優れた勤務条件を目指すため、美容看護師の未経験であっても、美容外科・美容皮膚科の求人へ申し込みたいと考える人は非常に多いです。
ただ、一般的な病院やクリニック、施設とはまったく仕事内容が異なるのが美容クリニックです。そのために勤務条件は優れやすいですが、未知の分野なので「美容看護師の未経験でも問題ないのか」「どのような求人を選べばいいのか」と疑問に思うようになります。
もちろん美容整形勤務の未経験でも問題なく中途採用募集に申し込みできます。ただ、事前に注意するべき点はいくつか存在します。未経験だからこそ、求人選びのポイントを理解しておかなければいけません。
ここでは「美容外科・美容皮膚科へ転職希望だが、美容看護師が未経験の場合、どのように求人を探せばいいのか」について解説していきます。
もくじ
未経験歓迎の美容外科・美容皮膚科の中途採用募集は多い
看護師であれば、看護師資格さえさればどのような病院であっても問題なく転職できます。もちろん「大病院は若い看護師でなければ難しい」などの制約はあります。ただ、それでもほとんどの医療機関へ問題なく転職できます。
これは美容クリニックでも同じです。看護師免許さえあれば、美容外科・美容皮膚科の中途採用へ問題なく申し込めるのです。例えば、以下のような横浜の美容外科募集がこれに該当します。
美容未経験でも問題なく申し込めると記されています。こうした求人は多いため、美容クリニックでの勤務経験がなくても問題ありません。
美容クリニックへの転職では、こうした未経験者の転職が実際のところ非常に多いです。病院やクリニックなどで勤務していたものの、「夜勤なし」「残業なし」「高給料」という条件にあこがれて美容整形の求人に申し込むのです。
その結果、未経験OKの求人が非常に広く出されるようになっています。むしろ美容経験者のみ募集している求人のほうが少ないため、未経験であること自体を気にする必要はありません。
年齢制限と臨床経験には注意するべき
それでは、どのような人であっても看護師資格さえあれば無条件で受け入れてもらえるかというと、そういうわけではありません。申し込むに当たり、未経験ではあってもその他の条件があることは理解しましょう。
まず、ほとんどの美容クリニックで年齢制限があります。仮に求人票には記されていなかったとしても、35歳を過ぎた時点で採用は圧倒的に難しくなると考えましょう。
転職市場では年齢が若いほど価値が高く、ある程度の年だと価値がなくなります。その境界線が35歳です。看護師は幸いにも人材不足のため、年齢が高めでもあらゆる医療機関で採用してもらえます。しかし、美容クリニックは例外的に一般企業と同様に年齢制限があると理解しましょう。
例えば以下は、「35歳までの看護師で申し込める」と記されている美容クリニック求人です。
もちろん年齢制限のない求人は探せば存在します。また自由診療だけでなく、医療保険を利用できるクリニックでの勤務なら年齢制限は存在しません。
そのため求人を選べば40代の看護師でも美容クリニックへ転職できます。ただ経験者や未経験者に関係なく、美容看護師の転職では年齢制限の存在が一般的です。
・臨床経験は1~2以上が基本
このとき、同時に臨床経験も必要になることが多いです。未経験OKというのは、看護師未経験の人でも問題ないという意味ではありません。「美容看護師が未経験でも大丈夫」という意味です。
つまり転職するとき、美容クリニックでは病院や一般クリニックでの臨床経験が要求されると理解すればいいです。
精神科や慢性期病棟など、あまり看護技術が要求されない現場で働いている看護師でも問題ありません。美容外科・美容皮膚科では接遇が要求されるため、いずれにしても「患者さんに接したことのある人」が求められるのです。
例えば、以下は東京にある美容クリニックから出された中途採用募集です。
美容看護師の未経験でも問題ない求人として出されてはいますが、応募要項に「病棟勤務1年以上」と記載されています。つまり、臨床経験がなければ申し込みできません。
もちろん中には、看護師自体が未経験でも申し込める求人は存在します。ただ、全体の数としては少なくなると考えましょう。
オペ室の経験があると有利といわれる
ちなみに美容クリニックへの転職では、一般的にオペ室での経験があると未経験であっても採用時に有利だといわれています。
美容整形外科を含め、美容クリニックでは手術をすることがよくあります。二重まぶたのような簡単な手術から、豊胸手術までオペの内容はさまざまです。日帰り手術となるので夜勤はないものの、オペ介助が頻繁に発生するのが美容外科です。
その結果としてオペ室経験者は優遇されやすくなっており、例えば以下は名古屋にある美容クリックの中途採用です。
このように美容外科・美容皮膚科ではオペ室の経験者が歓迎されやすくなります。未経験者の中でも、手術室経験があればそれだけで採用されやすくなると理解しましょう。
・実際にはオペ室経験者は少ない
ただ、当然ながらオペ室の経験者は非常に少ないです。病院看護師であっても、大多数は病棟勤務です。手術室で器械出し看護師を経験している人は圧倒的に数が少ないといえます。
確かにオペ室経験者は美容外科・美容皮膚科の中途採用で有利です。しかし必ずしも経験が必要なわけではなく、あくまでも参考程度に留めておけば問題ありません。
美容皮膚科で未経験者歓迎が多い
ちなみに美容クリニックの中には、美容皮膚科に特化している求人が存在します。手術が必須となる美容外科とは異なり、美容皮膚科であればほぼ100%の確率で未経験者歓迎になると理解しましょう。
脱毛を含め、レーザー治療が美容皮膚科のメインとなります。特にオペをするわけではなく、看護師はレーザーを患者さんに当てるだけとなります。
つまり美容外科に比べて仕事内容での負担は少なく、いってしまえば誰でも行えてしまう求人だといえます。その結果、美容外科よりも美容皮膚科にて未経験者歓迎の求人募集が出されやすいというわけです。
