなければいけません。どちらも日勤のみ・残業なしではありますが、業務内容の大変さは大きく異なってくることを認識しましょう。

終業時間は遅い可能性が高い

それでは、夜勤なし・残業なしなので何も考えずに美容クリックへ転職するのが優れるかというと、必ずしもそういうわけではありません。確かに残業はないかもしれませんが、帰宅時間は遅くなってしまう可能性があります。

理由としては、美容外科・美容皮膚科は終業時間が遅いケースがよくあるからです。

来院する患者さんのほとんどが高齢者になる病院やクリニックとは異なり、前述の通り美容クリニックに訪れる人の年齢層は比較的若いです。そのため会社帰りのOLなどがメインターゲットです。

その結果、必然的に美容クリニックが開いている時間は後ろ倒しになります。朝遅めに開き、夜遅くまで営業するのです。美容外科・美容皮膚科によっては昼からの営業となることもあります。そうして、19:00や20:00など夜遅くまで営業するのです。

例えば、以下は大阪にある美容クリニックの中途採用募集です。

日勤のみで残業なしですが、10:00~19:00までの営業時間となります。美容クリニックとしては非常に一般的な求人ですが、このように19:00まで勤務することになると考えましょう。また求人によっては、20:00や21:00までが就業時間になっていることもあります。その場合、帰宅時間はより遅くなります。

もちろん1日8時間という一般的な労働時間となることには変わりありません。ただ全体的な帰宅時間は遅めになると認識したほうがいいです。

帰宅時間を考慮することは可能

ただ中には、帰宅時間も早めにしたいという看護師もいるでしょう。特に子育て中のママ看護師では、夜遅くに帰宅する職場だと働けません。「日勤のみの残業なし」なら問題ないわけではなく、帰宅時間についても考えなければいけません。

もちろん、他の理由によって帰宅時間が18:00など、通常の人と同じ帰宅時間になることを望む人もいるでしょう。

そうしたとき数は少なくなりますが、美容クリニックによっては9:00~18:00までの勤務のように、早めに帰宅できるようになっているケースがあります。例えば、名古屋にある以下の求人がこれに該当します。

託児所も備わっており、たとえ育児中の女性であっても問題なく勤務できることが分かります。

また美容医療に特化しているクリニックに限らず、サブで美容医療を提供しているクリニックはそれなりに存在します。メインは皮膚科だが、サブで美容皮膚科を併設しているケースなどです。この場合は完全予約制ではないので残業発生のリスクはあるものの、終業時間は早くなります。

パート勤務でも大きな問題ではない

または就業時間まで気にする人の場合、パート勤務を選択しても問題ありません。美容外科・美容皮膚科では常勤に限らず、非常勤(パート・アルバイト)の中途採用も広く出されています。

正社員とは異なり、非常勤であれば勤務時間を自由に選ぶことができます。ただ美容クリニックのため、高時給にて勤務できるというわけです。

例えば、以下は名古屋にある美容クリニックから出されたパート募集です。

このように勤務日数や時間を自由に調節できます。時短勤務も問題なく相談できると記されており、正社員のように時間いっぱいまで勤務する必要はありません。

それでいて、時給2,000円です。一般的なクリニックにて正社員勤務するときと比較すると、時間給換算では圧倒的にこの求人で働くときのほうが高給料になります。通常のクリニックで常勤勤務するより、美容クリニックで非常勤にて働くほうが高年収になるため、パート勤務の選択を視野に入れるのは悪くありません。

夜勤なしや勤務時間は美容クリニック求人で優れる

看護師の求人では、多くのケースで夜勤があります。40代や50代になると夜勤が減るとはいっても、その歳になるまで耐えるとなると体がもちません。さらには多くの残業や勉強会・研修会なども加わるため、圧倒的に多くの時間労働に割いているといえます。

そうしたとき、夜勤なし・残業なしを実現できるのが美容外科・美容皮膚科です。それでいて高年収であり、夜勤ありの病院勤務に比べて同等または高額な給料となります。

ただ個々の美容クリニックによって求人の内容は異なります。特に勤務時間に関していうと、夜遅くまでの就業になりやすいため、何時までの勤務時間なのか確認するようにしましょう。日勤のみの勤務にはなりますが、帰宅時間が遅くなるケースがよくあるのです。

もちろんその回避方法もあり、具体的にどう行動すればいいのかまで含めて解説しました。美容クリニックは夜勤なし・残業なしが可能ですが、どのような勤務方法を実現したいのか考えたうえで転職活動を行うようにしましょう。


看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。

個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。

ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。

これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。