実際のところ、美容外科であっても看護師の経験自体が未経験で問題ないケースがほとんどです。そのため初めての美容クリニック転職で心配な場合、美容皮膚科への転職を視野に入れても問題ありません。
プリセプター制度など、教育制度の確認は必須
なお美容看護の仕事内容は特殊だといえます。来院する人は患者さんではなく、健康な体のお客さんです。また病気の治療ではなく、美しくなることを考えての来院です。美容クリニックに来る人というのは、病院とは要望がまったく異なるのです。
それに応じて接客方法や施術内容も大きく変わるため、いくら前職で優れた看護を提供していたとしても、役に立たないケースは多いです。
そこで美容外科・美容皮膚科へ転職するときは教育制度について確認するようにしましょう。大手でも個人クリニックでも、プリセプター制度など新人教育に力を入れている美容クリニックであれば、未経験での転職であっても仕事に従事しやすいです。
例えば、以下は大阪にある大手美容クリニックの求人です。
もちろん教育制度やプリセプター制度とはいっても、個々の美容外科・美容皮膚科ごとに内容はまったく異なります。そのため求人票にある情報だけでなく、実際の中身についても確認しなければいけません。
ただいずれにしても、美容医療の未経験者は転職後にしっかりと教育をしてくれる求人へ申し込むといいです。
ノルマが不安な場合は営業なしを選ぶ
また美容クリニックへ未経験者が転職するとき、他にも不安に感じる点があります。それがノルマです。病院勤務では絶対に存在しないノルマが美容クリニックだと平気で存在します。
美容クリニックは自由診療であり、そのために一般的な病院やクリニックに比べて収益性が非常に高いです。ただ「来院=診療して収益が入る」という病院とは異なり、高額な美容医療の施術を受けるかどうかを決めるのはお客さんです。
また病院とは異なり、オリジナル化粧品を活用してもらうための販売促進をすることもあります。こうして利益を追求していくため、ノルマありの美容クリニックがそれなりにたくさん存在するのが特徴です。
ただ看護師の中で営業経験のある人はほぼ存在せず、未経験者ではノルマありの求人に申し込むのをためらってしまいます。そうしたとき、ノルマなしの求人を選んでも問題ありません。例えば、以下のような中途採用です。
ノルマや勧誘電話などはなく、美容クリニックの中にはこうしたノルマなしの中途採用も存在します。美容看護師の未経験者であれば、こうした求人を積極的に探しても問題ありません。
志望動機を事前に考え、履歴書・面接対策を行う
そうしたとき、美容外科・美容皮膚科の未経験者はどのように考えて採用に望めばいいのでしょうか。中途採用募集へ申し込むにしても、必ず必要になるのが履歴書の提出や面接です。ここでは志望動機・自己PRを述べる必要があります。
経験者であれば、それまで過去の経験を述べれば問題ありません。ただ美容医療が未経験だと、どのように志望動機を求人先に伝えればいいのか理解しにくいです。
これについては、「前職での経験」「美容クリニックに興味をもった理由」「その求人先でなければいけない理由」を述べるようにしましょう。例えば、以下のようになります。
精神科で勤務しており、以前にメイク講座を開催したことがあります。精神疾患は心の持ちようでも症状改善しますが、女性患者さんの場合はメイクだけで快方に向かう人が多くなり、美容医療に興味を持ちました。 貴院は美容医療の中でも、さらに細分化された専門医が在籍しています。そのためより高度な美容医療により、お客様の内面さえも輝かせる看護を実現できると考えて応募しました。 |
この場合、精神科での経験や美容医療への興味、さらには求人先の特徴についても含まれています。こうした内容について、あなた独自の志望動機・自己PRの内容を考えるようにしましょう。
どこにでも通用する志望動機では履歴書や面接で落とされます。未経験だからこそ、中途採用先だけに通用する内容を考える必要があります。
未経験として美容医療の看護師へと転職する
看護師という資格は専門性が高いものの、医療には非常に多くの科が存在するため、転職によってゼロから覚えなおさなければいけないケースはよくあります。その一つが美容医療であり、美容クリニックは一般的な病院・クリニックとは仕事内容がまったく異なります。
もちろん来院してくるお客さんの特徴についても、病院とは大きく違います。そのために美容看護師の未経験者は転職の検討をためらいますが、求人を選べば問題なく転職できます。
ただ未経験でも問題ないのは当然として、他にも年齢制限や教育制度、ノルマの有無など確認するべきポイントはたくさんあります。
何でもいいので未経験OKの求人に申し込むのではなく、事前に注意するべきポイントを把握しましょう。そうして転職活動を進めることで、美容医療の未経験であっても看護師として優れた求人へ申し込めるようになります。
看護師が求人を探すとき、多くの人が転職サイト(転職エージェント)を活用します。特に美容クリニックは求人自体が特殊であり、自分だけの力で探すのは現実的ではありません。
個々の美容外科・美容皮膚科によって「ノルマの有無」「取り扱う施術」「年齢制限」など基準はバラバラです。また、大手と個人クリニックでも特徴が異なります。そこで、美容クリニックの求人を広く取り扱う転職サイトを利用しましょう。
ただ通常、看護師の転職エージェントは「一般的な医療機関の求人」がメインです。そこで、どの転職サイトを利用すれば美容外科への転職が可能になるのか理解しなければいけません。さらには、転職サイトごとに「対応エリア(応募地域)」「非常勤(パート)まで対応しているか」などの違いもあります。
これらを理解したうえで専門の転職エージェントを活用しましょう。以下のページにて転職サイトの特徴を解説しているため、転職サイトごとの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。